アプリもヒトも日々、鍛錬を。『FOD』が大切にしている7つの習慣

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2018.02.27
アプリもヒトも日々、鍛錬を。『FOD』が大切にしている7つの習慣

目次

本記事は、2018年2月27日に開催した 「アプリの虎 Vol.2」での発表内容を元にしたイベントレポートです。Webを中心にサービスを提供していた企業のアプリへのシフトはここ数年でますます進んでおり、非IT企業においてもアプリを自社事業に活用することで成果を得ている企業が増えてきています。『FOD』のご担当者様に自社アプリにおけるプッシュ通知のノウハウをお話していただきました。

事業の紹介

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『FOD』は、フジテレビで放送されたドラマやバラエティ番組の最新話を最大7日間無料で視聴できるアプリです。

『FOD』の強みは、地上波より先に配信する「オリジナルドラマ」と『FOD』でしか見ることができない「独占作品」が豊富なこと。オリジナルドラマの中に、現代の新たな男女関係“パパ活”を題材にしたラブストーリー「パパ活」という作品がありますが、こちらは過去に多くの月9ドラマの脚本を手がけてきた野島伸司さんという有名な脚本家に脚本を書いてもらったもの。数々の伝説を作り出した脚本家による切り込んだ内容の作品で2017年後半、話題になりました。

『FOD』を始めた理由と目的

日本国内の人口は、どんどん減少しつつあります。それによって広告媒体としてテレビの価値も下がるなど、テレビ局は今、数えきれないほどの課題を抱えている。課題解決のための1つの手段として、私たちはアプリの提供を始めました。 『FOD』が果たす役割は、地上波で放送している番組をリアルタイムで見ることができない方々に提供すること。そして、その分のテレビ広告の収入を補完できるようにすること。この2点を補うことによって、フジテレビ全体の収入補完も果たすことができると考えています。

『FOD』は会員になると雑誌や漫画などが読み放題になるサービスも追加されます(一部は無料で読むことができます)。このサービスも好調ですし、成長市場でそれぞれのポジションを確立させることが今後の目標です。

アプリを使ったグロース事例

リテンション

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リテンションを高めるためには、セグメント別のプッシュ通知とプッシュ通知の配信後にアプリの起動後に表示されるアプリ内メッセージに注力すべきです。

一番左は、プレミアム会員に向けて毎月8のつく日にポイントをプレゼントする施策です。このポイントを使って、書籍の購入や見放題ではない新作の映画作品を視聴することができます。この他、お知らせ機能やお気に入り登録の利用を促すアプリ内メッセージを送ったところ、総体的にリテンション率を110~130%向上させることができました。

分析

もう一つ、リテンション向上させるために大事なのが分析です。

機能軸

『FOD』では、アプリDL後の初回起動時から一週間以内の再来訪率と再来訪数を機能軸としてグラフでまとめています。「お試しに登録した」「お気に入りに追加した」など、一週間以内の使用ステップに応じてプッシュ通知やアプリ内メッセージを送り、コミュニケーションを取りましょう。ステップに応じたアクションの設計をしっかり行ったことで、私たちはリテンションを高めることができました。

作品カテゴリ

各ユーザーがどんな作品を選んでいるかを周知することは、動画サービスにとって重要なこと。そのため、特定の作品カテゴリだけに興味があるか、様々な作品カテゴリに興味があるかをグラフにまとめています。2000年代のドラマを中心に観ている人に対してまだ視聴していない2000年代のドラマをおすすめすれば、視聴率も上がります。このようにユーザーの興味を分析し、セグメント別に訴求することでさらにリテンションを高めることができるのです。

アプリ運営で大切な7つの習慣

私がアプリを運営している中で大切にしている7つの習慣を皆さんにお伝えしましょう。

① 自分の感覚を疑う

サービス提供者側にいると客観視ができないため、本当にこのサービスがユーザーのためになっているのかわからなくなることがあります。 自分が変わらないとサービスも変えることができないので、自分の感覚を疑う癖をつけ、主体的に動くようにしましょう。

② 早く決める

デジタル事業は変化がとても早いので、迷ったらとりあえず挑戦してみることが大事。ただ無作為に着手するのではなく、利用者にどんな体験をしてもらいたいかを具体的に思い浮かべながら動きましょう。

③ 振り返る

振り返りをした時、反省はしても後悔はしないこと。大事なことは、今回の結果をどのように次回の施策に生かすかを考えて迅速なPDCAを回すことです。とはいえ、アプリを運営していると緊急に対応すべきことが出てくるはず。その場合は、緊急ではないけど重要なことを最優先させましょう。

④ 自分が1番のヘビーユーザーになる

自分がアプリを日常的に利用していないと、ユーザーの気持ちはわかりません。同じサービスに長く携わっていると、慣れ親しんでしまい感覚が鈍くなりますので気をつけましょう。 自分がヘビーユーザーになれば、「Win-Win or No Deal(※)」の価値観を深く理解することができます。『FOD』は月額課金制のサービスですが、ユーザーが退会しづらいような導線を設計するのはWin- Winではありませんよね。あくまで自分だったらどう感じるか、ユーザー感覚を維持しつつ「Win-Win or No Deal」の価値観を保ちましょう。
※合意できないことに合意するという意味。7つの習慣より

⑤ 利用者理解に徹する

定量分析や定性分析など、いろいろな角度から調査を行いましょう。その結果からユーザーが理想とする体験に着目し、サービスを設計することが大事です。

⑥ ナレッジを共有する

成功体験を属人化させないためにも、社内でベストプラクティスを共有しましょう。より良いサービスへと進化させるために、デザイナーやエンジニアなどを含め社内全体を巻き込んでいきます。社内の他チームと連携し、ナレッジを共有することで、互いのサービスの良いところを反映し、より良いものへと昇華させていくことができます。

⑦ 鍛錬を続ける

これらの習慣を続けるために、トレンドや競合事例に広いアンテナを張りましょう。 組織内で良好な人間関係を築くためにも、自分自身を磨いて、深みを出していくことはチームに好影響を与える上で重要です。 地道こそ近道、鍛錬を続けていきましょう。

※本記事は2018年2月27日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。

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