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【登壇資料あり】感覚だけに頼らない!『カウル』の失敗しないアプリ改善方法とは?

本記事は2019年7月9日に開催した「aCrew」での発表内容をもとにしたイベントレポートです。

30兆円を超える巨大市場を抱える不動産業界。現在では大手から新興ベンチャー企業がIT活用による事業効率化だけでなく、新しいビジネスモデルを模索するなど、古くからの慣習や法規制により長らく遅れていた同業界にイノベーションが起ころうとしています。

このイベントでは、そんな不動産業界に革新を持ち込むハウスマートのマーケティング/事業責任者をお招きし、ビジネス成功のためのノウハウを共有していただきました。

今回は株式会社HousemartのCTOである高松 智明氏に『カウル』アプリのグロースのノウハウについてお話して頂きました。

登壇者紹介

株式会社Housmart 取締役CTO 高松 智明氏

自己紹介と事業説明

株式会社Housmartで取締役CTOをしております、高松と申します。弊社ではアプリを提供しているので、本日は失敗しないアプリの改善方法についてお話させていただけたらなと思います。よろしくお願いします。
弊社で運営しているアプリ、『カウル』は「かしこくマンションを購入できるサービス」です。アプリをダウンロードして、希望条件を入力すると、機械学習が自動でおすすめの部屋を提案します。
また、過去の売買事例や成約案件を機械学習が分析し、物件の相場や将来の資産価値をシュミレートすることもできます。

こんなアプリ改善方法は失敗!?してはいけないアプリ施策とは?

改めて本日のテーマである「失敗しないアプリ改善」ですが、皆さんはどのように進めていますか?新規機能を”思いつき”でどんどん開発したり、目についたところから直していくという進め方をしていないでしょうか。
そのような方は少し立ち止まってみましょう。以下のような理由が挙げられます。

・アプリは便利になったが、KPIが伸びない
・スタートアップでやったほうがいいことは無限にあるが、何を取捨選択するかが大事
・時間もリソースも有限なのでちゃんとKPIに効くことを優先してやる必要がある。

アプリの施策は手順を踏んで回す!

このような失敗をしない為にも施策を回す際は手順を踏んで行う必要があります。
以下の手順でアプリを改善しましょう。

1.KPIツリーの明確化
2.考える土台となるフレームワークを決める
3.定量的にボトルネックを見つける
4.定性的に施策を考える
5.計測して振り返る

1つずつ細かくみていきましょう。

KPIツリーを明確化する

まず、KPIツリーを明確化します。プロダクトのKPIの成長が、ビジネスの成長につながるような内容を定義しましょう。

カウルのKPIツリーはこのようになっています。

アプリの役割は「登録してくれたユーザを、見学に何人を連れて行くことができるか?」なので見学UU数をKGIに置いています。
KPIツリーの中でアプリが改善できる指標は「リテンションレート」と「見学率」なので、この2つの指標をターゲットに絞り、徹底的に改善を図ります。

フレームワークを決める

次に考える土台となるフレームワークを決めていきます。
カウルはアプリインストールから、見学に至るまでのステップをこのように定義しています。

これをデータとしてパネルにして計測し、どのステップでユーザーがつまずいているのか、可視化して改善するのです。

「なぜフレームワークを使うのか?」という疑問に対して、メリットは以下の通りです。

・みんなで共通認識を持って施策を回すことができる
・土台があるとアイデアが出てきやすいし発散しすぎない
・有名なのはAARRRモデル
・計測できることが大事

例えばECアプリの場合であれば

最終購入日からの日数とLTVでマトリックスを作り、ユーザーごとの行動を比較してヘビーユーザーを増やす方法を考えることができます。
有名なものだと、最近のnoteさんです。

コンテンツを作る作者が増えるとコンテンツが増える。コンテンツが増えると読者が増えコンテンツが売れる。コンテンツが売れると作者が集まる。というきれいなループを考えています。
このつながりを最大化することでグロースアップしているそうです。
本当に簡単なものからでいいので、もしやっていないのであれば、やっていただければと思います。

定量的にボトルネックを見つけて、定性的に施策を考える

ここからはどういう施策を打つか考えます。
定量的にボトルネックを見つけて、定性的に施策を考えましょう。

ユーザーのアクションは細かくトラッキングしましょう。実際に計測を行わないと中々改善を進めることができません。

我々カウルは4タブ構成とそこまで複雑なアプリではないのですが、200か所以上のイベントからページビューボタンクリックまで様々なアクションを計測しています。

その上で、施策ごとに足りない指標があれば、他のアクションの計測も追加で行うのです。

上のように定量的なユーザーのパネルを見ると、物件をお気に入りしたけれど、見学をしていないユーザーが多いことは明らかです。

そこで定性的に施策を考えます。実際に行った施策は以下の3つです。

・コンバージョンボタンの大きさや周辺に改善の余地がないか分析した。
・そのステップで滞留しているユーザーを実際に招き、インタビューを行った。
・コンバージョンボタンの周りに、人の顔を出して安心感を与えるような施策を行った。

計測して振り返る

実際に3つの施策を実行することができましたが、ここで終わりではありません。施策の効果を計測して振り返りましょう。

我々は毎月、実行した施策によって期待した通りアクションが増えているかどうか話し合い、その施策が有効なものだったか判断しています。上のグラフの場合はCV数が増えているので有効な施策だったと判断するわけです。

このような振り返りは施策の勝率を上げるためにとても重要です。チーム全体で話し合うことで、どの施策がヒットしてどの施策がダメだったかという知見が溜まっていきます。プロセスに「振り返りと改善を取り込むこと」はとても大事です。

もし計測して振り返ったとき、効果が十分でなかったら4番に戻り追加の施策を考えましょう。一方でボトルネックが解消しているようなら、新たなボトルネックを3番で見つけましょう。

このフレームワークに関してもうまく機能しないようならフレームワークごと変えるなど柔軟に対応しましょう。

最後に

最後に注意してほしいことは以下の通りです。

・ユーザーの気持ちになって定性的に解決方法を考える、数字偏重になりすぎない
・小さい改善ばかりやってくると効果がでなくなってくるので大きめの機能開発も視野に入れる、バランスが大事
・ロードマップのための開発とKPIグロースのための開発は分けて考えるべき、KPIグロースだけしててもダメ

本日のまとめとして

・感覚で施策を考えるのはやめる。
・ちゃんと手順に沿って施策を回すことができれば、失敗する確率を減らすことができる。
ということをお話しさせて頂きました。

カウルはこの方法で今年の3月位からかなりの人手を割いて改善を試みました。その結果、アプリユーザ経由の見学申請率は4ヶ月程でおよそ2倍になったのです。

改めて、ユーザーとまっすぐ向き合うことはとても大事なことだと実感しました。

おまけの話だと新たなフレームワークの見直しや、自社でデータウェアハウスやソースを作成した話もありますので、ぜひ機会があればまた登壇させてください。

私からは以上です。ありがとうございました。