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【登壇資料あり】漫画アプリも「サブスク」の時代に!?
『GANMA!』が挑戦する新たなマネタイズの形とは。

本記事は2019年8月1日に開催した「 aCrew for comic」での発表内容をもとにしたイベントレポートです。

アプリ業界で今なお勢いのある市場の一つである漫画アプリ。コミック誌の発行部数が落ち込む中、デジタルコンテンツとしてのマンガは、スマートフォンで楽しめる手軽さもあいまって、年々売上を伸ばし続けています。

現在は大手出版社から新興ベンチャー企業まで、様々な企業が漫画アプリを提供しており、ビジネスモデルに工夫を凝らしたサービスも次々と登場し、ひときわ盛り上がりを見せています。

本イベントでは人気の漫画アプリの担当者をお招きし、ユーザー獲得や継続、マネタイズ、コンテンツ戦略等にどう取り組んでいるかをお話していただきました。

今回は『GANMA!』取締役 福西 祐樹氏に漫画アプリの新たなマネタイズの形についてお話を頂きました。

登壇者紹介

コミックスマート株式会社 『GANMA!』取締役 福西 祐樹氏

自己紹介とサービス説明

簡単に自己紹介させていただきます。『GANMA!』という漫画アプリで主にプロダクトオーナーをしております。福西と申します。

宣伝マーケティングも監修しているので、集客とグロースアップの施策、プロダクト開発も担当範囲です。

『GANMA!』は5周年を迎え、今年で6年目に入りました。最近のPV数やダウンロード数に関してはグループのIRで発表しておりますので、もしご興味があれば見ていただけたらなと思います。ユーザー属性は若年層がやや多めで、オリジナル漫画がコンテンツ全体の9割程を占めています。近況報告としていくつかトピックスを持ってきました。

クラウドファンディングによる新たなマネタイズの形とは

 

 

『GANMA!』の大きなテーマの1つが「オリジナル作品の収益化」です。失敗したものもありますが、3年ほど前から『CAMPFIRE』のクラウドファンディングを用いて20個ほどプロジェクトを行っております。

その中の一つが「全巻書籍化プロジェクト」です。つい先日、『GANMA!』のオリジナル作品である「あかつきのベイビーズ!」が完結しました。

『GANMA!』で全話無料で読むことができるのですが、物語が完結するタイミングでクラウドファンディングを開始し、目標を達成することができれば全巻書籍化して発売します。我々は書店さんとのパイプを持っていないので、自社出版を行っています。

2年ほど前からクラウドファンディングで受注生産を行っているのですが、単体のプロジェクトで1,000万円台に乗りそうなところまで来ているのです。今まさに稼働中のプロジェクトがもう1個ありますが、それも700万円台に入ってきています。

クラウドファンディングは締め切り直前に更に金額が集まるので、もし1,000万円台に乗れば

かなり大きなトピックになり、新たなマネタイズの形を提案できると考えています。

「リセットゲーム」は読者数NO.1の人気コンテンツなのですが、昨年12月に映像監督に堤幸彦さん、主演に真剣佑さんを起用して実写映像化しyoutubeで配信しました。

インストール数を稼ぐ施策は行ってきましたが、オリジナルのコンテンツという『GANMA!』の生命線を前に出していかないとイノベーションは起こらないのでやり方を変えていかないとなと考えています。

Youtubeチャンネルもあるので、興味のある方はぜひご覧ください。

漫画アプリもサブスクリプションサービスの時代に

数年前から細々とは行っていたのですが、昨年の12月に『GANMA!』はサブスクリプションサービスをメジャーアップデートしました。1話ごと、1巻ごとに買うのではなく、月額の料金で完結した漫画ならどれでも読むことができます。

グラフを見るとメジャーアップデートした12月から売上が伸び続けています。もともとは360円だったのですが、680円と単価を上げ、提供価値を変えました。

今までは連載中の最新話を一週間早く読むことのできる機能のみだったのですが、現在は他社様のコンテンツを月に6個位調達させていただいてプレミアムユーザーに配信しております。

プレミアムユーザーが読めるのは外部コンテンツや『GANMA!』のオリジナルコンテンツといった完結作がメインです。オリジナル作品に関しては、読まれた分だけ作家さんに還元する仕組みになっています。

完結した漫画の収益化は非常に大変です。連載をしていないと中々売れないんですね。しかしこの仕組みを始めてから、従来0円だったものが作家さんによっては数十万円もの利益を得ることができるようになりました。

『GANMA!』のオリジナル作品と外部の作品では読者層や読者数が違います。我々は課金の直前・直後にユーザーがどのような行動をとっているのか、いわゆる課金トリガーに特に注力して分析しています。

上のグラフはユーザーが読んでいる作品の割合です。当然ながら外部のコンテンツはコストをかけて調達をしているので、多くの割合を占めています。オリジナル作品の割合はまだ少ないですが、連載中の作品も多数あり、今後オリジナル作品のストック数は増えていきます。そこでサブスクリプションの価格を変えなければユーザーや継続率、新規のプレミアムユーザーも増えていくだろうと考えています。

顧客分析

他にも4月から本格的に顧客分析を行っています。

このキーワードを見れば分かる方もいらっしゃると思いますが、元スマートニュースの西口さんの出された本をトレースしています。各キーワードの調査頻度は上の通りです。

顧客ピラミッド・11セグマップ


『GANMA!』では月に一回5つのサービスを比較して調査をしています。3つのサービスは固定、他2つのサービスは入れ替えて調査をしたところ、『GANMA!』の認知度は25%でした。予想していた数値よりも高い結果だったので、調査を実施して非常に良かったと思っています。

またこの5つの漫画アプリの中ならどのアプリを選ぶかというブランド選好度調査をしています。この調査では『GANMA!』は20%でした。

中にはショッキングな結果もありました。我々は毎日『GANMA!』を利用していただいているユーザーさんをスーパーロイヤルユーザーとしているのですが、その中でpositive(好意的)と感じている人は半分ほどしかいなかったのです。

属性分析


なぜ利用しているのか?なぜ利用をやめてしまったのか?どんな印象を持っているのか?選択肢の中から選んでもらい属性分析をしました。これを『GANMA!』を含む3つのサービスで調査をしたのです。

その結果3社で最も多かったのが、「無料で読めること」でした。そこでそれぞれのサービスの特徴を抜き出したものが上になります。

こうした特徴は感覚的に分かってはいたのですが、きちんとデータで認識することがプロダクトの改変やマーケットの施策にもつながるのでとても重要だということが分かりました。

N1分析


一対一のインタビューは適宜行っています。私の場合は大学生の人生相談に乗る代わりに、30分彼らのスマホ事情について聞かせてもらうのです。

インタビューするとヒントになることがたくさんあります。私は雑誌を読む方だったので、初回無料機能にあまり馴染みがありませんでした。初めて読む漫画は事前まで読むことのできる機能です。インタビューで改めてその機能のすごさを実感しました。他にも自社サービスと他社サービスとの違いなど様々なことを聞き、多数派の意見があれば取り入れています。

1対1のインタビューは30分から1時間という長い時間をとるので大変ですが、社内の理解も高まりますし、自分の見えていなかった景色が確実に見えるのでまだ3ヶ月しか行っていませんがとにかくおすすめです。