2025年6月20日の最新アプリマーケティングニュース。6月13日から6月19日(日本時間)までに起きた、アプリマーケティングに関する世界のニュースをピックアップして紹介します。WWDC25で発表されたApp Store新機能に具体的な動きが見えたり、TikTokの広告クリエイティブプラットフォームに驚くべき新機能が追加されたり、今週もアプリマーケティング業界は活発に動いていました。また、WWDC25の情報で埋もれていたトピックも改めて取り上げています。
※本記事での日時の記載は、特別な記載がない限りすべて現地時間です。
2025年6月14日、「TechCrunch」がApp Storeのタグ機能について報じています。これはWWDC25で発表された新機能のひとつで、App Store内の主要ページにタグが表示され、タグをタップすると紐づけられたアプリの一覧にアクセスできるというもの。ユーザーのアプリ探索を容易なものにします。今回のリリースは開発者向けβ版であり、現在のApp Storeには影響を与えていません。
なおこの記事では、プロダクトページに掲載されるスクリーンショットのAIによる読み取りについても言及しており、興味深い説明をしています。スクリーンショットの画像もAIの読み取り対象となっており、その内容がタグ付けや検索結果に影響することを示唆しているのです。スクリーンショットのPDCAはCVR改善に重きをおいてを実施することが多かったのですが、検索結果への影響やタグ付けへの影響も考慮する必要がありそうです。
先週報じるべき更新だったのですが、WWDC25の話題に埋もれてしまう可能性を鑑みて本日の発信としています。2025年6月9日、Appleが「App Reviewガイドライン」の更新を発表しています。下に変更点をそのままに引用します。App Reviewガイドラインは、App Storeへのアプリ掲載可否の基準となる重要な規定です。確実に頭に入れておきましょう。
- 3.1.2(a)2項:この項の文言「同じデベロッパの複数のアプリやサービスで同一のサブスクリプションを共有することもできます」を削除しました。
- 3.1.2(a)5項:この項の文言をガイドラインの3.2.2(x)に移動しました。
- 3.2.1(viii):金融関連のアプリについて、そのアプリが提供される地域で必要なライセンスおよび認可を取得している必要がある旨を明記しました。
- 3.2.2(x):この新しいガイドラインに、ガイドラインの3.1.2(a)5項にあった文言を移動し、デベロッパがその他の方法で、アプリ内で特定のアクションをユーザーに促すことができる旨を記載しました。
特にピックアップしておきたいのが、下記の更新です。
3.1.2(a)2項:この項の文言「同じデベロッパの複数のアプリやサービスで同一のサブスクリプションを共有することもできます」を削除しました。
2025年6月20日現在、日本語版のガイドラインは更新されていないのですが、前者は、複数のアプリでサブスクリプションプランを共有できなくなる可能性を示唆しており、サブスクリプションプランの練り直しが必要になるケースが想定されます。
後者はグローバル版に以下のような文章が追加されています。
(x) Apps must not force users to rate the app, review the app, download other apps, or other store-related actions in order to access functionality, content, or use of the app. Apps may otherwise incentivize users to take specific actions within apps (e.g. completing a level, watching an ad).
(Google翻訳による日本語訳)(x)アプリは、機能、コンテンツ、またはアプリの利用にアクセスするために、ユーザーにアプリの評価、レビュー、他のアプリのダウンロード、その他ストア関連のアクションを強制してはなりません。ただし、アプリ内で特定のアクション(レベルのクリア、広告の視聴など)を実行するようユーザーに促す行為は認められます。
以前までは、「3.1.2(a)許容される使用方法」の5項として下記のように掲載されていた文章を移動し、追記したもの。禁止事項に変更はないようですが、「実施してもよい」ケースが明記されています。
ユーザーがアプリの機能やコンテンツにアクセスしたり使用したりする際に、アプリの評価やレビュー、他のアプリのダウンロード、同様のその他アクションをユーザーに求めることはできません。
こちらも少し遅れてのピックアップ。2025年6月11日、Googleが「Android Studio」の「Play Policy Insights」のβ版について発表しました。この機能は、アプリ開発中にGoogle Play ポリシーに関する潜在的な問題を警告し、提出前のリジェクト回避を容易にするもの。コードの作成時にリアルタイムでアラートを表示してくれます。
アプリのリジェクトは、自社のビジネスに直接的な遅延を招くほか、リリース延期によるユーザーからの信頼低下も懸念されます。開発初期段階でのフィードバックはデベロッパーにとって大きなサポートになるでしょう。
■Play Policy Insightsの動作画面
2025年6月16日、TikTokがAI広告プラットフォーム「Symphony」への新機能追加を発表しました。
なかでも注目なのは「Showcase Products」。画像をアップロードしてアバターを選択するだけで、アバターがあたかも商品に触れたり、着たりしているような動画を作成できるといいます。AIによる広告クリエイティブ制作の進化が止まりません。
■Showcase Productsの利用イメージ
2025年6月20日の「Reuter」の報道です。TikTokの米国資産売却期限を9月まで延長する大統領令にトランプ米国大統領が署名しました。TikTokの売却もしくは閉鎖の法的な執行延長は今回で3度目。今後の動向が注目されます。
TikTokの買収については、AmazonやMicrosoft、Oracleなどの大企業が手を挙げているといいます。TikTokはすでにアプリ広告のプラットフォーマーのひとつ。売却先によってはアプリ業界に大きなインパクトをもたらすことは間違いありません。