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メディアが注目したくなるアプリとは?アプリブ編集長が本音で語ったセミナーレポート|Repro Journal

作成者: Repro Journal編集部|2025.06.13

2025年4月8日配信のReproオンラインセミナーに、国内最大級のスマホアプリに特化したメディア「アプリブ」から、編集長の伊藤真二氏と編集部の加川愛美氏が登壇。すべてのアプリ関係者が知っておきたい「メディア視点で取り上げたくなる・注目したくなるアプリ」について、Reproのアプリエヴァンジェリスト・中野竜太郎と語り合いました。

アプリインストールのハードルは年々上昇、そのなかでメディアが注目するポイントは?

年々アプリ間のユーザー獲得競争が激しくなっていることを実感しているアプリマーケターの方も多いのではないでしょうか。アプリブ編集長の伊藤氏は、アプリ業界全体に共通する傾向として「新しいアプリをダウンロードするハードルが確実に上がっている」と指摘。スマートフォンが生活において当たり前の存在となった昨今、新しいアプリを能動的に探そうというユーザーは稀有な存在となり、友人や家族、SNSなどの「口コミ」をもとにダウンロードされる傾向が強まっているようです。

この点にはRepro中野も「会う人会う人に面白いアプリを聞いているが、ここ数年はほとんど新しい話が出てこなくなった」と強く共感。さらに、Repro独自の調査から、モバイルアプリのインストールは「直近3カ月で1~2個が最多」というアプリ担当者にとっては頭が痛くなるデータに言及しました。

モバイルアプリのインストール実態調査」より

こんな時代だからこそ、アプリにとって重要になるのがメディアに取り上げられ注目をされること。伊藤氏も「メディアをアプリ認知獲得の手段にしてほしい」と語ります。

メディアへの掲載はプロダクトとしての「信頼性」の証になると同時に、SNSや他メディアへの波及といった話題の連鎖、つまり「拡散力」を生むチャンスであり、普段はアプリストアをチェックしていないユーザーに対しても、認知・関心を得てインストールへと進む橋渡しをする存在になり得るのです。

本音で発表!メディアが積極的に取り上げたくなるアプリとは?

では、実際にメディアが「取り上げたくなるアプリ」にはどのような特徴があるのでしょうか。

アプリインストールの傾向が変化した昨今、アプリブでは「アプリが話題になる必然性」や、「思わず誰かに教えてあげたくなるアプリかどうか」に着目しながら、掲載するアプリを選定しているそうです。

具体的にアプリブ編集部がネタ選びに当たって注目しているポイントとして、以下の3点があることが明らかになりました。

【1】読者が「既に知っている・使っている」アプリの変化
【2】ユーザーの生活を変えるような進化・課題解決
【3】社会やトレンドとリンクしているジャンル

【1】読者が「既に知っている・使っている」アプリの変化

ユーザー数が多いアプリの場合、仮に小さな変化であっても、それだけで注目されるネタになり得ます。たとえば、LINEのサブプロフィール、DAISOアプリの在庫検索、TimeTreeの共有アルバムといった「新機能」の登場、あるいはファミペイやバーガーキングのキャンペーンといった「変化」が挙げられていました。

とはいえ、ここで列挙されたアプリのような「既に知っている・使っている」という段階に至るまでには様々な努力が必要で、どんなアプリにでも今すぐ同じ取り上げられ方ができるわけではなさそうです。

【2】ユーザーの生活を変えるような進化・課題解決

続いて挙がったのが、今までになかったような進化したサービスや、ユーザーの生活課題が解決されるといった、「進化・課題解決」の話題。

例として、今年2月にリリースされた「東京アプリ」や、面談するだけでお金がもらえる転職アプリ、マイナ免許証や最近ミドル・シニア向けが注目を集めつつあるマッチングアプリ、実際に大きな話題になった「メルカリモバイル」などが挙がりました。

さらに、何らかの主要アプリがサービス終了などで使えなくなったタイミングで「後継アプリには何がある」といった情報も、ユーザーの生活を変える大きなニュースバリューがあるといいます。

【3】社会やトレンドとリンクしているジャンル

そしてもう一点、社会的なトレンドを踏まえた「今、話題になっている」という情報にも、メディアに取り上げられるチャンスがあります。

最近の例として、「確定申告がラクになるアプリ」や、近年人気急上昇中で2025年上期の日経MJヒット商品番付にも選出された「縦型ショートドラマ」の視聴アプリを紹介。さらに「桜開花予想アプリ」を取り上げたアプリブの記事では、編集部の加川氏が予想が当たるかどうかを検証してレポート記事にしたそう。

ちなみに現在(2025年6月5日)のタイミングでアプリブの特集ページを見てみると、「備蓄米」や「大阪・関西万博」、「日本郵便のデジタルアドレス」といった、まさにタイムリーに社会やトレンドとリンクしたアプリに関する記事が並んでいます。

以上の3つのポイントを踏まえて、記事として取り上げ、読者からの反響が大きかったアプリの例として3COINS(スリーコインズ)の「見守りスマートカメラ」にも言及が。話題としてピークのタイミングを逃さず、読者が知りたい情報を意識して記事を制作したことで閲覧数が大幅に増加したとのこと。絶妙なタイミングと共感を集めるメディアによる発信が、プロダクトの認知拡大にまで繋がることがわかります。

※実際の記事はこちら⇒「3COINS( スリーコインズ)が見守りスマートカメラを発売! 専用アプリでスマホ連携(アプリブ)

話題になり損ねるパターンも……

一方で、話題にしたくてもできない、以下の3つのしくじりポイントも明らかに。

  • どこにでもありそうな内容・独自性が不明
  • 「誰に何を伝えたいか」が不明瞭
  • 出すタイミングがあっていない

たとえば、アプリの認知を広げるためにプレスリリースを出している担当者も少なくないはずですが、日々多くのプレスリリースを見ているメディア側はリリースの冒頭だけで判断するため(伊藤氏は「20秒でジャッジしている」とのこと)、他社と何が違うのかを明確にし、最初から興味を引くようにこころがけるのがおすすめです。

「メディアを認知獲得の手段にしてほしい」まずは直接の情報提供がおすすめ

ここまで読んでみて、「それで、まずはどうすればよいのか……」と思ったアプリ開発者やマーケターの方には、直接メディアに情報提供して「メディアを認知獲得の手段にする」という方法があることをお伝えしておきます。

今回登壇したアプリブ編集部でも、常に情報提供を歓迎しているとのこと。たとえばリリース前の段階でも一度情報を共有してもらうことで、事前取材を行い情報解禁のタイミングで記事を出したり、事前調整が難しい場合でも解禁タイミングにあわせて記事を出したりといった動きが可能になるといいます。

さらに「公式のリリースでは言いにくい情報」や「他のメディアには伝えていないここだけの情報」があれば、記事として取り上げられやすいかも……という裏情報も。ぜひ参考にしてみてください。

※アプリブへの情報提供はこちらから⇒アプリブお問い合わせページ

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