はじめに
1994年に大阪アメリカ村の古着ショップとしてスタートしたWEGO。以来、10代・20代の若者を中心に支持を広げ、様々なカルチャーやタレントとのコラボレーションなどで、アパレル業界の枠にとどまらない注目を集めてきました。
現在では、オンラインを含めて計約200店舗を運営するまでに拡大し、創業25周年の節目となった2020年1月1日には、コーポレートスローガン&ステートメントに「YOUR・FAN~お客様一人ひとりのファンであること~」を発表し、ロゴもアップデート。改めて新たな時代に向けて原点に立ち返り、「主役はお客様でWEGOは応援者である」というスタンスを継続・発展させる方針を打ち出しました。
近年はオンラインでの顧客コミュニケーションに注力し、『Repro Web』などを導入。CVR180%、ROI863%を実現し、現在Webの会員数とアプリのダウンロード数は累計190万を突破。アクティブユーザーは50万人に到達したそうです。同社では一体どのような施策を行ったのでしょうか。株式会社ウィゴー WEGO事業本部 デジタルマーケティング部 課長 の鈴木遼太さんに成果の裏側を伺いました。
(聞き手:Repro株式会社 Growth Marketer Team Manager 森 亮太)
古着屋から始まり、今では約200店舗を展開するように
――貴社について、改めて教えてください。
鈴木 当社は大阪アメリカ村の古着屋からスタートしています。そこからどんどん拡大し、オリジナル商品をつくるようになりました。メンズ・レディースアパレルを始め、すべての業態を合わせると約200店舗を運営しています。
アパレル業界ではいろんな会社さんがひしめいていますが、その中で当社の強みは企画力。例えば、アニメや漫画とのコラボ商品を発表したり、音楽業界と組んで店内BGMの作成から行ったり。他社にはない発想力を活かし、独自のポジションを確立しています。
特に当社が提案する個性的なアレンジは若者に人気で、お客様層は感度の高い中高生や大学生がメイン。一番多いのは男性で19歳、女性で17歳のお客様です。知らなかったカルチャーに触れることで、「おもしろい」と定着していただくお客様が多い印象です。
効果が出た施策の細分化が勝ちパターンになる
――『Repro』の導入にはどんな背景があったのでしょうか?
鈴木 当社の場合、お客様の商品購入経路は主にアプリとWeb、店頭の3つ。『Repro』導入前は決まった場所と大雑把なセグメントでしか施策を出すことができず、適切な施策を打つことができませんでした。
また、アプリとWebそれぞれのIDやユーザーの情報もバラバラで。お客様は全然興味がないアニメや漫画とのコラボ商品を推されても迷惑ですし、1to1マーケティングの実現は必須だと思っていたのです。そこで「各チャネルのユーザー情報をOneIDで一元化し、最適な施策を打ちたい」思ったことが、導入のきっかけです。
――貴社はデジタル分野の売上を伸ばすという目標が明確なため、私たちもぶれずに仕事に取り組むことができました。色んな取り組みを行いましたが、効果的だったと思う施策はありますか?
鈴木 各店舗のスタッフたちのコーディネートを紹介する『STAFF STYLE』というコンテンツがあるのですが、そこへの導線強化施策ですね。アパレルのお客様はサイズ感をすごく気にされますから、スタッフの実際の着こなしが見られたことで売上が伸びました。『STAFF STYLE』には1日500件ほどの投稿がアップされているのですが、導線を設置する前はページが奥まった場所にあってなかなか見られなかったんです。多くのユーザーに見られるようになって、スタッフたちも喜んでいました。
――たしかに『STAFF STYLE』に接触しているユーザーが一番CVが高いというのが定量的なデータでわかっていましたから、しっかりとアンカーテキストで導線をつくりました。他にも200個ほど施策を打ち、ミーティングも白熱しましたね。
鈴木 いつも予定時間を過ぎていましたよね。『Repro』 を使ってセグメントができる分、やっぱり一つの施策だけで大きな結果を出すのは難しいと思っています。その分、一人ひとりに合う施策を増やしていかないといけないので、その数になったのでしょうね。
――施策ごとの分析も重要になると思います。
鈴木 月に1回、定例の時に持ってきていただいている資料の内容が深いので、分析の機能はあまりは使っていません。ただ、「どっちが勝っているんだろう」とABテストで施策の稼働状況はチェックしていますね。
また、当社では、数値は最終確認のためにあって、まずは仮説が大切だと考えています。仮説をどんどん立てて、施策を実行し、より数字が上がりそうなものを深掘りし、細分化するような流れですね。全体感は見ますが、細かな分析に囚われることはありません。
――いろんなPDCAを回す中で、印象に残っているものはありますか?
鈴木 ポイント保有者向けの施策です。先ほどお話したようにWEGOには、コラボアイテムがたくさんあります。そのため、好きな漫画やアニメの商品だけを買う、初回購入だけで終わってしまうお客様が多いんです。
店舗だと年間平均購入回数が5回くらいなのですが、ECだと1.5回程度。そこを増やそうと、ポイントを持っているお客様に「お得に買い物をしましょう」とポップアップを出すようにしました。
その効果が良かったので、100~300ポイント、300~500ポイントといったポイントごとや性別でのセグメントも行うようになりました。当たっている施策の細分化が、良い勝ちパターンになっています。
――今後の展望については、どのようなお考えがありますか?
鈴木 Webの実績に比べると、アプリは今後より強化していきたいと思っています。2つを比べると目的が違うと感じるんですよね。アプリは継続的なお客様が多いので、より1to1の施策を強めたいですし、Webはゼロ購買のお客様も多いので、まずは初回を増やしたい。それぞれを分けて考え、効果的な施策を行っていきたいです。
提案品質とスピードがReproの魅力
――『Repro』を導入した感想はいかがでしょうか?
鈴木 「こんなことできないですか?」という一見ハードルの高そうな要望や急な問い合わせに対しても、スピーディーかつ丁寧にご対応いただけることが本当にありがたいです。当社のマーケティングやEC担当は、ほとんどが店舗出身の元販売スタッフ。今でこそSQLを自分で書いたりしていますが、私自身ももともとが店頭で洋服を畳んでいた人間なので、デジタルマーケティングは独学で学びました。
そんな中「こうしたい」とSlackでご相談すると、1時間くらいで実現してくれることもあって。あまりのスピードに驚くことも多かったです。特にタレントさんとのコラボ商品のキャンペーンのときは、先方のチェックが厳しいうえスケジュールもタイトなのです。
その中で、行動パターンごとのポップアップの表示方法など細かな設計をしたんですが、SNSからのビューだとタグが発火しないということを解決していただいた件が印象に残っています。
――私は当時、まだ担当ではなかったのですが、『Repro』がそういう仕様になっていて、エンジニアと協力して対応したと聞いています。成果については、どんな感想をお持ちですか?
鈴木 とても満足しています。施策による定量的な成果は、僕はもちろん経営陣も気にしているのですが、『Repro』を導入してからCVRが180%、ROIが863%になりました。特にROIに関しては当社が導入している各ツールの中でもトップクラスの成果につながっていて、圧倒的な効果が出ています。
それに私たちのようにデジタル領域に専門性がないマーケティング担当も多いと思うんです。Reproさんはわかりやすくいろんな知見を提供してくださり、個々に合わせてツールもカスタマイズまでしてくれる。スピーディーかつ深くコンサルティング・支援してくれるのでとても助かっています。
――『Repro』に今後期待することがあれば教えてください。
鈴木 Webやアプリに来たお客様だけでなく、来ていないお客様へのアプローチですね。SNSやメールなど「○○から来たらこの属性」というのがあると思うので、それぞれに合わせたアプローチを強化していただけるとすごくうれしいです。
――がんばります!今回、徐々に信頼をいただけるようになったという実感が、私自身のモチベーションになりましたし、成果を出せた要因だとも思っています。これからもよろしくお願いいたします。
※本記事は2021年2月5日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。