『ラストクラウディア』へのRepro導入事例
左からRepro重崎、岩田、株式会社アイディス竹島氏

継続率が1.1倍に改善!!セールスランキング最高9位を記録した『ラストクラウディア』成功の秘訣

『ラストクラウディア』/株式会社アイディス

業種/サービス: ゲーム

はじめに

人気タイトルのロングラン、海外パブリッシャーのプレゼンス拡大、アプリの高品質化による開発費の高騰などにより、ますます競争が激化する国内スマホゲーム市場。新規ユーザー獲得の難易度が上がる中、独自性のある企画とユーザーエンゲージメントの重要性が高まっています。

本記事では、2020年6月24日に開催されたクローズドセミナー「本日初公開!セールスランキング最高9位!『ラストクラウディア』の成功3大要素」の様子をレポート。リリース1年で130万DLを突破し、セールスランキングで最高9位にランクインした『ラストクラウディア(以下、ラスクラ)』を手がける株式会社アイディス竹島輝弥氏に人気ゲームを生み出す秘訣とグロース施策について伺いました。

講演者紹介

竹島輝弥氏
株式会社アイディス エグゼクティブヴァイスプレジデント
2013年よりアニメIP、ゲームIPを利用したスマートフォンゲームのプロデューサー、ディレクターとして開発・運営に従事。2016年、株式会社アイディスに入社し、協業タイトルであるMMORPGのプロデューサーを担当。2019年7月よりコンテンツ事業部EVPとして、オリジナルIPタイトル「ラストクラウディア」の国内版、海外版を統括しながら「ラストクラウディア」を世界中に届けるために日々奮闘中。

(聞き手:Repro Game Div.Division Manager 重崎竜一、Customer Success Manager 岩田健吾)

ラストクラウディアとは

個性豊かなキャラたちが映画的な演出とともに物語をつむぐRPG。白熱のリアルタイムバトルでは、ドットキャラが3D空間を駆け回り、スピード感のあるド派手な戦闘を繰り広げます。感動的なストーリー、爽快感と緊張感を両立したバトル、やり込み要素満載の育成システム、さらに豪華声優陣によるキャラクターボイスなどにも注目です。

「誇れるものしかリリースしない」開発者のこだわりがヒットを生む

――キャラや世界観、バトルなど、細部にまでこだわってラスクラを開発されたと思うのですが、特に工夫されたポイントはありますか?

竹島 あげればキリがないのですが、中でもこだわったのがストーリーですね。実は開発に着手した初期の頃から最終回のストーリーを練っているのですが、リリース1年がたった今も完成していないんです。こだわりにこだわってしまって…。ユーザーさんをお待たせして申し訳ない気持ちはあるのですが、なかなか妥協できなくて。完成次第、SNSやゲーム内のお知らせ機能で告知したいと思います。

――『ラスクラ』がヒットした背景にはドットキャラが3D空間を飛び回る世界観や、壮大で泣けるストーリーなど、様々な要因があると思います。企画自体はプロダクトアウトだったのでしょうか?それともマーケットインだったのでしょうか?

竹島 どちらの側面もあると思っています。マーケットイン的な側面でいうと、最初から海外でも展開することを前提にしていたので、イラストなどのUIは海外ウケしそうなテイストを意識しました。

また、『ラスクラ』のようにドット表現をつかったRPGは一定のニーズがあることはわかっていたので、「最高のクオリティのものをつくれば、ユーザーはついてくる」という予想はしていました

一方、プロダクトアウト的な側面でいうと、『ラスクラ』には開発者の「想い」が存分に反映されています。エンターテイメントやゲームの世界って、開発者のエゴがないとユーザーの心を動かすことができないと思っていて。「これは面白いから絶対売れる」と開発者が自信を持って世に出せるような作品づくりはいつも心がけています。

人気IPとのコラボレーションで新規ユーザー獲得に成功

――リリース後の運用ではどのような点にこだわったのでしょうか?

竹島 たとえば、コラボですね。『ラスクラ』では新規ユーザー獲得を目的に、過去2回コラボ企画を実施しています。一つはドラクエやファイナルファンタジーで知られるスクウェア・エニックスさんの人気作、聖剣伝説シリーズとのコラボ。聖剣伝説はドット絵のRPGということもあり、表現方法や世界観も含め、『ラスクラ』にドンピシャでハマると思ったんです。

それに、僕らは聖剣伝説をリアルタイムでプレイしていた世代。「あのバトル再現したいよね」みたいなアイデアや願望がたくさんあって。社内のブレストでもだいぶ盛り上がったんです。実際に、当時のBGMやバトルを再現したコラボをリリースしたら、ユーザーさんからも「当時の思い出が蘇る」という声をいただいて、大成功でした。

もう一つは、原作が週刊少年ジャンプで連載中のTVアニメDr.STONEとのコラボ。Dr.STONEは、まだどのアプリともコラボしたことがなかったので、『ラスクラ』に登場したらインパクトが大きいと思ったんです。予想通り、Dr.STONEのファンに「あ、千空がゲームに出てる!」という驚きを与えることができ、新規ユーザーの獲得にもつながりました。初コラボって、強いんだなって思いましたね。

一方で新規ユーザーの継続率には課題が残ります。そこはプロモーションの問題ではなく、ゲーム内の施策で解決するものだと思っているので、Reproさんにもご相談しながら今後の戦略を練っていきたいと思います。

――コラボの場合、リリースのどれくらい前から発案しているんですか?

竹島 IPにもよるのですが、半年前くらいだと思います。実際に制作に取り掛かるのはもちろん版元さんから許可をいただいてからですが、「コラボやらせていただけますか?」と声をかけるのはそれくらい前ですね。

コラボをはじめた頃は、正直どれくらいの制作期間が必要か探りながら進めていたのですが、最近ようやくスケジュール感がわかってきました。おかげさまで、少しずつコラボ企画の制作も安定してきたと思います。

国内/海外の開発体制統合により海外勢のエンゲージメント向上を狙う

――海外版をリリースしている点が『ラスクラ』の特徴でもあると思うのですが、海外版をリリースするにあたって運用面で工夫したポイントはあるのでしょうか?

竹島 ポイントは国内版と海外版の統合ですね。海外のユーザーって僕らが思っている以上に日本版の『ラスクラ』に関心を抱いています。海外版に登場していないローランドというキャラクターのことも知っていて、「ローランドはいつ海外版に登場するの?」「海外版のストーリーはいつ日本版に追いつくの?」なんて声もSNSで見かけたりもします。(※6月24日時点での情報、現在はリリース済み)

たしかに海外版をリリースする場合、国内でつくったゲームの開発・運用・プロモーションを海外のスタジオに任せることは珍しくない。会社が同じだったとしても、ゲームの設定や内容が多少変わってくることはよくあることなんですね。『ラスクラ』に関しても国内版と海外版ではストーリーやユニットの追加など施策に若干の違いがあるので、そこにモヤモヤする海外ユーザーがいることも事実でした。

そこで、最近は国内と海外で別々にわかれていた開発体制やゲームスケジュール、プログラムソースを統合したり、同じコンテンツを同じタイミングでリリースするようしたり、国内版と海外版の違いを無くす努力をしています。Dr.STONEとのコラボ企画も世界同時にリリースしました。

国内と海外、両ユーザーの声をゲームに反映していく作業は正直大変です。しかし、開発体制を統一することによるコスト削減やエンゲージメント向上など、メリットのほうがはるかに大きいと思っています。

YouTubeで最新情報を生配信し、アプリ内メッセージで誘導

――『ラスクラ』ではユーザーエンゲージメントを高めるためにどんな工夫をしているんですか?

竹島 エンゲージメント施策は色々やってきましたが、特に注力したのはラスクラTVですね。これはYouTubeで『ラスクラ』の最新情報などを生配信する番組なんですけど、『ラスクラ』をリリースした月から毎月放送してきました。

実は『ラスクラ』ってリリース初期、不具合が頻繁に発生していたんですね。そこで、「この度は、〇〇の不具合でご迷惑をおかけして申し訳ございません。現在、解消に向けてメンテナンス中ですので少々お待ちください」と、ラスクラTVの放送中に謝罪してユーザーさんとの関係性を築いてきました。

――ラスクラTVへの誘導はどのように?

竹島 そこがまさにReproさんにお力添えをいただいたところ。『ラスクラ』のプレイ中のユーザーさんに「コラボなどの最新情報を放送中☆タップして今すぐ視聴しよう!」というメッセージを表示するようにしてもらい、アプリからラスクラTVに送客する施策を打ちました。これにより、ラスクラTVに約1,000人を送客できたんです。放送時間は1~2時間程度でしたが、ラスクラTVへのコメントも増え、エンゲージメントが高まったことを実感しました。

Discordを使ったリアルタイムセッションでユーザーの「生の声」を聞く

――海外ユーザーとのコミュニケーションも大切にしていると伺いましたが、具体的にはどのような施策を?

竹島 たとえば、英語が話せるスタッフと一緒に『LAST CLOUDIA Newsletter』というYouTube動画に出演して、『ラスクラ』の更新情報や不具合の修正、メンテナンス予定などについて配信してきました。僕はそこまで英語が上手くないので、自分のコメントには字幕を入れていますが(笑)。

あとはSNSです。日本ユーザー向けにはTwitterを中心に情報発信していますが、海外ユーザー向けにはTwitterとFacebook両方使います。特に北米だとTwitterよりFacebookの方が使われているので。

最後はチャットアプリのDiscord。TwitterやFacebookに比べると圧倒的にコアなユーザーが多いプラットフォームなので、ユーザーとより深い交流ができます。具体的に何をやったかというと、コアユーザー向けに「LIVE Q&A」を企画して、質問にリアルタイムで答える施策です。これもゲーム内で「Live Q&A」セッション開催日時を告知して、アプリからDiscordに送客しています。

実はDiscord、最初は「他社がやってるから、うちもやってみようか」くらいの感覚ではじめたのですが、実際に使ってみると予想以上の効果がありました。「これはどうなっているんですか?」「これはいつ頃リリースされますか?」「次は〇〇とコラボしてほしい」など、ユーザーの不満や要望、僕らへの評価をダイレクトに聞くことができるし、数百人と同時につながってインタラクティブにコミュニケーションが取れるので。

やっぱりゲーム運営側としては、僕ら「中の人たち」も含めた『ラスクラ』のファンになってほしい。そういう意味で、ユーザーと直接つながる場は重要だと思っています。

定着するラインまでいかに育成するか。アプリ内メッセージでオンボーディングの充実を図る

――ゲームをプレイ中のユーザーとはどのようにコミュニケーションをとっているのですか?

竹島 基本的にはプッシュ通知とアプリ内メッセージですね。新しい施策を打つタイミングでプッシュ通知をしたり、ガチャの更新タイミングでアプリ内メッセージをゲームのホーム画面に表示させたり。あとは、チュートリアルの離脱可能性があるユーザーをセグメントして、「チュートリアルをクリアしよう」といったメッセージを表示させています。

――ユーザーの状態に応じてプッシュ通知やアプリ内メッセージを打ちわけたりもしているのですか?

竹島 そうですね。たとえば、まだ序盤をプレイしているユーザーには、ゲームの進行を補助するアプリ内メッセージを手厚く打つようにしています。『ラスクラ』って、プレイする上で覚えなきゃいけない要素が多いので、基本ルールを知ってもらわないと離脱されてしまう恐れがあるんです。

「ここまでストーリーを進めてもらえれば、定着率が上がる」という目安も最近わかってきたので、いかにそこまでプレイしてもらうかが勝負。そこはReproさんに協力いただきながら、地道にアプリ内メッセージやプッシュ通知を打ってきました。

その結果、施策をはじめてから1ヶ月でリテンションがなんと1.1倍になったんです。この数字、あまりピンとこないかもしれませんが、実は相当なインパクトがあります。たとえばこのグラフの例でいうと、仮に月間の広告予算でリテンション率を1.1倍改善すると、残ユーザーが月間1,000人増加します。増加分の残ユーザーを広告予算で獲得しようとすると年間6,000万円もの費用がかかる計算になり、莫大なコストがかかります。これだけ効果のある施策を提案していただけて、本当に助かりました。サポートも手厚くレスも早かったので、ありがたかったです。これからもReproさんと『ラスクラ』をグロースさせる施策を一緒に考えていけたらと思っています。

※本記事は2020年6月24日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。アプリ収益最大化サービス

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