はじめに
「雑誌で見た商品が買える」をコンセプトとしてスタートした総合ファッションECサイト『MAGASEEK』を運営するマガシーク株式会社。同社は、株式会社NTTドコモとの共同運営でファッション通販サイト『d fashion®︎』も手掛けています。
セレクトショップを中心に、幅広い年齢層をカバーする約1,500ブランドの衣料品やファッション雑貨を取り扱う『d fashion®︎』では、買い物体験を向上させるために、これまでも多岐にわたるマーケティング施策が実施されてきました。同社では、さらなる1to1マーケティングの強化を目的として、2020年にReproの『コンバージョン最大化サービス』を導入。かご落ち対策でCVR272%を達成するなどの成果を残しています。
今回は、コンシューマーサイト事業本部 本部長 兼 UXデザイン部 部長の小手川大介さんと、コンシューマーサイト事業本部 UXデザイン部 副部長 満生智美さんに、『コンバージョン最大化サービス』の導入背景や経緯、その効果などについてお話をうかがいました。
(聞き手:Repro株式会社 Solution Sales Div 岡野宏輝)
制限された環境でツールに選択肢もなく壁にぶち当たっていた
――最初に『d fashion®︎』のサービス内容やその特徴について教えていただけますでしょうか。
小手川 『d fashion®︎』は、いわゆる「生活衣料」を楽しくお買い物していただけることを目指し、お客さまが「今欲しいもの」をキャッチして打ち出すことにフォーカスしています。例えば雨が降っている日には長靴を、冬季で急激に気温が下がった日にはダウンをレコメンドするなど、実需に強いサイトであることが特徴です。
また、NTTドコモのdポイント経済圏にあるため、ポイントを意識されるお客様が多く、「お得」というワードが重視されるのも特徴です。きめ細やかなポイント施策や値引きなど、お客様にお得さを感じていただけるように心掛けています。
――今回はECプラットフォームのリプレイスに合わせてReproの『コンバージョン最大化サービス』を導入いただきましたが、それ以前はどのような課題をお持ちだったのでしょうか?
小手川 『d fashion®︎』は事業拡大が基本方針ですが、拡大・成長に注力するフェーズから、利益も出しつつトップラインも伸ばすフェーズへの移行期にあります。しかし、従来使っていたECプラットフォームでの成果が芳しくなく、また、Web接客、レコメンドを実現するマーケティングツールにも制限があり、本当にやりたい施策をスピーディに実践できない状況でした。
そこで、ECプラットフォームをリプレイスすることになり、以後は保守も含めて我々マガシークが完全にコントロールできる体制になりました。あわせて、マーケティングツールやパートナーの選定も行うことになったのです。
ステップアップの1段目になる身近な提案が導入の決め手に
――Reproの『コンバージョン最大化サービス』を選んでいただけた理由を、ずばり教えてください。
小手川 他社さんからもそれぞれ有用なご提案をいただきました。Reproさんのご提案が刺さったのは、我々が上っていきたい階段の1段目、2段目になると思える施策が中心だったからです。我々は「偶発的なホームランではなく、数多くのヒットを積み重ねて着実に得点できる」ことをマーケティングの基本方針としていて、1段ずつ階段を上るように着実に改善を進めていきたかったんです。
Reproさんは、我々が要望していたツール運用の内製化までも見通して、「ここからならいける」「これならすぐにできて、CVも上がりそう」という提案をいくつもしてくれました。まさに我々の欲しいものをプレゼンしてくれたという印象です。
満生 プレゼン終了後、小手川と目を合わせて「そうそう、こういうのしたい」という感じでうなずき合いました。機能の差というより、「あ、通じ合えそう、一緒にやっていけそうだな」とすごく感じました。
――「一緒にやっていけそうだな」と感じていただけたのは具体的にどのような面だったのでしょうか?
満生 圧倒的な違いは、ツールを導入したあとの、日々の運用がうまくいきそうだと感じられた点でした。長くお付き合いさせていただく上で、ツールをどう使うかはかなり重要視していた部分でしたので、そこについてのアイデアがたくさんあったことが安心感につながったのだと思います。また、サポート実績が多くあり、豊富な知見もお持ちなのだろうという期待もありました。
小手川 すでに新しいレコメンドエンジンの導入を決定していて、それと連携が可能であったことも導入要件としては大きかったですね。
すぐに結果が出た!カゴ落ち対策でCVR272%を実現!
――導入いただいてからたった2カ月間でCVR272%を実現する施策も生まれました。
小手川 「生活衣料をお得に簡単に買える」という『d fashion®︎』ならではの良質な体験を実現するために、ポイントアップデーの設定、お気に入り商品の値下げメール、類似商品のレコメンドなど、様々な施策を実施しました。その一環として、『Repro Web』を使ってポップアップ表示による「かご落ち対策」を実施したんですよね。すると、ポップアップを表示しなかった場合との比較で、CVRが272%にもなったという。
商品詳細ページを閲覧しているお客様を対象にしたクーポンの、お知らせポップアップの実装も効果的でした。表示しない場合と比較してCVRが115%になるという成果が出ています。ファーストビューを阻害しないよう、商品詳細ページを20%スクロールしたときに表示する形で実装しました。
【実施した施策のイメージ】
――Reproの『コンバージョン最大化サービス』はマーケティング施策の運用がセットになっているのが強みですが、施策提案の内容はいかがでしょうか?
満生 すごく前のめりでやってくださっていると感じるので、“社外にいる仲間”として頼りきっています。「ここに課題感がありますよね」と数字を示しながら提案していただくことで、「あ、確かにそうだな」と気づかされることがよくあります。
また、A/Bテストでも、一般的にはBパターンが良ければ、それを100%適用して終わりですが、Reproさんの場合はその上を行くB’パターンも提案してくれます。「もっと良くしましょう」というマインドをひしひしと感じるんです。「dポイントユーザーに対してはポイント訴求が効きそうなので、効果的な施策はないか」というようなこちらの要望に対しても、「じゃあこうしましょう」と的確な提案を打ち返してくれる。とても信頼できます。
新たな施策を常に10本~15本、テストできているという状況も以前は考えられないものでした。想定以上のスピード感でご提案、実装いただいていて、とてもありがたく思っています。
打率の高いReproの施策。社員の知見やスキルもレベルアップ
――Reproの提案の中で、特に印象的だったものがあれば教えていただけますか?
満生 お客さまの細かな行動分析に基づいた提案がとても新鮮でした。「商品詳細にランディングした人」のようなざっくりしたセグメントではなくて、「何ページ閲覧した人がカートに行き、また商品ページに戻ってきた場合」といったような詳細で多様なシナリオが設定され、それに沿ったご提案をいただいたのですが、その考え方がとても勉強になりました。
――『コンバージョン最大化サービス』にはOJTによる内製化支援の側面もあります。『d fashion®︎』での効果はいかがでしょうか?
小手川 Reproさんとディスカッションしながらマーケティング施策の立案や実装を進められるようになったので、社員の成長という面ではとても良い環境になりました。Reproさんとやり取りをする中で、満生や他の担当者たちの知見が増え、スキルも上がり、新たなアイデアの創出につながっています。
満生 施策の実装までには、分析してアイデアを出し、さらにコーディングやデザインなど、様々なプロセスがあります。職種をまたぐ作業があるので、ひとりでは完結しません。でも、今はそういうことを一括でやってくれるReproさんがいて、それを間近で学べるので、知見の広がり方がまったく違います。
小手川 元々は最初の助走だけ一緒に走ってもらい、その後は内製化していこうと考えていました。しかし、実際にやってみて、改めて「餅は餅屋」だと実感しています。我々の側にもノウハウが貯まるなど、多くのメリットをもたらしてくれることがわかってきました。しばらくは伴走し続けていただきたいと考えています。
なによりReproさんの提案は打率が高い。それは、我々の想いをくんでくれて、同じように共感してくれているからだと感じますね。今後もお付き合いをしっかり続けていきたいと思います。
――ありがとうございます!効果的な施策をどんどんご提案させていただければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
※本記事は2022年2月3日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。