「モバオク」/株式会社モバオク様へのアプリマーケティングツール導入事例|Repro(リプロ)
左から株式会社モバオク プロダクトマネージャー兼UIデザイナー 藤井祐規さん、オークション企画部 部長 小田切航平さん

「Repro Appの存在がモバオクの進化を支えています」。チャーンレート半減を実現したユーザー分析とプロダクト改善

「モバオク」/株式会社モバオク

業種/サービス: その他 、EC・ネットショップ

はじめに

「モバオク」は2024年に20周年を迎えるフリマ・オークションサービス。ガラケー専用のオークションサイトとして歴史が始まり、現在はアプリ、Web(PC、スマートフォン、フィーチャーフォン)でサービスを展開中です。

モバオクの過ごした20年は、CtoC ECサービスの激動時代。スマートフォンの登場、プラットフォームのアプリ転換、フリマアプリブームとその一般化など、大きな外部環境の変化にさらされてきました。そんななかで、どのようにプロダクトを改善し、ユーザーに愛され続けてきたのか。

今回は、株式会社モバオク オークション企画部 部長の小田切航平さん、プロダクトマネージャー兼UIデザイナーの藤井祐規さんに、近年におけるモバオクの成長要因とアプリマーケティング、プロダクト改善ツールとしての「Repro App」の活用法についてじっくりとお話をうかがいました。

(聞き手:Repro株式会社 Customer Success Div 山﨑 結花)

mbok-01モバオク(2024年2月29日時点)』
「要らぬ物 いつか 誰かの 宝物」をキャッチコピーに、誰もが安心して気軽に落札、出品ができるフリマ・オークションサービス。販売手数料なし、月額の会員費のみで利用できるのが特徴。

過去5年間でチャーンレート(解約率)が半減。モバオクに人が集まり続ける理由

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――最初にモバオクのサービスの特徴を簡単にご紹介いただけますでしょうか。

小田切 モバオクは2024年に20周年を迎えるフリマ・オークションサービスです。この長い運営実績を背景とした安心のお取り引きが特徴のひとつですね。そして何より好評なのが、販売手数料が無料なこと。フリマアプリは5~10%程度の販売手数料がかかるのが一般的ですが、モバオクは月額330円(Google Play決済/iTunes決済は月額360円・税込み)の会員費のみです。

サービス運営側が開催するイベントが豊富なのもモバオクならではだと思います。非公開の即決価格をゲーム感覚で当てて落札する「ヒットプライスオークション」や社会貢献ができる「チャリティオークション」など、ユーザーが喜んでくれそうなコンテンツをどんどん公開しています。モノを売り買いするだけのプラットフォームではなく、人と人、人と社会のつながりを生み出すプロダクトを目指しているのです。

藤井 オークションには、ただモノを買う・売るだけではない、ドキドキやハラハラがありますよね。そんな感覚を付加価値として楽しんでいるユーザーも多いので、ゲーム性の高いイベントを用意してモバオクというプロダクト自体を利用したくなる工夫をしています。出品、入札をするとポイントが当たるくじが引ける「モバオくじ」ですとか。ユーザーに寄り添った、サービス運営者からのアプローチが多いのが特色といえると思います。

――サービス開始から20年間、様々な市場環境の変化がありました。現在は熾烈といってもいい競争が繰り広げられています。

小田切 競合は本当に強いですし、目まぐるしい外部環境の変化にさらされているのは確かです。その中でも我々が20年サービスを続けられているのは、私の主な担当領域であるアプリマーケティングの観点でいうと、分析とコンテンツ企画に強みがあるからだと思っています。

ユーザーとのコミュニケーションを考えるとき、プッシュ通知を「どのようなテキスト」で「いつ、何回配信するか」のような具体論に着目しがちじゃないですか。もちろん成果を出すためには重要なことで、我々も必死にPDCAを繰り返しています。

ただし、あくまでも主軸になるのはコンテンツやプロダクトの機能だと思うんです。「ユーザーが集まるコンテンツやよく使われている機能はどんなものなのだろう」と徹底的に分析をして、コンテンツを企画したり、プロダクトの改善に活かしたりしていく。

先ほど申し上げたヒットプライスオークションやモバオくじは、ユーザーとのコミュニケーションそのもので、どれだけ楽しんでもらえるかだけを考えて企画しています。分析して企画して届ける、この繰り返しです。その結果として、過去5年間でチャーンレート(解約率)を半減させることに成功しました。

マジックナンバー分析を活用してプロダクト・コンテンツの改善を繰り返す

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――月額課金制のモバオク様にとってチャーンレートの半減はものすごいビジネスインパクトですよね。何をしたのかをもう少し具体的に教えてください。

小田切 様々な要因があるのですが、なかでもうまくいっているなと感じるのは、KGIを分解してKPIを洗い出し、KPIの達成に向けて施策を立案するのではなく、「今、ユーザーが使ってくれている機能、集まっているコンテンツに着目し、逆算でKPI、KGIを達成する」という考え方にシフトしたことです。

アプリマーケティングの世界でよく利用されるマジックナンバー分析を徹底的にやり切って、スピーディに回していると言い換えていいかもしれません。
※リテンションレート(継続率)の高いユーザーの行動とその回数を「マジックナンバー」と定義し、その行動と回数を割り出す分析手法。

例えば、モバオクにはユーザー同士をつなげる「フォロー」機能があります。マジックナンバー分析をした結果、フォロー機能を利用したユーザーのリテンションレートが非常に高いことがわかりました。そこで、フォロー機能を使いやすいように、UIを全面的に見直したり、レコメンドを追加したりしていったんです。

機能やコンテンツが使われるということは、ニーズを満たせていたり、困りごとを解決できていたりする証拠。プロダクトがユーザーの気持ちに応えられているわけです。そこから逆算して施策を考えて、強みを強化していく。その数をたくさん回すという方向性がうまくいっているんじゃないかと考えています。

■フォロー機能のUI改善施策

mbok-02フォロー機能の利用促進のためにUIをブラッシュアップ。フォローユーザーのレコメンドロジックもA/Bテストを繰り返して改善を重ねている。

――マジックナンバー分析はどうやって実施されているのですか?

小田切 基本的にはRepro Appの「リテンション分析」機能を使っています。いくつかやり方はあるのですが、まずはよく使われている機能をピックアップして分析するのが簡単ですね。

Repro Appの場合、ユーザーの行動をイベントとして設定しておけば、その行動回数を切り替えながら、●日後、●カ月後のリテンションレートを一瞬で可視化できます。特定の機能の使用状況とリテンションレートに相関関係があるなら、それがマジックナンバーになるわけです。

機能やコンテンツの使用状況とリテンションレートを逐一見ていくパターンもありますね。これは本当に泥臭い作業(笑)。とはいえ、一定の仮説を持って分析をするので、できないことではありません。

■Repro Appを使ったマジックナンバー分析

mbok-03Repro Appのリテンション分析画面。縦軸が指定した行動を取ったユーザー群、横軸はそのユーザー群のリテンションレートを表しており、リテンションレートが高いほど色が濃く表示される。

プロダクト改善=ユーザーの心に寄り添う。迷ったときはA/Bテストで確かめる

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――改善ポイントがわかったあとの具体的な施策はどのように立案、実施していくのでしょうか?

藤井 ユーザーに寄り添うという発想はすべて一緒です。小田切が話したマジックナンバー分析とは違うのですが、以前、Repro Appの「ファネル分析」機能を使ってユーザーが出品に至るまでの行動を分析したことがあります。すると、出品フォームを開いたあとに大きな離脱が発生していることがわかったんです。

プロダクト改善はこういった現象に対して仮説を持つことがスタート。今、挙げた例でいうと「出品をしようと思ったときに、フォームで何か困りごとがあったんじゃないか」「何かお手伝いできることがあるんじゃないか」と考えるわけです。

そこで、Repro Appの「イベント起点プッシュ」機能を使い、「出品フォームを開いたあと、15分以内に出品が完了しなかったユーザー」に対してプッシュ通知でメッセージを送ってみたんです。すると、出品数が月間で60~70件程度増加しました。
※Repro Appに設定した特定のイベントを起点として、該当ユーザーに自動的にプッシュ通知を配信する機能。

ユーザーの心に寄り添うという指針が顕著に成果に現れた例もあって。出品が完了したときに「出品ありがとうございます」、入札のタイミングで「落札できますように」といった、ユーザーへの感謝やハッピーな状況を願うメッセージを表示してみたんです。そうしたら、翌週の再訪率が148%も改善しました。

小田切のコメントとも重なりますが、アプリにおけるユーザーとのコミュニケーションはプッシュ通知だけじゃないんですよね。ユーザーがプロダクトに触れているときに、嬉しかったり、困ったりしたタイミングで自然に寄り添っていることが大切なんだと感じています。

■ユーザーの気持ちに寄り添う形で感謝のメッセージを伝える

mbok-04落札時には「落札おめでとう」というメッセージをイラストとともに表示。

出品数がすごく伸びた施策もあります。モバオクには「オークション」と「フリマ(即買い)」のふたつの出品形式があります。Androidアプリでは「出品する」ボタンを押したあとに形式の選択画面があり、このタイミングの離脱が顕著で、選択画面を表示すべきか否かが議論になっていました。ユーザーにとって何が良いかがわからないケースもたくさんあるんですよね。

そういうときはA/Bテスト。この例の場合、形式選択画面がないほうが良いことがわかり、月間の出品者数は約2倍に伸びました。

■画面ひとつの「あり・なし」がユーザーの行動を変える

mbok-05出品形式の選択画面が表示されなくなったことで、出品数が約2倍に伸びた。

――アプリのUI改修には大きな開発工数がかかるため、簡単にA/Bテストができないという悩みをよく聞きます。モバオク様ではどのように運用しているのでしょうか。

藤井 Repro Appの「UXオプティマイザー(β)」を活用することが多いです。一度、UXオプティマイザーをテストしたい箇所に実装してしまえば、管理画面上でノーコーダーでも簡単にUIの変更や表示の出し分けができるので、「この画面は本当に必要とされているのか?」「このボタンはどこにあるべきなのか?」といった検証にとても重宝しています。
※アプリ自体の更新をせずに、アプリの外観や動作をカスタマイズできる機能。セグメントを設定してA/Bテストも実施できる。

小田切 コンテンツをいかに届けるかという面でもRepro Appはすごく役に立ってくれています。表現力の高さと幅が魅力。プッシュ通知が送れる、アプリ内メッセージを表示できるのは当たり前として、UXオプティマイザー(β)でバナー表示位置のテストができたり。「どこで」「いつ」「どのように」届けるかを自由にコントロールできるんですよね。

シンプルさと拡張性のバランス。「かゆいところに手が届く」のがRepro App

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――そこまで使いこなしていただいて本当にありがたいです。おふたりから見て、Repro Appの良さとはどのようなものなのでしょうか。

藤井 第一は「使いやすさ」ですね。プロダクトマネジメントをする人間からすると、UIをプログラムの知識なしで変更できるのは本当にありがたいんです。アイデアを短期間で具現化してテストできてしまう。本来はテストするだけでも大変なことなんですよ。

Repro Appでテストをし、成果を確認してからアプリ本体の改修ができる。施策の精度もスピードも上がります。「Repro Appがないと改善は難しい」といえるくらい、プロダクトの改善になくてはならないものです。

プッシュ通知やアプリ内メッセージの機能もかなり使い倒していますが、基本的な仕様さえ理解しておけば迷うことはありません。

小田切 シンプルで使いやすいという点に加えて、適度な拡張性にも価値を感じています。拡張性が高すぎると、初期設定や定義が大変すぎて、運用時の機動性が落ちてしまいがちなのですが、Repro Appはそのバランスが絶妙なんです。

例えばA/Bテスト。シンプルなものであればRepro Appだけで完結できますし、外部データと連携しなければならないときはデータをエクスポートすればいい。外部データと組み合わせた分析は少し大変に感じることもあるのですが、やる気になればできてしまう。

プッシュ通知、アプリ内メッセージ、UXオプティマイザー(β)、アプリの成果改善に必要な機能が必要な粒度で揃っていて、しかも使いこなせる。最初はシンプルに始められて、もっと深く追求したいという想いにも応えてくれる。「かゆいところに手が届く」、そんな存在です。

「人・モノ・社会をつなげる」を体現するサービスへ

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――最後にモバオクの次のステージについても教えてください。

小田切 「人・モノ・社会をつなげる」。弊社ではこれをミッションとして掲げていて、様々なチャレンジが始まっています。2023年から「スポオク」というサービスを始めました。選手着用のユニフォームやサイン入りアイテムのオークションサービスで、ファンとスポーツチームをつなぐ、つまり人と人、人と社会をつなぐを体現するサービスです。

さらに、ここ1年くらいはユーザーコミュニティにも積極的に取り組んでいます。ユーザー同士のつながりを意識した活動ですね。

藤井 「モバオクとユーザーのつながりをもっと強いものにしていきたい」という想いもあります。ユーザーのアクションに合わせて、心に寄り添うようなリアクションを返していって、皆さんの生活の一部に溶け込むようにつながりを深くしていきたいんです。

モバオクとユーザーがつながり、それが人・モノ・社会とのつながりに広がっていく。そんなプロダクト、サービスを目指して進んでいければいいなと思っています。

※本記事は2024年2月29日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。

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