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はじめに
ホンダモビリティソリューションズ株式会社が運営する、Hondaのカーシェアサービス『EveryGo(エブリゴー)』。月会費が無料で、スマホひとつで車両の予約から乗車、返却までが完結。しかも、Hondaの最新車種が発売前にラインアップされたり、ペット乗車にも対応していたりと、車好きの方、必要に応じて車を使い分けたい方、あらゆるドライバーから愛されているサービスです。
2023年2月には会員数が70,000人を突破し、サービスの拡大が続く中、2022年からReproがアプリマーケティングツール『Repro App』とその施策立案・運用支援ソリューションを提供しています。
今回は第二ソリューション部 カーシェア事業推進ユニット ユニットリーダー 釘屋佳介さん、ペク スミンさん、有賀千香子さんに、Reproによる支援開始前にあった課題や、支援開始後の成果について詳しくお話をうかがいました。
(聞き手:Repro株式会社 Customer Success Div 高野 弘朗)
Hondaならではのドライブのワクワクをアプリひとつで
――はじめに、『EveryGo(エブリゴー)』のサービスの特徴やアプリについて教えてください。
ペク ひと言でお伝えするなら、とてもHondaらしいカーシェアサービスだと思います。移動手段としての利便性だけではなく、最新の安全技術やドライブのワクワク感も体験していただけるのが特徴です。
釘屋 ケージに入れればペットも乗せていただくことができます。今までカーシェアサービスを諦めていた方にもぜひ体験していただきたいです。発売前のHonda最新車種に乗ることができたり、純正アクセサリーの高性能スピーカーを味わえたり、Hondaファンの方にも満足していただけると思います。
有賀 月会費無料で、スマホひとつで気軽に車に乗ることができて、面倒な手続きから開放されているのもお知らせしておきたい大きなメリットですよね。借りたいときにすぐに借りられるという。予約時や返却時だけでなく、車の開錠や料金の確認などもアプリ上で完結していて、アプリさえあればシームレスにサービスを利用できます。
ツールがシンプル、施策立案・効果検証も伴走。私たちに合ったソリューションを探していた
――アプリ完結で提供するサービスだからこそ、アプリ内外でのコミュニケーションの重要度が高まりますよね。弊社の『アプリ収益最大化サービス』導入に至った背景についてうかがえますでしょうか。
ペク Reproさんにご支援いただく前も他社のマーケティングツールは使っていたんです。でも、運用が難しくて。専門知識が必要だったんですよね。結果として、やりたいことはたくさんあるのに、知識もないし、工数もないし、料金も少しお高めで……。本当の意味で私たちに合うツールやソリューションがないかと探していたのです。
もっとシンプルで、一緒にPDCAを回して、企画も考えてくれる。そんな会社をイメージしていました。
釘屋 当時、弊社が抱えている課題は明確でした。「多機能すぎても使いこなせなければ意味がない」ということですよね。そこで、Reproさんに相談したところ、「ツールは簡単ですし、伴走型の支援サービスもあって、PDCAを前提に施策立案や数値改善まで提供していますよ」と。私としてはまさに「それです!」という感じでした。
あとは、社内カルチャーの面です。Hondaグループの事業形態は基本的には売り切り型のモデルです。その中に、アプリやサブスクリプションのような、LTV(顧客生涯価値)を最重要視するビジネスモデルを作り上げる必要がありました。
――改善したい具体的な数値はあったのでしょうか。
有賀 月会費が無料ということもあり、会員登録だけをして一度も実際の乗車利用がないユーザーの方や、長期間、利用実績のないユーザーの方が増えてしまうというビジネス上の課題があるんですよね。そういったアプリユーザーの方が、アクティブに利用したくなるようなコミュニケーションが必要だと考えていました。その部分を一緒に考えて、しかも実施までサポートしてくれるパートナーを求めていたのです。
提案が顕在化した課題にフィットしていた。「これだよね」とメンバー全員が安心
――明確な課題をお持ちの中で、弊社からの提案はご期待に応えられていたでしょうか?
ペク はい。提案書をいただく前の事前ミーティングでもはっきりと課題はお伝えさせていただいていて、その解決に向けてわかりやすくフィットするご提案をいただけたと感じています。「これだよね!」と。
そのタイミングでセールスご担当の羽生さんから、実際の支援ご担当の高野さんにバトンタッチになったのですが、高野さんとのコミュニケーションがすごくしやすくて。そういう意味でも安心感が強かったです。
釘屋 サブスクリプション型やSaaS型といわれるようなサービスのKPIやユーザーコミュニケーションのあり方を、一枚の絵にできたのもよかったです。社内で一定の理解はあるものの、見える化はできていなかったので。
■施策提案の前提となるKPIツリーとコミュニケーション設計
※提案書の一部を加工して抜粋。KPIやどのようなコミュニケーションでサービス利用を促していくかを設計している。
PDCAをきめ細やかに基本からサポート。LTV改善率は142%を実現
――その後に、実際に施策を行ってPDCAを回すフェーズに入っていくわけですが、施策立案や効果検証の質、その成果についてはいかがでしょうか。
ペク 当然のことなのかもしれませんが、毎月の定例ミーティングで施策を提案していただき、次のミーティングでは施策の結果とそれに対する考察や、改善が必要であればその改善案までセットでご提案いただける。Reproさんとご一緒する前は、基本的なPDCAサイクルが回っていなかったので、本来目指すべきだったアプリ運用がスタートできたという実感があります。
有賀 施策としてわかりやすかったのは、「ログインの促進」施策ですね。『EveryGo』は会員登録のあとに、入会審査を経て利用可能になります。審査期間があるので、ユーザーの方の行動がそこで一度ストップしてしまうんです。そのために、アプリの起動やログインという行動が減ってしまう。ログインしないつもりだったわけではないのですが、ニーズが発生した直後のタイミングではないので、忘れてしまうユーザーの方が一定数いらっしゃるんです。
そういった方に、アプリ内メッセージを表示して、ログインやサービス利用のきっかけづくりをするというのは、私としても求めていた施策でしたし、数値成果としても跳ね返ってきている印象があります。
ペク ログイン促進はもちろんですが、アプリをダウンロードして会員登録をしていないユーザーへの「会員登録の促進」施策も有効でしたね。プッシュ通知が簡単に配信できるのは『Repro App』ならではの強みだと感じました。
「やりたいと考えていた以上のことができるようになってきた」というのが全体の感想です。サポート体制にも満足しています。こちらから施策の提案をしたときに、設定の方法だったり、プラスαのアドバイスをいただけたりするので、その点は本当にありがたいですね。今後はクーポンの有効期限についてのお知らせなどにもチャレンジしていきたいと考えています。
■「ログインの促進」施策
アプリ内メッセージを表示して、入会審査の期間に離れてしまったユーザーに対してログインを促進する。
■「会員登録の促進」施策
プッシュ通知を利用して、アプリをダウンロードしただけで行動がとどまっているユーザーの会員登録を促進する。
釘屋 事業全体を見る立場としてはやはり、継続率であったり利用回数であったり、要するにLTVがどのように改善されているかを見てきました。導入後6カ月がたったタイミングで取り組みの成果のまとめをしていただいて、試算上ではありますがLTVは142%の改善が実現していますし、CVR(乗車利用)も188%改善しています。成果が着実に見えてきました。
加えて、やはり知見が社内に蓄積していくこと、文化が根づいていくこと、これが本当に大きいと感じています。社内に土壌ができ、カルチャーが浸透していけば、「私もやりたい!」と自然と社内で手が挙がるようになりますから。決して数字ばかりではないですよね。
サービス全体のUXを向上させ、ユーザーと共に創るアプリへ
――ありがとうございます。最後の質問なのですが、今後、Reproのサポートと一緒に実現したいことはありますか?
ペク データも溜まってきたので、ユーザーの特性をきちんと分析して施策を立案したいと考えています。リピーターになりやすい方、離脱しやすい方、それぞれに効果のあるコミュニケーションを考えていきたいですね。
有賀 自分たちだけでは気づけていない、ユーザーの方が気持ち良くアプリを使うための施策を考えたいです。例えば車両のレビューをしやすくするなど、ユーザーの方が積極的にアプリ内で行動できるようになったら。そんなコミュニケーションができたらいいなと思います。
釘屋 その話の延長線上にあるのですが、私たちは『EveryGo』をユーザーの方と共創するようなサービスにしていきたいと思っています。サービスを通してコミュニティを作って、新たなインサイトを拾ったり、お客様一人ひとりを意識したマーケティングができたりしたら、それは『EveryGo』の素晴らしい未来ですよね。
※本記事は2023年4月25日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。