『ママリ』へのRepro導入事例

分析から施策実行までにかかる時間が10分の1以下に。 アプリマーケティング基盤を『Repro』に変えたワケ

「ママリ」/コネヒト株式会社

業種/サービス: メディア・ニュース

課題

分析で浮かび上がった仮説を検証するマーケティング施策の実行スピードに課題があった

導入

分析からワンクリックでマーケティング施策が実行できるReproを導入

効果

分析から実行がスムーズに。プッシュ通知の開封率が1.2倍になるなど様々な成果

 

はじめに

月間閲覧数約2億回(1)、2018年に出産した女性の3人に1人(2)が会員登録をしている、国内最大級のママ向けサービス『ママリ』。「ママの一歩を支える」というミッションのもと、アプリではQ&Aや記事配信を通じてユーザーが出産、育児、ママ友との関係、再就職などの悩みを解決できる場を提供しています。

すでにターゲット層に対しては抜群の知名度と活用度を誇る『ママリ』ですが、社内の限られた開発リソースをどう活用し、効果的な改善施策を行っていくかというところに関しては課題があり、その課題を解消するツールとして『Repro』導入に至ったといいます。

今回は、『Repro』導入以前に抱えていた課題と導入後の変化、そして『ママリ』の今後の展望などについて、同アプリを運営するコネヒト株式会社の藤澤さんにお伺いしました。

(聞き手:Repro カスタマーサクセスチーム 孫)

1) ウェブとアプリの合算値
2) 「ママリ」内の子供の誕生日を2018年1月1日~7月31日に設定したユーザー数と、厚生労働省発表「人口動態統計」の2018年1月~7月分の出生数から算出

質問への回答率は98%以上!ママに愛されるQ&Aアプリ

インタビュー様子

――はじめに、アプリの概要を教えてください。

藤澤 『ママリ』はWebとアプリがあるのですが、アプリはママ・プレママが抱える日常の疑問を、匿名で相談できるQ&A機能を主軸にしています。

『ママリ』アプリのコミュニティはこの手のコミュニティサービスのなかでもかなり活発な方で、投稿数は月間約250万件あるのですが、質問投稿のうち回答率は98%以上、しかもほとんどの質問は95秒以内に回答されています。

――回答率98%以上はすごいですね!ではそんな『ママリ』における藤澤さんの役割について教えてください。

藤澤 『ママリ』のアプリは「新規ユーザー獲得」「リテンション」「マネタイズ」の3チームに分かれて運用しているのですが、私はその中でもリテンションのチームに属し、ユーザーの継続率をメインのKPIとして『Repro』を使ったプッシュ通知・アプリ内メッセージ施策やアプリ内のコンテンツの改善に取り組んでいます。

――アプリチーム内でも役割をしっかりと分けて運用されているんですね。

藤澤 そうですね、リリース初期は担当者が一人しかおらず獲得からマネタイズまで見ていたのですが、サービスの規模が大きくなるにつれて組織も拡大してきました。ユーザー獲得チームはCPIやROASをミッションにし、マネタイズのチームは有料版の『ママリプレミアム』加入率などをミッションにしています。弊社はユーザーのサービスに対する満足度も非常に重要視しており、NPS(Net Promoter Score。顧客のロイヤルティの程度を把握するための指標)の向上をプロジェクトとして期間限定で取り組むチームもありました。現在はそのプロジェクトで出た結果をアプリに反映しようと取り組んでいます。

インタビュー様子

――プッシュ通知施策も弊社ツールを導入する前からかなり力を入れられていましたよね。

藤澤 やはりプッシュ通知は強力なリテンション施策なので重視していますね。数年前からプッシュ通知を運用する専任の担当者を置き、どういったコンテンツが一番ユーザーに刺さるかを日々検証しています。運用する担当者自身がママさんなので、利用者目線でコンテンツを考えることができるのも強みかなと思います。

『Mixpanel』利用時の課題は「データ分析と施策実行の分断」。素早い仮説検証サイクル構築のため『Repro』導入へ

――御社はデータドリブンな文化が根付いている印象ですが、『Repro』導入前の課題は何だったのでしょうか。

藤澤 そうですね、ビジネスサイドのメンバーもSQLを扱えるメンバーが多いですし、『Repro』を導入する前は『Mixpanel』という分析ツールでコホート、リテンションなどの分析を行っていました。

分析だけでいうと社内でも十分にできていた一方で、分析で浮かび上がった仮説を検証するマーケティング施策の実行スピードに関しては課題がありました。ビジネスサイドとしてはなるべく早く仮説検証を行いたいのですが、社内の開発リソースが限られているため気軽にエンジニアに頼むことが難しかったんです。「その施策、本当に開発の工数をかけてまでやるべきなの?」というエンジニアサイドからの反論に対し、ファクトをもって立証できなかったんですよね。

インタビュー様子

藤澤 そんな時に、グループ会社であるKDDIから『Repro』の紹介を受けました。分析からワンクリックでマーケティング施策が実行できる直感的なUIや、施策を行っているユーザー群と行っていないユーザー群を簡単にセグメンテーションし効果検証できる点など、「かゆいところに手が届くツールだな」という印象を受け導入を決めました。

プッシュ通知の最適化は“3ステップ”。平均開封率は1.2倍に

――『Repro』導入後のプッシュ通知の運用について教えてください。

藤澤 弊社では1日に朝昼夜の3通プッシュ通知を送っているのですが、その最適化は3つのステップに分けて取り組んでいます。

ステップ1: 時間帯別のコンテンツジャンル最適化

まずは各時間帯ごとに送るべきコンテンツの種類を最適化しました。ステップ1についてはある程度の結論が出ていて、朝はユーザーの出産予定日に合わせて毎日変わる「今日のひとこと」プッシュ通知、昼と夜は寄せられたQAのなかでも特に人気がある「今日の質問」を送るのが一番効果がありました。

スライド

昼と夜については曜日ごとに質問のジャンルも変えています。たとえば月曜日であれば妊活の話題、火曜はベビーグッズや習いごとなどのライトな話題など、どのユーザーも週に一回は自分ごととして捉えてくれるようなプッシュ通知を送ることを心がけています。

ステップ2: ジャンル内の配信コンテンツの最適化

次に、膨大にある「今日の質問」コンテンツの中からどの質問を選んで配信するかを最適化しています。回答数の多さなどである程度フィルタリングした後は、プッシュ通知の運用チーム内でどの質問にするかを話し合いながら決めています。

ステップ3: プッシュ通知向け文言の最適化

最後は文言のPDCAです。文章の長さや文調など、ユーザーの目に止まり開封してもらいやすい文言は何かを絶えず検証しています。現在の勝ちパターンでいうと、

  • 冒頭の文章は感情に訴えかけるようなものにする
  • 文章の最後は「・・・」で終え、続きが気になるようなものにする

この2つは開封率が高い傾向にあるので、よく使っています。

スライド

これらステップ1~3を行ったり来たりしてプッシュ通知運用の改善を続けていった結果、プッシュ通知の開封率は『Repro』導入前後で20%ほど改善しました。送っているコンテンツは日々違うのでもちろん当たり外れはあるのですが、ある程度の勝ちパターンを見つけられたのは大きいですね。

――2割の改善はすごいですね!他にプッシュ通知で成功した施策などはありますか?

藤澤 プッシュ通知の開封率ではなく、許諾率を改善した事例があります。『Repro』のアプリ内メッセージを使い、「ユーザーがもっともプッシュ通知を許可したくなるのはどのタイミングか?」を検証しました。その結果、ユーザーが質問を投稿した直後がもっとも許可されやすいということがわかり、次のステップとしては許可をお願いする文言の検証を行いました。文言も何パターンかでA/Bテストを回したのですが、ユーザーにとってのメリットが伝わりやすい文言がもっともタップ率が高かったです。

スライド

藤澤 プッシュ通知を受け取るユーザーの母数を増やすことは開封率を上げることと同じくらい重要ですが、これまではKPIとして追う手段がありませんでした。『Repro』では管理画面を見れば許諾率がすぐにわかるので、大変便利ですね。

仮説は「まずやってみて確かめる」。ロイヤリティ向上の阻害要因をアプリ内メッセージで徹底検証

――そのほかに実施したアプリ内メッセージの施策についてもお伺いできますか。

藤澤 前述したように弊社ではNPSでユーザーの満足度を測っているのですが、NPSとサービスへの満足度の相関を調べたところ、アプリの利用初期に他のユーザーの質問に回答したユーザーはNPSが高い傾向にありました。

なので、「登録初月に質問に回答するユーザーを5pt増やす」というのを目標に掲げ、質問を回答するというユーザーアクションの阻害要因をマインドマップ形式でひたすら洗い出しました。「回答したくなる質問がそもそも少ないのでは?」「質問はあるが、UIが見にくくユーザーが質問を見つけられていないのでは?」こんな議論をしながらです。

様子

――回答を阻害する要因の洗い出し、こんなに網羅的にやられているんですね!

藤澤 はい。この中から改善によるインパクトと施策実行にかかる工数を考慮して優先順位をつけていったのですが、『Repro』のアプリ内メッセージ機能で洗い出した阻害要因のほとんどを検証することができました。

例えば、「回答が集まりやすそうな質問を見せればユーザーは回答してくれるのでは?」という仮説を検証するために新規ユーザーに対してポップアップを表示し、実際に回答をしてくれるユーザーの数を調べたりしました。こういったアイデアベースの仮説も『Repro』を使えばマーケター側だけでクイックに検証できるのが良いですね。

『Repro』導入後、分析から施策の実行までにかかる時間は10分の1以下になり、エンジニアも無駄なイシューに開発リソースを割く必要がなくなったので喜んでいます。

スライド

カスタマーサクセスチームの心強いバックアップ

――ちなみに、弊社のカスタマーサクセス(以下、CS)についてはいかがでしょうか…?

藤澤 『Repro』さんのCSにはいつもすごく助けてもらっています。『Mixpanel』等の海外製ツールだとそもそも日本語で質問できず海外との時差もあるので苦労するのですが、『Repro』さんのチャットサポートは回答が丁寧で早い。アプリの実装のことをわかっている方がいるので自社のエンジニアに聞けないようなテクニカルな質問も聞けるのがいいですね!

孫さんの定期フォローも、現在の弊社のフェーズに合わせた施策のご提案や他社の事例など教えてもらえるので大変参考になっています。アプリについて知見がなかったり、担当者が一人しかいないような会社にとって御社のサポートは心強いのではと思います。

Repro孫『Repro』で『ママリ』CS担当者の孫

おわりに:今後の展望

――サポートまでお褒めいただき恐縮です!最後に、今後『Repro』の導入を検討している方向けにひと言いただけますと幸いです。

藤澤 『Repro』はディレクターやマーケターからするとやりたいことを直感的に実行でき、エンジニアからすると仮説検証にリソースを奪われずに開発に集中できる、両者をハッピーにするツールです。弊社のようにすでにデータ分析の基盤がある企業でも便利に使えると思うので、より短期間でPDCA回したい方にはおすすめです。

集合写真(左から)Repro山中、コネヒト藤澤様、Repro孫アプリ収益最大化サービス

Webとアプリの
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「Repro(リプロ)」

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