「ニコニコ動画」/株式会社ドワンゴ様へのRepro導入事例|Repro(リプロ)
左から株式会社ドワンゴ ニコニコ事業本部 ブランド戦略部 下林耕大様、同 ニコニコ開発部 浦野寛規様

「Reproは一緒に挑戦し続けた『戦友』のような存在」アプリダウンロード数の成長を支えたユーザー視点からのコミット

「ニコニコ動画」/株式会社ドワンゴ

業種/サービス: 動画・マンガ

はじめに

株式会社ドワンゴ様が運営する動画コミュニティサービス「ニコニコ動画」へのReproのソリューション導入事例です。株式会社ドワンゴ様にはWebのマーケティングツールである「Repro Web」とマーケティング支援ソリューション「コンバージョン最大化サービス」を導入いただきました。

今回はニコニコ事業本部 ブランド戦略部 編成セクションの下林耕大様と、ニコニコ事業本部 ニコニコ開発部 動画企画第一セクションの浦野寛規様に、プロジェクトの全体像からその成果まで詳しくお話しいただいています。

 

ニコニコ動画の概要

【図】ニコニコ動画のサービスイメージ「ニコニコ動画」WebiOSAndroid

「ニコニコ動画」は株式会社ドワンゴが提供する動画コミュニティサービスです。2006年にサービスを開始し、月間アクティブユーザー2,212万人。Web、アプリ両方で利用することができ、ここでしか体験できないコンテンツや流れるコメント機能を通して「世の中にない遊び場」を提供し続けています。
「ニコニコ」として統合されたサービスの中のひとつであり、他にも「ニコニコ静画」や「ニコニコ生放送」、巨大リアルイベント「ニコニコ超会議」など多数のサービスが提供されています。
※ 2024年9月末時点での月間ユニークブラウザ数

様々な「きっかけ」を提供するニコニコ動画は、「見る」だけでなく「参加する」楽しさも体験できる場所 

【写真】ニコニコ動画の下林耕大様と浦野寛規様

――はじめに、Reproが支援させていただいた「ニコニコ動画」についてご紹介いただけますでしょうか。

下林 ニコニコ動画は、日本で生まれた動画コミュニティサービスです。2006年のサービス開始以来、ユーザーの皆様が主体となって発展してきました。特徴的な「流れるコメント」の機能をはじめ、ニコニコでしか体験できないことを楽しめる、ユーザーの皆様にとっての「遊び場」としてサービスを提供しています。

「ニコニコ〇〇部」に象徴されるように、頭の良い人が、その頭の良さを活かして面白いことをする、それが非常に興味深い場を作り出しています。ユーザーの皆様の熱量が高いことも特徴的で、いくつもの社会現象や新しい文化、ミームが生まれてきました。

浦野 初めて動画を視聴したり投稿したりするなら、まずはニコニコ動画から体験してもらいたい、動画コミュニティサービスを楽しむ方のための入り口でありたいと考えています。そのなかにユーザーの皆様が好きなものや見たいものが、なんでも揃っているという魅力も、特徴のひとつだと言えるのではないでしょうか。

下林 実は私自身も子供の頃から、ニコニコ動画を見て「コメントが流れている動画が面白い」と思いながら育ってきました。そこからネットの文化やアニメなどにも興味を持ち、今も趣味の中心として日々楽しんでいます。同様に、これからも多くの方にとっての「きっかけ」を生み出す、サブカルチャーを愛する人たちの文化的な中心のひとつ……そのようなサービスでありたいと考えています。

――そのなかでお二人はそれぞれどのような役割を担われているのでしょうか。

下林 私が所属しているブランド戦略部は、ユーザーの皆様にサービスを知っていただき、継続してご利用いただくことをミッションとしています。そのため、サービス内の体験価値向上を図るとともに、サービス外に向けては認知度向上と利用促進のためのブランディング活動を行っています。

例えば、SNSの活用や魅力的なコンテンツの発信を通じて、まだニコニコ動画を知らない方に気付いていただいたり、しばらく利用していない方に再び訪れて楽しんでいただけたりするようなアプローチを検討する、といったことも私達の部署で担当しています。

浦野 私が所属している「動画企画」のチームは、主にニコニコ動画内のシステム改修や新機能の追加などを行っています。いつの時代でもユーザーの皆様がもっと使いたいと思えるプラットフォームになれるように、サービスとしてどうあるべきかを考えた改善を続けています。

ニコニコ動画のアプリをもっと使ってもらいたい! しかしそこには様々な課題が……

【写真】ニコニコ動画の下林耕大様と浦野寛規様

――ニコニコ動画といえばWebサイトの印象が強い方も多そうですが、アプリの位置づけはどういったものなのでしょうか。

浦野 初めて使う方からヘビーユーザーまで、誰でも気軽に動画を楽しめるのが、アプリ版のニコニコ動画です。

今は誰もがスマホを持っている時代ということもあり、どのような方でも動画を視聴できるようにわかりやすさを重視して設計しています。ニコニコ動画は常に進化を続けていますが、その中でもアプリは更新頻度が高く、何か新しいことに挑戦したい場合にもアプリから始める場合が多いです。そういった意味で常に新しい要素が入っている点も特徴のひとつです。

――外部向けの発信を行っている下林様と、内部のサービス面からユーザーに向き合っている浦野様が、Webサイトからのアプリダウンロードを訴求するプロジェクトにおいて連携されています。その背景や改善したかった課題について教えていただけますか?

浦野 動画企画のチームでは、新しいユーザーの定着が大きな課題だと考えており、機能的な面からユーザーの皆様の体験をよりよくすることを続けてきました。一方で、ニコニコ動画は歴史が長いサービスということもあり、昔のイメージのまま、最新のサービス内容を知らない方が多いことも課題のひとつとして挙げられます。

そこで、常に最新のアップデートが入っているアプリをもっと使っていただくために、アプリストアの内容を変えたり、情報の露出機会を増やしたり、といった試みを行ってきました。

下林 ブランド戦略部では、SNSを活用したり、イベントを企画したり、広告を出して集客したりと、サービスの外側からの集客を行ってきました。多くのユーザーが、SNSや検索を経由して「コンテンツが見たい」とWebサイトを訪れますが、外部流入経由の場合は単一の動画視聴のみで終わってしまい、そのまま離脱してしまう傾向が課題としてありました。

近年、新規会員登録のハードルが高まる一方で、アプリのダウンロードは比較的ハードルが低く、更に定着率も高い傾向にあります。そのため、継続的な情報提供やコミュニケーションを実現するには、Webからアプリへの誘導を強化し、アプリを通じた接点を強化することがより効果的だと考えました。

――アプリをダウンロードしていただくための訴求をするにあたり、スピード感がネックになっていた部分もあったそうですね。

下林 社内のリソースを活用して施策を実行する際、複数のチームとの連携が不可欠です。しかし、各チームの意向や要望を考慮しながら多くの案件を同時に進めていると、新たに対処すべき事項が発生した場合に優先順位が下がり、結果として時間を要してしまうことが課題のひとつとしてありました。

Webサイトのユーザーをアプリへ! まずは「サービスの健康診断」で課題を見つけ、より快適なアプリ体験へと導く

【写真】ニコニコ動画の下林耕大様

――いくつもの課題が具体的に浮上していた中で、Reproに対してどのようなことを期待していただき、導入に至ったのでしょうか。

下林 様々な課題を解決するためのPDCAサイクルを回すにあたり、効果検証やA/Bテストの仕組みを入れたり、定着率を上げるために重要なUI/UXの改善をしたりと、一過性のキャンペーンではなく、継続した施策を行っていく必要がありました。しかし私たちブランド戦略部にはマーケティングを実施できる人材が不足していました。

そこで、サービス側の開発を伴わずに導入できるだけでなく、Reproの皆様の知見を活かしたコンサルティングを受けられるという点が、導入の大きな決め手となりました。

――2024年9月にReproのソリューションを導入開始されています。まず、何をされたのでしょうか。

下林 導入前の段階でWebサイトからアプリへ誘導するための課題を一緒に整理していただきました。そこで何がボトルネックになっているのか、どのような改善を行えば早期にアプリへの流入が図れるのか、といった分析や簡単なシミュレーションを、「サービスの健康診断」のような形で一緒に見ていただきました。

さらにユーザーの皆様の来訪経路や、そのための訴求軸を分析した上で、最適なアプローチの方法や表示形式、表現の工夫などを議論しながらスタートダッシュを切りました。それ以降も「これを改善していきましょう」「こういう施策をやってみたらよいのではないか」といったことを次々と提案していただきながら、一緒に実施し続けてきました。

【図】Reproがご提案したマーケティング施策の一部Reproがご提案したマーケティング施策の一部

これまで避けてきた手法を試してみたら意外なインパクトに驚き!目標達成率は120%以上に成長

【写真】ニコニコ動画の浦野寛規様

――導入から7か月ほど経ちましたが、その後の成果はいかがでしょうか。また、これまで実施した施策のなかで特に印象に残っているものがあれば教えてください。

下林 アプリダウンロード数への影響は数字としてしっかりと表れました。2024年12月時点で目標達成率120%以上となり、その効果を非常に強く感じています。

【図】アプリダウンロード数の実績と達成率アプリダウンロード数の実績と達成率

印象的な施策としては、Webの視聴ページに対してハーフモーダル形式で「アプリをダウンロードしませんか」というご案内を出したものですね。

具体的には、Webの視聴ページで動画をご覧になった方に向けて、「アプリにはこういった魅力があるから、ぜひ使ってみませんか」と、明確なメッセージを発信したのです。以前は、表示形式が視聴体験を損なうおそれがあり控えていた手法でしたが、実際に試してみたところ、アプリのダウンロード数が想像以上に増加しました。

これが導入初月の出来事で、1日のアプリダウンロード数として見たときにおよそ20~30%増の数字になっていたため、「こんなに伸びるんだ!」と圧倒的なインパクトを感じたことが忘れられません。

half-bハーフモーダル形式でアプリダウンロードのご案内を表示

一方、動画を見終わったタイミングで、次の動画を出すかわりに「アプリで次の動画を見てみませんか」とメッセージを出す施策も試してみました。ところが、前述の施策とは異なり、全くと言っていいほどダウンロードに繋がりませんでした。こちらの施策も強く印象に残っています。 

どちらもごく初期の施策であったため、メッセージを配信するタイミングとその内容を慎重に検討し、施策を実行することの重要性を早い段階から理解できたのです。

浦野 私は、視聴ページの一番上に表示されている「スマートアップバナー」の文言を頻繁に変えるという検証が印象に残っています。

以前から運用しているバナーでしたが、何度も内容を変えるものではないという認識のまま止まっていました。その内容を、年末やお正月、バレンタイン、春など、季節やタイミングに合わせて変えていったところ、明確な効果が確認できたのです。運営視点では風景化していた施策が、実はきちんとユーザーの皆様に届いていることがわかり、新鮮な驚きがありました。

【図】「スマートアップバナー」の表示イメージ
「スマートアップバナー」の表示イメージ

下林 Repro様は、ニコニコ動画というサービスを外部の視点から客観的に捉えられる立場にいらっしゃるからこそ、私たちでは思いつかないご提案をいただけました。それにより、多岐にわたる改善策を実行できたと同時に、多くの学びを得ることもできたといえます。

――以前はスピード感も課題のひとつでしたが、そちらはいかがでしたか?

下林 内容やスケジュールの観点から難しいかもしれない依頼を行ったことも少なくないのですが、どのような場合でも丁寧かつハイクオリティに、スピード感を持って対応していただけたことが印象的でした。社内で同様の施策を実施する場合、1か月程度かかる見込みのものが、1~2週間で完了できたため、本当に「早い!」と感じていました。

浦野 マーケティング施策が社内で完結していた頃は、サービスのルールで何らかの施策が不可能となると、一度手を止めて対処方法を考えてしまうことで、より時間がかかっていました。しかしRepro様の場合は、何らかの施策に対して我々から「それはダメです」と言わざるを得なかった場合でも、そこで止まることなく代案をすぐに用意して先へ進んでくれました。

価値観を共有し、より良い施策のために繰り返したコミュニケーション。「Reproは一緒に挑戦し続けた『戦友』のような存在」

【写真】ニコニコ動画の下林耕大様と浦野寛規様

――今回、複数のReproメンバーがニコニコ動画様のプロジェクトを支援させていただきましたが、サポートやサービスについてはいかがだったでしょうか。

下林 Reproの皆様がニコニコ動画のサービスを深く理解してくださっている点は、非常に重要なポイントでした。新規ユーザー向けの施策はもちろんのこと、長年ご利用いただいているユーザーの皆様にも価値を提供し続ける必要があるため、他社様との打ち合わせで「他社事例で効果があったので、この施策が良いでしょう」とご提案いただいても、「ニコニコ動画のサービス特性上、それは実施できません」とお答えせざるを得ない場合が多くありました。

しかし、Reproの皆様はニコニコ動画のユーザーとしての視点もお持ちで、「これは許容できないライン、こちらは許容できるラインだ」といった価値観についても共感してくださり、重要なポイントを決して外さないご提案をいただけたので、とてもありがたかったです。

仮にNGになる場合があっても、問題点をいかにクリアにしながらより良い施策を実行していくかという部分を目指してコミュニケーションをスムーズに行えたことも、お互いにとってプラスだったと思っています。だからこそ、今では同じ目標に向かって挑戦し続けた「戦友」のような存在だと感じているのです。

浦野 最初にお会いした際、Reproの皆様が「ニコニコ動画が好き」「ニコニコ動画を昔から見てきた」という方ばかりで、大変うれしかったことを覚えています。

ニコニコ動画は、ユーザーの皆様から「実家」「あたたかい」と言われたり、どんなにニッチなものでもある「ニッチの集合体」と表現されたりしています。運営側としてもユーザーの皆様の楽しみ方を誘導しすぎないように、あくまでもユーザーメインで楽しんでいただける可能性を狭めないように、といったことを常に意識しているのです。そういった、我々がユーザーの皆様のために提供し続けたい価値を深く理解している方々に集まっていただいた意義も大きかったと感じています。

下林 そういえば、何らかの施策を実施する際には必ずプレビューを確認するのですが、ニコニコ動画の中からReproの小林さんが好きな動画を使ったものを送ってくださるので、毎回それを見るのが楽しみでした(笑)。

得られた知見を活かし、「ニコニコってこんなに楽しいんだ」をこれからも伝えていきたい!

――最後に、ニコニコ動画様の今後の展望についても教えてください。

浦野 今回のRepro様とのプロジェクトを通して、どういったものがユーザーの皆様に求められているかに関する知見が蓄積できました。今後は、その知見を機能としてユーザーの皆様のために提供する方法を計画中です。

今回はニコニコ動画としてのプロジェクトでしたが、「ニコニコ」のサービスにはニコニコ動画以外にも様々なものがあります。それらのサービスを繋げる施策を考えて、ニコニコ全体が引き続き多くの方に愛していただけるように頑張っていきたいです。

下林 Repro様とのプロジェクトを通して、何度も施策を繰り返し、成果を出して、どんどんPDCAのスピードが上がっていきました。量的には非常に大変ではありましたが、いくつもの施策や検証をやりきったと考えています。そして実際にやりきったからこそ、次の展開まで見えてきました。

今後は、現在ニコニコを使ってくださっているユーザーの皆様にはもっと楽しんでもらい、まだ使っていない方にもどんどんニコニコを利用してもらえるように、「ニコニコってこんなに楽しいんだ」というメッセージを一層伝えていきたいと考えています。

【写真】ニコニコ動画の下林耕大様、浦野寛規様、Repro小林、宮川、石崎左から株式会社ドワンゴ 下林耕大様、浦野寛規様、Repro株式会社 小林航大、宮川真季、石崎晋也

※本記事は2025年3月25日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。

アプリとWebの
売上最大化ツール
「Repro(リプロ)」

サービス資料をダウンロードする 担当者に問い合わせる

アプリとWebの
売上最大化ツール
「Repro(リプロ)」

サービス資料をダウンロードする 担当者に問い合わせる

PAGE TOP