はじめに
「面接や履歴書必要なし」、「すぐ働けてすぐお金がもらえる」、「レビューが見れて安心」という3つの特徴を打ち出し、2018年にスタートしたスキマバイトアプリ『Timee』。人手不足の企業、柔軟な働き方をしたい求職者、双方のニーズの懸け橋となり、2020年12月時点で利用者数160万人、導入店舗数3万1000ヵ所を記録するまでにサービスをグロース。
一方、ワーカーの増加に伴い、リテンションの向上やアプリ内コミュニケーションの重要度がより高まってくるように。そこで適切なアプリ内コミュニケーションの実現に向けて『Reoro』を導入。詳細なワーカー情報を取得することで自社マーケティングやプロダクトの改善、さらにはより踏み込んだ顧客への提案につながり、事業のグロースが加速したそうです。
同社ではどのようにReproを活用し、サービスの発展につなげていったのか。同サービスを運営する株式会社タイミーのマーケティングマネージャーの中川祥一さん、マーケティング本部 ワーカーマーケティング担当の井上菜摘さんに伺いました。
( 聞き手:Repro Customer Success Div 安斎)
スキマ時間を豊かにするスキマバイトアプリ『Timee(タイミー)』
――貴社の事業について教えてください。
中川 当社は「一人ひとりの時間を豊かに」というビジョンを掲げ、スキマバイトアプリ『Timee』を展開しています。どういったプロダクトかというと、例えば3時間のピーク時間帯だけアルバイトを増強したいコンビニエンスストアなどの店舗と、短い時間でも収入を得たいワーカーさんをマッチングする、事業者とワーカー双方にメリットをもたらすワークシェアプラットフォームです。
以前はワーカーさんを募集する企業は飲食店などがメインだったのですが、ご存知の通り昨今のコロナ禍の影響で飲食業界が打撃を受け、居酒屋などのアルバイトニーズが減少傾向にあります。そこで最近では、EC需要の高まりに合わせて運送会社さんなどの物流企業や小売業、デリバリーニーズの高い店舗など取引先の業種の幅を広げ、顧客のポートフォリオを拡大。結果、今年は最高益を記録し、利用者数は160万人、導入店舗数は3万1000ヵ所になりました。
――すごい結果ですね!
中川 『Timee』ローンチ以降、リーンにプロダクト改善を繰り返したこともグロースの背景にあると思っています。例えば、応募まで迷わないシンプルなUIにこだわることで登録ワーカーさんの増加に貢献できた。また、クライアントサイドで言えば、大手コンビニやファーストフードチェーンさんが使えるくらいの労務周りの整備を進め、大企業からの取引件数の増加につながっています。
特に効果が大きかったのはプロモーションです。2019年末から有名女優さんを起用したTVCMを打ち、「スキマバイトと言えばTimee」というイメージを持っていただくことに成功。認知を高め実績を先につくることで、ワーカーさんの囲い込みと社会的信用度のアップを実現し、ワーカーさんと事業者さん双方に継続してご利用いただける流れができました。
一回目の応募を乗り越える後押しに
――『Repro』の導入については、どのような背景があったのでしょうか?
中川 『Timee』がローンチしたのは2018年8月なのですが、その4ヵ月後からUI改善に向けて『Repro』を導入したと聞いています。現在はワーカーさんの増加に伴って、いかに応募してもらうかといったインストール後のリテンション向上が課題。その解決に向けたプッシュ通知など、アプリ内コミュニケーションの基盤として利用させていただいています。
――『Repro』を活用するにあたって難しい点などはありましたか?
井上 特にありませんでした。専門用語など難しい単語にも補足説明が書いてあるので、初めて使う人にも優しいUI/UXだと思います。また、機能の使い方がわからない際には、カスタマーサクセスの方にすぐに聞くことができます。以前問い合わせた際もわかりやすい例をあげながら丁寧に説明してくれたので、すんなり疑問を解消できました。また、定期的に分析レポートも出してくれるので、定量的な数字をもとに適切な施策を打つことができます。
――具体的には、どのような施策を打ったのでしょうか?
井上 エリアごとにセグメント分けして「こんな案件があります。働いてみませんか?」といったプッシュ通知を配信をしていて、月に200~300人の方がプッシュ通知を通じて動いています。バイトマッチングアプリは、多くの人にとって新しい体験。簡単に応募できるだけに、「面接もないし大丈夫かな?」と不安に思う方もいます。そんなワーカーさんの背中を押すことにプッシュ通知が大きく貢献している実感があります。
中川 ワーカーが離脱しやすいタイミングはいくつかあるのですが、一番の“谷”は、最初の応募時です。一回経験をしてもらえれば、二回目、三回目と継続されることが数字でも表れています。はじめの心理的ハードルを乗り越えるための施策は重要だと思います。
――テキストの工夫などもされていますか?
井上 そうですね。『Repro』の機能を使ってABテストをしながら、テキストは日々改善を繰り返しています。募集自体には色んな訴求ポイントがあるのですが、一番刺さりやすいのは「交通費支給」ということがわかりました。あとは、大人数の募集や長時間になりやすい物流系であれば「日給」を気にするワーカーさんも多いので、相場より高い場合はテキストで訴求することも多いですね。
――募集の後押し以外の活用法はいかがですか?
井上 インストールや登録の段階では、私たちはワーカーさんの年齢と性別しかわかっていません。コロナ禍におけるアルバイトの意識の変化やレジ打ち・フォークリフト・PC入力といった保有スキルや経験を把握し、より正確なマーケティング施策を打つためにも『Repro』からGoogleのアンケートフォームに誘導し、詳細なワーカー情報を取得するようにしています。
中川 アンケートの情報を集めるといろんなことが見えてきます。「登録者の4人に1人がMicrosoft Officeを使えるから、オフィスワークの事業者さんにも需要がありそうだね」とか、「こんな属性のワーカーさんが多いから、こんなキャンペーンが有効かもね」とか、「こんな資格を持った人がいるんですよ」「この資格・スキルを持った人はほとんどいないので、教育コストはかかるけど同じ人を繰り返し起用して育てましょう」とか。ワーカーアンケートの調査結果をまとめて定量的な実態を示すことで、自社のマーケティング施策はもちろん、事業者側への期待値調整や提案などに活かしています。
――今後の展望を教えてください。
中川 当社が定義しているマーケットがあるのですが、そこへの浸透率はまだまだ低いと考えています。それを高めていくためには、募集していただく事業者側の業種の拡大もありますし、20代が多いワーカーの年齢層も広げていく必要があるかもしれません。より幅広く「人が欲しい」、「働きたい」というニーズに応えられるプロダクトへ進化する必要があると思います。
コロナ禍でアルバイト市場は大きく変化していますが、オフィスワークなどを含めたニーズの広がりもあると思います。『Timee』では事業者側から単純作業を切り出して、スキルを特定しない誰でもできる案件をメインで扱っています。どんな業種でも単純作業はあり、当社でも展示会で集まった名刺のデータ入力などに活用しています。さらに、最近では個人からの依頼も増えてきました。業界を問わず私たちが貢献できる余地や可能性は十分にあるので、今後も『Timee』がサポートできる領域を広げて行けたらと思っています。
スムーズなコミュニケーション設計が可能に
――これまで『Repro』を使用されてきた感想はいかがですか?
井上 アプリ接客ツールを使ったことがなかったのですが、『Repro』の操作は本当に簡単でした。プッシュ通知のテキストの入力からセグメント分け、配信まで私のように初めて使う人もスムーズにできます。データをCSVで落とすこともでき、マジックナンバー分析やアプリ内のワーカー動向の分析もしやすいので、適切な施策につなげることができます。
中川 細かなコミュニケーションを大切にしたOne to Oneマーケティングを実現したいとき、自社で基盤をつくるのはコスト的にも技術的にも難しい。しかし、『Repro』を使えば、セグメントを分けたコミュニケーション設計がコストをかけずにスムーズにできるので、私たちのようにこれからマーケットを広げていくプロダクトを持っている企業にはすごくオススメです。
――『Repro』に今後期待したいことはありますか?
井上 定期的にCSの方からも「どうですか」と要望を聞かれるのですが、すごく使いやすいので不満もありません。豊富な取引実績をもとにしたアドバイスなどもいただけていますし、日々使いやすさも向上している感じるので感謝しています。
――ありがとうございます!これからも、カスタマーサクセスとして貴社や働かれているみなさんの成功を一緒に目指していきたいと考えていますので、何かご要望があればお気軽にご相談ください。
※本記事は2021年2月4日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。