はじめに
全国5,000以上の結婚式場データベースとその検索機能を備え、カップルと結婚式場とのベストマッチを創出する結婚準備クチコミ情報サイト「ウエディングパーク」。結婚式を検討しているカップルの様々なこだわりに対応する検索軸やクチコミ、写真などを豊富に掲載し、国内のウエディングメディアでは最大級のクチコミ掲載数を誇ります。
株式会社ウエディングパークでは、そのほかに ウエディングドレス、フォトスタジオ、結婚・婚約指輪のブランド・ショップ、海外の式場が検索できるそれぞれの専門姉妹サイトの運営や、運用型広告のアカウントプランニング、プロモーション用動画制作など、ウエディング業界向けのデジタル技術活用を幅広くサポートしています。
ブライダル業界のインターネットサービスを牽引し、着実に成長してきたウエディングパークですが、当社のカスタマーエンゲージメントプラットフォーム「Repro Web」を導入いただいた際は「対ユーザーコミュニケーションの限界を感じて」いたそうです。
ご相談いただいたのはウエディングパークでサービス戦略の策定や企画開発、広告などを担うマーケティングリードの助川健太郎様。Repro Web導入の結果、たった1ヵ月でCVRが「初回来訪者」で140%に改善、「リピート来訪者」で130%に改善しました。
いったいどのような施策を行ったのでしょうか。助川さんと、新卒入社1年目で施策の企画や実行を担当している田中桂樹さんにRepro Web導入のメリットや成功事例、おすすめポイントなどを伺いました。
「面で展開するコミュニケーション」に限界を感じていた
――ウエディングパークのクライアント(式場)向けサービスの特徴を教えてください。
助川 結婚式を検討するユーザーを、クライアントである結婚式場の公式ホームページへお送りした「送客数」をKPI(重要評価指標)としている点です。
一般的なWebサービスでは、自社のWebサービス内でのCV(予約や購入)をKPIにしていることが多いかと思いますが、ウエディングパークはあくまで送客モデルであり、式場側の自社マーケティングをより強力にサポートできます。
昨今、自社の公式ホームページでの集客を強化する式場が増えてきていますが、それと合致する「公式ホームページ誘導モデル」を推進している点が、ウエディングパークの特徴であり、強みといえるでしょう。
――Repro導入前、どのような課題があったのでしょうか?
助川 Google Analyticsの数値を見て施策を企画・実行・検証してきましたが、面ごとの個別最適化に限界を感じていました。結婚式場公式ホームページへユーザーを誘導するCVRをページ単位で上げることを追求してきましたが、各ページに来訪するユーザーには様々な目的が想定されます。しかしそれまで、ユーザーには画一的なコミュニケーションを行っていて、ユーザーインサイトに応じた施策を打てていなかったんです。
また、改善のPDCAを回すスピードが遅かったことも課題でした。施策をWeb上で実装するために開発サイドとの調整がつど必要だったため、企画立案と実行のサイクルを回せる量とスピードが遅かった。それでツールを検討し、Reproを導入しました。
――導入の決め手はどこにあったのでしょうか。
助川 伴走して一緒に成長できるイメージを描けたことです。というのも、これまで他の領域含め様々なサービスを導入してきましたが、導入後は自力で回る仕組みを築き上げる必要があり、メンバーが使いこなせず定着しないことが多かったんです。
当社はマーケティング施策を基本的にインハウスで実施する方針を採用しています。そのため、自分たちで使いこなせるイメージを持てることがとても重要だったんです。ツールの導入でこれまで苦労した経験から「一緒に施策のPDCAを回していけるパートナーだ」と感じられた点が決め手になり、Repro Webを選びました。
たった1カ月で「初回来訪者の公式ホームページ訪問率」が140%に、「リピート来訪者の公式ホームページ訪問率」が130%に
――ありがとうございます。導入後にまず着手した施策は?
助川 現実世界でいうところの「接客」にあたる1to1対話型マーケティングを強化したことです。まず、KPIである「送客数」をさらに上げるための施策をいくつかに細分化。ページごとに「目的ページまでどうやって到達するユーザーなのか」、仮説を立てました。
その上で、「来訪者」を「初回来訪者」と「再来訪者」に分けてインサイトを推測。ユーザーごとに適切なメッセージを送った結果、たった1カ月で「初回来訪者の公式ホームページ訪問率」が140%に、「リピート来訪者の公式ホームページ訪問率」が130%に改善しました。
あと、これまでCV(クライアントの公式ホームページへの遷移)がなかったユーザーが再来訪した際に、CVを促す施策も実施しました。ページ内で35%以上スクロールした自然なタイミングでメッセージを表示させたところ、CVRが110%改善する結果に。この施策もインパクトがありましたね。
――短期間で1to1対話型マーケティングが成功した要因は?
助川 ひとつは、社内で定期開催している合宿でメンバー同士で議論したこと。ユーザーインサイトやそれに適した施策について何時間もディスカッションし、ターゲットユーザーの姿や行動をより精度高く見極めたことが、成果に繋がったのだと思います。
また、事前のオンボーディング(サービス定着化までの支援活動)をReproさんから丁寧にやっていただいたり、共通言語を持った上で伴走いただけたことも成功の要因でした。
――オンボーディングはどのような内容だったのでしょうか?
助川 まず、共通認識のすり合わせです。例えば、独特な社内用語や良し悪しの判断軸などを資料で共有し、共通言語化しました。
先述の通り、これまでツール導入を定着化できなかった反省がありました。事業内容や社内の運用体制をご理解いただかないまま提案をいただいても、ツールの実装が上手くできないことが多い。それはお互いに不幸なことです。
Reproさんの場合は「手取り足取りのオンボーディングによる支援」がサービスに始めから組み込まれているし、前のめりに理解いただける。おかげさまで、導入から定着化までがとてもスムーズでした。
Reproの導入サポート・オンボーディング
――今後に向けて、考えている施策はありますか?
助川 まさに検証中の施策なのですが、ユーザーを「初回来訪」と「再来訪」の2分類だけでなく、さらに解像度を上げてコミュニケーションを変える施策を強化したいですね。ページへの流入経路によって、ユーザーのモチベーションやインサイトは異なるという仮説から、流入経路およびスクロール率に応じてメッセージ内容を出し分ける施策を実施していますが、開始1週間で効果の兆しが見えています。
その他にも、クチコミの投稿促進をする施策や、別で導入している外部ツールと連携してユーザーの志向性に応じたコンテンツレコメンドを強化する施策も実行していきたいと考えています。
導入ハードルは低い。Repro Webを使わない手はない
――Repro Webを使ってみてのご感想は?
田中 私は入社1年目で、ツールの使用はRepro Webが初めてですが、管理画面がとてもシンプルで使いやすい。ちょっとしたポップアップの設定も簡単にできます。
当チームにはエンジニアがおらずディレクターだけで運用していますので、JavaScriptやCSSといったフロントエンド側の知識がありません。仕様の設定など開発エンジニアの領域で困った際も、Slackでのチャットを通じてReproさんがスピーディに解決してくれます。
また、導入前に比べて リリースまでのスピード感が圧倒的に早く、工数が少なく済むため、多くの施策を実施できること が魅力です。自身のユーザー理解力が高まればさらに使いこなせるようになるので、奥が深く潜在力がまだまだある。
助川 Repro Webを導入してすぐに結果が出たので、成功しているといえます。もちろん、施策を展開して結果が出なかったケースもありますが、そこからユーザー理解、次の仮説立てのディスカッションへとつながりました。
また、PDCAサイクルも早く回せるようになり、社内での施策検討が行いやすくなりました。Repro Web導入による間接効果があったことも含めて、とても満足しています。
――Repro Web導入を検討されている企業やご担当者へ、アドバイスはありますか?
田中 エンジニアの工数を削減できるというメリットは、費用対効果が高いといえるのではないでしょうか。「エンジニアの工数を割けないから、施策を実施できない」悩みを抱えることなく、Repro Webがあればディレクターだけで施策の実行まで完結できて、効果も出せます。
また、Repro Webを活用すればユーザー理解が深まり、学んだことをほかの開発ディレクション業務へ活かせます。Reproさんとの協業を通じて、マーケティングの本質やマーケターとして成長する必要性に気づきました。自分でいうのもなんですが、新人教育にも適しているのではないでしょうか(笑)。
助川 対話型マーケティングの重要性は昔からいわれてきました。Repro Webなどの接客ツールを活用しないことが機会損失になっていることもありますし、私たちも経験からそれを痛感しています。
もしかしたら導入のハードルが高いと思われているのかもしれませんが、実際はかつてのイメージよりもハードルは下がっています。
一方、導入時は定着に向けた「仕組み作り」を意識するべきだと思います。片手間で取り組んでも社内に浸透しません。最初の「キャズム(定着までの溝)」を超えるために、覚悟を持ってパワーをかけ、工夫してツールを社内に定着化させること。効果がよくわからないまま使わなくなるのは本当にもったいない。「旗振り役が実際に使い倒して土台部分を作るまで」が重要です。
――最後に、今後Reproへ期待したいことを教えてください。
助川 強いてあげるなら、他のSNSツールとの連携など、さらに幅広くマーケティング活動をカバーできるようになると、なお良いと思います。
田中 同業の成功事例をもっと共有いただきたいです。また、先入観を持っていないユーザー目線のご意見をもっといただけると嬉しいです。
また、基本的な設定は非エンジニアでも操作できるほど簡単ですが、複雑だったりイレギュラーだったりというパターンだと、非エンジニアには対応がまだまだ難しくReproさんに力を借りています。今後は非エンジニアが単独でも操作できる管理画面になると、さらに使いやすくなると思います。
(聞き手:Repro株式会社 Repro Customer Success Div 高橋奈々)
※本記事は2021年3月29日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。