はじめに
2016年4月、いわゆる電力自由化と同時にKDDI株式会社が立ち上げた電気事業『auでんき』。全国に通信網を持つKDDIブランドの安心感や、契約者全員が電気料金に合わせたポイント還元を受けられるわかりやすいお得さが好評です。2022年7月に、KDDIグループのauエネルギー&ライフ株式会社が電気小売事業などを承継して『auでんき』を提供することで存在感を増し続けています。
今回は、立ち上げ当初から『auでんき』の運営に携わり、その成長を支えてきたauエネルギー&ライフ株式会社 UI・UXデザイン部の谷徳愛様と澤井秀高様に、『Repro Web』『コンバージョン最大化サービス』を導入いただいた経緯とその効果についてお話をうかがいました。
(聞き手:Repro株式会社 Customer Success Division 嶋颯太郎)
急務になったオンラインシフト。山積みの課題を解決するためにReproを導入
――新電力ではいわば先行組の『auでんき』ですが、当初から順調にユーザーを獲得できていたのでしょうか?
谷 当初は比較的好調だったと思います。KDDIグループには全国にauショップというお客様との接点があるので、リアルなコミュニケーションを通して、新電力のことをきちんとご理解いただけたのが良かったのだと思います。当時は「電気は対面で契約するもの」というイメージがありましたし。
しかし、外部環境の影響でスマートフォン等の端末をお求めになるお客様のauショップへの来店頻度に変化が起き始めました。競合の増加や電気のオンライン申し込みの普及といった変化もありました。2019年頃からはWebマーケティングの強化が求められてきた形です。
澤井 しかし当時、『auでんき』のサービス紹介は、auの本体サイト(https://www.au.com/)の配下でしか展開されていませんでした。本体サイトのトンマナや情報設計を踏襲する必要があったり、コンテンツもテキスト中心で……。『auでんき』のお客様をオンラインで獲得していくという目的に対して、最適なものとはいえませんでした。そこで2021年の3月、独立した『auでんき』のWebサイトを立ち上げたのです。
――『auでんき』のWebサイトを立ち上げたあとに『コンバージョン最大化サービス』を導入いただきましたが、どんな課題をお持ちだったかをお話しいただけますか?
谷 端的にいうと申し込みのCV(コンバージョン)数が思うように伸びていなかったということです。特に課題感が強かったのが広告経由のCVR(コンバージョン率)でした。弊社では広告は広告のパートナー、制作は制作のパートナーと個別にお手伝いいただいているのですが、広告での訴求とLPやWebサイト上での訴求に整合性が取れていないケースが発生していました。
広告の訴求とファーストビューの訴求を合わせるという当たり前の施策すらも、デザイン、エンジニアのリソース不足で実現できないことがありました。今考えてみると、これではCVRが思うように伸びていかないのは当然ですよね。
澤井 弊社内の分析やディレクションで解決できれば良かったのですがそれもなかなか難しく。Webサイトの運用を担当している私たちも決してリテラシーは高くありませんでしたし。大げさに言うと「Google Analyticsでどこまで分析できる?」というような状態でした。
Web運用、特にCVRの改善にはスピーディなPDCAが必要であることはわかっていました。しかし、迅速に施策を立案して実装するリソース、施策立案の背景となる緻密な分析ができるリテラシー、このふたつが欠けていたのです。そんなときに出合ったのがReproさんでした。
スピーディな実装と細やかな分析により約3カ月でCV数が1,000件以上増大
――ありがとうございます。Reproの課題への対応はいかがでしたか?また効果を感じられた施策や印象的な施策はありましたか?
谷 『Repro Web』を導入したことで施策の実装スピードが飛躍的に早くなりました。ファーストビューの切り替えが『Repro Web』の設定だけで完結するので、広告バナーとLPの訴求の整合性も確実に取れるようになっています。Webサイト側でCV貢献度の高いコンテンツを分析していただき、それをLPへと反映させていく手法も印象的でした。
澤井 最初はLPだけだったのですが、徐々にスコープをWebサイトにも広げていって、Webサイト経由のCVも増えていっている印象です。フローティングボタンを置いたり、ポップアップを表示したりする施策もシンプルでしたが効果的でしたね。Reproさんが施策立案から実装、さらにはレポーティングまでを一貫して行ってくれるので、実装時の社内承認や報告もスムーズですし、成果に対する評価も上々です。
■広告バナーの訴求に合わせてLPのファーストビューを改善
『Repro Web』を用いて、「契約解除料0円」を最大限に訴求できるファーストビューに変更。CVRが115%改善した。
※2021年11月1日~2021年11月14日の実施・計測成果。
■Webサイト上でCV貢献度の高かったコンテンツをLP上部へ挿入
『Repro Web』を用いて、CV貢献度の高いコンテンツをLP上部へと挿入。CVRが179%改善した。
※2021年10月25日~2021年11月3の実施・計測成果。
※2023年6月ご利用分より特典が見直しとなりました。詳しくはこちら。
■Webサイトへのフローティングボタン、ポップアップの実装
『Repro Web』を用いて、Webサイト内に追従型のフローティングボタンとCV貢献度の高いコンテンツのポップアップ訴求を実装。フローティングボタンではCVRが113%、ポップアップではCVRが112%改善している。
※フローティングボタン追加:2022年3月10日~2022年3月22日の実施・計測成果
※ポップアップ追加:2022年2月1日~2022年2月14日の実施・計測成果
Repro導入の決め手は社内・グループ内評価と分析・体制面の品質
左からRepro株式会社 Customer Success Division 嶋颯太郎、auエネルギー&ライフ株式会社 UI・UXデザイン部 谷徳愛様、澤井秀高様、Repro株式会社 Customer Success Division 三田裕寛。
――数あるソリューションから弊社を選んでいただいた理由を教えていただけますか?
谷 実はKDDIグループ内ですでにReproを導入している事業があったんです。さらに、社内から「ツールの使いやすさはもちろんだけど、重要なのは分析の深さだ」という助言をもらい、そこを重視するならReproさんがいいだろうという決断に至りました。CVR向上のために必要な分析スキルやリソースが部署内に不足していることを実感していたので、サポート体制の充実度を高く評価しました。
――Reproとのコミュニケーションで新たな発見はありましたか?
澤井 ユーザー行動の分析を基にしたシナリオの描き方はとても参考になります。分析結果と自分たちの知見や知識を組み合わせることで施策をひらめくこともよくあります。
谷 以前は表面的な数字しか見れていなかった反省があります。なぜその数字になったのかという分析を基に、次の改善ポイントを考えなければいけないという示唆を得ました。とにかく正しく早くPDCAを回すことですね。
KDDIブランドの安心感をさらに訴求していきたい
――今後、『auでんき』ではどのような展開を考えられていますか?
澤井 現在、エネルギー業界が不安定なので、まずはKDDIというブランドの安心感を訴求していきたいですね。料金面で不安な気持ちを抱いている方々も多いと思うので、正確な情報をいい文脈で届けられたらいいなと思っています。サイト上でのコミュニケーションの磨き込みをしたいですね。
谷 あとは、Reproさんとのコミュニケーションをさらに密にして、効果的な施策をスピーディに練って実施したいと思います。Reproさんにはこれまでに以上に知見を共有していただき、弊社内のリテラシーを高めてもらえることを期待しています。
※本記事は2022年12月23日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。