はじめに
100万人が使う英語学習アプリとして有名な『POLYGLOTS(ポリグロッツ)』。2018年2月には「英語力の向上を実感できる英語学習アプリ」「継続しやすい英語学習アプリ」「ユーザー満足度」で3冠(ゼネラルリサーチ社調べ)を達成しており、2018年10月にはAIを利用した自動学習カリキュラム生成機能『My Recipe(マイレシピ)』をリリースしていらっしゃいます。
そんな『POLYGLOTS』は、2018年10月にCMO(最高マーケティング責任者)として市村祐介氏を迎えており、マーケティングを加速させていらっしゃいます。そして、アプリマーケティングにおいては『Repro』をご活用いただき、活用から数ヵ月で数々の成果を上げていらっしゃいます。
そこで今回は市村さんに「どのように『Repro』を活用して成果を上げることが出来たのか」というテーマでインタビューを実施させていただきました。
(聞き手:Repro カスタマーサクセスチーム 山中)
アパレル以外のマーケティングに挑戦するために『POLYGLOTS』へ
――なぜ市村さんは『POLYGLOTS』にCMOとして参画されたのでしょうか?
市村 私は2018年10月からCMOとして参画しているのですが、実はファストキャリアはネットワークエンジニアからスタートしています。笑 元々はずっとエンジニアで、マーケティングにちゃんと触れたのはエンジニアとして働いていたアパレル系企業でマーケティング業務も担当することになったのがキッカケでした。
そこから33歳の時に独立をして、アパレル業界に特化したマーケティング支援をしていました。アパレル業界におけるマーケティングは幅広く、ブランドに携わること全てに携わっていましたね。例えば、店舗におけるフィッティングルームの導線改善もやれば、ECサイトの改善もやっていましたね。
――元々アパレル系だったんですね、意外でした!
市村 そうなんです。けど、自分の中では「アパレル業界以外のマーケティングもやってみたい!」という気持ちもありました。そんな時に紹介していただいたのが『POLYGLOTS』だったんです。もともと学習系のサービスに興味があり、「”好き”を”学び”に」というコンセプトに共感出来たことと今後マーケティングを加速させていきたいというタイミングであったことに惹かれて参画することを決断しました。
実は英語が苦手。だからこそ見えた『POLYGLOTS』の課題
――入社後はどのような取り組みを実施されたのでしょうか?
市村 まず最初に改善に乗り出したのが「英語が出来ない人の気持ちをチームとして分かるようにする」ということでした。恥ずかしい話なのですが、社内で英語が苦手なのは私だけで、他のメンバーは全員TOEICのスコアが800以上を取れる英語力があります。そういう背景もあり、私の入社以前はチームに英語が苦手な気持ちが分かる人がいなかったんです。
ちなみに、私の入社以前のユーザーデータではTOEICスコアが500以上のユーザーが85%以上であり、ビジネスで英語が必要なユーザーが全体の約33%を占めていました。要は「ある程度英語が出来る方が更に英語力を伸ばすためにアプリを使っている」というのが大半だったんです。
なので、英語がある程度出来る方には使ってもらえていたアプリではあったのですが、日本のマジョリティとなる「英語が苦手な人」に対してはあまり使ってもらえていない状況でした。どんな人でも学習を続けられるために「”好き”を”学び”に」というコンセプトでやっているからこそ、この部分の改善をスタートしました。
知人の評判が決め手に。マーケターが自走しやすい『Repro』でCRMの実現を目指して
――そのタイミングで『Repro』に興味を持っていただいたんですよね。
市村 そうですね。英語学習の目的は人によって違うことに加えて興味関心があることも違うので、各ユーザーに合わせたコンテンツを届けるべきだと考えています。いわゆる、CRMの考え方ですね。しかし、当時はCRMを実現するための施策を上手く実施出来ておらず、それが原因でユーザーが離脱しているのではないかと考えていました。ただ、この時はまだ『Repro』については知らなかったです。笑
――ちなみに、どうやって『Repro』を知ったんですか?
市村 一番最初のキッカケはネット検索ですね。たしか、「リテンション率 向上」みたいなキーワードで検索した時に、『Growth Hack Journal』に辿りついたんです。そこで『Repro』というツールを初めて知って、アプリ業界の友人に評判を聞いてみたら評判が良いので、まずは問い合わせてみよう!って感じでした。
――その友人の方には感謝しかないですね! ちなみに他のツールは検討されたんでしょうか?
市村 もちろん他のツールも検討したのですが、他のツールだとエンジニアの工数を割く必要があるのに対して、『Repro』だとマーケターが管理画面上を操作するだけで完結出来るのが大きかったですね。あとは効果測定が充実しているのも好印象でした。
最終的には、マーケターが自走しやすく、施策の実行から効果測定までを高速で回すことでCRMを実現出来そうという考えから、『Repro』の導入を決定しました。
外出時にスマホで『Repro』を活用。思いついたら即施策を実施すべき!
――導入いただいてから数ヵ月ですが、かなり『Repro』を使っていただいてますよね
市村 今は1ヵ月に60個くらいの施策を回していて、かつ効果測定はほぼ毎日やっています。自分でもかなり触っているなという感覚はあります。笑
――『Repro』ユーザーの中でもトップクラスの数字です! 何か活用の秘訣はあるのでしょうか?
市村 施策を思いついたらすぐに実施して効果測定をするということを意識していますね。マーケティングにおける施策って、成功率がそんなに高くないと思うので、とにかく思いついたら試してみて、その中から花形施策が見つかれば良いかなくらいの感覚でやっています。
私は外出している時に施策を思いつくことが多いので、スマホからやることが多いです。例えば、行きの電車でプッシュ通知を思いついたら、すぐにスマホから『Repro』の管理画面で設定して、帰りの電車で数字確認をするみたいなことをよくやりますね。笑
――それくらい軽いフットワークで使ってもらえると確かに実施施策数は伸びそうですね!
市村 個人的には『Repro』を使ってみて、改めてテストマーケティングを実施しやすいツールだなと感じています。もともとA/Bテストを実施して、仮説が当たると快感を覚えるタイプなのですが、ツールが使いやすいと「施策を思いつく→すぐに実施出来る→簡単に効果測定が出来る」というPDCAが簡単に回せるので、使い込みたくなりますね。笑
加えて、「当たったから良かった!」と終わらせるのではなくて、少し時間が経ってから再度試してみることで再現性があるのかを見ることも意識しています。
――なるほど! 具体的に「これ当たったな!」という施策はあったりしますか?
市村 良かったのは「週末の振り返りプッシュ通知施策」ですね。『POLYGLOTS』のユーザーアクセスは、月曜日にピークを迎えるのですが、そこから下降して週末になるとアクセス数が落ちる傾向が顕著でした。なので、対策として週末にプッシュ通知を送っていたのですが、効果は微妙でした。
ただ、ある時に「月曜日にアクセスが増加するということは、みんな真面目で『今週は頑張ろう!』と思ってアクセスしているのではないか?」とふと思って、試しに「今週の勉強履歴」をプッシュ通知として送付してみたら、開封率が良かったんです。
そこから、「今週の勉強成果を測るテスト」みたいな導線を組み込んだのですが、これも反応が良くて! 今後は「平日に勉強→週末にテスト→平日に勉強・・・」というサイクルにしていこうかなと考えています。
ツール導入前後で利益率160%改善! ポイントはアクセスのピークを複数作ったこと
――前にツールを導入して利益率が改善したと伺ったのですが、実際どのくらい改善されたのでしょうか?
市村 具体的な数字を出すと、利益率が2019年1月と2月が昨年対比で210%改善しており、『Repro』導入前後を比較すると160%改善しています!
またアプリをインストールしてから1ヵ月以内の課金率も重点的に見ているのですが、インストール3日以内の数字が200%増の1.5ポイント、1ヵ月でだと1.2ポイント増加しています。
――それは凄い成果ですね! どのような施策を実施されたのでしょうか?
市村 もともと『POLYGLOTS』のユーザーアクセスは通勤時間である朝の7~8時がピークだったのですが、このユーザーアクセスの山を他の時間帯にも作りたいと思い、改善に取り組んだのが良かったのかなと考えています。具体的には、ユーザーの英語レベル別に毎日少しずつメッセージ内容を変えてプッシュ通知を送付していました。
この施策を継続することで、お昼休みである昼間の時間のユーザーアクセス数が150%、帰宅後の時間となる夜間では160%改善しており、ユーザーが定期的にアプリに再訪問するサイクルを作れたのが大きかったと考えています。ちなみにプッシュ通知の送付をサボった日があったのですが、その日は施策実施前と同水準の数字に戻っていたので、毎日継続することが大切なんだと実感しました。笑
――ユーザーがアプリに再訪問してくれるサイクルを作るのは大事ですよね。
市村 加えて、ユーザーの活用促進することでリテンション率を改善出来たことも良かったのかなと感じています。例えば、『POLYGLOTS』には「スラッシュリーディング機能」があるのですが、この機能の活用率は5.9%とあまり使われていませんでした。しかし、この機能を活用しているユーザーのリテンション率が高かったので、全体に通知してみたんです。
すると、活用率が12%にまで改善しており、全体のリテンション率も2ポイント改善していたりします。
他にも、YouTubeに「『POLYGLOTS』の記事の読み方動画」をアップしたのですが、これを見てもらうとリテンション率が230%改善していて、この動画への導線を設置することでリテンション率の向上に繋げていたりします。
――『Repro』の活用幅を限定せず、様々な用途で活用されてるのが成功の秘訣なのかなと感じています!
市村 たしかに、マニアックな使い方をしていたりもしますね。笑 マニアックな例としては、昨年の12月にクリスマスイベントをインスタライブでやろうと企画していた時に、「『Instagram』でライブ配信をするから『Instagram』アカウントをフォローしてね!」というアプリ内メッセージを設定していました。
ちなみに、フォロワーの50%がライブを見てくれて、80%の人にライブのダイジェスト版を見てもらっています。
このクリスマスイベントは『Repro』の活用の幅を広げれば、アプリのグロースだけではなく、事業全体のグロースにも繋がると感じた出来事になりました!
事前の打ち合わせで”大量の施策案を準備”したことが功を奏した
――個人的に印象的だったのですが、市村さんが事前に100個近い施策案を考えてくださいましたよね。笑
市村 そういえば、かなり施策案は考えましたね。笑 これは山中さんのサポートに助けられた部分も大きいのですが、考えてみた施策案の実装方法や実施すべき施策の優先順位を一緒に考えてもらったことで、今こうやって成果が出せているのかなと思います。
――ありがとうございます、私も市村さんに前のめりに取り組んでいただいて嬉しかったです!
市村 もし山中さんのサポートがなければ、SDKの導入も施策実施までのリードタイムも時間がかかっていたんだろうなと感じています。特に、こちらが考えた施策案の設定方法までカスタムで準備いただいたことで、リードタイムを短縮出来たのが大きかったですね。
自分だけだと1週間はかかりそうなイメージを持っていたのですが、実際にはサポートしていただくことで1日くらいで最低限の実装は完了していました。無理な要望もあったかと思いますが、対応していただきありがとうございました!
――いえいえ、市村さんに施策案をたくさん考えていただいたからこそです!
市村 あとは、ユーザー会で類似アプリの担当者の方と仲良くなれたのも良かったですね。競合アプリなので情報交換するのは難しいと思っていましたが、お互いにどのような課題を持っていてどのような施策をやっているかを情報交換出来て、実際の施策に活かせたことが嬉しかったです!
”英語学習=『POLYGLOTS』”を目指して、CRMを追求していく
――インタビューも終盤になりましたので、『POLYGLOTS』の今後についてお聞きさせてください。
市村 会社としては、”英語学習=『POLYGLOTS』”となることを目指しています。ゆくゆくは学校教材のインフラにもなりたいと考えており、例えば、AIを活用したマイレシピ機能は個別レベルに応じたサポートが可能となる未来の英語学習教材を目指すための布石として取り組んでいたりします。
またCMOとしては、これを実現していくためにCRMをもっと追求していこうと考えています。あと個人的な目標なのですが、やっぱり英語を話せるようになりたいなと。笑 最近はマイレシピ機能を活用しながら、勉強の成果をTwitterで呟いたりしています。もし英語が話せるようになったら、コンテンツ化しようと企んだりもしています!
――なるほど。最後に『Reproマニア』として、他のユーザーの方へのアドバイスもいただきたいです!
市村 先ほどもお伝えしましたが、CRMの実現を目指すために「施策を思いついたら、すぐに実施する」のが大事だと考えています。ただ施策を考えるのは、なかなか簡単なことではないですよね。
なので、私なりの発想法をお伝えすると、全く関係のない業界の展示会に参加してみたり、デパートの一番上の階から下の階まで歩き回ってみることで「世の中の流れをつかんで、それを施策に繋げてみる」ということをやっていたりします。是非、試してもらえたら嬉しいです!
取材協力:Paul Basset 新宿
バリスタ世界チャンピオンであるポール・バセット氏よる新しいコンセプトのエスプレッソカフェ。
徹底的に「豆」「焙煎」「バリスタ」をこだわり、新しいカフェ文化の創造を目指していらっしゃいます。
【住所】東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビルB1F
【電話】03-5324-5090
※本記事は2019年4月16日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。