TELASA株式会社様が運営する動画配信サービス「TELASA」へのReproのソリューション導入事例です。TELASA株式会社様には、Web、アプリのマーケティングツールである「Repro Web」「Repro App」とそれぞれのマーケティング支援ソリューションである「コンバージョン最大化サービス」「アプリ収益最大化サービス」を導入いただいており、Reproはデジタルチャネルのマーケティング活動を統合支援しています。
今回はTELASA株式会社の取締役 兼 総合企画局長 兼 編成局次長 マーケティング統轄 橋本太郎様と馬場龍之介様に、プロジェクトの全体像からその成果までを詳しくお話しいただきました。以下の3部構成になっていますので、興味をお持ちの章からご覧ください。
【目次】
TELASA株式会社様×Reproのお取り組み全体像
TELASA様のサービス概要
「TELASA(テラサ)」は「みたい!をもっと自由に!」をコンセプトに、株式会社テレビ朝日とKDDI株式会社の共同出資によって生まれた動画配信サービスです。サービス開始は2020年。現在の会員数は200万人を超え、右肩上がりで成長中です。Web、アプリ両方で利用することができ、テレビ朝日の番組を中心にドラマ、映画、アニメ、バラエティ、特撮など幅広いジャンルの作品を楽しむことができます。
「TELASA(2024年11月28日時点)」iOS/Android/Web
テレビ朝日の作品を中心に幅広いジャンルのコンテンツが見放題。
TELASA株式会社様への支援概要と体制
2021年以降、Web・アプリマーケティングの実行支援まで、オンラインマーケティングを一貫して支援させていただいています。
■TELASA株式会社様にReproが提供するソリューション
- Web領域:コンバージョン最大化サービス(Repro Webにマーケティング実行支援が付帯)
- アプリ領域:アプリ収益最大化サービス(Repro Appにマーケティング実行支援が付帯)
TELASA株式会社様では、橋本様が局長を務める総合企画局でマーケティングを統括。橋本様、馬場様の2名が中心となってReproとのプロジェクトをリードし、日々の施策の管理を行っています。Reproは具体的なマーケティング施策の立案や実装を担当し、Web、アプリを介したコミュニケーションを推進。月に数回の定例ミーティングで施策提案や成果の振り返りを行い、TELASA株式会社様の成果実現に向けて伴走させていただいています。
■TELASA株式会社様への支援体制
テレビ朝日のコンテンツ中心に幅広いジャンルのコンテンツが楽しめる
――はじめに、Reproが支援させていただいている「TELASA」についてご紹介いただけますでしょうか。
橋本 TELASAは2020年にテレビ朝日とKDDIの共同出資によって始まった動画配信サービスです。元々KDDIが運営する「ビデオパス」というサービスがあり、そこにテレビ朝日が加わって、TELASAとして生まれ変わりました。
ビデオパス時代はどのサービスでも見られるようなコンテンツが多かったのですが、TELASAにリニューアルしてからはテレビ朝日のコンテンツを中心に映画やドラマ、アニメ、特撮など、幅広いジャンルのコンテンツを配信しています。テレビ朝日のコンテンツには「相棒」や「ドクターX」などいわゆる長寿系のドラマシリーズや、「仮面ライダー」などの特撮シリーズもあります。長く愛される作品が多いのは、他のサービスにはないTELASAならではの特長だと思います。
馬場 テレビ朝日のドラマのスピンオフなど、TELASAオリジナルコンテンツも充実しているのがTELASAの強みだと考えています。TELASAに入会してくださるお客様の多くは、そういったテレビ朝日のコンテンツを楽しみに登録してくださる方が多いですね。
今よりもっと成果が出ると確信。WebもアプリもReproにお任せしようと思った
――Reproでは2021年からWebサイトのマーケティング支援をさせていただき、その後2022年にはアプリでも支援をスタートしています。Reproのソリューションを導入された背景について教えていただけますか。
橋本 実はTELASAの母体であるビデオパスの時代からRepro Appのツール自体は導入していたんです。各コンテンツの配信のスケジュールに合わせてプッシュ通知を配信するなど、最低限の運用は回していました。ただ、A/Bテストをしたり、数値を見て施策を検討したりするほどのリソースもノウハウもなく、Reproの一部の機能を使っているだけという状況でした。せっかく色々な機能があるのに使いこなせていないのはもったいないなと。
TELASAのサービスが始まった頃に、Reproでどんなことができるのか自分でもツールを触ってみようとプッシュ通知の配信設定をやってみたんです。メッセージを表示させるのにもっと複雑な設定が必要だと思っていたところ、想像以上に簡単で驚きました。それと同時に「これはもっときちんと活用するべきだ」と感じました。
アプリはRepro Appで一定の運用が回っていたこともあり、その後Webサイト改善にも力を入れていきたいタイミングでReproさんにサイト改善の相談もさせていただいたんです。やり取りのなかで、Reproさん側からサイトの改善すべき点や施策の提案をいただきました。ただ、当社は運用リソースもサイト改善のノウハウも不足している状態。TELASA側で施策を実施するよりも、知見のあるReproさんにお任せしたほうが確実に成果が出るはずです。そこで、ツールの導入とともにマーケティング支援もお願いすることにしました。
そしてアプリもツールは導入しているものの、十分に使いこなせていない状況でした。Webと同じく改善の余地があったため、Reproさんにトータルでマーケティング支援をお任せすることにしました。
――Reproのソリューションを導入することで、改善したかった課題は何だったのでしょうか?
橋本 課題は大きく3つありました。ひとつはIDが複数あることで登録完了までのハードルが高く、お客様が入会に至らないことです。TELASAは元々ビデオパスから始まっているので、「au ID」というキャリアのIDがベースになっています。auのお客様は入会しやすいのですが、他のキャリアを利用されている方はアカウント作成が複雑で途中で離脱してしまうんです。その対応策として、「Apple Account」や「Googleアカウント」、そして独自に「TELASA ID」を作り複数の方法で登録できるようにしたのですが、IDを増やしたことで今度は登録への導線がわかりづらくなっていました。
ふたつ目は継続率です。テレビ朝日のコンテンツをフックに入会していただいても、2本目、3本目の視聴になかなか繋がらない。そして2本目以降はアプリで観る方が多く、アプリをいかにダウンロードしてもらうかという点も苦戦していました。
3つ目は退会導線がわかりづらいことです。導線の整備は開発を入れて解消するのがベストなのですが、開発はKDDIが担っているためリソースの確保が難しかったんです。そのため、すぐに改善が難しい部分はReproで施策を回しカバーできればと考えていました。
ユーザー心理を的確に捉える目とReproならではのスピーディな実装が成果に繋がっている
――Reproから提案し、実施した施策のなかで印象深かったものはありますか?具体的に成果を感じた施策について教えてください。
馬場 直近で成果が出たのは、先ほど橋本が挙げていた複数IDによる登録のわかりづらさを解消する施策ですね。LPからの新規登録者数が少なかったため、登録までの導線がネックになっているのではないかとLP改善施策をご提案いただきました。
今までのLPでは「今すぐ始める」というボタンをタップするとTELASA IDかau IDを選択するページに遷移していたんです。ただ、お客様としては自分にどのIDが適しているのか、そもそもIDを持っているのかがわかりませんよね。そこで、LPからすぐにTELASA IDの新規登録画面に遷移するように変更し、見放題プランへの加入がこのページからできることを明確化したんです。その結果、見放題登録完了率が約120%改善しました。
■LPの登録導線の改善施策
「今すぐ始める」をタップするとTELASA IDもしくはau IDを選択する画面に遷移する。
TELASA ID、au IDいずれかの選択というアクションが、見放題登録完了に対する阻害要因になっている可能性を検証するために、遷移先をTELASA IDの登録に一本化。結果として、見放題登録の完了率は約120%改善した。
馬場 見放題登録完了率を改善するために行った、入会訴求ダイアログの改善施策も成果が出ています。こちらは他社さんでも効果が見られた施策とのことで、TELASAでも実施しようとご提案いただきました。
TELASAにはドラマの第1話など無料で視聴できる動画があり、有料の次話へ遷移するとログインを促すダイアログが表示されます。お客様の熱感が高い状態で見放題プランを訴求すれば登録へと進んでもらえるのではという仮説のもと、「見放題プランはこちら」というCTAを追加する施策を実装していただきました。
加えて、お客様のなかには「続きは観たいけれど、すぐに退会できないのでは」と不安に思う方も一定数いらっしゃいます。よりスムーズに登録画面へ進んでもらうために、CTAの上部には「いつでもキャンセルOK」というマイクロコピーを入れています。結果、見放題登録完了率は約120%改善しました。
■無料動画再生後の入会訴求ダイアログ改善施策
「見放題プランはこちら」というCTAを追加し、マイクロコピーを「いつでもキャンセルOK」に。登録に対する心理的ハードルを下げることで、登録完了率の改善を狙った。
――Reproのツールやソリューションによって期待どおりの成果は得られていますか?率直なご意見をお聞かせください。
馬場 施策に関して急な無茶振りをさせていただくこともあるのですが、Reproさんはいつもスピード感を持って対応してくださるのでありがたいです。Webもアプリも常に20施策ほど実施していて、以前と比べて確実にお客様に良い体験を提供できるようになったと実感しています。
橋本 開発工数がかかる施策も、Repro側で実施することで何もしない状態よりも遥かに効果が出ているので助かっています。ノーコードかつ短時間で改善できるのは心強いですね。
実は直近で、入会・退会導線の抜本的な改善に向けて開発の要件定義を進めています。要件定義の段階は、「ここはこうしたほうがいいのでは?」と色々な意見が出るものです。それらをReproでA/Bテストし、その結果を基に要件を詰めているので、時間をかけすぎることなくスムーズに要件化を進められています。
お客様に「●●を観るならTELASA」と認知されるプラットフォームを目指して
――今後のTELASAの展望について教えてください。
橋本 SVOD(サブスクリプション・ビデオ・オン・デマンド)業界は競争が激しいため、お客様に選ばれるためにはTELASAとしての特色を強く押し出していく必要があると考えています。その鍵となるのはやはりコンテンツです。「●●を観るならTELASA」とお客様に強く認知してもらうために、「TELASAらしさ」をより感じてもらえるコンテンツの届け方を検討しています。
馬場 TELASAの特色を感じてもらうために、Web・アプリ上でお客様にどのようにコンテンツをお届けしコミュニケーションを取っていくべきなのか、今まさに検討段階にあります。我々も手探りで進めている部分も多いので、引き続きReproさんと一緒にTELASAを創り上げていけたらと思います。
左から、Repro株式会社 Growth Marketing Div. 狩野絢多、益子微香、TELASA株式会社 取締役 兼 総合企画局長 兼 編成局次長 マーケティング統轄 橋本太郎様、総合企画局 馬場龍之介様
Reproが実施した施策と成果
実際にTELASA様と実施した施策の一部とその成果を紹介します。
LPの登録導線の改善施策
LPのCTAボタンの遷移先をログインページからTELASA IDの新規作成画面へ遷移するように変更。新規作成画面ではアカウント作成が必要であることをよりわかりやすくしたところ、CVR(見放題登録完了率)が約120%改善しました。
無料動画再生後の入会訴求ダイアログ改善施策
無料動画の再生後、有料の次話に遷移した際に表示されるダイアログに、「見放題プランはこちら」というCTAボタンを追加。加えて、マイクロコピーは「いつでもキャンセルOK!」という解約の簡単さを訴求する内容に。結果、CVR(見放題登録完了率)は約120%改善しました。
視聴1週間後のプッシュ通知改善施策
直近の視聴から1週間後に配信していたプッシュ通知の訴求軸を検証する施策を実施。改善を繰り返すことでより再生率が上がるプッシュ通知のパターンを特定しました。
Google Play ストアのレビュー促進施策
Google Play ストアのレビュー促進のため、利用頻度が高いユーザーに対して評価を促すアプリ内メッセージを表示。施策開始前と比較するとレビュー数は600件増加。★2以下の評価は減少し、★3以上の評価が増加しています。
※本記事は2024年11月22日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。