はじめに
日本全国の地図データベース整備からサービス提供までを一貫して手掛け、カーナビをはじめ、法人及び個人向けに『MapFan』ブランドで様々な地図サービスを提供しているインクリメントP。地図データを活用した様々な位置情報サービスを展開する中で、移動するだけでポイントが貯まる『トリマ』を2020年10月に正式リリース。
『トリマ』は、スマートフォンの位置情報をもとに移動距離を計測し、移動した分だけマイルが貯まり、ポイントと交換できるポイ活アプリ。貯まったポイントはAmazonギフト券、nanacoポイント、dポイント、Pontaポイント、現金(銀行振込)などに交換することができます。
同社は『トリマ』のリリース当初から『Repro』を導入。プッシュ通知やアプリ内メッセージを積極活用いただき、リリースから約8カ月で100万ダウンロードを突破しました。グロースに向けて、具体的に『Repro』をどのように活用いただいたのか、『トリマ』の立ち上げからプロダクトに関わってきたプランナー兼デザイナーの宮田貴大さんに話を聞きました。
(聞き手:Repro株式会社 Customer Success Div 杉浦安季)
UI/UX、CSの手厚さ、料金体系が決め手に
――まず、ポイ活アプリ『トリマ』の特徴について教えてください。
宮田 ポイ活アプリは歩いた歩数に応じてポイントが貯まるものは存在していましたが、『トリマ』の場合、歩数はもちろん移動距離に応じてマイルが貯まる仕組みです。電車でも車でも、位置情報が取得できればそれこそ飛行機や船でも、移動距離に応じたポイントが貯まるので、他のアプリに比べるとポイントを貯めやすいという特徴があります。
また、移動距離に応じたポイント還元の仕組みがあるポイ活アプリは、私が調べた限りでは国内で『トリマ』が初。基本的には広告収入で成り立つビジネスモデルですが、広告収入の大半をユーザーに還元することで、高いエンゲージメント率を実現しています。
――貴社ではリリース当初から『Repro』を導入いただいています。導入にはどのような背景や課題があったのでしょうか?
宮田 上述した通り、『トリマ』は広告収入で成り立つビジネスモデルゆえ、リリース当初からユーザーのリテンション率や動画広告再生率を重要なKPIに設定していました。KPI達成に向け、アナリティクス機能による分析や、その結果に基づいた適切なユーザーコミュニケーションの重要性を感じていたという背景があります。
――Repro導入にあたり、他社ツールも検討しましたか?
はい、Reproさんのほかに3社検討しました。そもそも『トリマ』は開発環境としてReact Nativeを採用していたので、React Native用のSDKが用意されていることが大前提。そうなると、必然的にReproさんともう1社に絞られました。その中でも『Repro』に決定した理由は、画面の使いやすさ、カスタマーサクセスの手厚さ、導入しやすい料金体系があったからです。
A/Bテストを繰り返し、ユーザーコミュニケーションを最適化
――『Repro』導入後はどのような施策を?
宮田 最も注力したのはリテンション率や動画広告再生率向上に向けたプッシュ通知とアプリ内メッセージです。
例えば、離脱率が高くなりがちな「アプリをインストールして間もない新規ユーザー」や、「アプリをしばらく起動していないユーザー」に利用を促すプッシュ通知を配信したり。一方、アプリ内メッセージでは、キャンペーンやバージョンアップのお知らせなど、すべてのユーザーに向けたメッセージや、しばらくアプリを活用していないユーザーに絞って機能メリットを訴求するメッセージなどを配信しました。
メッセージを配信する際は、『Repro』の機能を活用してA/Bテストを実施したのですが、いろんな気づきがあって面白かったです。例えば、『トリマ』には動画広告を閲覧すると、マイルを獲得するチャンスが3倍に増える仕組みがあるのですが、その仕組みが上手くユーザーに伝わっていなかったので「動画広告閲覧でマイル(ポイント)が3倍貯まる」というメッセージを送っていました。
その際、A/Bテストで「3倍」という数字を強調したパターンとイラストを強調したパターンで検証した結果、イラストを強調した方が動画の閲覧率が高いことがわかりました。他のケースでは、数字を強調した方が効果が高かったので、この結果は意外でした。
こうした施策の結果、DAU/MAU比率、動画広告再生率、リテンション率、エンゲージメント率が大幅に改善しました。特にDAUはリリース当初掲げていた目標を大幅に更新。目標の810%達成を実現することができました。
実施したA/Bテストの例
カスタマーサポートのコスト削減にも効果を発揮
――他にはどんな使い方を?
宮田 当社のカスタマーサポートに日々寄せられる『トリマ』に関するご意見やご要望を参考にわかりにくい機能を洗い出し、細かい説明をアプリ内メッセージで配信しています。
例えば、『トリマ』では1週間の累計獲得ポイントを競うランキングを公開していて、ランキングが上がるほどたくさんポイントをもらえるのですが、「本当はもっと上位にランクインされているはずなのに、なぜか表示されていない」という声がいくつか寄せられました。
というのも、『トリマ』では移動距離や歩いた歩数の他にも、アンケートの回答やご家族や友人の招待などでもポイントが獲得できるのですが、ランキングに反映されるのは移動距離や歩数で獲得したポイントだけだったんですね。
なぜそのような仕組みにしたかというと、「『トリマ』は“移動するだけでポイントが貯まる”をコンセプトにしていながら、たくさん移動した人よりも、たくさん家族や友人を紹介した人がランキング上位に表示されてしまうのはおかしい」という声をいただいていたので。
しかし、歩数や移動距離だけをランキングに反映させるリニューアル内容がユーザーに伝わっていなかった(現時点ではアップデートして説明を補足済)ので、アプリ内メッセージで「ランキングに反映される対象マイル(ポイント)はこちらです」という説明を加えています。
ありがたいことに、ユーザー数の増加に伴い、カスタマーサポートへの問い合わせ件数も増えてきました。『Repro』を活用する前は、不具合が起きるとカスタマーサポートに問い合わせが入っていた。そのため、一時的にカスタマーサポートのコストが上がっていたのですが、『Repro』のアプリ内メッセージでユーザーコミュニケーションを行うようになってからは、問い合わせ件数が減ってコスト削減にもつながりました。
もっと早く『Repro』の存在を知りたかった
――総じて『Repro』を使ってみた感想を教えてください。
宮田 ユーザーのエンゲージメントを高め、継続利用いただくために必要な機能が一通り揃っていて、しかも使いやすい。アプリをグロースさせるには欠かせないツールだと思います。これまで『MapFan』という地図アプリの運営をしていたのですが、そのときは『Repro』のようなツールの存在を知りませんでした。「こんなに便利なツールがあるなら、もっと早く導入すればよかった」というのが率直な感想です。
『MapFan』の運営をしていた頃は、フリーミアムモデルだったこともあり、どちらかというと課金してもらうための施策に注力していました。当時はユーザーの行動をもとにプロダクトを改善する意識が低かったので、もっと早く『Repro』を導入していれば、ファクトを基に機能を改善できたのではないかと思います。
――今後『Repro』の導入を検討している方に先輩ユーザーとしてアドバイスがあればお願いします。
宮田 「ユーザーのエンゲージメントを高めたいけど、どうしていいかわからない」という方には『Repro』の導入をオススメします。というのも、管理画面も使いやすいので、私のように初めて『Repro』を使うような方でも安心して使いこなすことができるからです。
高機能な面もあるので最初は戸惑う方もいるかもしれませんが、カスタマーサクセスが手厚くレクチャーもしてくれます。Slackで質問を投げれば、いつでもクイックに回答していただけるので、導入ハードルが高いイメージをお持ちの方もご安心ください。「使いこなせず無駄になってしまった」ということはまずないと思います。
――ありがとうございます!よりユーザーさんの体験を向上できるよう色々と策を考えていければと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。
※本記事は2021年4月16日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。