株式会社DeNA SOMPO Mobility様が運営するカーシェア&レンタカーサービス「エニカ(Anyca)」への『ASO Insight』導入事例です。
グロース本部 マーケティング部の薬師寺凌雅さんに、ASO Insightを導入いただいた背景や採用の決め手、導入後の成果までじっくりとお話をうかがいました。以下の3部構成になっておりますので、興味をお持ちの章からご覧ください。
【目次】
ASO Insightの導入とお取り組みの全体像
エニカ様のサービス概要
エニカは「クルマが変われば、思い出が変わる」というブランドコンセプトの下、新型車・高級車含む1,100以上の豊富な車種に乗れるカーシェア&レンタカーサービスです。個人、ディーラー、運営会社所有のクルマなどが登録されており、個人間カーシェアにおいてはオーナーがクルマを使わない間にシェアすることで、維持費の軽減が期待できます。2023年10月現在、累計ダウンロード数は130万件を突破したほか、検索機能が大幅に進化するなど、UI/UXにも磨きがかかっています。
国内カーシェアアプリにおいてストア評価No.1※を獲得。テスラやポルシェなど、「一度は乗ってみたい」と思えるクルマに出合え、気軽に乗れるのが大きな魅力となっている。
※App Store/Google Playにおいてカーシェアサービスを展開し評価数が20件以上あるカーシェアアプリ10個が対象。株式会社DeNA SOMPO Mobility調べ(2023年3月時点)
エニカ様のASO Insight運用体制
エニカ様ではグロース本部 マーケティング部の薬師寺凌雅さん1名で『ASO Insight』を運用いただいています。日々の運用や新規施策の実施にあたってはReproのカスタマーサポートが伴走支援。ASO Insightの使い方の案内はもちろん、エニカ様内で検討している施策のレビューや定例ミーティングでのディスカッション、施策提案を通して、成果創出のサポートをさせていただいています。
エニカ様がASO Insight導入後に達成した主な成果
エニカ様にはASO Insightを導入を、導入・オンボーディング(使い方のご案内・施策勉強会)直後から積極的に活用いただいており、導入後1カ月目から大きな成果を実現されています。SEO(検索エンジン最適化・キーワード対策)の領域では、各キーワードのアプリストア内検索順位が上昇し、自然検索流入数は目標達成ペースへ。
CRO(コンバージョンレート最適化)領域においては、アプリストア内の詳細ページに掲載されるスクリーンショットの改善をスピーディに実施し、施策のたびにCVRが向上し続けています。
オンボーディングの直後から高速PDCAをスタート。自然検索流入数もCVRも施策を実施するたびに改善されている。
失敗が許されない状況。緻密な分析とロジックが導入の決め手に
――最初にASO Insightをご導入いただいエニカのサービスについてご紹介いただけますでしょうか。
薬師寺 エニカは新型車・高級車含む1,100以上の豊富な車種に乗れるカーシェア&レンタカーサービスです。普段は乗れないような高級車や話題の新型車に乗れるのが大きな魅力で、テスラの「Model 3」やポルシェの「Cayenne(カイエン)」などが人気ですね。普段は味わえない運転の喜びや同乗する方との特別な体験を求めている方にご好評いただいています。
また、エニカの場合はカーオーナー様が自由に料金設定できることもあり、嬉しい価格で乗れるクルマが見つかりやすいのも魅力です。そんなクルマに出合えるのもエニカの良さかなと思います。
――単なる移動手段ではないドライブの楽しみを堪能できるアプリなのですね。とはいえ、レンタカーやカーシェアサービス業界は競争が激化している状況だと思います。そんな中でなぜ、ASO(アプリストア最適化)対策に注力しようと考えたのでしょうか。
薬師寺 シンプルにいうとアプリ詳細ページへの自然検索流入数に課題を感じ始めたからです。エニカは2023年9月に8周年を迎えたサービスです。ローンチ当初から個人間のカーシェアサービスという新規性や、珍しいクルマに乗れるという価値提供から、新しいもの好きな方やクルマ好きの方を中心に広告以外での流入が非常に好調でした。しかし、今後より広い利用者層へのアプローチを考えていく中で、さらなる飛躍が必要な状況でした。
前年対比で自然検索流入数何%アップという形のKPIを設定していたのですが、このままだと、その達成が難しい状況に陥っていました。
――そこで、ASO対策への注力が必要になったわけですね。ASO対策用のツールはほかにもあります。なぜReproのASO Insightを採用いただけたのでしょうか。
薬師寺 自然検索からのユーザー獲得目標が大きな成長が必要なものであったことから、当時は乖離が顕著に発生しており、ASO対策に投資をするといっても失敗が許されない状況だったのです。だからこそ、どんな施策をすればどのくらいの効果が見込めるかを緻密に知っておきたかったんですね。
Reproさんは、「このキーワードの検索ボリュームはこのくらいあるので、何位上昇すれば何%改善できる可能性がある」「詳細ページの改修でCVRを何%改善できる余地があり、そのための施策はこのようなもの」といった形で、ひとつずつロジックを組み立てて提案をしてくれました。「この会社となら信頼して一緒にやっていけそうだ」。提案を拝見して、そう思ったのが決め手でしたね。
ASO Insightの導入をご提案する際にはASO対策にかかわる課題や改善ポテンシャルを分析し、費用対効果も勘案したうえで、クライアントファーストで提案をしている。
※提案資料の一部を加工して抜粋。
――ASO Insightをツールとして見た場合の印象はいかがだったでしょうか。
薬師寺 自社では取得できないデータが簡単に手に入るツールだなというのが第一印象です。競合他社の順位状況や各キーワードの検索ボリュームだったり。自分たちでデータをダウンロードして成型してという手順を踏まなくても、必要なデータを常にリアルタイムで確認できる。これを使えばASO対策にかける工数を削減できそうだなというイメージが湧きました。
ASO対策は仮説や施策を立てるための情報収集に時間がかかると思っていて、その工数を減らせるという点も導入を決めた理由のひとつです。「考えることに時間をかけられるようになる」と表現するのがいいでしょうか。
あとは「AIストアビジュアル解析」機能。ASO対策、特にアプリ詳細ページのクリエイティブ改善をスピーディに実施するにはデザイナーの協力が必要になります。それまでも定性調査をベースに改善を繰り返してきたのですが、AIによる客観的な分析は、デザイナーとの改善方針の目線合わせをスピーディにするうえで非常に重宝した点でした。
ASO InsightのAIストアビジュアル解析機能を活用すれば、ストア詳細ページに掲載するスクリーンショットの改善ポイントをヒートマップなどを用いて分析できる。
※提案資料の一部を加工して抜粋。
導入後3カ月で自然検索流入数がV字回復、CVRも伸び続けている
――スピーディかつ確実に成果を出さなければならない困難な状況だったのですね。ASO Insightをご導入いただいたあとの実際の成果についても教えてください。
薬師寺 導入から3カ月目の数値なのですが、iOS・Androidのアプリストアの合計自然検索流入数は前年対比で二桁%の増大になっています。導入前は前年対比を割っていたことを考えると、かなりの改善が実現したことになります。ただ、流入数増加と並行してCVRもさらに高めていく必要があるということを認識しており、その点については今後の課題として取り組んでいきたいと思っています。
アプリ詳細ページのクリエイティブ改善も明確な効果が出ています。ASO Insightを導入してから、数度アプリ詳細ページに掲載するスクリーンショットの改善を実施しているのですが、A/Bテストの結果、毎回CVRは上昇しています。
ASO対策の効果が総合的に出てきているというのが実感で、目標に大きくビハインドしていた状況が一気に改善されプラスになりました。
――短期間でその改善はすごいですね。スピード感に驚きます。もともとASO対策の知識やノウハウを豊富にお持ちだったのでしょうか。
薬師寺 いいえ、経験としてはすごく短いです。半年くらいでしょうか。知識やノウハウの部分はReproさんにしっかりとサポートしていただいています。オンボーディングのタイミングで、ASO対策における戦術立案のポイントやKPIツリーの作り方、指標の見方を詳しくレクチャーいただいて、そのおかげで効果的な対策が打てているんです。
ASO対策ならではの“公式”みたいなものがあると思うんです。「この数値が減少しているときはここがおかしい」「このKPIを達成するにはこれを改善する必要がある」といったような。ツールの導入だけではここまでの成果は実現できないですよね。ツールの使い方を超えて、ASO対策の本質を教えていただけるのがとても助かっています。
ASO Insightの「キーワードレコメンド」機能を使えば、対策すべきキーワードがわかりますし、CVR改善については、「サービスカテゴリ系のキーワードで流入が多いならNo.1訴求を強めたほうがいいですよ」といったアドバイスをいただいて。実はアドバイスをそのまま実践するだけで成果が出ています(笑)。しかもひとつもハズレがないのがすごいです。びっくりしています。
運用工数は週に2時間。それでもPDCAが回る優れたUI
――ASO Insightの機能や使用感についても率直なご意見をいただけますでしょうか。
薬師寺 とにかくダッシュボードが見やすい。こういったマーケティングツールって、自分が見たいデータがいろいろな画面に点在していて、いちいち画面を切り替えながら確認しなければならないことが多いと思うんです。ASO Insightはそれがありません。ダッシュボードだけ見ておけば、現在のASO対策の状況が把握できてしまう。そのあたりのUIはとても気に入っています。
――導入時の期待値のひとつにASO対策にかかわる工数削減も挙がっていました。この点についてはいかがでしょうか。
薬師寺 ASO対策全般を私ひとりで実施していますが、工数としては週に2時間程度で済んでいます。具体的な数字で表現するのは難しいのですが、以前に比べてかなり削減できているのは事実です。
ASO Insightを導入する前はスポット的な取り組みが多かったんです。ASO対策の課題が顕在化したときに、3カ月間集中して施策を実施するといったような。継続的な対策ができる仕組みがなかったんですよね。
その理由として挙げられるのが、やはり情報収集にかかる工数です。各キーワードの順位やCVRのような施策立案に必要なデータをそろえていくだけで時間が取られてしまいます。その結果、スポット的な施策に終始してしまっていました。ASO Insightを導入してからは、ダッシュボードを見るだけで、ASOのヘルスチェックができてしまうので、PDCAが回り始めました。
ASO Insightは、「注力キーワード検索順位推移」や「インプレッション数」「プロダクトページ(アプリ詳細ページ)閲覧数」といった主要KPIが、ダッシュボードで一覧できる設計になっている。
「クルマが変われば、思い出が変わる」をより多くのドライバーに
――最後に今後のエニカの展開やマーケティングの方針についても教えてください。
薬師寺 クルマはただの移動手段だと考えている人に、いかに「クルマが変われば、思い出が変わる」というメッセージを届けていくか。これが最大のテーマです。直近では、そうした認知形成を目的とした動画広告も始めました。
その中から勝ちパターンを抽出して、ひとりでも多くの人に、いいクルマに乗って普段できないような体験をしたり、一緒に乗る人を喜ばせてあげられたりといった、ドライブの楽しさを伝えていきたい。大きなチャレンジだとは思いますが、エニカが今後も成長していくためには必要不可欠な認識の変容だと考えており、しっかりと注力していきたいと思っています。
※聞き手:Repro株式会社 Sales & Marketing Division 大田一博、Customer Success Division 渡部一輝
ASO Insightで実施されている施策と成果
エニカ様がASO Insightを活用して実際に行った施策の一部とその成果を紹介します。
アプリタイトルの変更によるキーワード対策
キーワードレコメンド機能の分析結果を基に、タイトルやサブタイトルを変更。注力キーワードの順位が上昇したことで、自然検索流入がアップ。
【施策前】
タイトル:エニカ:カーシェア&レンタカー
サブタイトル:新型車・高級車1100車種以上に乗れる
【施策後】
タイトル:エニカ(Anyca):ドライブに最適なカーシェア&レンタカー
サブタイトル:ドライブに最適な車(クルマ)がすぐに探せてシェアできる
アプリストア評価No.1訴求によるクリエイティブ改善
指名検索、サービスカテゴリ系キーワードからの流入が多かったため、サービス利用の安心感、ダウンロードの動機付け強化を目的として、アプリストア詳細ページのスクリーンショット1枚目でNo.1訴求を実施。CVRが二桁%改善しています。
AIストアビジュアル解析機能を基にしたクリエイティブ改善
AIストアビジュアル解析機能の分析結果から、スクリーンショット中央のクルマの写真に視線が集まることが判明。人気車種に変更することでよりユーザーのモチベーションを上げられる可能性があるという仮説から、掲載する車両写真を変更し、CVRを改善させています。
※本記事は2023年11月17日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。