はじめに
2018年9月に日本では珍しい複数のフィットネス施設に通える月額制サービスとしてリリースされた『Fitty(フィッティー)』。サービスリリースから数か月にしてユーザー数も順調に伸びており、業界内でも注目を集めていらっしゃいます。
そんな『Fitty』はサービスリリースから2か月が経ったタイミングで『Repro Web』を導入・活用していらっしゃいます。サービスリリースから間もないタイミングでありながら、web接客の必要性を感じていたとのことですが、実際にどのような課題があり、どのように解決したのでしょうか。
今回は『Fitty』を運営している株式会社Gemini Tech CEOの宮坂さんとCOOの松田さんにお話を伺いました。
(聞き手:Repro カスタマーサクセスチーム 山中)
『Fitty』で”運動習慣がない97%の日本人”の行動を変えたい
※複数のフィットネス施設に通える月額制サービス『Fitty』
――『Fitty』はどのような想いをもって立ち上げられたサービスなのでしょうか?
宮坂 『Fitty』を立ち上げたのは「人が健康体で暮らせる社会」を実現したいという想いがあったからです。『Fity』をリリースした際に『note』にも書いたのですが、父親が病に患った際に医者から「原因は運動不足だ」と言われたことを今でも鮮明に覚えています。
また、このサービスを立ち上げる前、シリコンバレーにいた時、向こうの人の多くがフィットネスに通うという習慣があり衝撃を受けました。ある統計によるとアメリカは17%の人が運動習慣があるのに対して、日本はたったの3%。実に97%の人は運動習慣がないのです。ここを変えたいという想いがあります。
松田 日本において運動習慣がないことの原因の一つに、フィットネスに行く参入障壁が高いことがあると考えています。特に女性にとっては一般的なジムに行くのは抵抗感があり、かと言ってパーソナルトレーニングはなかなか手を出すことが出来ません。女性でも通いやすいような施設もありますが、1レッスンの平均が4000円と高価なこともあり、なかなかやりたくても習慣にすることは難しいんです。
※33施設と提携し、約5000件のレッスンを公開
宮坂 そんな従来抱えていたフィットネス業界の課題を解決出来るのが『Fitty』です。サブスクリプション型のフィットネスサービスであり、自分の好きなレッスンを簡単に見つけて参加することが出来るようになっています。
個人的には、これまでジムに行く習慣がないけど健康は気にしている潜在的な女性層に刺さるのではないかと考えてます。実際にサービスリリースした2018年9月から女性ユーザーの登録が増加していますね。
松田 実際に通えるレッスンの量が多いこともユーザーを獲得出来ているポイントかなと感じています。現時点で提携しているスタジオは33施設あり、レッスンの枠数は約5000件を公開しています。ユーザーが自分の通いやすいエリアで興味のあるレッスンを提供出来ているのかなと感じています。
重要KPIを達成するためにはweb接客ツールの早期導入が必須だった
――サービスリリースの初期から『Repro Web』を導入いただいたのは何が理由だったのでしょうか?
宮坂 実は『Fitty』は最初はアプリでサービス提供をしようとしていました。その時にアプリマーケティングをやるなら『Repro』のイメージがあり、導入を検討していたんです。しかし、途中でアプリでなくwebでの提供の方が合っているという判断になり、web版のリリース準備を進めることになりました。
松田 web版で進めていくことが決まったタイミングで『Intercom』を導入することだけは決めていました。最初はこれだけで良いかなとも考えていたのですが、受け身の対応だけではなく、ユーザーにこちらからおすすめレッスンをレコメンドしていきたいと考え、更なる施策追加を検討するように。
そこでweb接客ツールを導入するか自社開発して内製化するかを検討し始めました。しかし、リソースが限られている中で自社開発は無理だと早々に判断し、web接客ツール導入の方針を固めています。
宮坂 web接客ツールの導入を決めてから、いくつかのツールを検討しましたが「『Repro』の手厚いサポート」「ツールの使いやすさ」「予算感」の側面から『Repro Web』が良いなと判断しました。
――実際に導入してみてどうでしたか?
※『Repro』管理画面上からチャットでエンジニアに質問できる
松田 正直なところ実装面に不安はありましたよ。 実装は社内のエンジニアにお願いすることを決めていたのですが、タスクが多いので「工数がとられることで他のタスクが遅延するのではないか?」という懸念はどうしても拭いきれませんでした。しかし、実装に関するドキュメントが整っていたことと不明点を質問をすればすぐに回答が来るサポート体制のおかげで手間なく導入することが出来たのかなと感じています。
宮坂 そういえばエンジニアが「サポート体制がなければ実装に1週間くらいかかってたかも・・・」と言ってたのが印象的です。詳しく聞いてみると、初めてやる内容だったので実装に関わる周辺知識がなかったらしく、最初の頃は独学でアナリティクス関連の勉強をしようと考えていたようです。
それをサポートが全て補ってくれたので実装は1日の間で完了させていました。これはスタートアップにとってはかなりインパクトがあることだと思っています。エンジニアの工数が削減出来て必要なタスクに時間が割けるようになるのはもちろんのこと、施策を早くスタート出来るのは経営的にも嬉しいポイントです。
CVRを200%改善! 想いと逆行したサイトUIを救ったノウハウとは?
――導入後にはどのような施策を実施されたのでしょうか?
松田 導入からそこまで日が経ってないのですが2018年11月~12月の間で31本の施策を走らせていますね。具体的にはCRO(コンバージョン率最適化)を意識していました。元々は数本施策を回せれば良いのかなと感じていましたが、山中さんに転用可能な施策案を複数ご提案いただけたので、これだけの施策を実施することが出来たのかなと振返ってみて感じます。
宮坂 個人的には約1か月でCVRが倍増したことがとても印象的です。自分たちだけでは気づけなかったこととして、レッスン数の増加することによって「自分に合ったレッスンが探しにくくなっている」という問題がありました。
松田 そこで「ユーザーが見つけたいと思うコンテンツは何なんだろう?」ということを改めて考えるようになりましたね。その時にも山中さんが「こうしたら良いのでは?」と「自分にあったレッスンを追加する」施策を持ってきてくれたので試してみたのですが、まさか1か月でCVRが倍増するまでインパクトがあるとは思ってもいませんでした。笑
※1ヵ月でCVR200%改善を実現
宮坂 あとは別店舗があることを訴求するwebメッセージを配信する施策も良かったですね。実際に好みレッスンがあっても少し遠いとユーザーとしても利用しにくいのかなと感じていたのですが、別店舗があることを訴求することで実際にCVが増えています。細かい施策にはなりますが、継続していきたいと考えています。
松田 たしかに! 『Repro Web』を利用していて、各ページで別々の訴求が出来るのは良いなと感じています。サイト全体で一つの施策を行うことでCROを追求していけるかというと難しいので、各ページごとに個別最適化を図っていくことで、サイト全体としてCVRを向上させていければなと考えています。この個別最適化を行っていく際にA/Bテストを行うことは必須だと考えていますが、『Repro Web』だとA/Bテストが簡単に実施出来るので、そういった面でも導入して良かったなと感じていますね。
定性で捉えて、定量で判断。『Fitty』流のUX改善アプローチでCRO改善を
宮坂 一番大事だと考えているのはユーザーのペルソナを意識し続けることかなと感じています。現在の僕たちは『Fitty』のペルソナはいわゆる港区女子に置いているのですが、実際にどのような行動をしているのかとか、どんなことを普段考えているのかをずっと考えています。
例えば、最初は港区女子のメイン活動範囲である港区の施設を中心に提携を進めていたのですが、実際には港区女子は港区だけではなく、例えば「中目黒」や「代官山」も行動圏内に入っていたりすることが多いです。なので、周辺エリアの開拓にも力を入れておりユーザーの反応も良いのでペルソナについてこれからも考え続けたいですね。
松田 先ほど話に出た「コンテンツ量が増えて選びにくくなった」という話もユーザー目線で考えていくことで課題解決が出来たと考えています。私たちが目指すUXとして「フィットネスに行くハードルを下げる」というものがありますが、これも定性的ではありますがユーザー目線になって「どうなったら嬉しいか」を考えながら施策を実施し、それがユーザーとして正しかったのかを定量的に数字分析を行って検証していくという感じですかね。
――なるほど! 定性的に捉えて、定量で判断していらっしゃるんですね。
宮坂 良い感じにまとめてもらってありがとうございます。笑 UXの向上を追うことでCVRも改善出来ているので、今後もこの方針でCROを追求していきたいですね!
外面と内面の両方の”美”を実現出来るプラットフォームを目指す
――最後に今後の『Fitty』の構想についてお聞かせください
宮坂 冒頭でもお話しましたが、日本の健康大国化を『Fitty』を通じて実現したいです。今はまだ東京都内がメインですが、今後は資金調達も予定しており、まずは全国展開を目指したいです。これを実現させるためにも会社として『Repro Web』を活用して、ユーザー獲得の最大化も図っていきたいですね。
松田 今はフィットネスがメインですが、今後は美容に関するコンテンツも提供していく予定です。ちなみに今でも試験的に岩盤浴を提供してるのですがユーザーの利用率も高く、ニーズはありそうだなと感じています。あとは法人向けのプランの提供を始めたので、企業ユーザーの獲得も目指していきたいですね。企業の福利厚生からも「日本の健康大国化」は目指せると感じています。
宮坂 たしかに! 『Fitty』はこれから事業拡大フェーズに入っていくので、今後もサポートをお願いしますね!
※本記事は2019年2月7日時点の情報です。Repro株式会社または掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。