2025年11月7日、最新の海外アプリマーケティングニュース。「GoogleとEpic Gamesの法廷闘争がついに決着」「日本でも12月からiPhoneで第三者アプリストア解禁か」など、世界中のアプリエコシステムを大きく揺るがすニュースが飛び込んできています。アプリビジネスに間違いなく大きな影響を及ぼす話題ばかりなので、必ずチェックしましょう。
※本記事における日時の記載は、特別な断りがない限りすべて現地時間です。
GoogleがEpic Gamesとの和解へ。アプリストア改革が世界中で急進する
2025年11月4日、Googleが、5年以上にわたって続いたEpic Gamesとの法廷闘争に和解しました。両社が共同で作成した和解案をサンフランシスコ連邦地裁に提出しており、あとは担当判事である、James Donato判事の承認を待っている段階です。
今回の和解案で注目すべきなのは、日本のアプリ市場にも大きな影響を与えることが確実だからです。まずは和解案におけるアプリストア改革のポイントを列挙しましょう。
- 第三者アプリストアの解禁
- アプリ外決済への直接誘導の解禁
- アプリ内決済に対して「Google Play Billing」以外の決済手段を解禁
並行して行われてきたAppleとEpic Gamesの裁判では、基本的に「1」「2」が争点とされ、「3」は現時点でも認められていません。しかし今回、Googleは「アプリ内決済に対して『Google Play Billing』以外の決済手段を解禁」すらも認めたのです。
そして、この和解案にはさらに重要な事項が明記されました。それが以下の2点です。
- 第三者決済利用時の手数料の上限は9%または20%(取り引きとタイプによる)
- グローバルに適用され、少なくとも2032年6月まで維持される予定
手数料上限を明らかにしたうえに、このアプリストア改革をグローバルスタンダードにしようとしているのです。無論、日本にも適用されるはずです。
日本では、来月に迫った「スマホ新法」の施行に合わせてGoogleがどのような対応を取るかが注目されていました。アメリカでの裁判所の承認次第ではありますが、グローバル展開を前提としたこのアプリストア改革が横展開、もしくは下敷きとなることは確実。現地時間の11月6日には両社とJames Donato判事の面会が行われる予定で、さらに状況が進んでいる可能性もあります。
和解案の提出にあたっては、GoogleのAndroid Ecosystem担当プレジデント Sameer Samat氏とEpic GamesのCEO Tim Sweeney氏がXでポストをしています。最新情報をキャッチしたい人は、このふたりのXアカウントを追いかけるのがおすすめです。
iOS 26.2は第三者アプリストアを許可か。スマホ新法への対応
2025年11月5日、しずく氏がXに投稿。海外メディアが引用する形で、「日本でも『iOS 26.2』で第三者アプリストアが解禁か」というニュースが世界中を駆け巡りました。
しずく氏がサードパーティ製アプリストア(具体的には「AltStore PAL」「Epic Games Store」)が利用できることを確認したのは「iOS 26.2 β1」。正式公開は12月9日から12月16日の間と予想されています。仮にこのままの仕様でリリースされるのであれば、スマホ新法に準拠する形で第三者アプリストアが解禁されることになります。
スマホ新法全面施行の12月18日を前に、アプリエコシステムは確実に変わり始めています。
任天堂が公式ストアアプリ「Nintendo Store」をリリース
2025年11月6日、任天堂が公式ストアアプリ「Nintendo Store」をグローバルリリースしました。これまで、日本国内のみで運営されていた「My Nintendo」をリニューアルしたもので、「Switch 2」「Switch」本体、公式周辺機器、ゲーム、グッズなどの商品の閲覧・購入ができます。
現時点では、商品、ゲームの購入はアプリ外決済の形式が取られており、購入手続きはWebサイトで行われる仕様。現時点ではスマホアプリの取り扱いはありませんが、昨今の第三者アプリストア解禁の流れを見ると、Nintendo Storeが任天堂タイトルのゲームアプリ用ストアとして機能する未来もあるかもしれません。
AppleがWeb版 App Storeを公開。ASO・Web2App戦略にも変化
2025年11月3日、AppleがWeb版の「App Store」を公開しました。これまでiOS向けのアプリは、ポータル・カタログサイトといった意味合いのWebサイトを持てていませんでした。Web版 App Storeのリリースにより、iOSアプリのWeb上での検索性、露出が飛躍的に高まることになります。
Web版 App Storeには、「iPhone」「iPad」「Mac」「Vision」など、Apple製デバイスのアプリが掲載され、「Today」「Arcade」も実装。ただし、検索、閲覧のみでダウンロードはできません。現在のところダウンロード自体は各デバイス用のApp Storeアプリで行う仕様です。
まだ公開されたばかりではありますが、今後、iOS向けアプリのWeb検索トラフィックには大きな変動が起きる可能性があります。また、AIの学習にも利用しやすくなるでしょう。SEO(検索エンジン最適化)、GEO(生成エンジン最適化)をも考慮したプロダクトページの構築が必要になってくるかもしれません。
※画像引用:App Store