Z世代とは?ミレニアル世代との違いは?統計データを元に解説

Repro Journal編集部
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2020.11.04
Z世代とは?ミレニアル世代との違いは?統計データを元に解説

目次

今の時代、Z世代の影響力ははかり知れません。

Z世代とは、1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた若年層のことです。昨今のトレンドを作り出す中心人物と言っても過言ではないでしょう。

アメリカには全体人口の25.9%を占める、推定600万人のZ世代が暮らしています。彼らだけでも440億ドルの購買力を持っていますが、両親や家族の購入額も合わせると、実際の購買力は2,000億ドル近くにもなると言われています。

今回は、流行に敏感な若い世代を理解するために、マーケターが知っておくべきZ世代の特徴について紹介しましょう。

マーケターが注目すべきZ世代の特徴

Z世代はパーソナライズされた広告を受け取りたい

Z世代はスマートフォン以外の携帯電話を使ったことがなく、ターゲティングされない広告も見たことがありません。企業が自分の個人情報を簡単に入手できることを理解した上で広告を受け入れ、パーソナライズされた情報の提供は当たり前のように思っています。

Googleの発表によると、10代の買い物客の26%が自分の習慣や嗜好に基づいた体験の提供を望んでいることがわかりました。同様の回答をしたミレニアル世代(1980年代から2000年代初頭に生まれた世代を指す。Y世代とも言う。)は22%程度、ベビーブーム世代 (団塊の世代) にいたっては11%しかいませんでした。

個人情報に関してはガードが堅い

他の世代よりもパソコンのwebカメラにカバーを付け、個人情報を盗まれないようにする傾向が多く見られます。つまり、Z世代は高度なパーソナライズを求めてはいますが、個人情報の保護には細心の注意を払っているということです。

ですので、マーケターは不審に思われないように、Z世代に好まれる方法でコンタクトを取りましょう。IBMが実施した「Uniquely Gen Z」という調査では、連絡先や購入履歴以上の個人的な情報を共有しても構わないと回答した10代は、3分の1以下でした。しかし、個人情報の管理を徹底していることがわかり信用ができれば、61%が個人情報を提供しても良いと回答しています。

Z世代はフィードバックを提供してくれる

Z世代のほぼ半数がフィードバックを頻繁に返す、またはまあまあ頻繁に返すと回答していることから、個人情報の共有には消極的ですが、他のどの世代よりもフィードバックには協力的だということがわかりました。

彼らは『Facebook』『Twitter』『Snapchat』にレビューを残すことが多いので、SNSを積極的に利用すれば、より多くのフィードバックを受け取ることができるでしょう。

Z世代はソーシャルメディアに対する警戒心が強い

ひとたびインターネットに載ってしまった情報は、ほぼ永久的にインターネット上から消すことはできません。その点について理解が深いZ世代は、匿名で利用できるようなブラウザを好みます。

『Snapchat』『Whisper』『Yik Yak』『Secret』は、一定の時間が経つと投稿が消える仕組みになっているので、プライバシーを保護してくれるアプリとして多くの10代から支持されています。『Twitter』や『Instagram』を利用する時は、アカウント名に本名を使わないようにしたり、アカウントを複数作って公開する情報を管理したりしています。また『Instagram』のダイレクトメッセージなどの機能がある場合には、全体へ公開するよりも、直接友達に送信することを好む傾向があるようです。

『Facebook』のように認知度が高いサイトは、身元を隠すことが難しく両親にも見つかりやすいため、あまり人気がありません。使用はしていても、10代の34%が『Facebook』は「年配者」向けのサイトだと思っているのです。

こうした事実から考えると、Z世代にパーソナライズしたコンテンツを届けたい企業にとっては、この「匿名性」が一番の課題となるかもしれません。企業がユーザーの人物像を正確に把握するためには、一対一で交流できるようなプライベートかつダイレクトなチャネルを重点的に活用しましょう。

『Facebook』は『Instagram』のダイレクト機能と同じ機能だけをもつ、『Messenger』という独立したアプリを作っています。『Messenger』の利用率を見れば、ブランドにとってもユーザーにとっても有効であることは明らかだといえるでしょう。

Z世代は買い物の場面に合わせてネットワークを使い分ける

市場調査の結果から、Z世代の85%が新製品に関する情報を集めたい時にソーシャルメディアを利用していることがわかりました。また、アカウントをフォローするなどしてソーシャルメディア上で企業とつながっている人は、他の世代と比較すると59%も上回っています。

10代が新製品を探す時は45%が『Instagram』、続いて40%が『Facebook』を利用しています。製品を購入する前に『YouTube』を見てチェックするZ世代は、なんとミレニアル世代の倍以上。

また、他者に製品を勧める時は『YouTube』24%、『Instagram』は17%、『Facebook』は16%と、『YouTube』がもっとも利用されているようです。しかし、実店舗では『Snapchat』を利用する人がもっとも多く、買い物中の様子をテキストで記録したり紹介しているとのこと。

10代に響くメッセージを投げかけるには、まず、彼らがどのタイミングどのようにソーシャルメディアを使い分けているのかを把握すべきでしょう。

Z世代はソーシャルメディアの広告に寛容

Z世代は他の世代よりデジタル広告に対して寛容なところがあります。

10代の39%が『YouTube』は広告が多すぎると回答していましたが、動画プラットフォームとしては圧倒的な人気です。『Instagram』と『Snapchat』は広告が多いと答えた10代はたった11%ですので、受け入れられやすいプラットフォームだといえるでしょう。

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Z世代は集中する時間が短いといった傾向も見られます。動画の場合、はじめの8秒でユーザーの心をつかめなければそのままスクロールされてしまうため、再生開始直後にインパクトを与えられるような内容にしなくてはならないでしょう。

広告を見ないという選択肢

先述したように10代は飽きっぽい傾向があるため、プレロール広告やポップアップ広告など、すぐに閉じることができない広告は好まれません。ここは、ユーザーが再生するか・しないかを選べる広告であれば、CPMを改善できるでしょう。 Z世代は広告への反応が早く、X世代((1960年代初頭または半ばから1970年代に生まれた世代を指す。))が12.6秒後に動画をスキップするのに対し、9.5秒しか待ってくれません。

広告を見る選択肢

Z世代の41%はインセンティブがもらえる広告にポジティブな反応を示しています。クイズアプリ『HQ』は、インセンティブ付き広告の運用で190万人の新規ユーザーを獲得しました。

Z世代はVRなどの新たなコンセプトを喜んで受け入れる

10代は企業と積極的に交流を図るだけでなく、新たなコンセプトにも前向きです。

Accentureが実施した意識調査では、Z世代に属する消費者の73%が商品を購入する際に音声入力を使用している、今すぐ使ってみたい、いずれ使ってみたい、と回答していました。

他の世代よりも新しいものへの積極性が高く、VRの可能性に最も大きな期待を寄せているZ世代。マーケターは独創性の高いキャンペーンの実施やコンテンツ制作に力を注げば、10代から注目を集めることができるでしょう。ライブ動画や360度動画などの動画フォーマットは、すでに若い世代の視聴者から人気を集めています。

意識調査では18〜20歳の回答者の71%が、過去の在庫や売り上げに基づいた自動補充システムに関心を示しています。より手軽でスピーディーに買い物ができる機能があれば、売上とともに製品の魅力を高めることができるでしょう。

ソーシャルメディアで活躍するインフルエンサーのZ世代に対する影響力は、有名セレブに引けを取らない

10代は率直な意見を聞きたいと思っています。たとえ影響力の強い芸能人を利用しても、違和感を感じさせてしまうとその効力は半減してしまいます。

Z世代の79%は芸能人がブランドを紹介することに寛容ですが、製品の説明や感想が一切ない場合は受け入れ難いという人もいるようです。

最近はYoutuberをはじめとして新しいインフルエンサーが次々と誕生しています。製品の種類によっては、芸能人以上の影響力を発揮する可能性もあるのです。

美容関連の製品の場合、インフルエンサーが芸能人に勝る影響力を持っていることが調査によりわかっています。アパレルやアクセサリーは、インフルエンサーの影響力が41%であるのに対し芸能人が43%でした。

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文化的にも社会的にも最も多様性に富んでいるZ世代

ドラァグクイーンのRuPaulの生き方に大きく影響を受けているZ世代。Teen Vogue誌のコンセプトは「意識が高くてかっこ良い」。彼女たちにとって、女性起業家は絶対的な存在です。この世代の大半が多様性を受け入れ、マーケターにも同様の姿勢を求めています。

国勢調査のデータからは、アメリカのZ世代が史上最も民族的多様性に富んだ世代であることが示されています。職場環境については76%が「多様性に富んだ多くの企業で仕事をすることが重要」と回答。イギリスでは16〜22歳の10人に1人が、「男女どちらも恋愛対象である」と回答していました。

こういったことから、Kendall Jennerを起用した「PEPSI」の広告や、キング牧師のスピーチを引用したFodge Ramのスーパーボウル広告のように、時代精神に関する広告は反発が起こる可能性があるため特に注意をする必要があります。

とはいっても、時代精神を正しく理解するのは簡単なことではありません。広告に取り入れる場合、企業が正しく説明できなければ、社会的積極性の高いZ世代からすぐに指摘が寄せられ、炎上してしまう恐れがあります。

Z世代には性別ごとの特徴が見られる

プラットフォームごとに男性と女性の好みは分かれます。「AdWeek」と「Defy Media」が実施した調査によると、『Instagram』『Facebook』『Snapchat』『Pintarest』『Tumblr』のユーザーは大半が女性です。男性は『Twitch』や『Reddit』など、動画アプリに時間を費やしている上、24%が「『YouTube』なしでは生きていけない」とまで言っているようです。

また「良い」とされるアプリの定義にも男女差が見られました。男性は流行や友達の意見でアプリを判断しますが、女性は自分の感性で判断しています。

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Z世代は将来を悲観していない

将来について前向きに考えているZ世代は、半数以上が将来は自分の両親より良い暮らしができると思っています。2016年に高校卒業者を対象にした時は、27%からしか同様の回答を得られなかったため、大きく増加したことがわかります。

すでに強力な購買力があることを考えれば、将来をポジティブに捉えていることにも納得できるかもしれません。また、この世代の85%が貯金は重要だと思っており、63%が自分を倹約家だと回答していました。

彼らはミレニアル世代の唱えるYOLO (You Only Live Once:人生は一度きり) の思想も受け入れています。YOLOは我慢するより、楽しく暮らして様々な経験を積むことを重視する考え方で、人生を楽しむこと、素晴らしい仕事に就くこと、人間として成長することを優先しています。

ベビーブーム世代の54%がZ世代の暮らしは今後悪化するだろうと考えていることから、Z世代より上の世代は彼らの将来に対して悲観的なようです。

しかし、イギリスのEU離脱や2016年のアメリカ大統領選挙からもわかるように、将来の展望について若者と年配者の間には大きな格差が生じつつあります。マーケターはこの世代間ギャップも心に留めておかなくてはなりません。

この記事は、Hootsuite社のブログ"Everything Social Marketers Need to Know About Generation Z"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Hootsuite in English under the permission from the author.

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