2025年8月1日、最新の海外アプリマーケティングニュース。今週の注目トピックは、Appleによる「App Store」のキーワード・カスタムプロダクトページの実装、そしてMatch Groupがコメントしたアプリ外決済の導入がもたらす収益増の可能性です。いずれも即検討、即アクションが可能なニュースなので、しっかりとチェックしておきましょう。
※本記事での日時の記載は、特別な断りがない限りすべて現地時間です。
App Store カスタムプロダクトページのキーワード設定機能を公開 - Apple
2025年7月30日、Appleが、WWDC25で発表していたカスタムプロダクトページ(CPP)へのキーワード設定機能を実装しています(公式発表はなく、同日にAppTweakの「App Store Digest」が検知・紹介)。一般的な呼称は定まっていないようですが、今後は「キーワード・カスタムプロダクトページ(KCPP)」が通称となりそうです。
KCPPは、「App Store」に提案されたキーワードを個別のCPPに対して割り当てられる機能、もしくはキーワードが割り当てられたCPPのこと。App Store内検索でのビジビリティを向上させられる可能性があります。ASO(アプリストア最適化)対策の新たな重要手法であり、すでに日本国内でも利用できるので、ASO対策の専門家に問い合わせるか、リソースに余裕があるのであればチャレンジしてみることをおすすめします。
App Storeから提案されたキーワードを選択する形で、CPPにキーワードを割り当てる。割り当てをしなくてもよい。
アプリ外決済の導入によって6,500万ドル増益の可能性 - Match Group(Tinder)
2025年8月5日、「Tinder」や「Hinge」の運営母体であるMatch Groupが2025年 第2四半期の決算発表とその説明会を実施しました。その中で、CFOのSteven Bailey氏がアプリ外決済について注目すべき発言をしています。
「現在、Tinderにおいてアプリ外決済のテストを進行させている」「Hingeでのテストは第三四半期後半を予定している」、そして「テスト中のアプリでは平均して30%程度がアプリ外決済に移行しており、10%以上の収益改善が実現できている」「全アプリで最適なアプリ外決済の展開が実現した場合、6,500万ドルの収益改善の可能性がある」というものです。「大きなチャンスになり得る」とも明言しました。
12月の「スマホ新法」施行によって、日本でもApple、Googleによるアプリ外決済への制限が緩和されると予想されています。Reproでは他社に先駆けて8月20日にアプリ外決済の基本を学ぶセミナーを開催予定です。ぜひお申し込みください。
※画像引用:Match Group - News & Events - Quarterly Results
音楽ゲームスタートアップを買収&AIシフトで業績・株価好調 - Duolingo
2025年8月6日、Duolingoが、イギリスの音楽ゲームスタートアップであるNextBeatのチームを買収したことを発表しました。Duolingoは近年、語学学習だけでなく、音楽や数学などの分野での学習サービスを提供しています。そして言うまでもなく、ゲーミフィケーションの旗手。この買収によって音楽学習におけるゲーミフィケーションがより一層、クオリティの高いものになると考えられます。
加えて同日には第2四半期の決算を発表。収益41%増、サブスクリプション収益46%増という過去最高の収益性を報告しました。全社的なAIシフトが功を奏し始めた結果と見られています。ゲーミフィケーション、AIという、近年のトレンドの最先端を走ることが、確実にビジネスを成功に導いているようです。
NextBeatが配信する音楽ゲームアプリ「Beatstar」「Country Star」。
※画像引用:App Store(Beatstar、Country Star)
「Tea」のカウンターアプリ「TeaOnHer」も個人情報漏洩 - TechCrunch 報道
2025年8月6日、TechCrunchが「TeaOnHer Dating Adviece(以下、TeaOnHer)」というアプリの個人情報漏洩を報じました。「TeaOnHer」は、先週、Repro Journalで個人情報漏洩について紹介した「Tea Dating Advice(以下、Tea)」のカウンターアプリといえる存在。Teaはアプリ内で共有される情報の信頼性や精度に疑義を呈されており、それに対する抗議や揶揄のニュアンスを色濃く持っているのがTeaOnHerという男性向けアプリです。
そして今週、TeaOnHerでも個人情報の漏洩が発覚。TechCrunchは、TeaOnHerのユーザーデータ(ユーザー名、メールアドレス、運転免許証、ユーザーがTeaOnHerにアップロードした自撮り写真など)に誰でもアクセスできるセキュリティ上の欠陥を少なくともひとつ発見したとしています。
アプリデベロッパーの責任について再考する必要があるのはもちろん、ある種の熱狂やトレンドに軽々しく参加することを戒める、消費者にとっての教訓にもなりそうです。
※画像引用:App Store(TeaOnHer)