2025年11月21日、最新の海外アプリマーケティングニュース。「Google Play’s Best of 2025 awards」受賞アプリのほか、「TikTok」「ChatGPT」といった超人気アプリの最新アップデートを、市場環境の分析とあわせて紹介します。アプリマーケティングの現在地を理解したい人は、漏れなくチェックしてください。
※本記事における日時の記載は、特別な断りがない限りすべて現地時間です。
Googleが「Google Play’s Best of 2025 awards」を発表
2025年11月18日、Googleが「Google Play’s Best of 2025 awards」を発表。ベストアプリに輝いたのは、「Focus Friend by Hank Green」、ベストゲームを受賞したのは「Pokémon TCG Pocket」でした。
Focus Friendは、オンライン教育者のHank Green氏が開発したゲーム感覚の集中タイマーアプリ。タイマーをスタートすると、可愛い豆のキャラクター「ビーン」が編み物を始め、タイマー作動中にアプリを閉じたり、他のアプリに切り替えたりすると、ビーンは編み物を中断して悲しそうな表情を浮かべます。ビーンとの感情的なつながりと、集中セッションを成功した際に報酬がもらえるゲーミフィケーション要素が高い評価を得ています。
Pokémon TCG Pocketは、日本でも超人気のカードゲームアプリです。日本発のアプリがグローバルでも大成功を収めました。
そのほかの部門の主な受賞アプリは以下の通り。ヒットアプリには必ず理由があります。それを自社アプリのグロースのヒントとするには、実際に触れて研究するのが近道です。多くのアプリが日本でも利用できるので、まずはインストールしてみてはいかがでしょうか。
11月19日には日本版の「Google Play ベスト オブ 2025」も発表されているので、比較してみるのもよいでしょう。
■Best apps of 2025
■Best games of 2025
「TikTok」がAI生成コンテンツ制御機能をテスト開始
2025年11月19日、ByteDanceが「TikTok」において、AI生成コンテンツ制御機能のテストを開始することを発表しました。「Manage topics(トピックを管理)」内にスライダ形式で追加される予定で、「For You(おすすめ)」フィードに表示されるAI生成コンテンツの量を選択できるようになります。
並行して、AI生成コンテンツに対するラベルリングも強化する予定で、「invisible watermarking(目に見えない透かし)」機能がテスト中であることも明らかになりました。
現在、SNS全体で「質の低い大量生産されたAI動画」や「ディープフェイク」の存在が問題視されています。AI生成コンテンツを排除するのではなく、ユーザーに選ばせるというアプローチを取ることで、コンテンツの多様性を担保しながら、ユーザー体験の質を上げようとする意図が推察できます。
また、EUにおける「AI法」では、生成AIによるコンテンツに対して、「それがAIによって生成されたものであることの明示」が義務づけられる予定です。これらの取り組みは法規制に対する先回りという意味があると考えてもよいでしょう。
画像引用:More ways to spot, shape and understand AI-generated content
モバイルアプリ市場は2033年に7,400億ドル規模に。Research and Markets調査
2025年11月12日、Research and Marketsが実施した「モバイルアプリケーション市場の動向、展望、予測 2025-2033(Mobile Application Market Trends, Outlook & Forecast 2025-2033)」が、「GLOBE NEWSWIRE」に掲載されました(Research and Marketsの公開は2025年6月)。
本レポートは、アプリ市場の規模が2033年には7,402.5億ドルに達し、2025年から2033年にかけて年平均成長率12.35%で成長すると予想しています。市場成長のキードライバーとして挙げられているのは、「スマートフォン普及率の上昇」「アプリ内課金の増加」「AIと機械学習の統合」の3点です。
興味深いのは、「アプリ内課金の増加」という点において、「信頼性の高いデジタルウォレットと、強化を続ける決済体験の統合がユーザーの課金意欲を高めている」と指摘していることです。現在、プラットフォーマーに独占されていた決済体験の解放が世界中で進められています。アプリ外決済や第三者アプリストアの増加がマーケットの成長にどのような影響を与えるのかを注目したいところです。
画像引用:Mobile Application Market Trends, Outlook & Forecast 2025-2033
「ChatGPT」でグループチャットのパイロット版提供開始
2025年11月13日、OpenAIが「ChatGPT」に「グループチャット機能(パイロット版)」を追加しました。現在は日本、ニュージーランド、韓国、台湾で利用できます。
グループチャット機能をわかりやすくいうと、「LINEグループにChatGPTが参加する」「SlackチャンネルにChatGPTが参加する」ようなもの。すべてのメッセージに返信するのではなく、「文脈を読んで、自分が答えるべき時だけ発言する」機能が搭載されています。これまでは1対1の対話相手でしかなかったChatGPTが、気の利く仲間、仕事上のチームメイトとして進化するわけです。
直近、OpenAIは「Sora」や「Apps in ChatGPT」など、生成AIの可能性を広げるプロダクトの拡張を盛んに行っています。今回の機能追加は、ChatGPTをいわゆるワークスペース、コラボレーション・プラットフォームとして進化させるための野心的な取り組みと捉えることができます。
画像引用:ChatGPT でのグループチャットのパイロット提供を開始
欧州の「WhatsApp」で他社チャットサービスが利用可能に
2025年11月14日、Metaがヨーロッパの「WhatsApp」内で、他社のチャットサービスを利用可能にすることを発表しました。第一弾として「BirdyChat」「Haiket」と直接メッセージのやり取りができるようになります。
なお、この機能アップデートは、明確にEUにおけるDMAへの対応を目的としたもの。第三者アプリストアの解放やアプリ外決済への直接誘導の解禁が話題になりがちですが、DMAは様々なアプリサービスに影響を及ぼし始めています。