2025年6月12日、赤坂インターシティ コンファレンスにて、Repro株式会社とadjust株式会社の共催による「App Marketers' Festa 2025」が開催されました。
「アプリグロースの最前線」がテーマのApp Marketers' Festaは、大好評だった昨年に続き2度目の開催。「アプリ関連の必要な人や情報に必ず繋がれる」「最前線のアプリマーケティングに触れる」「完全営業禁止」をコンセプトに、全国のアプリマーケ担当者が一堂に会しました。この記事では、同イベントの内容や様子をレポートします。
スペシャルセッション「TimeTreeにおけるこれまでの成長とマネタイズ戦略の開発経緯と裏側」
今回のApp Marketers' Festaでは、スペシャルセッションとして、カレンダー共有アプリ「TimeTree(タイムツリー)」を企画運営する株式会社TimeTreeの執行役員 マーケティングソリューション本部長の新保周氏が登壇。
「TimeTreeにおけるこれまでの成長とマネタイズ戦略の開発経緯と裏側」をテーマに、同アプリが辿った約10年間の道のりや、独自の広告を活用したマネタイズにあたっての考え方や、数々の試行錯誤と成功、そしてTimeTreeの未来について、このイベントでしか聞けない深い話が語られました。
■「TimeTree設立から3年はマネタイズをしていませんでした」
株式会社TimeTree 執行役員 マーケティングソリューション本部長 新保周氏
2015年にリリースされ、現在は世界中で6,500万人のユーザーに愛用されている日本発のカレンダーアプリTimeTree。リリース年である2015年にApp Storeの「Best of 2015」に選出され、2016年2月には100万ユーザーを突破。着実に成長を続け1000万ユーザーを突破した2018年にはCMを打ち、2019年にAppleのティム・クックCEOがオフィスを訪問、さらにTikTok経由での海外ユーザーの爆発的増加や様々な機能開発など、その成長と様々なターニングポイントが語られました。
しかし、実は2014年の会社設立から3年はマネタイズをしていなかったそう。FacebookやLINEのようなプラットフォーマーになることを目指していた創業者の思いから、「まずはユーザーさんがいないとどうしようもないというところで、ユーザー数を増やすことに注力しました」と、その真意を説明した新保氏。
同じくあくまでもプラットフォームでありたいという思いから、あらゆるユーザーが使えることを目指し、マネタイズにあたっては「サブスクモデル」ではなく、「広告モデル」を選んだそうです※。
※現在は広告を非表示にしたいというユーザーの声にも応えるために「プレミアムプラン」が用意されています。
■「広告追加でも、丁寧にコミュニケーションを取れば応援してもらえることがわかった」

「広告を追加するところでも、ユーザーさんと丁寧なコミュニケーションすることによって、逆に応援していただけることがわかりました」と語り、広告を実装するにあたってユーザーに向けて発信したリリース文を紹介した新保氏。
そこには、実装される広告のイメージとともに、ユーザーへの感謝や、会社がそれまでマネタイズしていなかった事実、そして無料で提供し続けるために広告モデルを選んだ思いや、広告導入に当たってのポリシーが記されていました。
その後の広告事業においても「ユーザーファースト」で広告をコンテンツとして届けることを徹底しているそうです。
【関連リンク】TimeTreeへの広告導入について
■「『ユーザーと企業の双方にとって有益な広告を届ける』に近づけた」

さらに新保氏は、予定にターゲティングできる広告ソリューション「TimeTree Ads」のリリースから、実際に配信されたいくつもの広告フォーマットや、それぞれのフェーズにおける苦戦の背景や後悔、そこからのアップデートなど、自社アプリのマネタイズを考えるアプリマーケターにとっては実に興味深い驚きと発見に満ちた話題を展開。
「世界初の日づけ指定型広告」と銘打たれ、現在ではTimeTree Ads の売れ筋となっている「ターゲットデイ※」も開始当初は大いに苦戦していたそうです。
※ターゲットデイは現在は「日付認知広告」に名称変更済み。
しかし、抜本的なアップデートや「カレンダー内はユーザーさんの持ち物」というUX哲学に基づき社内で繰り返された議論を経てたどり着いたTimeTreeならではの新たなフォーマットが、数多くのクライアントからの申し込みを獲得。それだけではなく、ユーザーから「可愛すぎてひっくり返った」「全然邪魔じゃなくてむしろ上手い」といったポジティブな反応も相次いだそう。
新保氏は「広告枠に対するここまでのポジティブな反応は予想外の結果でした。TimeTreeが目指す広告の形『ユーザーと企業の双方にとって有益な広告を届ける』に少し近づけた気がします」とコメント。さらに、これからもこの姿勢は崩さず、試行錯誤を繰り返しながら広告を有益なコンテンツとして届けていけるよう開発を続けていくという未来への展望を語っていました。
【関連リンク】世界初の日づけ指定型広告「ターゲットデイ」
昨年、双子のお子さんが誕生したという新保氏と、自身が双子と明かしたRepro中野のほほえましい対話も。
「Adjust Growth Copilot β版」の解説や、Reproの新情報も公開
App Marketers' Festa 2025では、新保氏の登壇に先立ち、主催社からも少しだけ自社サービスの紹介が行われました。
左からadjust株式会社 日本ゼネラルマネージャー 佐々直紀氏、Adjust Sales Lead 高橋将平氏
adjustからは、日本No.1シェアのアプリ向け効果測定SDK「Adjust」の紹介とあわせて、今年5月にリリースされた「Adjust Growth Copilot β版」の解説や、2025年7月23日(水)に大々的に開催される「Adjust Ignite Tokyo 2025」の案内が行われました。
【関連リンク】
Adjust Growth Copilotのベータ版をリリース
Adjust Ignite Tokyo 2025
Repro株式会社 中野竜太郎
Reproからはサービスのご紹介とともに、まだ一般には公開されていない新たな機能の概要とそのデモ画面をこっそり公開しました。ご興味のあるアプリマーケターの方は、ぜひRepro担当者にご連絡ください。
アプリマーケターのためのネットワーキングパーティーも大盛況

スペシャルセッション後は、会場を「ロウリーズ・ザ・プライム赤坂 フランクバー」に移し、アプリマーケターのためのネットワーキングパーティーを開催。名物のプライムリブを囲み大いに盛り上がりながら、赤坂の夜は更けていったのでした。
今年も多くの参加者にご好評いただき、盛況のうちに幕を閉じた「App Marketers' Festa 2025」。Reproでは、今後も様々なイベントやセミナーを開催していきます。詳細は、セミナー/イベント情報ページにて随時お知らせいたしますので、ご確認ください。