私たちが受け取る最もよくある質問は、Google Playでより多くのトラフィックを獲得する方法です。その方法を示すため、インストール数の少ないインディーズゲームのアプリにシンプルなテキストの最適化を行ってみました。この記事を読んで、早速試してみてください!残念ながらゲーム名は明かせませんが、記事中のデータは全て実際に存在するものです。
はじめに
最適化を行ったアプリ:
- アプリ:Google Playで配信中のゲームアプリ
- カテゴリー:戦略カードゲーム
- 国:アメリカ合衆国
最適化前のデータ:
- 1日あたりのアクセス数:329
- 1日あたりのインストール数:92
- アクセスからインストールに至った平均コンバージョン率:28%
これらはGoogle Play Consoleから取得した情報です。国別のPlay ストア オーガニックでアメリカのデータを測定しました。
【STEP.1】ASO調査
まずは現在のアプリの状況から、アメリカ国内のユーザーがどんな検索ワードでアプリを見つけインストールに至ったか、また検索結果でのアプリのランキングなどを想定しました。
調査により、アプリの対策キーワードはそれほど悪くないことが判明しました。”悪くない”のは、説明文に関連キーワードがほぼ全て含まれていたためです。それでも、アプリは関連する検索結果の多くで上位20位以内に入っていませんでした。
botや宣伝を使わずにアプリの露出を増やすには、どうしたらいいでしょう?Google Playで必要だったのは、アプリの名前を変更すること、長い説明文と短い説明文の両方を用意することでした。
【STEP.2】対策キーワードの決定
ASOにおいて最も複雑で重要なのが、対策キーワードに関連する検索クエリを収集することです。収集するワードやフレーズは多いに越したことはありません。のちにアプリ名、説明文、スクリーンショット内のテキストにまで影響する土台となります。
画像1:対策キーワードの作成
重要:通常、検索クエリ1件に含まれるキーワードは2~3つです。キーワードが1つだけの場合もありますが、あまり多くはありません。ASO戦略で重要になるのは、キーワードではなく検索クエリです。
対策キーワードの作成には、Google Playでよく使われるデータと知見を活用します:
1.まずはキーワードやキーフレーズに関して、私たちの考えを書き出しました。より多くの検索クエリを見つけるため、競合アプリのチェックも行いました。
2.選んだキーワードに関連して、Google Playで検索サジェストを確認しました。
3.今後モニタリングを行うため、「Suggest&Search」から最も興味深く、かつ関連のあるクエリをリストに加えました。
4.最後に、これらのキーワードが競合アプリの中でどれだけ使われているかを分析しました。分析に際して、次のことを確認しています:
- 検索における競合アプリの順位
- 特定の検索クエリに対するアプリの数
- 検索クエリに合致しない、関連の薄いアプリの数
ここまでの作業で、検索クエリを最もよく使われるものと、比較的よく使われるものに分類できるでしょう。
画像2:「Suggest&Search」を使い、Google Playでの提案をもとに検索クエリを選択
【STEP.3】テキストの最適化
私たちは、新しいキーフレーズを追加するよりも、これまでの検索クエリに対する露出を増加させる方がいいと判断し、次のことを行いました。
1.現在トップ10に入っているアプリとクエリの関連性を推定し、どのアプリの露出が多いかを確認しました。(類似のゲームや直接の競合となるアプリ、他のカテゴリーに属する無関係なアプリがあれば、準備完了です)
2.ゲームタイトルと説明文に、最も人気で関連性の高いクエリを含めました。詳しく説明すると、選択したキーワードやフレーズを、アプリのタイトルと説明文の冒頭167文字に追加したのです。
3.残りのキーワードを、変更することなく、説明文の次の段落に追加しました。文章は全体で4000文字まで使用できます。
たとえば、「カードゲーム」と「カジノ 無料」というキーワードを最初の167文字に含める場合、説明文の冒頭に「カード」「ゲーム」「カジノ」「無料」というキーワードを追加するのです。検索クエリからそのままの形で追加できれば、なおいいでしょう。この作業は時間があまりかからない割に、大きな成果をもたらしてくれます。
しかし、もしテキスト内で同じ単語が繰り返し出てくる場合は、どうしたらいいでしょう?現在のところ、単語が何度も使われていると効果が高い、とははっきり言えません。アプリによっても結果は違ったものになっています。さまざまなパターンを試してみて、上手く作用するか確かめるのが最善です。
画像3:ワードをカウントできるツールで、説明文に含まれるキーワードをカウント
重要:アプリ名と説明文は、以前のものと新しいものの両方を残しておきましょう。追加した検索フレーズや繰り返し登場する単語の数など、詳細を保存しておくといいでしょう。
さらに、期待する結果も書き出しておきましょう:
- どのクエリでアプリの順位が上昇するか
- どのクエリでアプリの順位が下降するか(以前に使用したフレーズの優先度を下げると起こります)
- どのクエリでアプリの順位が維持されるか
- どのクエリで新しいアプリが結果に登場するようになるか
- どのクエリでアプリが消えるか
私たちが最適化したアプリにおける、いくつかの数字を紹介しましょう:
- 名前:アプリの名前が17文字から28文字に増加し、よく使われるキーワードをひとつ追加しました。このキーワードは他の検索クエリのうち7つでも使われています。
- 説明文:100文字を説明文に追加しました。また最初の167文字の中には、23のキーワードを含めるようにしました。
- 検討した検索クエリは50です。そのうち15個がアプリの順位を上げると見込んでいます。
【STEP.4】結果
全ての作業が完了したら、結果を見てみましょう。この手法の利点は、Google Playで新しいアプリのバージョンをリリースする必要がないということです。テキストを編集して保存するだけです。
最初の結果が出るまでに通常1〜2日かかります。完全なレポートは、十分なデータが集まった後に見られるようになります。
画像4:最適化前後での順位変化
結果として、ASOは予想以上の成果をもたらしてくれました。以前は5個でしたが、7個の検索クエリで1位になることができました。25個の検索クエリではトップ5位(以前は13個)、トップ10位に入った検索クエリは23個から37個へ、トップ20位に入った検索クエリは36個から47個へ増加し、アプリストアでよりゲームを見つけてもらいやすくなったのです。
画像5:最適化前後でのアプリの露出
アプリが1位もしくはトップ5位以内に入ると、明らかにアクセス数とインストール数も増加することがわかります。
画像6:最適化前後でのアクセス数
画像7:最適化前後でのインストール数
アクセス数やインストールの数を比較する場合には、データの範囲を同一のものに設定してください。最適化前のデータを1〜2週間の範囲で見た場合には、最適化後のデータも1〜2週間の範囲で分析し、曜日も合わせましょう。また、マーケティングで何かしらの活動を行っている場合(“おすすめ”への掲載や広告など)、結果に影響が出ることがあります。
合計:
- アクセス数:最適化前-329、最適化後-460、40%増加
- インストール数:最適化前-92、最適化後-141、53%増加
- コンバージョン率:最適化前-28.03%、最適化後-30.58%
再度明確にしておきたいのですが、新しいキーワードやフレーズを加えて、これらの数字を伸ばそうとはしていません。古いキーワードやフレーズのみにフォーカスし、アプリの順位を上げたのです。
【STEP.5】次はどうする?
次は説明文に新しいキーワードやキーフレーズを加えてアプリの露出を増やし、他の検索クエリでも順位を上げ、アプリのメインページにも変更を加えてコンバージョン率を上げましょう。こんな手法があります:
- アプリのアイコン、バナー、スクリーンショットに対してA/Bテストを行う
- 短い説明文に対してA/Bテストを行う
- バナーもしくは動画など、何が最も効果的か調査する
- アプリのランキングとレビューに取り組む
- 他にもできることはまだまだあります
まとめ
私たちはASOの手法に従って、次のことに取り組みました。
- 現在のアプリの状況を想定する
- 競合調査を行う
- 見つかったキーフレーズから対策キーワードを決定する
- 選択した単語を使ってアプリの名前と説明文を書き換える
- 7〜10日後に結果を調査する
これは誰でもできる、ASO戦略の基本です。すぐに同じ結果は出ないかもしれませんが、根気強く挑戦し続けてください。
重要:検索結果は時間とともに変化するため、定期的に最適化を行いましょう。新たな競合アプリや検索サジェスト、トレンドが現れます。
この記事は、AppFollow社のブログ"ASO: How to increase game installs by 53% per day in Google Play"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppFollow in English under the permission from the author.