2024.05.15
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「Content is king」。App Storeのプロダクトページにおいてもそれは同じです。App Storeでは、160万ものアプリがユーザーを奪い合っており、その数は今なお増加し続けています。アプリのパブリッシャーやデベロッパーは競合から抜きん出るために様々なカードを駆使する必要があります。
キーワードからビジュアル(アイコンやスクリーンショットなど)、レビューまで、App Storeのプロダクトページを構成する要素は多岐に渡ります。そしてこれらは、App Store内でのビジビリティ(表示率、露出度)、検索順位、さらにはCVR(コンバージョン率)に非常に大きな影響を与えます。
プロダクトページはアプリの顔です。そしてユーザーは、プロダクトページを見てアプリをダウンロードするか否かを判断する傾向にあります。プロダクトページの役割はアプリのコアバリューを示し、サービスに関心のあるユーザーにダウンロードを促すことなのです。
SplitMetricsのASOチームによる調査で判明した、アプリパブリッシャー、デベロッパーがApp Storeのプロダクトページで犯しがちな間違い、そしてその改善方法を3回に分けて紹介していきます。本記事はその第1回目である調査データ編です。
この記事は、SplitMetricsのブログ “App Store Product Page Mistakes Killing Your App’s Visibility and Conversions” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。原文記事を3回に分けて掲載しています。
「Apple Search Ads(ASA)」を運用しているか否かに関わらず、ユーザーがApp Store内で検索行動を取ると、アプリをダウンロードする確率が非常に高まります。実際、ダウンロードの65%は検索後に直接行われているのです。
検索からダウンロードまでの間に必ず訪れることになるのがプロダクトページ。つまり、プロダクトページの要素は、アプリのダウンロード促進に対して非常に大きな役割を担っているということです。プロダクトページを最適化することができれば、CVRが向上し、広告キャンペーンのCPIを下げることもできるでしょう。
ところが、すべてのパブリッシャー、デベロッパーがApp Storeのベストプラクティスや推奨事項を守っているわけではありません。その結果、本来であれば得られるはずだったダウンロードを失っているのです。
App Storeのプロダクトページにおいて頻出する間違いとその潜在的な影響を明らかにするために、アメリカのApp Storeにおける70以上のアプリをカテゴリ横断で分析しました。ASO(アプリストア最適化)対策への取り組みをレベルアップし、ROIを最大化させることを目的としたものです。
■分析対象としたカテゴリとその分布
カテゴリ | 分析対象としたアプリに 占める割合 |
Education | 13% |
Finance | 13% |
Health & Fitness | 13% |
Social | 10% |
Lifestyle | 8% |
Photo & Video | 8% |
Sports | 8% |
Travel | 8% |
Entertainment | 6% |
Food & Drink | 4% |
Medical | 4% |
Utilities | 4% |
Productivity | 2% |
プロダクトページを分析したところ、アプリパブリッシャーやデベロッパーが頻繁に犯す間違いは、その影響範囲によってふたつのグループに分類できるという結論に達しました。それは以下のようなものです。
アプリのビジビリティと検索順位にクリティカルな問題を抱えている場合、ターゲットユーザーにリーチすることができません。関連キーワードでも検索結果に表示されなかったり、検索順位が低かったりする状況です。自社のアプリはユーザーに認識することができず、より検索順位の高い他のアプリをインストールするでしょう。
CVRに影響を与える間違いは、ファネルのより深い段階で直接的にインストールの損失を引き起こすものです。下の表を見てください。当たり前のことではありますが、インプレッション数は同数でも、CVRが4分の1になると、インストール数も4分の1になってしまいます。CVRに影響を与える間違いが、どれだけ致命的なものであるかは明白です。
■CVRがアプリのインストールに与える影響
日次インプレッション | CVR | 日次インストール数 |
1,000 | 8% | 80 |
1,000 | 2% | 20 |
続いては、間違いの具体的な内容と、どれだけ多くのデベロッパー、パブリッシャーがそれらの間違いを犯しているかを見ていきます。
■影響範囲別 プロダクトページにおける間違いの内容とその出現率
影響範囲 | 問題名 | 間違いがある 割合 |
ビジビリティと 検索順位 |
クロスローカリゼーションを実施していない | 54% |
メタデータのキーワードに重複がある | 38% | |
タイトル・サブタイトルが短すぎる | 37% | |
低パフォーマンスキーワードを使用している | 29% | |
非効率的なASO戦略を採用している | 8% | |
CVR(コンバージョン率) | スクリーンショットの情報が不明瞭(CTA、ソーシャルプルーフ、アプリデータが存在しない) | 56% |
スクリーンショットのテキストが読みにくい(長さ、フォントサイズ、コントラスト) | 40% | |
スクリーンショットに要素を詰め込みすぎている(詳細すぎる、要素が多すぎる) | 37% | |
スクリーンショットで機能を訴求できていない | 35% | |
スクリーンショットが低品質(コントラストが低い、ストックフォトを使用している、要素が不明瞭など) | 31% | |
アイコンのデザインが価値や機能と連動していない | 31% | |
レビューに回答していない | 19% | |
ネガティブなレビューが多数を占める | 19% | |
評価・レビューの数が不足している | 17% | |
クリエイティブが支離滅裂である | 10% | |
アイコンに特徴がない | 2% | |
その他 | カテゴリ固有の問題や画像の向き、スクリーンショットの不一致などの課題 | 19% |
分析対象としたプロダクトページの半数以上は、ASO対策におけるクロスローカリゼーションを行っておらず、スクリーンショットのデザインも適切でないことがわかります。
「ビジビリティと検索順位」に影響する間違いにおいては、最も多いのが「クロスローカリゼーションを実施していない」で54%、次点は「メタデータのキーワードに重複がある」で38%です。また、37%が「タイトル・サブタイトルが短すぎる」ことも判明しています。
「CVR(コンバージョン率)」に影響する間違いの領域では、分析したスクリーンショットのうち、56%がアプリのバリュープロポジションを訴求できておらず、CTAやソーシャルプルーフ、パフォーマンスデータといった重要なコンバージョン促進要素を含んでいませんでした。
まずは、App Storeのプロダクトページにグラフにリストアップしたようなミスがないかを確認してください。ひとつでも該当するならすぐにでも改善を試みたほうがよいでしょう。具体的な改善方法は第2回、第3回で解説していきます。
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