2020.02.14
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この記事では、BIツールの意義やそのおもな機能、活用していくにあたって重視すべきポイントなどを紹介していきます。
BIツールとは、BIを実現するためのツールのことです。BIとは、ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence)の略であり、経営や会計、情報処理などに関する用語のひとつです。その意味は「企業などの組織がその業務で扱うために収集・蓄積した情報やデータを分析・報告することで、経営上の意思決定に役立てる手法や技術のこと」とされています。
BIツールとは、企業が使っているさまざまなシステムに蓄積されている膨大なデータをツール内に取り込み、そのデータを使って分析を行い、分析された結果をグラフや表、レポートとして表示してくれるツールです。分析結果を可視化することで迅速かつ正確な判断がリアルタイムに行えるようになる、意思決定をサポートするためのツールなのです。
BIツールのおもな特徴をまとめると、
といった点が挙げられます。
これらによって、データをもとにした意思決定の速度向上や、数値の異常などの変化を察知できるといったメリットがもたらされます。
Excelを使うことでも、BIツールと同じようなデータの集計や、集計したデータを利用してグラフを作ることができます。しかし、BIツールでは取り込みたいデータのファイル形式が違っていても簡単に取り込むことができますが、Excelでは形式の違うデータを簡単に取り込むことはできません。Excelでそれぞれ保存形式の違うファイルからデータを取り込み、必要なデータの抽出をしようとすると、煩雑な手順を踏まなければならなくなり、膨大な時間がかかってしまいます。
一方、BIツールは企業内に分散しているさまざまな保存形式のデータを統合して分析することが容易にでき、グラフや表の作成などはデータが更新されるとリアルタイムに自動で行われるような設定も可能です。
この部分だけを見た場合、BIツールさえあればExcelは不要なのではないかとも思われるかもしれませんが、場合によってはExcelの方がBIツールよりも集計や分析に向いていることもあります。例えば、単純な1種類のデータを使っての分析やその分析結果からグラフ・表の作成を行う場合や、更新の必要が今後出てこない、繰り返し利用することがないと分かっているデータを作る場合などにはExcelを使った方が便利とされています。また、ひとりで進めていくプロジェクトの場合などはExcelを使って管理した方が気軽に利用できるでしょう。
Excelは少ないデータを使った分析や短期的なデータの分析に向いていて、BIツールは膨大な量のデータを長期的に分析していく場合などに向いていることがわかります。両者は状況を鑑みて使い分けを行うのが有用です。
BIツールを活用していく場合に挙げられる目的とは何でしょうか。3つ紹介します。
BIツールでは、企業内で収集して分析したデータを、グラフなどを使って可視化することで、より見やすく判断のしやすいデータにすることができます。作成されたレポートや可視化したデータを資料として見ていくことで、経営の意思決定スピードや精度が上がることが予想されます。
また、データを分析した結果から状況の把握が簡単にできるようになることで、問題や課題をいち早く察知することが可能です。今まで隠れていて気が付かなかった問題を認識することで、迅速な対応が可能となり、早い段階での解決につながっていきます。
それぞれの企業が持っている、各種システムに分散して存在している膨大な量のデータをBIツールで一カ所に集めておくことで、目的に応じた抽出を素早く行い、分析した結果をレポートとして作成することが容易にできるようになります。また、今までExcelを使って人力で行っていた分析では不可能だった、システムを横断したデータの分析が簡単にできるようになります。
BIツールの導入によって、今まで注目していなかった重要な情報が隠れていることに気付いたり、今まで気付けなかったデータ間の関連性を発見できたりといったことが期待できます。
Excelを使って手作業でレポートを作成しようとすると、さまざまなシステムからデータの取得と集計をし、データの形式を合わせてから分析を行い、分析結果をまとめてグラフなどにあらわしてレポートを作成するといった手順が必要となります。
一方BIツールを導入すると、これらほとんどすべての作業をツールに任せることができるため、レポートの作成のための一連の作業に使っていた時間や手間が軽減され、最終的に人件費や労力の削減へとつながります。
BIツールにはおもにどのような機能があるのでしょうか。搭載されている機能を4つ紹介していきましょう。
ダッシュボードとは、一般的には自動車において運転席と助手席の前にある内装のことを指しますが、元々は自動車や飛行機などを動かす時に必要な計器類を搭載したボードのことをダッシュボードと呼んでいました。これから転じて、さまざまな情報を見せる画面のことを指すようになりました。
BIツールや経営管理システムにおいては、企業の活動状況を示すさまざまなデータを統合して表示をする管理画面のことをダッシュボードと呼んでいます。
企業の活動状況がリアルタイムで可視化されることで、目標に対して進捗が遅れている場合はすぐに気が付くことが可能となり、社員全員が共通の意識を持って業務に取えい組むことができます。
OLAP(オーラップ)とはOnLine Analytical Processingの略で、日本語ではオンライン分析処理と訳されます。OLAPにおけるオンラインとは一般的に使われているインターネット上という意味ではなく、リアルタイムで素早くレスポンスを返すという意味となっています。
OLAPは、収集された膨大なデータの中から多次元的で複雑な集計や分析を行い、独自のデータベースを生成することが特徴です。生成したデータベースを基にしてドリルダウンやスライシング、ダイシングなどの操作をして分析をしていきます。
ドリルダウン(Drill Down)とは、集計結果を掘り下げる機能のことです。例えば、「地域」について「都道府県」の階層から「市区町村」の階層へと掘り下げる、といった操作のことをいいます。集計の内訳をより詳しく見るために、さらに細かい集計を見ることです。
なお、より大きく集計されたデータを見て行く機能のことはロールアップと呼びます。今回の例だと、「市区町村」階層から「都道府県」階層に集計結果をまとめて見ていくことをいいます。
スライシング(Slicing)とは多次元データをある層で切り取り、断面にして2次元の表として表示する機能のことです。例えば、エリア別・商品別・期間別の売上情報の多次元データがある時、月ごとにエリア別・製品別の売上表として2次元の表として表示することをスライシングといいます。
ダイシング(Dicing)とは多次元データの中で表示されている次元を切り替えて、別のグラフを作る機能のことで、表やグラフの縦軸と横軸の指定を変更することで視点を変える機能です。
例えば、エリア別・商品別・期間別の売上情報の多次元データを使ってある商品のエリア別・期間別の表を出したり、あるエリアの商品別・期間別の表を出したりといったことがダイシングと呼ばれます。サイコロ(Dice)を転がすように切り替えるためにこのように呼ばれます。
マイニング(mining)とは、日本語では発掘という意味で、データマイニングを直訳すると「資料の発掘」となります。データマイニングとは、「対象のデータを分析することで、価値のある法則等を導き出す」ことです。データを集め、統計的に処理をし、相関分析などの複雑な統計分析を実行する分析手法のことを指します。
過去のデータを基にして予算などを決める際に、いくつかの仮説を立ててそれぞれの仮説に対しての検証を行い、結果の分析をして計算することで最適な数値を導き出す機能です。BIツールにおいては専門的で複雑な知識がなくても直感的に操作できる、シンプルなUIになっていることが多くなっています。使用しているツールによっては、予算や売上予測などのシミュレーション結果をわかりやすく視覚化できるものもあります。
BIツールを活用するためにはどのようなことに気を付ければよいのでしょうか。活用していくにあたってのポイントを3つほど紹介していきます。
BIツールは、企業間での競争が激しくなっていることにより、意思決定のための情報の精度やスピードの重要性に応えるツールとして急速に普及しました。また、消費者の志向や行動が驚異的な速さで多様化し続けているため、現状のままでは消費者のニーズに対して企業が満足に応え続けていくことが難しくなってきているといった、市場の変化もBIツールが普及したひとつの要因です。
BIツールでデータを集め、分析した結果を可視化しただけで満足している企業も多いようですが、元々BIツールは迅速な意思決定を進めるサポートを行うためのツールです。そのため、BIツールを導入したとしても、分析したデータを可視化しただけで満足していては、BIツールとしての価値はほぼゼロに等しくなってしまいます。したがって、BIツールの活用が企業にとっての最適解となっていないのであれば、BIツールではなく他のツールを活用するべきでしょう。
BIツールが真価を発揮するのは、導入により意思決定のスピードと精度が高くなることで、消費者のニーズに素早く応えていけることです。また、BIツールを導入して意思決定スピードが早くなったとしても、BIツールの導入・運用にかけているコスト以上の効果が得られなければ、ツールに投資した費用が回収できません。BIツールを導入して意思決定速度が加速したという結果だけで満足せずに、具体的に数値としてどのような成果に結びついているかをチェックするようにしましょう。
BIツールを導入する際には、導入する企業内でどのようなデータをどのように保持しているのか、持っているデータがBIツールと連携できるデータ形式で保存されているのかなどの確認が必須となります。
また、企業内で使われているいくつものシステムに分散して存在しているさまざまなデータを集め、同時に分析を行うことができるのがBIツールの強みではありますが、データの形式によっては導入したいBIツールと連携できない可能性もあります。そのため、BIツールとの連携がきちんと取れるファイル形式、システムなのかどうかも確認が必要です。
そして、BIツールとの連携が無事できても、一緒に分析したいデータとデータの間での単位が違うなどの理由で分析が進まない場合もあるので、単位が合っているか、合っていない場合はどの単位に合わせるかなどの確認も重要となります。
実行したい分析に対して必要とされるデータが十分に揃っていない場合、いくら高性能なBIツールであったとしても適切な分析を行うことはできないため、注意が必要です。
BIツールを使って、どのようなデータを見たいのか、どのような内容のデータを分析していきたいのか、などの利用目的を明確にしていきましょう。
「BIツールを使ってみたいから」などの漠然としたものでは、BIツールをうまく使いこなすことはまずできません。BIツールは素早い分析やグラフ化をしてくれますが、分析やグラフ化を行うための指示は人が行わなければならず、自動的に分析・グラフ化をしてくれるわけではありません。BIツールは「どのデータを」「どのように」「何のために」分析するということを、ツールを操作する人がよく理解をしたうえで使うことで、はじめて有効活用できるようになるものです。
この記事では、BIツールとはそもそも何なのか、活用に際しての目的や搭載されている主な機能、活用していくにあたっての重要なポイントなどをご紹介しました。
BIツールは、使う理由や目的がはっきりしていないとうまく使いこなせない場合が多く、導入はしてみたものの失敗に終わったという話もよく聞かれます。導入を検討する場合にはしっかりとした目的の設定や存在意義の理解を進めることが重要となります。
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