3つのポイントを押さえて、本当に効果的なCTAを作成しよう
CTA(Call to Action)はマーケターにとって、どのWebページやコンテンツにおいても欠かせない要素です。最近その重要性に注目する動きが見られますが、CTAは決して目新しいものではありません。
「ターゲットとするオーディエンスに、どのような行動をとって欲しいのか?」これはいつの時代でもマーケターが常に問うべき問題です。CTAはこの問題に対して答えを提示する手段と言えます。見知らぬユーザーにとって、信頼できる存在であると感じてもらうために、今まで数々のテクニックが使われてきましたが、CTAはまさにその最新の手段です。
CTAが普及してから何年も経っていますが、誰にでも優れたCTAを作成できるわけではありません。訪問したユーザーがアクションを起こしやすいように、美しく作り込んだWebサイトを作成したにも関わらず、思うようにコンバージョンが獲得できなかったという事業主やブランドのデザイナーはたくさんいます。CTAが見つけにくい、まったく目につかないという例もあれば、逆に目立ちすぎているせいでプレッシャーをかけてしまい、ユーザーがアクションを起こすのをためらってしまうという例もあるのです。
CTAを作成する上で直面しやすい課題
優れたCTAを作成するためには、様々な課題に直面します。
まず明確にすべきなのは「ユーザーに何をして欲しいのか?」という点です。
CTAの目的を明確に提示することは、多くの企業が陥りやすい課題のひとつです。CTAのクリエイティブに注力しすぎるあまり、最も重要であるはずのCTAの目的を疎かにしてしまうこともあります。どのようなCTAでも、目的を達成するための小さなパーツとして捉えましょう。
もう一つは、キャッチーで印象的なCTAを作成することだけを考えた結果、実際に提供するものの趣旨にそぐわないCTAを作ってしまう点です。このような考え方でCTAの作成を進めてしまうと、訪問したユーザーを甘い言葉で釣ったものの、その価値のあるものは提供できないという最悪なCTAが完成してしまう恐れがあります。
ここでビジネスリーダーやマーケターが覚えておくべきことは、無駄な情報がない控えめなCTAが最も効果を発揮することがあるということです。優れたCTAは訪問したユーザーの共感を得られる言葉を使い、ユーザー独自のニーズを理解することで、エンゲージメントを獲得することができます。
ある調査によると、最も効果を発揮するCTAは見た目が派手で目立つものではなく、優れたアンカーテキストを使用したものであることがわかりました。HubSpotが実施した調査で、アンカーテキストだけでリードの47〜93%を集めていることが明らかになったのです。
つまり、優れたCTAを実現するためには、CTAの目的がユーザーにとって価値のあるものであることが重要になります。クリエイティブだけが素晴らしいCTAではユーザーはアクションを起こしてくれません。見込みユーザーに対して、説得力があり、パーソナルなメッセージを提示しましょう。
ユニークかつ効果的なCTAを作成するための3ステップ
ここからは顧客に訴えかけるようなCTAを作成するための、3つのステップをご紹介します。「知る」「計画する」「実行する」という3つのアクションが、CTA作成における軸です。
1. 知る:自分の顧客について徹底的に知ること
ユーザーのニーズ、要求、行動を上手く利用することで、ユーザーの心を掴むCTAを実現することができます。しかし、このような効果は偶然生まれるものではありません。しっかり時間を割いて、ユーザーに関する調査を行う必要があります。 以下のような項目について調査し、ユーザーについて学びましょう。
- ユーザーは毎日、何をしているでしょう?
- ユーザーが心配していることはなんでしょう?
- ユーザーはどんな場所でインターネットに接続しているでしょう?
- ユーザーとコミュニケーションを取るのに最適な時間はいつでしょう?
Membership Corporation of Americaでは、過去の成功事例、CXを使用して予測指標を作成しています。情報収集と考察を重ねてCTAを作成することで、状況に合わせた効果的なCTAを実現するコツが見えてくるはずです。
ユーザーは何を求めているのでしょうか?それに応えるにはどうしたらよいのでしょうか?このポイントを明確にすることが重要になります。
ユーザーのニーズを新たに生み出すことはできませんが、ユーザーがすでに抱えている潜在的なニーズを自覚させ、さらにそれを満たすための優れた解決策を提示することができるのです。
2.計画する:長期的なユーザーからの支持を獲得する
多くのCTAを試して、どのようなユーザーが反応を示すのか確かめる方法もありますが、戦略を立てないことには最大の成果は得られません。まずは1.で得た調査結果をもとに、目標を明確に定めましょう。そしてその目標を基に、CTA作成における戦略をしっかりと練りましょう。利益に繋がり、ユーザーとブランドとの距離を縮めることができるCTAを目指し、入念に戦略を立ててください。
ひとつの戦略がすべてのビジネスに通用するわけではありません。然るべきタイミングでアクションを起こしてもらうためには、時にはゆっくりと時間をかけ、細心の注意を払いながら、ニッチなユーザー層を開拓することが最善の策となることもあります。また、製品の種類によっては、一気にユーザーを引き付け、そのままマネタイズを狙う方が理に適っていることもあるかもしれません。どちらの戦略にもメリットはあります。しかし入念な戦略がないことには、ユーザーにアクションを起こしてもらうことはできないでしょう。
3.実践する:ユーザーに適したCTAをデザインする
ユーザーのニーズを十分に把握し、効果的な戦略を構築できたら、最後に才能あふれるデザインチームを編成しましょう。
優れたCTAを作成するためには、信頼できるチーム作りが重要な鍵となります。ビジネスのゴールを理解し、ユーザーの立場になって考えることができる人材を揃えましょう。デザインに精通し、素晴らしいクリエイティブを作りたいという熱意に溢れているだけでなく、効果的なCTAの作成の基となるコンテンツマーケティング戦略にも熱心に取り組めるデザインチームでなくてはなりません。
オンラインでギフトカードを送るサービスを提供する『GiftRocket』は、優れたCTAを実現しています。ユーザーに関する膨大な情報を活用しつつ、長期的なブランド戦略とうまく融合させた結果だと言えるでしょう。
以下のように、シンプルなデザインと色合いが、CTAを引き立てるために用いられることがわかります。
ここまで、効果的なCTAを作成するコツをご紹介してきましたが、魔法のようなテクニックは存在しません。CTAは色鮮やかで目立てば目立つほど、ユーザーのニーズに訴えかけると思っていた方も多いかもしれませんが、実際はそうではないのです。ユーザーひとりひとりにアクションを起こしてもらうためには、調査・戦略・デザインの3つのポイントそれぞれが徹底したものでなければなりません。
この記事は、Smart Insights社のブログ"A really effective call to action in 3 easy steps "を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Smart Insights in English under the permission from the author.