アプリストアのローカライズでダウンロード数を獲得する方法

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2021.01.27
アプリストアのローカライズでダウンロード数を獲得する方法

目次

アプリストアのローカライゼーションについて、どの程度ご存じですか?本記事は、アプリをローカライズしてダウンロード数をあげる方法についてご紹介します。

まず、アプリのローカライゼーションとは何でしょうか? 例えば、あなたは英語がネイティブで、読書が好きな人物だとします。「Game of Thrones」の特別版が欲しくてお気に入りの本屋さんに足を運んだところ、本棚には期待通り「Game of Thrones」の特別版がありました。旅行先で読むにはぴったりの本です。

ところが、試しに店頭で本を見てみるとその本はスペイン語で書かれていました。少しなら理解できるものの、スペイン語で書かれている本を読むことはできません。そこでその本の購入を諦めて、隣に英語で書かれた「Lord of the Rings」の旧版を購入しました。

この出来事から、消費者が商品を購入する時、言語の違いは障害になるということがわかります。George R.R. Martin(「Game of Thrones」の著者)がクライアントを失ったように、あなたもクライアントを失ってしまう可能性があるのです。この記事では、世界中のユーザーに、あなたのアプリを売ることができるように、アプリストアのローカライゼーションのポイントを説明したいと思います。

アプリのローカライゼーションとは何か?

簡潔にいえば、アプリのローカライゼーションとは、製品情報やビジュアル、メタデータを、様々な言語に翻訳して、その文化に適応させる手法です。グラフィック、テキスト、ビデオ、その国に合わせた単位変換などが要素として含まれています。

なぜアプリのローカライゼーションは重要なのか?

ここまでの説明で、アプリのローカライゼーションの概要は掴めたでしょうか?さらに詳しく説明していきたいと思います。

アプリストア検索の可視性を改善し、ターゲットオーディエンスを拡大できる

多くのアプリは、アメリカでビジネスを始めます。アメリカは世界最大のアプリマーケットなので、アメリカからビジネスを始めることは間違いではありません。しかし、アプリユーザーの72%が、ネイティブの英語話者ではないことを考えると、英語だけにアプリを最適化するのは優れたASOとは言えないでしょう。

世界中のアプリマーケットの中でも、ロシアやブラジルでは英語を理解できる人の割合は低いです。アプリをローカライズしていない場合は、一旦ローカライズを優先したほうがいいでしょう。

ローカライズされたメタデータを加えることで、自国のマーケットや他国のマーケットで、より多くの検索キーワードを見つけることができるようになります。

App Storeのローカライゼーションでは翻訳とキーワードのローカライズが一番重要です。例えば、ロシアのアプリストアで10個のキーワード、ブラジルで100個のキーワードを設定したとすると、20個のキーワードがランクづけで参考にされることになります。これは1つの国に絞っている競合会社に対して、大きなアドバンテージにもなります。

国別に適切なキーワードを選択すると、各国のApp Storeで上位にランクインする可能性が高くなります。

アプリに必要な情報を与えて、ダウンロードを増加させる

ネイティブの英語話者は世界の人口のわずか10%です。しかし、デジタルコミュニケーションにおいて、英語は公用語のように扱われています。ネイティブではないものの、英語を理解できる人が多いのは事実です。スマートフォンは私たちの生活の一部となり、多くの人々が快適でシンプルなツールを求めています。ユーザーは、使用するアプリを選ぶ時、あまり労力を使わないようなものを選びがちです。

App Storeのプロダクトページでアプリをデザインする時、ローカライゼーションには別のメリットもあります。見込み顧客の母国語がアプリの説明や動画に使用されている場合、ユーザーのアプリに対する関心の度合いが高まるのです。アプリに必要な情報を翻訳することで、アプリのコンテンツや機能、目的を簡単に理解できるようになります。

まとめると、ユーザーがキーワードを使ってアプリを探す時、母国語に翻訳されているアプリのタイトルやスクリーンショットを見つけた時、ダウンロードする可能性が大きくなるということです。

複数の言語でアプリを販売する方法

App Storeでアプリを公開する時、言語を選択する場面があります。言語を選んだ後、翻訳された説明文やスクリーンショット、キーワードをアップロードするために、オリジナルと同じページを作成します。

App Storeの地域 vs. Google Playストアのサポート言語

Google Play Consoleでは、アプリ詳細ページに訪問した人の中で、どの国の人がより多かったのか教えてくれる機能があるので、どの国にローカライズするかを選ぶ時にとても便利です。

また、Googleは言語とロケールを区別します。言語とは口語で書かれたコミュニケーション形式文、ロケールとは地域と言語を組み合わせたものです。使用するメイン言語に加えて、翻訳された他言語も追加しましょう。Google Play ストアでアプリを公開した場合、47の言語から使用する言語を選ぶことができます。

iTunesでは、Appleから主要なローカライゼーションのフィールドと、追加のフィールドを提供しており、Appleは地域ごとにフィールドを分割しています。例えば、ドイツ語を主要言語として、スペイン語で追加のローカライゼーションを行っていたとします。その場合、スペイン語で設定またはスペイン語の地域にいるユーザーは、スペイン語のメタデータを見られるようになっています。

一方で、ユーザーがローカライゼーションしていない地域にいる場合、ストアフロントに特定のメタデータを表示することができます。アプリがローカライズしている言語であれば、どの言語でも可能です。App Storeが利用可能な55カ国と28の言語から、自由に選ぶことができます。

アプリストアのどの要素をローカライズする必要があるのか?

次に、ローカライズに関連する大切な要素を説明していきたいと思います。

キーワード

アプリのプロダクトページをローカライズするためには大変な労力を費やします。キーワードからローカライズを始めるといいでしょう。

翻訳されたキーワードを提供することで、ユーザーがローカルのApp Storeでアプリを発見する機会が高くなります。オーディエンスに焦点を当てるだけではなく、App Storeのアルゴリズムを利用して、いくつかの場所で、カテゴリーとアプリとの関連性を調査することができるのです。App Storeのキーワードをローカライズすると、アプリのダウンロード率が767%増加することも分かっています。

アプリの名前

キーワードの最適化では、アプリ名が一番重要です。アプリの名前には、見込み顧客が関心を惹くようなキャッチーな言葉を設定しましょう。ボタンを押してインストールに繋げられるように、そして、プロダクトページにアクセスするように誘導する必要があります。

ユーザーの母国語でアプリの名前を設定すると、アプリの内容を理解しやすくなります。Google Play ストアとApp StoreのASOで最も重要なことは、ランキングアルゴリズムによって、主要なのキーワードが識別されることです。

プロモーションテキスト

このテキストでは、アプリの新機能や今後アップデートする予定の機能、特別な機能を表示しましょう。プロモーションテキストは、アプリのスクリーンショットの下部に表示されるので、プロダクトページを訪問した人が読む確率が高いです。キャッチーな印象やローカライズでダウンロードを誘導する最適な場所になります。

サブタイトル

iOS11へのアップデートでサブタイトルが導入され、よりインパクトのある印象を与えることができるようになりました。この機能でアプリを簡単に理解してもらえる反面、テキストに書いたものもローカライズする必要があります。ローカライズしていないと、ユーザーを混乱させることになってしまいます。

短い説明文

アプリの短い説明文をローカライズする場合は、説明文を読んでもらうために、特定の文化の人々の関心を惹いて納得させることができる内容を考える必要があります。ユーザーの訪問をコンバージョンに繋げるには、どのような行動を促すべきか、相手にとって、アプリの最も重要な機能は何か、それを知るために、いくつかの調査とA/Bテストを行いましょう。例えば、ダイエットのアプリを提供する場合、その国のターゲットオーディエンスが、そのカテゴリーに対して何を懸念しているのか、どんな心配事があるのかを理解する必要があります。

アプリの説明文

ここではアプリに対してそこまで関心がない人やまだダウンロードを決めていない人に対して、アプローチします。説明文をローカライズして、アプリページにアクセスしてもらい、アプリの機能を理解してもらうことが重要です。Google Play ストアの場合、アルゴリズムで特定の言語のキーワードを識別することが大切です。App Storeのローカライゼーションでは、アプリの説明文の翻訳は、オプションで選択することができます。

スクリーンショット

いままで説明した通り、スクリーンショットに母国語以外の他言語が表示されていると、アプリ自体が翻訳されていないのかと、見込みユーザーは混乱します。なるべく言語を統一するようにしてください。

プロモーション動画

iOS11では、Google Play ストアと同様に、ローカライズされたプロモーション動画が提供できるようになりました。

アプリのローカライゼーションで結果を出したいなら、アプリのプロモーション動画をローカライズしてみてください。プロモーション動画はユーザーがアプリを体験できる最良の方法です。内容が理解できなければ、意味がないので、字幕を使うとよりよいでしょう。

App Storeのローカライゼーションのポイント

アプリのローカライゼーションは、翻訳だけの問題ではありません。異なる文化にアプリを販売しているということを常に意識しましょう。それぞれの文化を分析して、最良のアプローチを編み出してください。

自動翻訳の使用を避ける

詳しく知らない言語の場合、何が書かれているのか分からないので、翻訳が正しいかどうか、ユーザーを惹き付ける文章なのかどうかを判断することができません。スペルミスや文法上の間違いは、ユーザーの信頼に影響します。

開発者自身が、38の言語を習得する必要はありませんが、なるべく現地の翻訳者を探しましょう。フリーランサーをオンラインで見つけることもできますし、App Storeのローカライゼーションに特化した翻訳エージェンシーと連携することもできます。

特定の文化に対して、ベストなアプローチとは何かを常に考えましょう。これが成功の秘訣です。ポルトガル語でパーティー向けのアプリを翻訳する場合、自動翻訳は「festa」という言語を表示します。しかし、パーティーを意味する言葉には、多くのスラング表現があります。スラングの1つである「balada」は 「festa」よりもはるかに多く使われています。このようなスラングを用いて、翻訳することができるのは、現地の翻訳者を利用する大きなメリットになります。

利用可能な国を一気にローカライズしない

最終的には、アプリがサポートする言語全てに対して、ローカライズする必要があります。始めたばかりの初心者の場合は、一気に全ての言語に対応しようとすると失敗するので、コツコツと1つずつ手を加えてください。

アプリのクライアントを見つけ、段階的にローカライズする場合、その地域の競合他社についてよく調べておきましょう。フリーランサーの翻訳者に助けを求める場合は、ASOまたはSEOの知識を持つ人を見つけると、大きな助けになるでしょう。

ローカライゼーションについて

App Storeのローカライゼーションは、翻訳だけではなく、メタデータ、テキスト、グラフィックス、ビデオなどのアプリストア要素の全てを含みます。その方法は、ローカライズする国や文化によって異なります。

プロレベルでローカライゼーションをしたいと考えているならば、正確性を優先してください。スクリーンショットに表示されている通貨、日付の形式、計測単位、インターフェイスの変更も忘れないようにしましょう。例えば、アメリカ人と距離について会話する時は、マイルを使用しますが、フランス人は、メートル法を用います。ユーロは、最も高価な通貨なので、ローカルフォーマットに合わせていないと、ユーザーにとって「高い」と感じる理由になります。日/月/年形式を使用する国では、月/日/年の形式だと分かりづらいです。ローカライズでは、上記のような細い事柄がとても重要になります。

ターゲットオーディエンスの文化を知る

ターゲットオーディエンスの文化的背景を知ることは重要です。ローカライゼーションは翻訳以上の意味を持ちます。どのスクリーンショットに焦点を当てるべきか、相手の文化を知った上で考慮しましょう。

例えば、App Storeのスクリーンショットデザインが、アメリカの市場においてどれだけコンバージョンを上げているものであっても、中国の潜在的なユーザーにとって、そのデザインは魅力的なものであるとは限りません。プロフェッショナルなローカライゼーションでは、ターゲット市場とその初期テストに関する調査を綿密に行うことが重要です。

最後に

アプリケーションを複数の言語にローカライズする作業は、とても困難ですが、とても効果的なASOと言えます。世界中にアプリを公開して、世界中の人にアプリを知ってもらい、新しい文化を知る。これはとても素晴らしいことです。ローカライゼーションをして、より多くの人にアプリを知ってもらいましょう。

この記事は、AppRadar社のブログ"How to Boost App Downloads with Localization"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppRadar in English under the permission from the author.

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