「ユーザーファースト」 ユーザーとWin-Winになれる施策がうまくいく【LIPS 一ノ瀬駆さん】

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2024.08.19
「ユーザーファースト」 ユーザーとWin-Winになれる施策はうまくいく【LIPS 一ノ瀬駆さん】

目次

連続インタビュー「Marketers' Café:成功へのステップと発見」。Webサイトやアプリを活用してビジネスをグロースさせるため、日々、マーケティング活動に奮闘する現場のマーケターの生の声をお届けします。今回は美容プラットフォーム「LIPS」を運営する株式会社AppBrew Marketing Managerの一ノ瀬駆さんにお話をうかがいました。

Service-
美容のことなら何でもわかる美容プラットフォーム「LIPS」

【図】美容プラットフォーム「LIPS」のスクリーンショット美容プラットフォーム「LIPS」AppWeb

――「LIPS」アプリについて簡単にご説明いただけますでしょうか。

LIPSは美容に関するものだったら何でも揃う美容プラットフォームサービスです。アプリは2017年にリリースされ、2024年4月には1,200万ダウンロードを突破しました。新作コスメの紹介やクチコミ、EC機能はもちろん、「肌診断」や「パーソナルカラー診断」機能なども搭載しています。

他のサービスと大きく違うのは、SNSライクな体験をユーザーに提供していることです。コスメのクチコミ、メイク法の紹介がユーザー投稿起点になっていて、投稿にコメントしたり、ユーザーをフォローしたりすることもできます。アプリのUI/UXが商品軸ではなく、ユーザー軸になっているのです。コスメを買う前に商品情報をチェックするためだけのアプリではなく、寝る前や電車に乗っているとき、普段の生活の中でいつでも開いて、楽しめる、そんなアプリになっています。

Mission-
獲得も継続も一気通貫で。MAUが増大するならすべてやる

【写真】株式会社AppBrew Marketing Managerの一ノ瀬駆さん

――一ノ瀬さんの現在のミッション・役割について教えてください。

LIPSの収益の軸は広告収入なので、MAUが増える取り組みなら何でもやっています。Marketing Managerという肩書を持っているのですが、実は専任、フルタイムでマーケティング業務に従事しているのは私だけなんです。獲得、継続の両面で、MAUの増大を一手に引き受けている形です。

もちろん、私ひとりで施策やプロダクトの改善を推進できるわけではありません。他のチームのメンバーがリソースの半分を割いてサポートしてくれていたり、デザイナーが3名いたり。さらに業務委託のメンバーもいるので、実質的には6名体制で回しているイメージでしょうか。

Motto-
ユーザーの声を聞く。すべての起点は「ユーザーファースト」

【写真】株式会社AppBrew Marketing Managerの一ノ瀬駆さん

――LIPSの運営やユーザーとのコミュニケーションにおいて重視していることはありますか?

私個人としても会社としても、ユーザーの声を聞く、ユーザーファーストという考え方が強いのではないかと考えています。プロダクト開発に際しては、試作段階でユーザーに体験してもらって、そのフィードバックを基にブラッシュアップするというフローは当たり前。最近では、プロダクト改善のためのユーザーインタビューも定期的に行うようにしています。

弊社の代表宛にXのDMが届いたりするのですが、その声を拾ってプロダクト改善のアイデアとして蓄積していたりもします。これは極端な例ですけどね(笑)

データ活用周りにも同じことがいえると思います。私自身がSQLを書いてユーザーの行動を把握したうえで、どんなマーケティング施策が良いのか、どんなプロモーションを仕掛けるべきかと日々考えていますし、エンジニアも自分たちでリテンションレート(継続率)を見ながら開発をしているんです。

――一ノ瀬さん個人としてユーザーファーストを重視するようになったきっかけはあるのでしょうか。

AppBrewに入社してLIPSのマーケティングに携わる前は、アプリ広告の代理店にいたんです。そして入社直後は媒体の精査やASA(Apple Search Ads)、ASO(アプリストア最適化)、つまり集客領域に取り組んでいました。そんななかで、集客の数値だけを追いかけていても、ユーザーは通り過ぎてしまうだけなのではないかと思ったのです。

例えば、LIPSの新機能を訴求した広告を実施したときの話です。その施策はCPI、CPAが良く、集客という側面だけを見ると成功でした。しかし、長期的に見るとリテンションレートが低く、継続的に利用してくれているユーザーが少ないことがわかったんです。

このような経験を繰り返すうちに、「ユーザーが何を考えて利用してくれていて、何を考えて継続・離脱してしまうのか」を深く考えるようになったのです。ユーザーが本当に求めているものは何なのか、ユーザーの顔を見る仕事をしたいと思って転職したという側面もあります。

Marketing-
ユーザーとWin-Winになれる施策が大切。CRMに悪戦苦闘中

【写真】株式会社AppBrew Marketing Managerの一ノ瀬駆さん

――マーケティング施策やユーザーとのコミュニケーションで、「これは成功だったな」といえる取り組みがあれば教えてください。

「Project LIPS」というユーザーコミュニティがあるのですが、このコミュニティの方々と協力して取り組んでいるプロモーションは成功していると考えています。Project LIPSの方に動画広告を制作していただくのです。そうするとユーザーの方が本当に良いと思っている機能を、そのユーザーの言葉でピックアップして動画にしてくれるのですごく成功しやすい。これは毎月実施している施策のひとつです。

ポイントを活用した施策もうまくいっている取り組みのひとつです。LIPSのコアな機能、ユーザーに体験していただきたい機能を利用するとポイントを貯められるように設計していて、ポイントを貯めると結果的にLIPSの良さを実感できるのです。結果としてリテンションレートの向上やアプリ内アクション数の向上に貢献しています。

――逆に苦戦している取り組みや抱えている課題についても教えてください。

CRM領域はまだスタートしたばかりといえる段階でなかなか苦労しています。私も含めて社内に経験者がいないので、他社の事例をチェックしながら見よう見まねでチャレンジしている状況です。アプリのプッシュ通知、LINE、メルマガ、様々なチャネルがあります。「チャネル横断でこういう設計にして」などと検討はするのですが、正解を知らない中で進めているので、試行錯誤が続いています。もし、知見のある方がいらっしゃったらぜひ情報交換をさせていただきたいです。

苦戦していたり、課題があったりするわけではないのですが、取り止めた施策もあります。自分たちでインフルエンサーさんを探してきてプロモーションをしていただく施策です。成果自体はとても好調でできるなら続けたかったのですが、ディレクション工数が大きすぎて。リソースと効果の天秤はとても大切ですよね。

Input-
一番価値があるのはマーケター同士の会話

【写真】株式会社AppBrew Marketing Managerの一ノ瀬駆さん

――マーケターとして成長するため、サービスをグロースさせるため、どのようなインプットをされていますか。

王道ですが「アプリマーケティング研究所」は購読しています。あと、得られる情報の価値が高いと感じているのは、様々なマーケターさんと出会って会話ができるリアルイベントですね。それこそ、Reproさんの「App Marketers’ Meetup」ですとか。MMP(モバイル計測パートナー)さんが開催しているイベントやパーティにもできるだけ参加するようにしています。

対面で会話をすると、表に出てこない、メディアに載っていない、「ここだけの話」を教えてくれたります。これが本当に貴重な情報交換になるんですよね。そういう場で知り合いを作って、仲間を作っていくようなイメージです。

もちろん、本を読んで新たな発見をすることもあります。ただ、本で紹介されているアイデアやフレームワークを自分たちのサービスに落とし込むのってかなり難しいんです。他社の事情や取り組みを知って、改めて自分たちは何を目指すべきかを考える方が効果的なのではないかと考えています。月に一度くらいはマーケターさん同士で食事に行くようにしていますね。

【会社概要】

  • 企業名:株式会社AppBrew
  • 所在地:東京都文京区本郷1丁目11-6 東接本郷ビル4階
  • 代表取締役:深澤雄太
  • 事業内容:美容プラットフォームアプリ「LIPS」の企画・開発・運用

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※本記事は2024年8月8日時点の情報です。掲載企業の都合により、紹介されている機能やサービスの提供が終了している場合があります。あらかじめご了承ください。

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