2020.02.12
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近年ではスマホやタブレットの登場により、消費者は思い立った時に瞬時にニーズに合致する情報を探し出せるようになりました。このようにスマホなどのモバイル端末の普及によって変わり始めた消費者の行動を捉える重要なキーワードのひとつとして、「マイクロモーメント」と呼ばれる概念が注目されています。ここでは、マイクロモーメントの詳細と、マイクロモーメントを活用したマーケティング手法について紹介します。
マイクロモーメントとは、人が「知りたい」「買いたい」などの欲求が起きた時にパソコンやスマホを利用する瞬間を意味し、Googleによって定義された用語です。
では、近年なぜマイクロモーメントが注目されるようになっているのでしょうか。その背景にはモバイル端末の普及が大きく影響しています。
人が商品に興味を持ってから、購入するまでの過程を「リードタイム」といいます。スマホが普及する以前は、「知りたい」「買いたい」といった感情が芽生えても実際に行動するまでに時間がかかってしまい、購入まで至らないケースが多い傾向にありました。しかし、現在では通勤時間や家事の合間の時間など、いつでもスマホで検索や購入といった行動を起こすことが可能になり、リードタイムは短くなっているのです。
ある調査では、人が一日にスマホを触っている回数は約150回といわれており、スマホの利便性が増すにつれて現在も回数は増えています。また、調べものをする時は真っ先にモバイル端末で検索すると答えた人が60%を占め、モバイル端末から検索した内容の90%が後に購入する商品についての情報という結果です。
このようにモバイル端末の普及は、消費者の購買行動に大きな影響を与えていることがわかります。
【参考】
Think with Google マイクロモーメント : 生活のさまざまなシーンで発生するマイクロモーメント
ここでは、マイクロモーメントについて知っておくべき「4つの瞬間」について紹介します。
ユーザーが何らかの目的で情報収集することや、改めて調べ直す瞬間が「知りたい瞬間」です。例を挙げると、テレビCMに映っていた商品や有名人の名前などを知りたい場合が挙げられます。
従来はPCを立ち上げてまで調べる意欲はない、PCをわざわざ立ち上げて調べる時間がないなどの理由で情報収集に結びつかなかったことでも、モバイル端末の普及によって気軽に「知りたい」という欲求を満たすことができるようになりました。
ユーザーが、お店や場所など行きたい所を検索する瞬間が「行きたい瞬間」です。例えば、今から美味しいお店に行きたい場合や、旅行の場所を決める時などの検索です。
行きたいお店や場所を検索する際は、口コミサイトやキュレーションサイトなどを利用して情報収集するのが一般的でした。しかし、最近ではお店や場所だけではなく、周辺の施設情報についても検索できるGoogleの周辺情報検索機能が利便性の高さから広く活用されています。リリース以来、現在までに周辺情報検索機能の利用者は増加し続け、このうち8割のユーザーはモバイル端末で検索していることがわかっています。
モバイル端末を利用したお店や場所・周辺地域のロケーション検索は、現在地から近いお店を探したり、食事のあとに立ち寄れる場所を探したりと、生活と切り離すことができないほどに浸透しているのです。
ユーザーの願いを叶えるための手段を検索することが「したい瞬間」です。例えば、料理をする時にレシピを検索して材料や調理工程を調べたり、スポーツの上達する方法などを調べたりすることが挙げられます。
中でも、病院・美容に関するワードが検索されることが多く、日常生活において体調不良で病院に診察に行きたい場合や、お肌の手入れ・ダイエットの方法など気になる悩みが生まれた時も、ユーザーはモバイル端末で瞬時に悩みを解決しています。
また、4つの瞬間の中で「したい瞬間」は、ユーザーがもっとも外部からの情報を受け入れやすいといわれおり、スマホの利用者の9割がしたいことへの解決手段を検索しています。そのため、コンテンツマーケティングでユーザーの「したい瞬間」のニーズを満たすことができれば、顧客の獲得に繋がる可能性が高められるでしょう。
ユーザーが商品購入の意思決定をする瞬間が「買いたい瞬間」です。
モバイル端末を利用することで、調べることから購入までが簡単にできるようになり、購入までのハードルが下がりました。いつでもモバイル端末で情報を検索できるため、ユーザーは商品を購入する際、事前に商品に対する評判や口コミなどを調べて手軽に検討できるようになりました。
マイクロモーメントを効果的に自社のマーケティングに活用するために、次に紹介する3つのステップを意識しましょう。
ひとつ目のステップは、「見極める」ことです。日常生活において、ユーザーがスマホを触るタイミングや、どんな情報やアドバイスを求めているのかを見極める必要があります。
ふたつ目のステップは、「届ける」ことです。ユーザーに対して必要な情報を届けるためには、アクセスが簡単かつ利便性の高い方法による情報伝達手段を持っておくことが重要です。
3つ目のステップは、「改善する」ことです。生み出した情報の価値を測定し、分析に基づいてコンテンツの最適化を行います。Webサイトの利便性を高めることで、スムーズに購買へ導くことができるのです。
3つのステップを理解したら、ここではマイクロモーメントを活用してマーケティングする方法についてより詳細にご紹介します。
まず、どのような瞬間にマイクロモーメントが生まれているのかを把握する必要があります。マイクロモーメントを捉えるには、ユーザーの検索キーワードや共起語を分析しましょう。
特に注目すべきキーワードは、さきほどご紹介した4つのマイクロモーメントに該当するもので、例えば「◯◯とは」「◯◯ 店舗」「◯◯ 方法」「◯◯ 購入」などです。これらの語句はユーザーのニーズが顕著にあらわれており、適切な受け皿となるコンテンツを準備しておくことで、来店や購入の可能性を高められるでしょう。
また、消費者の属性や行動を元にカスタマージャーニーマップを作成すれば、より詳細にユーザーの行動背景を分析することができます。
マイクロモーメントを捉えることは、ビジネスチャンスにつながります。現在では、商品購入や場所検索の際に多くの人がスマホを利用しています。もしもそのときに直接的な購入行動につながらなかったとしても、関連情報をユーザーが目にすることで新たなニーズの発掘につながります。
また、イプソスが行った「マイクロモーメント調査(2016年4月)」によると、モバイルユーザーの半数が、モバイルでの検索によって新しい製品やブランドについて知ったということがわかっています。検索するまで企業や商品の情報を知らなかったとしても、ユーザーの求めるニーズに合致したコンテンツを提供できれば、企業や商品ブランドの認知を促すことが可能になるのです。
このように、分析によってどのタイミングでどんな人が何に対して興味を持っているかわかれば、消費者の購買欲求が高まったタイミングで最適なアプローチを行うことができます。
Googleの調査では、ユーザーの半数が商品の購入をする際の判断材料として、サイトを複数回訪れることが明らかになっています。そのため、自社サイトのコンテンツや広告においては、日々生じるユーザーのマイクロモーメントに対して、いかに継続して的確な情報を提供できるかが重要となります。情報を届けるにはさまざまな手法がありますが、効果的な手法として「リターゲティング広告」「リスティング広告」のふたつについてご紹介します。
リターゲティング広告とは、自社サイトに一度でも訪問したことのあるユーザーを対象にした広告です。自社サイトに一度でも接点のあるということは、ユーザーが何らかの興味を抱いていると考えられるため、サイト訪問歴のあるユーザーにターゲットを絞り込むことで、興味を持っているユーザーに対してピンポイントでのアプローチが可能になります。
一方、リスティング広告とは、Googleなどの検索エンジンでユーザーが検索を行った際に、その検索ワードに紐づいて表示される広告です。そのためリスティング広告は別名「検索連動型広告」ともいわれており、広告をキーワードごとに出稿することでターゲットの絞り込みが可能です。
なお、リターゲティング広告やリスティング広告を使った手法をより効果的なものにするには、遷移先のコンテンツの最適化も重要です。購入ボタンやダウンロードボタンの配置やページの見やすさ、文章のわかりやすさなどにも配慮し、定期的にブラッシュアップしましょう。
マイクロモーメントを捉えて最適なアプローチができていたとしても、表示スピードが遅い、レシポンシブ対応されていないWebサイトであればユーザーはすぐにWebサイトから離脱してしまうでしょう。そのため、Webサイトの利便性にも細心の注意を払うようにしましょう。
仕事の休憩時間や家事の合間など、スキマ時間を使ってスマホ検索していることが多いユーザーは、少しでもサイトの表示に時間がかかってしまうと、サイトから離脱してしまいます。サイト表示のスピードが1秒ロスすると約10%の成約率を失っているともいわれ、5秒以上のロスでユーザーの7割がサイト離脱をしてしまうことがわかっています。
「Web接客」は、利便性を高めてマイクロモーメントを捉えることに最適です。ユーザーがアクセスしてきた背景をさまざまなデータから読み解き、個別の対応をWebページ上で行うことにより、ユーザーのニーズを逃さずに価値提供が可能になります。
また、「レスポンシブ対応」もマイクロモーメントを逃さないためには重要なポイントです。レスポンシブ対応とは、スマホやパソコンなどさまざまな端末に応じて、最適な画面表示ができるようになっていることです。スマートフォンの画面で表示する際には、小さな画面であってもコンテンツが見やすいように、最適な表示がされている必要があります。
さらに、ユーザーと継続的な関係性を保つためには、その他にも様々な工夫が必要です。手段としては、ユーザーの関心度別に内容を変えて送信すると効果的な「メールマガジン」や、ユーザーとの双方向的なコミュニケーションを持ちながら新商品などの情報提供をする「SNS」、実際に商品やサービスの体験などができる「イベント開催」などがあります。
最近では、ユーザーとのコミュニケーションを図る策として「企業アプリ」を導入するケースが増加しています。
アプリの場合、Webサイトに比べると日々の利用率や購買につながる確率が高いことがわかっています。理由としては、アプリアイコンからすぐに立ち上がる利便性の高さや、端末に応じた操作性・機能性の充実などがあり、モーメントに対して素早い対応が可能になるからです。また、アプリではユーザに対してプッシュ通知で情報を届けることも可能になります。
人々が日常生活において、反射的に調べたり購入したりする行動をマイクロモーメントといいますが、スマホの普及でマイクロモーメントが発生する機会が増えています。
このマイクロモーメントをマーケティングに活用する企業も増えていますが、まずは求めているマイクロモーメントをはっきりと捉えなければ、効果的な活用はできません。
マーケティングでマイクロモーメントの活用を検討している方は、この記事でお伝えしたポイントを参考にして実践してみてください。
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