【海外ノウハウ】モバイルアプリのリエンゲージメントに効果的な6つの戦略

2022.10.04

  • アプリマーケティング・運用
アプリのリエンゲージメントアイキャッチ

この記事は、DECODEのブログ “6 effective strategies for mobile app re-engagement” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Revenue Wire in English under the permission from the company.

アプリの成功を予測するうえで、継続率が重要な指標のひとつであることはすでにご存じでしょう。継続率が低いということは、マネタイズできるほど十分なユーザーを獲得できていないことを意味します。

シリコンバレーのベンチャーキャピタリストであるAndrew Chenによると、一般的なアプリは30日間で90%のユーザーを失うそうです。幸いなことに、チャーンレートが高くても、まだ望みはあります。ユーザーを取り戻した実績のあるリエンゲージメント戦略を利用するのです。

この記事では、6つの戦略をご紹介します。

アプリアイコンのアップデート

アプリのアイコンを変更することが、もしかすると最も簡単なユーザーをリエンゲージする方法かもしれません。シンプルであるにもかかわらず、とても効果的です。

これはアプリアイコンがアプリエンゲージメントとユーザーに見つけてもらうことにおいて重要な役割を担っているためです。アイコンは、アプリに対する第一印象になることが多いのです。それだけではなく、アイコンによってアプリの目的を伝えることもできます。

例えば、「Ookla Speedtest」のアイコンを見てください。シンプルなビジュアルで、このアプリが速度を測るものであることが伝わります。

speedtest 出典:Speedtest

アイコンがアプリストアのページをクリックする決め手になったとしても、何ら不思議なことではありません。また、アイコンによってダウンロード率が最大560%上昇することもあるのです。

数値とは別に、アプリアイコンはアプリに変更を加えたことを伝える手段でもあります。特にアイコンが大きく改善された場合、以前離脱したユーザーが興味を持ちアプリを開くきっかけになるかもしれません。例えば、パズルアプリの「Super Puzzle」はアイコンを一新することでダウンロード数を2倍にしました。

このアプリの開発者は、ある成功したアプリ(ユニコーンが描かれた)からインスピレーションを受け、それをSuper Puzzleのアイコンデザインに活かすという、賢い方法を取りました。

その結果、新アイコンは子供たちにとってより魅力的なものになりました。さらに、新デザインによって瞬時にパズルアプリであることが伝わるようになったのです。

superpuzzleicon出典:Per Haglund

これがアイコンを一新した結果です。下画像の赤矢印に注目してください。

6effects_3出典: Per Haglund

しかしながら、アイコンをここまで大胆に変更する必要はありません。小さな変更でさえも大きな結果を生むことがあるのです。

例えば、「Star Walk 2」の開発者はコンバージョン率が3%まで落ち込んでいることが分かったときに、アプリのアイコンを変更しようと決断しました。デザインの試行錯誤とテストを繰り返し、最終的に選んだアイコンはインストール率を最大68%上昇させました。

starwalkicon出典:UX Planet

また、アイコンに装飾を施すことも効果的な方法です。ゲームアプリに多く、季節によってアプリアイコンを変更することがあります。

gummicubeicon出典:Gummicube

このビジュアルの変更は、季節にちなんだ新たなコンテンツをアプリに投入することの合図です。これはユーザーが再びプレイしてみたくなるのに十分な理由になります。

もしアプリアイコンのデザインを変更するなら、最も重要なのはユーザーテストです。複数のアプリアイコンをA/Bテストし、どのアイコンが最も市場に響くのかを判断しましょう。

もしあなたが効果的だと判断したアイコンでも、ユーザーがそう思わなければ、最良の結果は生まれないということを覚えておきましょう。

ユーザーイベントをトラッキングする

イベントのトラッキングは、ユーザーがアプリ内でどのような行動を取っているのかを知ることができるため、すべてのアプリデベロッパーにとって基本的な業務です。ユーザーが離脱する原因を突き止め、改善するためのインサイトを得ることができます。

話を進める前に、「イベント」とは何かを定義しましょう。ユーザーがアプリをダウンロードした後のすべての行動をイベントとします。

イベントとは「アプリを開く」「課金する」など様々なイベントを計測することで、パフォーマンスの改善に役立つ。
出典:App Samurai

例えば、アプリを開いたときや特定の機能を利用したときなど、あらゆるイベントをトラッキングできます。これは自動的にタイムスタンプとともに記録され、開発者に送信されます。

イベントのログはこのように記録されています。

イベントログ左から「イベント名」「発生した時刻」「イベントの発生条件」
出典: Mix Panel

さて、イベントトラッキングはリエンゲージメントに役立つのでしょうか。イベントトラッキングによって、アプリ内でユーザーが利用していないセクションや、完全に離脱しているセクションを把握することができます。この情報を用いることで、それを防ぐための戦略を立てることができます。

この戦略を適用するのにふさわしいのはオンボーディングです。オンボーディングは一般的にアプリのリテンション率の向上を促す働きをするため、ここでユーザーが離脱するようなら、オンボーディングに何か問題があるということです。

イベントトラッキングによってオンボーディングのどの地点で摩擦が生じているのかを把握できるため、そこから最適化するのか、機能ごと無くしてしまうのかを判断することができます。

■オンボーディングでユーザーが離脱する画面の分析

オンボーディング離脱表CVが発生するまでにユーザーが離脱する過程を分析する画面。
出典: Smartlook

もしモバイルゲームを運営しているなら、アプリ内イベントを確認し、何人のユーザーが最初の数レベルをクリアできたのかチェックしましょう。クリアしているユーザーがほとんどいなかった場合、そのゲームが難しいか退屈である可能性があります。

また、イベントトラッキングは、リエンゲージメント戦略の評価にも利用できます。

例えば、ユーザーを呼び戻すために新機能を導入したところ、目に見えてアプリのインストール数が伸びたとします。

しかし、イベントログを見直すと、ユーザーは新機能にはめったに触れていないことが分かりました。これは、別の要素が原因でダウンロード率が向上していることを示しています。アプリイベントのトラッキング自体がリエンゲージメント戦略というわけではありません。むしろ他のリエンゲージメント戦略をサポートするものです。

したがって、デベロッパーであれば、ツールキットとして使いこなせるようにしておきましょう。

モバイルアプリマーケティング

モバイルアプリマーケティングはユーザージャーニーにおけるすべてのステージで求められます。しかし、間違いなく最も重要なのは、リエンゲージメントするときです。

なぜなら、ノイズに紛れてしまい、アプリが忘れ去られてしまうことがあるからです。ユーザーは平均して80個以上のアプリをインストールしています。 したがって、数多くのアプリの中から目立つことがより重要になります。

■ユーザーが利用しているアプリの数

どのくらいアプリを使うアプリは年間1,750億もインストールされており、ユーザーは1日当たり9個、月間30個のアプリを利用している。
出典: Buildfire

簡単で効果的な戦略として、SNSを通じてアプリの存在をユーザーに思い出させる方法があります。

例えば、FacebookやInstagramのページで、ユーザーの感想やスクリーンショット、ハイスコアなどを投稿するのです。また、Twitterを通じて、開発チームのヒントや最新情報を共有することもできます。

SNS投稿出典: Slack

ソーシャルメディアは、ロイヤルファンを利用してマーケティングをしてもらえるプラットフォームでもあります。アプリの体験談やスクリーンショットをシェアしてもらうこともひとつの手です。もしかすると、休眠ユーザーがもう一度アプリを利用するきっかけになるかもしれません。

適切なユーザーを獲得できていないために、リテンション率が伸び悩むことがあります。ターゲティング戦略を変えてみることも、モバイルアプリマーケティングで利用できる効果的なリエンゲージメントアプローチです。

例えば、Facebook広告キャンペーンは新規ユーザー獲得のために利用することができます。Facebookの強力なターゲティングツールを最大限に活用し、適切なデモグラフィックおよび、サイコグラフィックグループをピンポイントで特定しましょう。

また、アプリストアページの最適化も忘れないようにしましょう。ユーザーが離脱する原因となった大きなバグを修正したことを知らせるための素晴らしい手段です。ユーザーにポジティブなレビューを促すことで、コンバージョンレートを劇的に改善することもできます。

■ユーザーがアプリをダウンロードするのに必要な最低限の星の数

ユーザーがアプリをダウンロードするのに必要な最低限の星の数星3つになるとユーザーがアプリのDLを検討する割合が激減する。
出典: Apptentive

これらは氷山の一角に過ぎません。ブログ投稿やGoogle広告、YouTube動画そしてインフルエンサーの協力など、離脱したユーザーにアプリを売り込む方法は無数にあります。

予算や状況に応じてどの方法を用いるのか決めましょう。

インセンティブ

休眠ユーザーにインセンティブを与えることは、ユーザー復帰や、もう一度試してもらうための素晴らしい方法です。Googleの研究がこの結果の裏付けをしています。アプリを利用しなくなったユーザーの30%は、ディスカウントがあるならもう一度利用したいと思っていることが分かったのです。

一方で、ユーザーの24%は限定コンテンツやボーナスコンテンツで誘引することができるそうです。インセンティブは長期的にアプリを利用して欲しい場合は特に有効です。適切な方法で実施することができれば、ユーザーがアプリを使い続けるための習慣を構築するのに役立ちます。

例えば、「Mint」アプリは幸運なユーザーに1万ドルの現金をプレゼントするプロモーションを実施しました。1日1回ログインするごとに抽選に参加できるため、定期的にアプリを利用するようになるのです。

■「Mint」のプロモーションキャンペーン

Mintプロモーションキャンペーン1日1回のログインで、抽選で1万ドルの現金が当たるキャンペーン画面。
出典: Buzzfeed

ユーザーの誕生日を記録しておけば、特別な日に特別なギフトを送ることができます。これはユーザーとコンタクトを取るための絶好の機会です。

さらに、賞品が魅力的であれば、アプリの利用を再検討してもらえるかもしれません。結局のところ、割引やクーポンを無駄にしたい人などいないのです。

■誕生日のユーザー限定クーポン

誕生日クーポン 出典: Campaign Monitor

さらにパワーアップさせて、チャレンジ企画を盛り込むこともできます。タスクを与えることで、ユーザーはやり遂げる充足感を得られます。ときにはそれだけでユーザーの興味を掻き立てることもあるのです。

例えば、マレーシアのデジタル銀行「CIMB」は「Octo Challenge」を発表しました。ユーザーは送金やデビットカードの利用などタスクを達成することでポイントを獲得できます。獲得したポイントは現金やディスカウントとして利用できます。

■マレーシアのデジタル銀行「CIMB」の「Octo Challenge」

OctChallenge「現金の送金を5回する」や「デビットカードを5回利用する」など、タスクをこなすことでポイントが獲得できる。
出典: Money Thor

最後に、ユーザーを定着させるための方法として、まるっきりインセンティブに依存してはいけないことを覚えておいてください。ゲーミフィケーションの専門家Chuo Yu-kaiはこのように指摘しています。

「ギフトカード、金銭、商品など、外発的報酬を使って人々を引きつけ、認識、ステータス、アクセスなど、内発的報酬を使って人々の関心を移行させる方が良い。」

つまり、悪いアプリ体験を補うような報酬であってはいけないのです。決して長期的にはうまくいきません。

プッシュ通知

プッシュ通知は、ユーザーがまだアプリをアンインストールしていないことを前提とした、非常に効果的なリエンゲージメント戦略です。実際、「Airship」の研究によると、最大190%もリテンション率が向上するそうです。プッシュ通知の役割はいたってシンプル。ユーザーにアプリの存在を思い出させることです。

Duolingo」は、おそらくプッシュ通知を最もうまく使っているアプリのひとつでしょう。Duolingoはユーザーが別の国に入国したときに、プッシュ通知を送信しています。これは、ユーザーがDuolingoの利用を考え直すきっかけになるかもしれない、さりげなくもタイムリーな通知です。

■「Duolingo」のプッシュ通知

duplingoプッシュ通知フランスへようこそ。一般的なフレーズを確認し、リフレッシュコースを受講しよう。
出典: Instal

プッシュ通知は休眠中のユーザーに対するリマインダーとして最も効果的です。例えば、「Tinder」は1カ月以上活動を停止しているユーザーに対して、このようなメッセージを送信します。

■「Tinder」のプッシュ通知

Tinderプッシュ通知しばらくスワイプしていないですね。明日からはプロフィールが表示されなくなってしまいます。引き続き表示されるために、今すぐスワイプ。
出典: Clutch

他のユーザーにプロフィールが表示されなくなってしまうというリマインダーは、アプリに復帰する何気ないきっかけになります。

もうひとつの好例は「Apple Music」のプッシュ通知です。3カ月無料期間を与えることでさらに魅力的かつ効果的なものになります。

■「Apple Music」のプッシュ通知

AppleMusicプッシュ通知出典: Vero

しかし、プッシュ通知は諸刃の剣です。乱用するとリテンション率が減少することがあります。 実際、あらゆる調査によると、無関係な通知を過剰に送信することが、アプリをアンインストールする最大の理由になっているのです。

プッシュ通知でリエンゲージメントを成功させるためには、ふたつの点に注意する必要があります。

ひとつ目はユーザーへのメリットを説明することです。通知を許諾してもらえる可能性を高めるだけでなく、通知を予期してもらえるようになります。

■プッシュ通知のメリットを伝えることの重要性

プッシュ通知の重要性を伝えるプッシュ通知はとても重要です。許諾していることを確かめてください。
Emmaが残高が少なくなってきたときや、給料が振り込まれたとき、
予算を超えてしまったときなど、様々な場面で通知してくれます。
出典: Telerik

もうひとつは簡潔でありながらキャッチーな通知にすることです。長文のメッセージは読みづらく、ユーザーが飽きてしまう危険性があります。Localyticsの調査によると、10文字以下を目指すことが推奨されています。

■プッシュ通知の単語数とクリック率の関係

プッシュ通知の文字数とクリック率の関係プッシュ通知の単語数が10語より多くなると、クリック率が約半分になる。
出典: Hi5

メッセージの内容とタイミングが適切であれば、プッシュ通知は最も強力なリエンゲージメントツールになります。

ディープリンク

ディープリンクは、Webサイトから借用した手法です。アプリ内のリンクで、ユーザーを別の場所、またはより深い階層に移動させることから名前が付けられました。この技術によって、アプリはWebサイトのように簡単に誘導やリンクを付けられるようになったのです。

ではなぜディープリンクがリテンションやリエンゲージメントにとって重要なのでしょうか。それは、ユーザーが目的の場所に素早く到達できるからです。

イラストを使って説明します。

ディープリンクの利便性上:ディープリンクで直接商品ページに遷移
下:ディープリンクを用いなかったら、ホームページを介さなければならない
出典: Neil Patel

例えば、「アプリ1」に広告を出して「アプリ2」にリエンゲージメントさせたいとします。ディープリンクでは、その広告をクリックしたユーザーは、アプリ内の関連ページに直接移動することができます。

ディープリンクがないと、ユーザーはそこに辿り着くまでに長い工程を踏まなければならず、摩擦が生じることで離脱してしまう可能性があるのです。

ディープリンクは、休眠中のユーザーに対してリターゲティング広告を実行する際に特に有効です。その仕組みについてまとめてみました。

■ディープリンクを用いた休眠ユーザーへのリターゲティング広告の仕組み

リターゲティング広告の仕組み画像左:アプリをダウンロードしたものの、めったにアプリを利用しないユーザー。
画像中央:リアルタイムでユーザーが関心のある広告を打ち、アプリに誘導する。
画像右:ユーザーが広告をタップすると商品購入ページに直接遷移する。
出典: Criteo

リエンゲージメントファネルの摩擦をできるだけ減らすために、ディープリンクは非常に重要です。そして、それこそが、離脱したユーザーを取り戻す秘訣なのです。

ダメなアプリはリエンゲージしても無駄

ここで紹介した戦略は強力ですが、限界もあります。具体的には、アプリのアイデアが悪い、市場に適合していない、UXがひどいなど、深刻な問題を抱えたアプリを修正することはできません。

つまり、最良のリエンゲージメント戦略は、第一にしっかりとしたアプリのアイデアを持ち、それをリテンション戦術でバックアップすることなのです。

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