ゲームアプリ『Clash of Clans』に学ぶモバイルアプリの成功事例

Repro Journal編集部
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2021.02.17
ゲームアプリ『Clash of Clans』に学ぶモバイルアプリの成功事例

目次

今回はStatistaが2017年11月に発表したゲームアプリのトップセールスランキングで第1位を獲得した『Clash of Clans』に注目します。『Clash of Clans』は2012年に開発されました。どのようにして5年でランキング1位を獲得できたのでしょうか?

画期的なアイデア

先ほどのランキングはアメリカでゲームのトップセールスを調査した結果です。しかし、『Clash of Clans』はフィンランドで開発されました。このゲームを開発した「Supercell」の公式サイトでは、ゲームを開発するまでの裏話を紹介しています。

2010年、Ilkka Paananen氏はフィンランド、エスポー市にある小さな会社で、同僚と共にある目標を掲げゲームの開発を始めました。その目標とは、「何年間もプレイしてもらえるゲーム」を開発することです。

そしてその目標の達成に向け努力を重ねてきました。高品質なゲームを開発したいという彼らの情熱こそが、成功の秘訣です。Paananen氏はForbs誌に掲載された記事でこう語っています。 「アプリ開発というのは素晴らしいもの、ユーザーに愛されるものをデザインするだけのことです。」

Image Source: http://supercell.com/en/our-story/

『Clash of Clans』の施策

ここからは『Clash of Clans』の成功の秘訣をさらに探っていきましょう。

ベータテスト

「Supercell」は数々のゲームを開発してきましたが、そのうちリリースしたのは4つしかありません。なぜならクリエイターがその他のゲームをボツにしてしまったためです。

開発チームが、世界でアクティブユーザーが100万人に到達したことを記念して全ユーザーに向け動画を作成しているので、観てみましょう。

動画の中で、開発チームはユーザーにとって本当に大切なゲームをひとつ開発するまでに、14個のゲームをボツにせざるを得なかったと語っています。ボツになったゲームには、ベータテストを通過できなかったものや、チームが目標としていた基準に到達できなかったものがありました。

『Clash of clans』は2012年8月に、カナダで初めて「Magic」というコードネームでリリースされました。それからほんの1ヵ月後の8月に、世界に向けてリリースされています。そして3ヵ月のうちにアメリカのトップセールスランキング1位を獲得し、現在でもその地位を守っているのです。

モバイル端末を優先

「Supercell」は、元々はゲームアプリをクロスプラットフォーム展開する会社でした。しかし「Supercell」は、その後デスクトップでゲームをプレイすることとモバイル端末でアプリを利用することは全く別物であるということに気づきます。

そこでスマートフォンやタブレット端末の進化を考慮しつつ戦略を再検討し、モバイル端末用のゲームに集中的に取り組むことにしたのです。まずはタブレット用のゲームの開発で感覚をつかんだ後、『Clash of Clans』やその他のゲームをスマートフォン等の小さなスクリーンに合わせて改良しました。

Image Source: http://www.androidcentral.com/how-transfer-your-clash-clans-village-ios-android

友だちと一緒に楽しめるゲームの開発

「Supercell」の開発チームは、『Clash of Clans』をソーシャルゲームにして、多数のプレイヤーが利用できるようにするという施策を優先しました。

この戦略には多くの利点があります。まず何よりも、友だちと一緒に勝利を喜び、皆で協力してゲームに挑戦できるようにすることでエンゲージメント率が上昇し、どのプレイヤーにとっても魅力的な体験を提供できることです。

また、簡単に自分の村を自慢することもできます。もうひとつの利点は、ゲームが急速に広まる大きなきっかけになることです (『Clash of Clans』は実際にそうでした) 。

これは友だちとシェアできるゲームにするだけで、ユーザーを獲得すると共にリテンション率も向上できるという一石二鳥の戦略です。このゲームが築き上げたコミュニティをclashofclans.comでチェックしてみましょう。

Image Source: https://clashfordummies.com/2016/10/14/add-friends-clash-of-clans-october-2016-update/

フリーミアムモデル

『Clash of Clans』は、フリーミアムモデルとして非常に優れたアプリです。お金を払ってまでゲームをダウンロードしたくないという人は多いので、フリーミアムモデルであればゲームをダウンロードしてみようと思ってもらえます。

そしてユーザーがはまってから、アイテムなどのリソースをもらえるまで待つか、課金でリソースを受け取り、軍隊を強化するかを選んでもらうのです。

ゲームにはまって興奮している状態ですぐに完全攻略できるオプションを提示されると、ついつい課金をしてしまいます。

Image Source: https://medium.com/@morganlinton/how-clash-of-clans-prints-money-4cf3a8f41887

新たな市場への進出

「Supercell」は日本や韓国、中国といったその他の先進国市場に好機を見出しました。様々な国のプレイヤーに『Clash of Clans』を紹介することで、さらなる成功を掴む大きなチャンスを得られると考えたのです。その結果、今ではヘルシンキやサンフランシスコ、ソウル、北京に支社を構え、様々な文化を積極的に取り入れています。

Image Source: http://arcticstartup.com/article/watch-these-japanese-clash-of-clans-commercials/

重大イベント開催中のマーケティング

2015年のスーパーボウル開催中に放送されたテレビCM「Clash of Clans:リベンジ編」は、見る人が困惑するような不思議なCMでした。もちろん、こういった投資は誰もができる施策ではありません。しかしすでに多くの収益をあげている場合には、ブランドの認知度を向上するために思い切って予算を割いてみてはどうでしょうか。

Image Source: http://supercell.com/en/games/clashofclans/

秀逸なランディングページ

「Supercell」のWebサイトは全体的に非常に上手く作られており、パッと見ただけで直感的に操作できるページになっています。Webサイトでは開発チームのメンバーが、2010年から現在に至るまでのあらゆる取り組みを紹介している他、彼らが実施したことやその中で上手くいったもの、上手くいかなかったものについて語っています。

さらにグロースハックの成功例も一部公開しています。『Clash of Clans』のランディングページを見れば、知りたいことがわかるでしょう。このページにはApp StoreとGoogle Play ストアそれぞれに用意した予算や『Clash of Clans』の歴史、「Clash of Clans情報サイト」へのリンク、スーパーボウル開催中の広告、ゲームに関するヒント、プレス記事、そしてさらに「Supercell」の採用情報も盛り込まれています。アプリ用のWebサイトをデザインする時には、ぜひ参考にしましょう。

Image Source: http://supercell.com/en/games/clashofclans/

ポイント:優れたアプリを作っておわりじゃない

最初に紹介したランキングをもう一度見てみましょう。2位に『Clash Royal』というゲームがランクインしています。これもSupercellが開発したゲームです。

先ほど、「Supercell」は4つのゲームしか市場に出していないと言いました。その4つとは『Hay Day』、『Clash of Clans』、『Boom Beach』、そして『Clash Royal』です。「Supercell」はなんと、アメリカにおけるiOS端末用モバイルアプリのトップセールスランキングで1位と2位を独占しているのです。優れたアプリを開発した後、その結果に満足するだけでなく、ユーザーがびっくりするような次の戦略を検討することも重要になります。

Image Source: http://supercell.com/en/games/

最後に

今回は、『Clash of Clans』がなぜ急成長を遂げたのか、主な秘訣をまとめて紹介しました。『Clash of Clans』のような大きな成功を手にすることは、決して不可能なことではありません。しかしそのためには目標を明確にし、その達成に向けて努力しつづけなければなりません。ユーザーの心を掴み、常に楽しんでもらえるアプリを開発したいのであれば、長期的な戦略を検討しましょう。

この記事は、AppSamurai社のブログ"Mobile App Success Story: How Clash of Clans Did It"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on AppSamurai in English under the permission from the author.

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