【今回のご相談】
これまでWeb専任でやってきて、継続ユーザーを結構増やしてきたと自負しています。最近アプリも担当することになりました。まずは同じようにアプリでもユーザーを増やすところからです。そこで、何重にも続く分厚い壁にぶちあたってしまいました。
これまでの仕事(Web)では、集客するにはとりあえず広告を出しとくか~という感じで成果を出してきました。同じ感じでいけると思うじゃないですか。でも、アプリだと、なんだか勝手が全然違うんです。
そもそも、ストアというものがあるじゃないですか。WebでいうLPが存在しないんですよね。まじか……って感じです。
Webで付き合いがある代理店にお願いしてなんとか広告は回しているんですが、今度はWebと違ってインストールという作業がユーザーさん側で必要じゃないですか。こちらから言うのも変ですけど、大変ですよね。よくインストールするわって驚きます。インストールしてくださる方全員に足を向けて寝られません。……と思ったら、今度はあんまりアプリを使ってもらえてないような……広告回す前とほぼ変化ないかも? 何なんですかもう。何の数値を信じればいいのかわからないし、とりあえずアプリインストール広告に必要なことをイチから教えてください!(エンタメ系サービス・デジタルマーケティング担当、40代男性)
【Reproの中野がお答えします】「Webの常識」を持ち込むのはNG!“アプリ特有の戦略”で戦いましょう
Web広告を担当してきたマーケティング担当者がアプリインストール広告を任せられるケースは少なくありません。しかし、“Webの常識”をそのままアプリに当てはめてしまうと、思わぬ壁に直面することがあります。
Webでは「クリック→LP→コンバージョン」というシンプルな流れで、ブラウザ内でシームレスに成果を計測できます。一方アプリでは、LPを経由せずストアをはさんでインストールに至るため、ユーザー行動のデータが分断されやすく、 さらにインストール後の初回起動や会員登録まで正しく追わなければ、本当の効果が見えてきません。
そのため、アプリ専用の計測環境を整え、利用定着まで含めた行動を把握することが、成果を出すための大前提となるのです。
今回は、こうしたWebとアプリの根本的な違いを整理しながら、アプリ集客を成功に導くために押さえておきたい3つの視点をご紹介します。
アプリインストール広告を成功させる3つの必須条件
まずは、アプリインストール広告を成果につなげるために欠かせない3つの条件を、Web広告との違いを踏まえて整理していきます。

【条件1】 計測基盤を整える【MMP導入は必須】
アプリ広告でまず最初に押さえるべきは、「データを正しく取得できる環境」を整えることです。
Webサイトであれば、計測タグをLPに埋め込み、GAを設定しておけば流入からコンバージョンまでを一貫して計測できます。しかしアプリでは、広告クリック後にストアへ遷移する際にドメインが切り替わり、一般的な解析ツールではトラッキングが途切れてしまいます。この特性を理解せずに進めると、どの広告が成果につながったのかわからず、改善サイクルを回すことができなくなります。
そこで欠かせないのが、MMP(モバイル計測パートナー)です。
MMPを導入すれば、「どの広告チャネルからインストールされたのか」「そのユーザーがアプリ内でどんな行動を取ったのか」を可視化でき、チャネル横断で正しい効果測定を行うことができます。
近年は、AppleのSKAdNetworkに代表されるようにプライバシー規制が強まり、ユーザーの同意なしには広告接点のデータすら取得できないケースも増えています。媒体の管理画面の数値だけに頼るのはリスクが高く、信頼できるファーストパーティデータを自社で蓄積・分析できる基盤づくりがこれまで以上に重要になっています。
つまり、MMPの導入は「改善のスタートラインに立つための必須条件」であり、アプリマーケティングに本気で取り組む場合には避けては通れないポイントともいえます。
【条件2】 広告の流れとUXを一体で設計する
Web広告の場合、「広告→LP→コンバージョン」と流れがシンプルなのに対し、アプリは「広告→ストア→ダウンロード→初回起動→会員登録→利用」とプロセスが複雑です。
そのため、広告クリエイティブ単体での改善や媒体選定だけでは不十分で、ストアでの見せ方(ASO:アプリストア最適化)や初回起動後のオンボーディング体験までを含めて設計しなければ、利用につながるユーザーを獲得できなくなってしまいます。
実際、インストール数は伸びても「アプリを一度も開かれない」「会員登録で離脱する」といったケースは珍しくありません。実際にReproで調査を行ったところ、「インストール後に必ず2回以上起動している」という人はわずか23.3%。「『一度も』『一度しか』起動しなかった経験がある」という人がアプリユーザー全体のうち58.2%にものぼることがわかっています。
こうしたデータからも、アプリ集客では、広告施策とUX改善を切り離すのではなく、全体的な施策として最適化していく発想が不可欠だということがわかります。
「モバイルアプリのインストール実態調査」(Repro調べ)より
【条件3】 適切なパートナー選び
最後に欠かせないのが、パートナー選びです。
アプリ広告にはWebとは異なる専門性が必要ですが、現実には「アプリ対応」を掲げながらも、MMPを導入せずに運用してしまう代理店も存在します。これでは正しい効果測定ができず、広告費を浪費するだけになってしまいます。
よくある失敗は、「アプリに詳しそうだから」「価格が安いから」といった表面的な理由でパートナーを選んでしまうこと。担当者がアプリを実際に利用した経験に乏しかったり、Webと同じ発想で広告設計をしたりすれば、チーム全体の方向性はすぐにズレてしまいます。
さらに、初期フェーズは少額予算で進めることも多いため、いわゆる“担当者ガチャ”が発生しやすいのも事実。経験の浅い担当者がアサインされると、本来得られるはずの示唆が得られなかったり、改善サイクルが回らなかったりするリスクが高まります。
単なる広告運用にとどまらず、「広告×ASO×UX改善」を統合的に支援できるパートナーを選ぶことは、アプリ広告成功の大きな分かれ道になります。
たとえば、運用パートナーを他社の代理店からReproに切り替えたことで CPAを約50%削減したという事例も。このケースでは、広告運用にとどまらずASO対策やUX改善まで総合的に支援した結果、ASO施策でも1位獲得キーワード数を4倍に拡大する成果を実現しました。
「“Reproさんと一緒”に妊活アプリ No.1になりたい」。広告運用、ASO対策、アプリグロースを統合支援
(「Lalune(ラルーン)」/株式会社メドレー)
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広告運用は「土台」と「設計」で成果が決まる
アプリインストール広告は、Web広告と似ているようでまったく違う前提の上に成り立っています。
「とりあえず広告を出せば成果が出るはず」と考えてしまうと、
- 成果を正しく計測できず、PDCAを回せない
- インストール後にユーザーが定着しない
- 代理店任せで本質的な改善が進まない
といった失敗に陥りやすいのです。
アプリ集客成功に必要なのは、まず正しく成果を可視化できる計測基盤を整えること。そのうえで、広告クリエイティブの改善や出稿媒体の見直しだけでなく、ストアページからオンボーディングまでの体験設計を一体で考えること。そして、アプリならではの専門性を持ち、広告運用とASO・UX改善まで視野に入れたパートナーを選ぶことです。
この「土台」と「設計」がそろえば、アプリインストール広告は単なる集客施策ではなく、事業成長を牽引する強力なエンジンになります。

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