One to Oneマーケティングとは?実践メリットと手法を解説

Repro Journal編集部
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2020.02.25
One to Oneマーケティングとは?実践メリットと手法を解説

目次

ECサイトの普及によって、今や実店舗に行かずにインターネット上で商品やサービスを購入することが可能となりました。そして顧客の購買活動がデジタル化した昨今、オンライン上で収集したデータをもとに、より良い顧客体験を提供する取り組みが活発になっています。

「One to Oneマーケティング」はそうした購買行動の変容の中で注目を集めているマーケティング手法のひとつです。従来の多数をターゲットにしたアプローチではなく、One to Oneマーケティングでは顧客一人ひとりにマッチしたアプローチを行います。

今までは顧客ごとに異なったアプローチを行うことは難しく、業務も煩雑になりやすいという課題を抱えていました。しかし、IT技術の発達により個別のアプローチの自動化・最適化が簡単に実現できるようになりました。

今回は、One to Oneマーケティングのメリットや具体的な手法、おすすめのツールについてご紹介します。

One to Oneマーケティングとは

One to Oneマーケティングとは、顧客一人ひとりのニーズや購買行動に合わせて、個別に最適なアプローチを行うマーケティング手法です。必要な情報を的確に届けることで顧客と企業の間に良好な関係性を築き、顧客のロイヤリティを高めることを目的としています。

One to Oneマーケティングの重要性

近年は、企業間での競争の激化によって製品やサービスの機能が高まり、差が生まれにくくなっています。商品を見比べてみて、あまり違いがわからないということも少なくありません。

また、インターネットが急速に普及にしたことで、消費者自らさまざまな情報を取得することができるようになりました。マス広告が主要な情報源だった時代とは異なり、消費者は自らの端末で、商品やサービスの特徴やレビュー情報を即座に得ることができます。

その結果、人々のニーズはどんどん多様化しています。

そのため、従来のマーケティングの手法を用いて機能や性能などを一律にPRしても、顧客に響きにくく、売上増加にもつながりにくいという課題がありました。

現代では、昔以上に「どうしてその商品を買うのか」「どうしてそのブランドを選ぶのか」という必然性が意思決定のプロセスで大きな役割を果たします。企業は顧客から選び取ってもらうために、商品以外の付加価値を提供して、顧客との関係性を強化する重要性が高まったのです。

そして、IT化が進んだ昨今は顧客と企業の接点が増加したため、顧客に関するデータも膨大になっています。

One to Oneマーケティングでは、そうした顧客データを活用し、パーソナライズされたアプローチをすることで顧客との信頼関係を向上させることができます。

顧客との信頼関係を強固にすることで安定的で持続的な売り上げが見込めるため、より本質的なマーケティング手法といえるでしょう。

このような背景から、One to Oneマーケティングの重要性は高まっています。

One to Oneマーケティングを取り入れるメリット

One to Oneマーケティングを取り入れることで、主に2点のメリットが期待できます。

  • 費用対効果が高い

One to Oneマーケティングは費用対効果が高い手法です。ユーザーの行動履歴を分析し、行動意欲の高い見込み客に適切な情報を提供できるため、購買につなげやすい特徴があります。

全ユーザーに一律で同じアプローチをしても、ユーザーごとに抱えている悩みやニーズは異なります。そのため、自分のニーズと乖離したアプローチを継続されたとしても購買には結び付かず、離脱率も高まるでしょう。

しかし、One to Oneマーケティングならその心配はありません。

また、ユーザーの行動履歴を分析し、パーソナライズされたメールや広告を配信するツールもあります。自動化もできるため、業務効率の観点でも恩恵が大きいです。

  • 顧客との信頼関係を築くことができる

従来のマーケティング手法では、「会員登録をしたけどメルマガ毎日送られてきて多すぎる」「HPから商品を買いたいけど、関係のない他の商品のアピールが多くわかりづらい」など、不要な情報にストレスを感じたことがある方もいるでしょう。

One to Oneマーケティングはベストなタイミングで顧客のニーズに寄り添ったアプローチをすることで、顧客との関係性を高められます。また、顧客のcookieデータなどに紐づけてメールの内容や広告を出し分けることができますので、顧客に不必要な情報はなるべく排除したうえで、好みに沿った情報の提供が可能となり、離脱率も低下できます。

One to Oneマーケティングは、顧客への不快感を減らしつつ、顧客との関係を効率的に育んでいくことができるのです。

One to Oneマーケティングを実現する仕組み

One to Oneマーケティングでは会員データやcookie情報を用いて、個人ごとのアプローチを行います。

cookieとは、スマートフォンやPCに保存される情報のことで、訪問日や訪問回数、滞在地域や性別などさまざまな内容が記録されています。

cookie情報がユーザーに紐づくことで、パーソナライズされたアプローチを行えます。例えば、一度サイトに訪れたユーザーに対して自社の広告を表示させたり、サイト上では前回閲覧していたページに関連する情報を積極的に表示させたりといったことが可能です。

主要なOne to Oneマーケティングの手法

ここでは、主要なOne to Oneマーケティングの手法についてご紹介します。

マーケティングオートメーションの活用

見込み客が持っている興味や関心、その行動に関して「最適な情報」「最適なタイミング」「最適な方法」で提供するマーケティングが求められます。しかし、この手法を人力で実現するには多くの人員が必要です。また、定期的に見込み客をフォローする必要があるため、顧客に対して人員が足りないという課題が残ります。

そんな課題を解決するのが「マーケティングオートメーション(MA)」というプラットフォームです。マーケティングオートメーションは、顧客への一連のアプローチを自動化・効率化する仕組みやツールのことを指します。

この仕組みを使うと、ユーザーの態度変容を常に定点観測し、顧客の段階に合わせたアプローチを自動化できます。

例えば、会員の中でも直近でWebサイトに訪れていないユーザーに対して再訪を促すメルマガを配信したり、登録情報をもとにセグメントをかけることで「決裁権を持つ役職の高いユーザー」など特定条件に合う人のみに特別なアクションを仕掛けたりすることも可能です。

また、顧客に対して手動でアプローチを行うケースと異なり、取りこぼしが減ります。そして、興味や関心が高まっているホットな顧客に、ベストなタイミングでアクションを起こせるのです。

このようにマーケティングオートメーションの仕組みを活用すれば、効率的にOne to Oneマーケティングが実現可能です。

レコメンデーション

レコメンデーションを一言で説明すると「顧客に対するおすすめ商品」のことです。例えば、飲食店で常連客の好みに近い商品をおすすめしたり、顧客が求めているメニューを先回りして勧めたりするのを想像するとわかりやすいかもしれません。

代表的な例として、インターネット通販サイトのAmazonでは「おすすめ商品」「これにも注目」「チェックした商品の関連商品」「閲覧履歴からのおすすめ」などが表示されますが、これがレコメンデーションです。消費者が購入したことがある商品に関連した商品が表示される仕組みになっています。ユーザー側は自分にマッチした情報に効率よくアクセスできるため、購買率と満足度を同時に引き上げることができます。

レコメンデーションには大きく4つの種類があります。

ひとつ目は「ルールベース」です。あらかじめ決められたルールに従って商品をおすすめする仕組みです。「A商品を購入した人には、B商品をおすすめする」「特定の行動をした人には、このアプローチをする」といったアクションが該当します。

ふたつ目は「コンテンツベース」です。類似性をもとに関連商品をおすすめする仕組みです。例として、「英語書籍Aを購入した人に、関連性の深い英語書籍をおすすめする」といったものが該当します。

3つ目は「協調フィルタリング」というものです。行動や購入履歴を元に類似した属性を持つユーザーにおすすめします。「この商品を買った人はこんな商品も買っています」などのレコメンドをする仕組みです。

4つ目は「ベイジアンネットワーク」です。ベイズ理論という、過去のデータから未来を推測する理論を用いた仕組みで、過去の行動・購入履歴をもとに購入確率の高い商品を算出し、おすすめする方法です。

これらのアルゴリズムを活用することで、顧客の好みに合った商品を自動的にレコメンドし、購買率の向上が見込めます。

LPO(ランディングページ最適化)

LPO(Landing Page Optimization)もOne to Oneマーケティングで有効な手法のひとつです。ユーザーのCV率を高めるために、目的にあったクリエイティブやテキストを掲載し、ランディングページを改善します。

一般的なLPOでは、流入するユーザーに合致した訴求文、訴求箇所を考え、ページを作り込むといった方法があります。その他、ファーストビューに訴求内容を大きく表示させたり、A/Bテストを繰り返してボタンの色や配置を最適化したりしていくというのが王道の手法です。

しかし、あくまで流入するユーザーは別々の人間であり、抱えている課題が必ずしも同じものとは限りません。そのため、最適化の工数をかけた割にCVするユーザーが増えないという問題もありました。コストをかけてランディングページを最適化したものの、コンバージョンが悪く無駄な投資になってしまうケースも少なくありません。

しかし、One to Oneマーケティングやマーケティングオートメーションを活用したLPOでは、ユーザーごとに表示する内容を出し分けることもできます。例えば、ユーザーのプロフィールや属性に合わせて個別のランディングページを表示したり、サイトにアクセスする時間や時期によって表示する内容を変えたりすることも可能です。このように、自分の抱えている課題に沿ったランディングページが表示されれば、読了率やCV率も上がることでしょう。

リターゲティング広告

リターゲティング広告は、自サイトに訪問したユーザーの行動を追跡し、その後ユーザーが訪れたサイトの広告枠に、自サイトの広告を表示する仕組みです。

再訪問を促すのに向き、見込み顧客を高い確度で刈り取れるメリットがあります。このリターゲティング広告の仕組みはcookieによって実現するものですが、取得した情報の中でユーザーをリスト分けして広告を配信することができます。

例えば、商品Aを見たユーザーはリストAに振り分け、商品Bを見たユーザーはリストBに振り分けます。そして、それぞれのリストごとに配信する広告を割り当て、リストAには商品Aの広告、リストBには商品Bの広告を配信します。

このようにユーザーの行動履歴に合わせて、相関性の高い商品を表示させることでCV率の向上が期待できます。また、離脱の段階ごとにリストを分けてアプローチする方法も有効です。なぜなら、一口に離脱ユーザーと言っても「ページを閲覧して離脱したユーザー」と「カートに商品を一度入れてから離脱したユーザー」では、興味関心の度合いが異なるためです。そのため、ユーザーのステップごとに細かくリスト分けして配信するのがいいでしょう。

カスタマーエンゲージメントプラットフォームの活用

最後にご紹介するのはカスタマーエンゲージメントプラットフォームを活用する方法です。

カスタマーエンゲージメントプラットフォームとは、顧客一人ひとりに最適なアプローチを提供し、長期的で強固な関係を構築するためのツールです。

例えば、顧客のデータに合う最適なタイミングでメッセージやポップアップを表示させたり、サイト内の行動を解析して商品をレコメンドしたりと、これまでご紹介した各手法が統合されたような仕組みを利用できます。各機能から集積した顧客データも一か所に蓄積されるため、改善業務も効率的に行えるメリットがあります。

「Repro」も、カスタマーエンゲージメントを支援するツールのひとつです。ポップアップ機能やレコメンド機能、メール・メッセージの最適化機能、UI・UXの最適化機能など、これまでご紹介したOne to Oneマーケティングに役立つ機能が多数搭載されています。

まとめ

今回はOne to Oneマーケティングについてご紹介しました。

デジタル化によって購買活動や販売方法は多様化し、効果的なマーケティング手法も変化しています。ECサイトなどオンライン通販ではどうしても実店舗のように接客することができないため、顧客の満足度を高めるのは非常に困難です。そのため、顧客との信頼関係を高めつつ、売り上げを最大化するOne to Oneマーケティングの重要性はより高まっています。

また、自動化できるところは自動化し、効果を数値的に分析して改善を繰り返すことで、今まで以上に本質的な施策になるはずです。

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