アプリ外決済の「外部決済サービス導入」に関する様々な疑問を直接聞いてみた【スマホ新法の「?」を解決 第4回 】

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2025.12.15
アプリ外決済の「外部決済サービス導入」に関する様々な疑問を直接聞いてみた

目次

「スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律」(以下、スマホ新法)の施行(2025年12月18日)が迫る中、アプリ外決済の導入を検討する過程で、実際にどのような外部決済手段を選ぶべきか悩んでいるアプリ事業者の方も少なくないようです。
Repro Journalではスマホ新法やアプリ外決済に関するインタビュー連載を実施中。今回は、アプリ外決済の決済代行に関し、すでに多くの実績があるGMOペイメントゲートウェイ株式会社(以下、GMO-PG)の、インダストリーソリューション本部 第1営業統括部 サービス第1営業部部長 鈴井祥吾さんに、アプリ外決済を検討している事業者が知っておくべきポイントや決済サービスにまつわる様々な疑問についてお話を伺いました。

スマホ新法によって変化する「アプリ外決済」。決済代行事業者を選ぶとき、見るべきポイントとは?

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――まず、スマホ新法によってアプリ外決済の市場はどのように変化すると思いますか?

スマホ新法施行後も、アプリ内での決済が完全になくなるとは考えていません。両者にはそれぞれメリットがあり、今後も共存していくものと思っています。一方で、手数料水準の違いから、アプリ外決済の比重は徐々に高まっていくでしょう。事業者としても、コスト削減やマーケティングの観点から、アプリ外決済にスムーズに誘導する工夫が求められます。

一般的に、アプリ内決済においてプラットフォームに支払う手数料に関しては、30%前後(小規模事業者の場合は15%程度)の手数料がかかると言われています。一方、アプリ外決済では、選ぶ決済手段やスキームによって異なるものの、これより低い水準に抑えられるケースが多く、例えば5~10%や3%台に収まることもあります。今後の動向によって手数料率は変わる可能性がありますが、こうした差が外部決済サービスを用いたアプリ外決済の拡大に大きく影響することは間違いありません。

――アプリ事業者が実際にアプリ外決済を導入する際には、外部の決済代行サービスを利用する場合がほとんどになるかと思います。そこで「では、どの会社がいいのだろう」と悩んでしまいそうですが、決済代行事業者を選ぶときには何を基準に考えるべきでしょうか?

大事なのは、サポート体制、ソリューションの多さ、拡張性の3点です。サポート体制は、トラブル・不明点があったときの対応品質やいつでも質疑応答ができること、ソリューションは、例えば、必要な決済手段の充実度合、そして拡張性は、自社の要望に応じた開発ができることが重要です。また、安定したシステムの有無、セキュリティの高さ、実績の豊富さも選ぶ際に見るべきポイントです。

――やはり、サポートの充実は重要ですか?

決済のトラブルはアプリ事業者の売り上げに直結する問題ですから、決済代行事業者のサポートは非常に重要です。単純なところでは、電話やメールでいつも問い合わせを受け付けてくれるなど、万が一のとき、迅速に対応してもらえる体制を整えておく必要があるでしょう。GMO-PGの場合、営業担当と専門のサポートセンターというふたつの窓口でお客様をご支援しています。サポートセンターでは、管理画面の操作方法といった日々の質問から、技術的なご相談まで、電話・メール・有人チャットでお受けしています。

また、返金などの必要が生じた場合には、そのシステムを提供してもらえたり、そもそもトラブルを未然に防ぐための提案を受けたり、サポート体制がしっかりしていることは、決済代行事業者を選ぶ際、手数料率よりも重視しなければいけないポイントかもしれません。

――システムの安定性やセキュリティ対策も、もちろん重要ですよね?

はい、マストだと思います。特に不正利用やセキュリティ事故などの問題に対して、その対策は万全に行っておかなければなりません。また、システムが止まってしまうと、ユーザーにとって大きな機会損失になるため、安定して稼働する決済代行サービスを選定する必要があるでしょう。

例えばGMO-PGの場合、セキュリティについては組織面・教育面ともに力を入れています。そういった姿勢についても見ていく必要があるでしょうね。

――豊富な実績というのも、選ぶ際の重要な判断基準になるのですか?

そうですね。ただ、その実績というのは、アプリ外決済の実績でなくても構いません。

例えば、大手飲料会社様の自販機決済アプリにGMO-PGの決済サービスが採用されているのですが、実はアプリ外決済と非常に似ているところがあるのです。全国のいたるところに自動販売機があり、昼時などの特定時間帯に決済が集中します。アプリ外決済でも、レアアイテムの登場時や、イベント開催時など、ユーザーが一気に集中するタイミングでは、いかにトランザクションを安定して処理しきれるかが重要になってきます。

ですから、豊富な実績というのは、アプリ外決済のみにとらわれず、他業界も含め、活かせるノウハウをどれだけ持っているかを見ることが大切です。

開発工数、導入方法、トラブル、手数料……外部決済の導入にまつわる疑問について、詳しく聞いてみました

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――ここからは、アプリ外決済にまつわる色々な疑問について教えてください。まず、アプリ外決済を始める際のステップや開発工数がそもそもわからない、という方も多いかもしれません。

まだどう動くべきか考えている段階でも、一度私たちのような決済サービスの担当者に気軽に相談してみることをおすすめします。アプリのビジネスモデルやユーザー属性を踏まえ、どのようなスキーム・決済手段が向いているか、どのような選択肢があるかといった基本的なところから一緒に整理させていただきます。

例えば、スケジュールや体制・ご要望をお伺いしたうえで、既存のアプリ外決済プラットフォームを利用するのか、自社で課金サイトを構築するのかなど、いくつかの進め方を比較しながらお客様に合わせてご提案いたします。

開発工数に関しては、アプリ事業者の規模や開発体制により異なりますが、プラットフォームを利用する場合は1カ月程度、自社でスクラッチ開発を行うのであれば、半年から1年くらいかかることもあります。ただし、ゲーム会社などの開発力の高い企業であれば、1カ月程度で構築できる場合もあるでしょう。スクラッチ開発を行う場合でも、決済部分の開発工数を削減するようなご提案も可能です。

――アプリ外決済の導入で起こりがちなトラブルとその対策について教えてください。

多いのは、トランザクションの集中によるシステム負荷の問題です。例えばゲームアプリで大規模なイベントを開催したとき、アプリ外決済サイトに大量のアクセスが集中すると、システムが対応できずに機会損失につながってしまいます。

GMO-PGでは、そういった問題を防ぐために、事前にお客様や決済事業者、社内システム部門と密に連携し、決済集中に備えた体制を整えるようにしています。また、不正利用対策も重要な課題として取り組んでいます。アプリ外決済の導入を機に、その周辺サービスまでサポートできる企業とパートナーを組めば、様々なトラブルを未然に防ぐことも可能です。

――そういった明確なトラブル以外にも、アプリ外決済を導入すると煩雑な手間が増えることも予想されます。例えば、問い合わせや返金対応といったユーザーへのサポートや、税金・為替変動への対応など、すべてアプリ事業者側で行わなければならないのでしょうか?

基本的にはアプリ事業者側で対応していただくことになりますが、ここで大事なのは、決済代行事業者がアプリ外決済以外のソリューションをどれだけ持っているかです。

例えば、送金を行うシステムを持っていれば、返金の必要性が生じた際にすぐに対応できますし、そのノウハウを活用し、ユーザーにギフト券をプレゼントするなどの施策も実行可能になります。また、カード決済のトラブルに対応するには、カード会社との連携体制が整っているかどうかもポイントです。パートナー企業とのネットワークが広い決済代行事業者ほど、アプリ事業者が自前で対応しなければならない領域を減らせます。

 ――アプリ外決済を導入する際、クレジットカードやバーコード決済、後払いといったユーザー側の「支払い方法(決済手段)」は様々ですが、その手段の違いによって、カード会社などの企業へ支払う手数料に違いはあるのでしょうか?

はい、決済手段によって手数料は異なります。ただし、個々のユーザーが支払う金額自体は変わらないため、その差額はアプリ事業者側が負担することになります。つまり、ユーザーが手数料の高い決済手段を選択すればするほど事業者のコスト負担が大きくなるため、手数料の高い決済手段を最初から選択肢に入れなかったり、手数料の低い支払い方法の利用を促すために「決済手段を移行したらアイテムをプレゼント」などの工夫をしたりしている事業者もあります。

アプリ外決済の導入を機に、自社にとってベストな形を見つけることが大切

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――最後に、これからアプリ外決済の導入を検討している事業者の方へのアドバイスをお願いします。

決済代行事業者選びは慎重に行ってください。繰り返しになりますが、安定感、サポート、拡張性を重視することが大切です。万が一、事業者選びを失敗してしまうと、ユーザーの満足度が低下して機会損失が生まれてしまったり、本来の業務ではない決済システムのトラブル対応に追われたりするリスクもあります。

また、スマホ新法によってアプリ外決済が注目されていますが、決してアプリ内決済が悪いわけではありません。それぞれにメリットがあり、各事業者にとってベストな形を見つけることが大切と考えています。GMO-PGでは、サポート体制と営業体制が充実しており、アプリ外決済の実績も多くございます。もし、アプリ外決済やその周辺サービスで気になることがありましたら、ぜひ、ご相談ください。

プロフィール

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GMOペイメントゲートウェイ株式会社
インダストリーソリューション本部
第1営業統括部 サービス第1営業部 部長
鈴井 祥吾氏

国内ベンチャーキャピタルを経て、2013年にGMOペイメントゲートウェイに入社。中小規模の物販サイトやECサイト構築事業者向けの営業を担当したのち、現在はオンラインゲームや電子書籍・音声などのデジタルコンテンツ、フードデリバリーなどのサービスコマース(無形商材)を中心に、幅広い業種を担当する営業チームを率いている。

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