2017年12月11日からApp Storeにおいて予約注文が使えるようになりました。これにより、ユーザーはアプリのリリース日前に予約ダウンロードもしくは予約購入できるようになったのです。また、アプリの開発者にとってもアプリをリリース前にApp Storeに載せられることで大きな宣伝の機会になります。

Google Play ストアでも予約購入という機能があります。しかし、Googleの場合は予約購入を登録したアプリがリリースされたらリリースされたことをユーザーに通知するだけで、自動でダウンロードしてくれたり、安く購入できるというわけではありません。Appleの予約注文は自動的にダウンロードしてくれて通知もしてくれます。
仕組み
アプリ開発者はアプリリリースの90日前から2日前にこの機能が使えるようになります。 App Storeにリリースされたら予約注文したユーザーの端末に自動でダウンロードされ、ダウンロードが完了するとユーザーに通知されます。有料アプリについてはアプリがリリースされるまで実際に課金はされません。もし予約注文期間中に価格が変更された場合は安い方の価格で課金されます。

予約注文はiOS 11.2、tvOS11.2、macOS10.13.2以降で利用可能です。通常のアプリと同様に、ユーザーは予約注文したいアプリをプロダクトページ、検索結果、おすすめ、ゲーム、アプリタブから探すことができます。
予約注文機能はとても魅力的ですが、実際はどうなのでしょうか?以下にメリット、デメリットをまとめました。
App Store 予約注文のメリット
- 開発者は予約注文された数を知ることができるので、自身のアプリがどれだけ需要があるのか事前に知ることができます。
- 新規にリリースされるアプリでもリリース前にメタデータを最適化することができます。 これによりリリース前から検索キーワードを設定し、検索結果のランキングで上位表示が可能になります。
- 事前リリースされることでApp Storeでアプリがどこに表示されるのかを見ることができます。
- ゲームアプリは予約注文機能を活用するメリットが大きいです。 なぜならゲームアプリは注目度が高く、リリースされることを事前にユーザーに知らせることで、リリース前からゲームのファンを作り、ロイヤルユーザーを作ることができるからです。

App Store 予約注文のデメリット
- もしアプリにバグがあった場合、印象が悪くなり、アプリの評価やリテンションにも影響が出る可能性があります。
- 予約注文したユーザーはアプリの起動率が悪くなる場合があります。なぜならリリース前に事前予約してしまうので実際にリリースされた時にアプリの存在を忘れてしまっている場合があるからです。そうならないためにもリリースされたらすぐ利用してもらえるようにマーケティングで工夫する必要があります。
- 『Star Wars? Battlefront? Companion』アプリで起こったようなことは絶対避けるべきです。このアプリは非常に注目度が高くたくさんのユーザーが予約注文しましたが、実はアプリの中のほとんどのコンテンツは課金しないといけない仕組みになっていて大炎上してしまい開発元はリリース予定日を延期することになりました。
まとめ
開発者は自身のアプリが予約注文機能を使うべきかどうか検討してください。使う場合は、なるべく早くターゲットユーザーを選定しファンを増やしていくことが重要です。またASOを最大限活用しユーザートレンドや行動を注視することも重要です。
もし予約注文機能を使う場合、リリース前に適切なマーケティング活動をおこなった上でメリット、デメリットを洗い出し本当にやるべきかを決断してください。予約注文は必ずしも効果的ではないにせよ検討するには十分価値がある機能です。
この記事は、GUMMICUBE社のブログ"THE PROS & CONS OF APPLE PRE-ORDER: IS IT RIGHT FOR YOU?"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on GUMMICUBE in English under the permission from the author.