マーケティングにおけるSTP (セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)

2021.03.05

  • デジタルマーケティング全般
マーケティングにおけるSTP (セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)

今日、STP (セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)がマーケティングの戦略的アプローチとして普及しています。マーケターを対象に行われた調査では、SWOT / TOWsマトリクスに次ぐ人気を獲得しました。この記事では、マーケティングにおけるSTPの実践方法についてご紹介します。

STPの普及が始まったのは1950年代。当時は「製品の差別化」といった手法が一般的で、ユーザーよりも製品に重点を置いたマーケティン戦略が行われていました。STPモデルは計画の優先度を明確にするだけでなく、ターゲティングを行うこともできるため、ユーザーとのエンゲージメントを強化する際にも大きく貢献します。ユーザーに重点を置いたアプローチで、特性ごとに関連性の高いメッセージを届けることができるのです。

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以下の図は、STPでマーケティング戦略を立てる際のフローを示したものです。

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このようにビジネス面での有効性に焦点を当て、効率的に収益を得られるターゲット層の明確化とアプローチの手段を示してくれます。

セグメンテーションやターゲティング、ポジショニングをデジタルコミュニケーションに適用する

STPは戦略的なコミュニケーションを要するデジタルマーケティングにも関連しています。セグメンテーションと同様、各々にペルソナを設定してユーザーに関連性の高いメッセージを送れば、クオリティの高いデジタルコミュニケーションを実現可能にするでしょう。「Smart Insights」のDave Chaffey氏が作成した以下の図からは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングをデジタルマーケティングにどう適用すべきかが記されています。

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この図から、デジタルチャネルを利用することでターゲティングが可能になることがわかります。しかしそのためには、十分な予算を確保しなくてはなりません。

ターゲティングの例として、次のようなものが挙げられます。

  • 入力するキーワードから購入前のユーザーがどのような製品を求めているのかを理解する
  • ガーデニングやジムの会員サービス、ゴルフなど、Facebookでの関心に基づいたターゲティング
  • プロフィールやデジタルチャネルでの行動 (消費したコンテンツなど) に基づいた、電子メールやサイト上でのパーソナライゼーション

Webサイトやアプリのコンテンツを通したターゲティングをすることで、ブランドの魅力を高めることができるのがデジタルチャネルです。

STPの使い方

セグメンテーションを通して、特定のニーズを持ったユーザーごとにより的確で効率的なマーケティングを行うことができます。まずは、セグメントごとに必要な機能やメリットを強調するようなマーケティングメッセージを作成しましょう。

効率性が高ければ、次のどの変数に基づいたセグメンテーションを行っても構いません。

セグメンテーションの方法

1. デモグラフィック変数

年齢、性別、収入、学歴、民族性、結婚歴、家族、住居の大きさ、住居の種類職業など、人口統計学的属性のこと。

一例として、『Firefox』は「一番カッコいいもの」を販売することで若い男性ユーザーを獲得しました。対照的に『Moshi Monsters』は子どもとその親をターゲットとして、教育にも役立つ安全で楽しいサービスを提供しています。

2. サイコグラフィック変数

行動やライフスタイル、趣味、個性、リーターシップの取り方、見ている雑誌やテレビ番組などからわかる、具体的な行動に繋がるユーザーの「個性や感情」のこと。デモグラフィックは購入者が「誰」かを明確にするものですが、サイコグラフィックは顧客が「なぜ」購入するのかを明らかするものです。

サイコグラフィックを作成する方法を3つご紹介します。

  1. インタビュー
    ターゲットユーザーとなる人々に話を聞くことで、ユーザーの行動理由を理解できます。ただし実際に調査を行うことは難しい上、コストもかかるのです。また、サンプル数が少ないと、正確な情報が集められない場合もあります。

  2. アンケート
    インタビューよりも多く回答を集めることができますが、インタビューほど具体的な回答を得ることは難しいでしょう。

  3. ユーザーデータ
    どの商品が売り上げがいいかなど、手元にはすでになんらかのデータがあるはずです。日用品ブランドであればメンバーズカードからデータを収集できますし、ECサイトであれば購入履歴からデータを取得することができます。これらのデータから、ユーザーがどんなものに関心があるのか、どんなものを購入してくれそうかを検討しましょう。

割引を提供することで購入意欲を高められるか、どんな場合に自発的な購入が行われるのかなど、様々な視点から考えてみてください。

次の画像は、『Virgin Holidays』が休暇を軸に6つのグループに分けて作成したプランです。

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3.ライフスタイル

趣味、休日の過ごし方、エンターテイメントなど、仕事以外の時間を指します。

オンラインとオフラインで雑誌を発行している企業は、サッカーファン向けに発行している『FourFourTwo』のように、特定の趣味を軸にターゲティングを行っています。サッカーのように規模が大きくポジションを確立していれば、ターゲティングは困難ではありません。

しかし、一部では小規模市場を効率的にターゲティングして大きな成功を収めているビジネスもあります。災害や非常時に備える“プレッピング”のビジネスがいい例です。プレッピングはここ数年で、10億ドルもの市場に成長しました。今ではアメリカ人の370万人が、自身をプレッパー、もしくはサバイバリストであると答えています

4. 信条と価値観

宗教や政治、民族、文化に関する信条や価値観のことです。

イギリスにあるイスラム人向けの銀行では、イスラムの経典に則ったサービスを提供しています。 宗教的デモグラフィックの興味深い例として、モルモン教徒が他のグループよりもMLM(マルチレベルマーケティング)を好むことが挙げられます。デモグラフィックの調査を進めることで、新しいマーケティングのチャンスや新たな発見が得られるかもしれません。

あなたは新車を最も購入する可能性が高いのが55~64歳のグループだとご存知でしたか? しかし、このグループをターゲットにしたCMはあまり見かけません。つまり、こうした見逃しがちな場所にこそ、マーケティングのチャンスが眠っているのです!

5. ライフステージ

ライフステージとは年代により人々の生活を異なるステージに分類したものです。 『Saga holidays』は50歳以上の人々を対象としたシニアトラベルのサービスを展開しています。

6. 地理

国や地域、都市部か農村部か、人口密度、気候などを基準にセグメントします。 今ではイギリスにも進出していますが、アメリカ発祥の高級用品を販売する百貨店チェーン『Neiman Marcus』がいい例です。

7. 行動

ユーザーの購入フローの特徴やブランドへの忠誠心、使用レベル、求めているメリット、使用する流通チャネル、市場の各要素に対する反応などを指します。

B2Bではサービスを提供する速さが求められるため、事前のプランニングからラストミニッツまでをセグメントしなくてはなりません。ここでは早くて低価格な国際荷物の配送サービス『Parcelmonkey.co.uk』が成功例に挙げられます。

8. メリット

メリットとは、使用感や満足感を指しています。

文具メーカーの『Smythson Stationary』は競合他社と類似した製品展開をしていますが、ナイルブルーのボックスとネイビーのリボンが特徴的なパッケージ欲しさに同社の製品を選ぶユーザーも少なくありません。

市場のターゲティング

各セグメントの潜在的・商業的な魅力を評価するために必要なことをまとめました。

  • 基準のサイズ
    市場はセグメントが成り立つ十分な規模がなければなりません。

  • 差異
    セグメントごとに測定ができるよう、ある程度の違いがなければなりません。

  • 利益
    期待される利益はマーケティング計画やその他の変更でかかるコストを上回らなければなりません。

  • アクセス性
    各セグメントはメッセージを送受信できる環境でなくてはなりません。

  • 異なるメリット
    異なるセグメントには、異なるメリットが必要です。

製品のポジショニング

STPの最後のプロセスがポジショニングマップです。これをうまく作るには、市場概要を描く2つの変数が必要です。

ここでは、イギリスで購入可能な自動車を例に取り上げましょう。次の図は、詳細なポジショニングマップではなくイラストに近いものです。

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上記の図をさらに拡張してみましょう。 購入の決め手となる要素に従って競合を当てはめていけば、市場の全体像が見えてきます。

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市場における現在のポジションを分析し、チャンスを見つけ出す手段としてポジショニングマップを活用しているため、この図は自動車市場を正確に描いたものではありません。たとえば図の空白部分を見れば、低価格なファミリーカーの市場にチャンスがあるとわかります。

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これはあくまでも一例で、この空白が実際に存在するとは言い切れません。自動車市場は非常に競争が激しく、高度な発展をしているため、ここにあてはまる自動車が思い浮かぶことでしょう。市場を特定する手段の一つとして、ポジショニングマップを利用してください。

STPを実際に使っている企業は?

あなたの市場に測定可能で特筆すべきユーザーの差異がある場合、STPを使ってみましょう。異なるグループに異なるメッセージを発信したい時は非常に役立ちます。

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セグメンテーションを活用している企業として、イギリスの大手電気通信事業者「BTグループ」が挙げられます。BTは個人から法人まで、異なる顧客グループに対応するためSTPを採用しているのです。

最後に

STPは市場が十分に大きく、ユーザーとスムーズにコンタクトを取れる状態であることを必ず確認してから活用しましょう。

この記事は、SmartInsights社のブログThe Segmentation, Targeting and Positioning model"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on SmartInsights in English under the permission from the author.

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