アプリ内課金を増やすために重要な施策

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2020.06.01
アプリ内課金を増やすために重要な施策

目次

弊社Branchでは、現在のモバイル業界のエコシステムと、アプリユーザーの価値について度々お伝えしてきました。ブラックフライデーの時には商品購入のうち41%はモバイル端末を通じて行われますが、エンゲージメントをほんの少しでも持続させるのは至難の業です。

これには複合的な理由が存在します。そもそもアプリは多くの競合で飽和したマーケットで勝ち抜かなければならない上に、気まぐれなミレニアル世代を熱心なアプリ利用者にするのは厳しいからです。しかし、こうしたがっかりするような状況にもかかわらず、ますます世界に広がるモバイルに関わり続けるために、企業はアプリを作り、マーケティングし続けなければなりません。

アプリのコンバージョンとアプリを介した購入の増加

モバイルアプリ市場の成長によって一番恩恵を受けたのはEC企業でしょう。ユーザーはモバイル上のWebサイトより、アプリに多くの時間を割いています。それだけではなく、アプリではモバイル上のWebサイトに比べてコンテンツの閲覧数は286%、購入も23%多く、製品閲覧から、購入へのコンバージョン率は120%高いのです。EC企業のモバイルマーケターがアプリのダウンロード数を増やすために使える施策はあるものの、これまで何度も見てきたように、アプリのダウンロード数はアプリの成功を示す究極の指標ではありません。アプリはビジネスであり、ビジネスにおいて不可欠となるのは購入数や収入を増やすことです。この記事でご紹介するのはEC企業に向けたアドバイスですが、他の業界のアプリにも簡単に応用できます。

メモ:本記事でご紹介するアドバイスはmParticleと共催したアプリ内課金を増やすための7つの戦略というオンラインセミナーから引用しています。スライドを見るにはここをクリックしてください。

Webサイトに来たユーザーをアプリのユーザーにする

少し前まで、ほとんどのEC企業はWebでの存在感を示すことだけに注力してきました。モバイル端末を持つユーザーもお気に入りのデスクトップ上のWebサイトにモバイルから簡単にアクセスできたので、アプリはあとから「そういえばあったな」と思いつく程度の存在でした。しかし、今ではそのセオリーはもう通用しません。モバイルブラウザにおけるユーザー体験は最悪で、エンゲージメントにつながらないことが証明されています。モバイル上のWebサイトからアプリへの移行というトレンドの変化を読み切れなかった会社は、アプリ市場に遅れて参入することに不平を漏らし、かつてデスクトップのWebサイトの時代に持っていた市場の牽引力を取り戻せずにいます。

image00Webからアプリへ

しかし、恐れることはありません。もし、あなたがWeb上で確かな存在感を示しているのなら、アプリによる売り上げを伸ばす一番いい方法は、あなたがすでに確立したWeb経由のトラフィックを利用することです。現在ではほとんどの人がモバイル上で検索しているため、あなたのモバイル上のWebサイトにユーザーが来ている確率が高いのです。ユーザーにWebブラウザのような使い勝手の悪いプラットフォームで購入させる代わりに、彼らをアプリに誘導しましょう。ユーザーをWebサイトからアプリに誘導するのを助けるJourneysというツールではスマートバナーやモバイル上のWebサイトのポップアップなどを作成することができます。バナーやポップアップにディープリンクを貼ることで、ユーザーがWebサイトとアプリのそれぞれ対応するページを行き来出来るように設定できるのです。この施策により、Jetは1日あたりの平均ダウンロード数を3倍に増やしました。

複数のマーケティングチャネルを利用してエンゲージメントを増やす

モバイルマーケティングはそれ単独で完結するものではありません。競合を退け、成功を収めるためには最低でも様々なチャネルで上手くマーケティングを行う必要があります。例えば、広告など有料の施策、コンテンツのシェア、Eメールを利用したマーケティングなどです。

これらのチャネルにおける成功の観点は様々であり、予測期待値やROI(投資利益率)などが考えられるでしょう。しかし、これらのチャネルには共通点もあります。それはディープリンクによってより良いものにできるということです。

image01

ディープリンクはすべてのチャネルにおいて、コンバージョン率、購入、リテンション率といった重要な指標を2倍以上成長させ続けています。この記事ではアプリ内での購入に注力しているので、ディープリンクが会社の収益を劇的に改善するチャネルを見てみましょう。

メールマーケティングでディープリンクを活用する

考えられるマーケティングのチャネルの中で、メールによるマーケティングは最も発達しています。長年にわたって、EC企業は再びユーザーのエンゲージメントを高め、収益を増やすためにメールによるマーケティングに頼ってきました。最近では、ますます多くのユーザーがメールをモバイルで開くようになりました。(実に70%にのぼる事例もあります。)しかし、モバイルのメールではWebで想定されていた今までのユーザーフローが妨げられてしまうのです。そのため、このトレンドに気がついた発想力のあるマーケターはより多くのユーザーに理想的なアプリ体験を提供するために、メールマーケティングにディープリンクを活用するようになりました。例えば、『Bento』はこの戦略を使って、メールからの流入によるアプリのセッション数を65%以上増加させています

しかし、マーケターの視点からすると、Branchのディープリンクをメールに追加するのには時間がかかり、設計も困難でした。そのため、我々はメールのリンクを自動的にディープリンクに変更し、ユーザーをアプリ内の適切な場所に誘導することができるディープリンク付きEメールの機能を提供するために、複数のメールサービスプロバイダーとパートナー契約を結んだのです。

どうしてアプリ内の売り上げを増やせると確信できたと思いますか?この製品を開発するかたわら、複数のトップECブランドと協力してディープリンク付きのメールがどれだけの収入の増加をもたらすのか試算したのです。ディープリンク付きのメールを使うことでどのくらいのお金を生み出すことができるのかを見極めるやすくするために、コンバージョン率の改善、アプリユーザーの消費の増加、そしてそのほかの要素を考慮して、メールのリンクがディープリンクになることによる収益の資産システムを開発しました。Jackthreadsはディープリンク付きのメールを試した最初の会社の1つとして、メール1通あたり21%の収入の増加を示しました。

image02Branchの ディープリンク付きEメールによる収入の計算機

あなたがうまくいく方法を見つけるための実験

メールは現代のマーケターがアプリをプロモーションし、購入を増加させるのに利用できるチャネルの1つに過ぎません。以下のリストは、Eメール以外のマーケティングチャネルとそれぞれでディープリンクを利用することの利点です。複数のチャネルを試すことで、マーケターはどれが一番効果的かわかるでしょう。

アプリ内課金を促進するための更なる施策

2015年のQ4によると、54%のモバイル上の取引はアプリ内で行われています。対して46%はモバイル上のWebで行われています。モバイルは身近にあり続け、成長し続けます。これはアプリを成長させ、収入を増加させる戦略としては氷山の一角にしかすぎません。もし、アプリ内購入を増やす秘訣に興味があるなら、我々のオンラインセミナーにあるアプリ内購入を増加させるための7つの戦略を見てみてください。また、我々は業界の知見、絶対に読むべきブログ、そしてモバイル業界の統計が揃った2016モバイルグロースハンドブックもちょうどリリースしました。

この記事は、 branch上の記事 " The Top Strategies for Increasing In-App Purchases"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on branchin English under the permission from the author.

アプリ外課金を検討する(2021年11月 Repro追記)

ここまでアプリ内での課金を促進するための施策を中心に紹介しましたが、アプリ外での課金も促すことによる収益改善も見込めます。

2021年8月にAppleが「外部決済手段への誘導の容認」を発表したことで、VODや電子書籍を代表とする「リーダーアプリ」はアプリ内で外部決済への誘導が可能になります(2022年初頭予定)。従来、アプリ内課金では通常Appleに30%の手数料を支払う必要がありましたが、外部決済手段を活用することでこの手数料を大きく削減できる可能性があるのです。

アプリ外課金についての取材協力を得たSBペイメントサービス株式会社は、
・App Storeよりも決済手数料が安い。カード決済なら3%前後で導入可能
・PayPayなどの人気のある決済手段もまとめて導入可能
・国際的セキュリティ規格に準拠。App Storeと変わらず安心して決済可能
といったサービスを提供しており、手数料を抑えながら、様々な決済手段を安心して導入することが可能です。

アプリ外課金を検討する場合は、自前で開発するよりも決済代行会社への相談を検討してみても良いでしょう。

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