2020.06.05
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あるアプリのカテゴリーではユーザーの実に60%以上がプッシュ通知をオフにしている一方で、プッシュ通知をオフにしているユーザーは20%だけというカテゴリーもあります。スマホユーザーをどうやって維持し、関係を築いていくかという話に関して この2つには大きな違いがあります。
Kahunaが発表した最近のデータによると、プッシュ通知の許諾率はアプリのジャンルによって様々だといいます。例えば、ライドシェアリングアプリ(例:『Uber』や『Lyft』)はもっとも許諾率が高く、ソーシャルアプリ(例:『Facebook』や『Twitter』)は最も許諾率が低いです。
iOSアプリにおけるプッシュ通知の許諾率をジャンル別に比較したのが下の図になります。もし自社アプリの許諾率がこれより低いのであれば、挽回するためのロードマップとしても使って見てください。
上の図にAndroidアプリが含まれていないのは、Androidデバイスではユーザーにプッシュ通知の許可を取らないからです。(Androidではダウンロード時にプッシュ通知を許可しているので、ダウンロード時の許諾率は必然的に100%になります)ライドシェアリングアプリの許諾率は79%で39%であるソーシャルアプリの約2倍になっているのがわかります。
これはつまりライドシェアリングアプリの方がエンゲージメント率、利益、リテンション率が2倍になるチャンスがあるということです。許諾率が低いアプリはこれらの機会を逃しているということになります。ユーザーはプッシュ通知に対し無意識の先入観を持っています。ユーザーが欲しいと思う通知は自分と関係しており、的確なタイミングで送られてくる価値のあるプッシュ通知だけです。また、ユーザーはアプリのジャンルごとにどんなプッシュ通知を送ってくるのか根拠のない思い込みがあります。
その結果、アプリがその思い込みとのギャップを埋めることができるかどうかがプッシュ通知の許諾率に大きく関係するのです。(例えばユーザーはニュースアプリから送られてくるプッシュ通知は自分の興味のないニュースのお知らせばかりだと思っているかもしれません。そこで、プッシュ通知の許可を聞く際にきちんと通知内容やメリットを先に伝えられないとユーザーはきっと「許可しない」を押すでしょう。)
他のアプリに比べてユーザーからプッシュ通知を許可してもらいやすいアプリというのはあります。平均許諾率の高いライドシェアリングアプリや、飲食店アプリ(60%)、金融系アプリ(55%)などは元々のアプリの性質としてリアルタイム性に紐づいたプッシュ通知を送ることができます。
こういったアプリから送られてくるプッシュ通知はアプリの機能として重要な役割を果たしているということをユーザーは直感的に理解しています。例えば、呼んだタクシーの到着をプッシュ通知で知るのはとても重要ですし、タクシーが自分をピックアップする準備ができた時間を正確に知ることも然りです。
こうしたジャンルのアプリの場合ユーザーはわざわざ説明を受けなくてもプッシュ通知を受け取ることのメリットを理解できるので、ユーザーのプッシュ通知に対するポジティブな先入観が許諾率を高くしています。
『Uber』の場合プッシュ通知はアプリの機能に不可欠で、ユーザーがすぐに行動に移れるプッシュ通知を送っています。そのためユーザーはプッシュ通知の十分な説明がなくてもこの必要性を理解でき、これがライドシェアリングアプリにおけるプッシュ通知の許諾率の高さに貢献しています。
もしあなたがプッシュ通知の許諾率の低さに悩んでいるアプリのジャンルだとしたら、ユーザーの先入観を超えることができるでしょうか?そういったアプリは自社の宣伝に関する通知だけしか送らないという先入観があり、ユーザーがそこから価値を読み取ることは難しいです。しかしそんなアプリにも朗報があります。ユーザーの許諾率はオンボーディング戦略によって改善できるということが調査によってわかっています。以下でユーザーにプッシュ通知の許可を求める際のユーザー体験を向上させる2つのテクニックをご紹介します。これによって許諾率を劇的にUPさせることができるでしょう。
ユーザー体験は明確でわかりやすいスプラッシュ画面から始め、そのあと追加の画面を初回ユーザーに表示しましょう。このアプリにおける一等地を活用してアプリのメイン機能を紹介し、プッシュ通知を許可するメリットを示しましょう。
新規ユーザーがあなたのアプリの価値とプッシュ通知がもたらすユーザー体験のさらなるメリットを完全に理解できると、プッシュ通知の許諾率はずっと高まります。 例えば、『Crossfader』という DJアプリは初めてアプリを開いた人にコアとなる機能やプッシュ通知の役割について説明するインタラクティブなチュートリアルを取り入れ、このアプローチによって許諾率55%を達成させました。ニュース・メディアアプリの業界平均44%に比べるととても高いですね。
『Crossfader』は新規ユーザーに視覚的にも構造的にもアプリがどうなっているのか教えることで、ユーザーはプッシュ通知を通じてアプリともっとつながりを持ちたいという気持ちになります。そのオンボーディング戦略はこうです。まずコアの機能を説明し、ユーザーにアプリの使い方を理解させます。そしてプッシュ通知がアプリにどう価値を加えるのかをきちんと伝え、その後すぐにユーザーにプッシュ通知を許可するように求めるのです。こうしたプシュ通知の許可を聞くまでの戦略的な動線が業界平均よりも非常に高い許諾率につながっているのです。
プッシュ通知の許可をユーザーから得ることができるのは、一回限りです。なのでiOSの公式の許諾ダイアログにたどり着く前にスプラッシュ画面やアプリ内メッセージで事前に許可を聞いてください。最初にユーザーに聞く質問を変更しユーザーの興味を計測することによって、「その時」のチャンスをものにすることができます。
もしユーザーが「許可する」と事前ページで答えたら、公式の許諾ダイアログにすぐに誘導してください。もしユーザーが「許可しない」と答えたら、ユーザーがあなたのアプリにもっと親しみを持つまで待ち、再度尋ねてみましょう。『Cluster』はこの戦略を活用してソーシャルメディアのカテゴリー内で60%のプッシュ通知の許諾率を達成しました。このベストプラクティスを真似すればユーザー体験はより良いものになり、そのカテゴリーの平均よりもずっと高い許諾率にすることができるでしょう。
『Cluster』のプッシュ通知の許諾率は60%で、ユーザーテストを行った結果「Notify me」をタップした後のiOSユーザーは100%プッシュ通知を許可したとTechCrunchは伝えています。つまり、チュートリアル途中でプッシュ通知する内容を伝え、答え方を一般的な「許可しない/OK」ではなくより口語的な表現にしたことでプッシュ通知の許諾率が上がったということです。
プッシュ通知に対して戦略的なアプローチをとれば、プッシュ通知をユーザーがエンゲージメントするコミュニケーションチャネルに転換させることができます。ただし、プッシュ通知の許諾率を高めるためるためには慎重に許可を求めてください。そうすることでプッシュ通知の可能性を最大限に生かすことができます。
ユーザーがプッシュ通知を許可したら、プッシュ通知はユーザーとの非常にパーソナルなコミュニケーションチャネルであることを意識して下さい。もし細かくターゲットが絞られ、実際に価値を与えるようなパーソナライズされたプッシュ通知でなければ、ユーザーはあとになって通知をオフにしてしまったり、最悪アプリをアンインストールされてしまうケースもあります。
ユーザーのプッシュ通知に対する偏見は必ず越えられます。ライドシェアリングや飲食店アプリのような許諾率の高いカテゴリーだろうと、ニュース・メディアやソーシャルアプリのような許諾率の低いカテゴリーだろうと、必ずどこかに改善の余地があるはずです。親切で、わかりやすく、明確なオンボーディング戦略を考えることによって、ユーザー体験を最適化しプッシュ通知の許諾率を圧倒的に高めることができます。
ユーザーとモバイルの関係性をプッシュ通知で作り、育てることに注力すれば、最終的には輝かしいモバイルの未来で成功したアプリになれるでしょう。Kahunaでは実際にユーザーがどのようにプッシュ通知に反応しているのかのデータを出しているので参考にしてみてください。
この記事は、 Andrew Chen のブログ “New data shows up to 60% of users opt-out of push notifications (Guest Post) ” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Andrew Chen in English under the permission from the author.
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