2022.11.04
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メールマーケティングは、モバイルアプリのグロースにおける強力な手段のひとつです。メールマーケティングは効率が悪いといわれますが、統計や一部のブランドはそれを否定しています。メールマーケティングによる収益は年々確実に伸びているのです。
この記事はローンチメールの書き方におけるベストプラクティスや、有名ブランドの成功例など、アプリのお知らせメールに焦点を当てていきます。
まずはこちらの興味深いデータをご覧ください。
この記事は、App Radarのブログ “10 App Launch Email Examples and Why They Worked” を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on Revenue Wire in English under the permission from the company.
アプリのローンチメールは他のマーケティング戦略とともに、幅広いオーディエンスにアプリを届けるために必要な話題作りには欠かせない方法です。前述したように、昨年よりメールマーケティングにおける収益は伸びています。
Statistaによると、2027年における全世界のメールマーケティングの売上は179億ドルに達すると予想されています。この数字こそ、メールマーケティングが効果的であることを示す何よりの証拠です。
■2020年から2027年におけるメールマーケティングの売上高(単位:10億米ドル)
出典:Statista
もうひとつ重要なのは、ソフトウェアやWebアプリのプロダクトリリースメールの開封率が目覚ましいことです。下の表をご覧ください。
■業界別メールの開封率比較
もちろん、魅力的でコンバージョンしやすいアプリのリリースメールの作成に注力するのであれば、それがベストであることは間違いありません。HubSpot Blog Researchによると、メールマーケティングキャンペーンにおける最も効果的な戦略は以下の通りです。
さて、アプリのプロモーションにメールマーケティングを取り入れることに納得したところで、アプリのローンチメールについてより深く掘り下げてみましょう。
アプリのリリースメールは、新しくリリースされるアプリの話題作りだけが目的ではありません。一般的に、リリースメールはプロダクトに関する最新情報についてユーザーに興味を持ってもらえるように注力します。アプリリリースメールの代表的なものを紹介します。
アプリの成長戦略に応じて、アプリリリースに関連する特定のアクションを促進するためのメールを送信しましょう。一連のメールを作成し、今後のリリースについて顧客にお知らせすることが最も成功する方法のひとつです。
顧客は通常、スパムメールを好まないことを覚えておきましょう。メールマーケティングを実施するときは、一連のメールとメールの間に十分な時間を取ってから送るようにしてください。
成功に繋がるモバイルアプリのお知らせメールを作成するのは簡単なことではありません。アプリのブランディングガイドラインと、独創的でクリエイティブなものとのバランスを取らなければならないのです。成功したリリースメールを分析することで、コンバージョン率に関わる重要な要素を引き出すことができます。
グラフィックはコミュニケーションと期待感を生み出す最も重要な手段です。ユーザーの注意を引くためにも、告知メールは強力な視覚言語(視覚を通じて、言語のように伝達・表現を行なうもの。標識、手話、図記号など)を用いましょう。記事の後半でデザイン例を紹介します。
潜在顧客にブランドを意識してもらうために、ブランド独自のカラーやフォント、ロゴを使用しましょう。
ヘッダーはメールの開封率に関わる重要な要素です。短くキャッチーにしましょう。理想は50文字以内(日本語だと30文字)です。ブランドイメージにもよりますが、競合他社のメールと差をつけるために絵文字を利用できそうであれば、利用しましょう。
メールに相手の名前を入れたり、ジョークを入れたりするのもいいですが、最大の目的はユーザーとできる限り近い関係を築くことです。メールで親近感を与えられると友人からメールを受けているような感覚になるので、ユーザーから喜ばれます。パーソナライズされたメールが良い結果を導くことはいうまでもないでしょう。
A/Bテストはお知らせメールにおいて必須項目のひとつです。様々なCTAをローンチメールで試し、勝ち筋を見つけて一連のメールの中に取り入れましょう。
さて、ここまで習ってきたものを実践しましょう。ここでは成功したアプリローンチメール10例とその成功要因について、私たちが分析した結果をご紹介します。
「Grammarly」はAI技術に基づいたライティングツールとして広く知られており、様々な端末やOSで使用することができます。頻繁に新しいアプリをローンチしており、見事な方法でメールマーケティングを行っている成長著しい企業です。
■Grammarlyの新機能ローンチメール
画像で新機能を分かりやすく紹介しており、
本文でも新機能の内容や使い方を簡潔に説明している。
このリリースメールは情報を短く、効果的に紹介している素晴らしい例です。画像はアプリの新機能を明確に示しており、それをGrammaryのブランドイメージに合わせて紹介しています。それと同時に、本文は簡潔かつ具体的であり、読みやすいです。件名も「リッチテキストフォーマット登場!」など、興味をそそられます。
「Gemini Photos」はiOS端末のフォトライブラリーを整理するアプリです。機械学習を利用して写真をグループ化し、解像度や編集など、パラメータを考慮して類似した写真の中から最適な写真を特定します。
■Gemini Photosのアプリローンチメール
iOS対応端末ということでAppleの簡潔でシンプルなブランドボイスに従っており、
小見出しでアプリの役割を端的に表している。
このアプリはiOSの外部プロバイダーによって制作された公式アプリであるにも関わらず、メールはAppleのブランドボイスに沿ってミニマルで上品、かつ分かりやすいものになっています。冒頭の一文"Keep the photo mess at bay."(写真の乱雑さを抑えよう)で表現しているように、非常に明確にアプリの価値を示しています。
明確でシンプル、かつ誘導するような説得力のあるCTAです。必要なものを最小限の努力で見つけたいと思わない人はいないでしょう。ごちゃごちゃしているのが好きな人などいるのでしょうか。答えはノーです。Appleユーザーはシンプルでミニマル、かつワンタップで結果が出るものを求めています。
件名は「あなたのiPhone、写真に埋もれていませんか? 📲」。CTAと同じように、件名もユーザーを惹きつける重要な要素です。この件名にはふたつの要素が含まれています。携帯電話の絵文字に注目してください。件名も「なぜこのアプリが必要なのか」を示しており、ユーザーが開封する理由としては十分です。
「Venmo」は友人間で素早く、安全にお金の取引ができる個人間送金アプリです。お金を取引するアプリではありますが、全体的なデザインやブランディングは落ち着いており、親しみやすい雰囲気を作ることに重点を置いています。
■Venmoアプリのお知らせメール
ヘッダーのモーショングラフィックがメールの内容を端的に伝えており、
アイコンと文章をセットにすることで分かりやすい構成になっている。
まず、Venmoは新プロダクトの発売を紹介する素晴らしいモーショングラフィックスを採用しています。「Venmoカードが誕生しました!」と書かれたヘッダーにより一目で分かるカラフルなグラフィックがユーザーの注目を集めます。また、リリースメールの内容も分かりやすいです。従って、普段メールをあまり読みたがらないユーザーも、アイコンの配置や段落を入れることで要点を押さえることができます。
初めてのローンチではなく再ローンチという形ではありますが、WeTransferのアプリ「Collect」は写真や動画、音声やノートなどをひとつの場所にまとめ、コンテンツを作成することができます。
■Collectアプリのお知らせメールの例
イラストや色味、文体など、ブランドトーンが一貫しており、
登録者を褒めることで親しみを与えている。
ここではブランドトーンの一貫性に注目します。色や親しみやすいトーン、すべてが理想的です。そして「とてもいいセンスをしていますね」など、WeTransferのメールは登録者を褒めることが得意です。ちょっとした褒め言葉も非常に大切であることを十分理解しています。
では、パンチラインについてはどうでしょうか。「ひとつのアプリですべてを保存」。ユーザーにこれ以上他のアプリは必要ないと思わせるには十分でしょう。アプリをあれこれ検索してイライラすることもありません。
「ようこそCollectへ by WeTransfer」という件名は「毎月意外なクリエイティブストーリーをお届けします」という本題と相まって、このアプリにおけるストーリーテリングな側面を構築しています。
「CraftCellr(現在はOznrに改名)」はビール愛好家のためのアプリです。このオンライン・クラフト・ドリンク・マーケットプレイスでは、世界中のビール愛好家とブランドが直接繋がることができます。
■Oznrアプリローンチメール
スクリーンショットを用いてアプリの機能を分かりやすく紹介しており、
サービスの欠点を正直に伝えることでユーザーの信頼を獲得している。
このメールはパーソナライズがいかに重要かということを示す素晴らしい例です。加入した瞬間からこのコミュニティの一員であることを実感できます。CraftCellrチームはAndroid版のアプリがローンチされるまでユーザーが辛抱強く待っていてくれたことに感謝を述べています。
また、様々な機能をスクリーンショットを用いて紹介しています。メールの最後にも注目しましょう。ほとんどの企業は自分たちのアプリが完璧でないと認めるほど勇敢ではありません。しかし、CraftCellrは親しい友人のような文面を送ることで、顧客からのブランドに対する信頼を獲得しています。
アプリ「MasterClass: Learn New Skills」は登録者に有料で授業を提供するオンライン教育プラットフォームとして開発されました。Gordon RamseyやNeil Gaimanなど世界的に有名な人たちによる講義を受けることができます。
さて、なぜこのようなアプリ名がつけられたと思いますか。それは各業界で偉大な功績を残している達人たちが講義をしているからです。
■MasterClassアプリのリリースメール
真剣に学びたいユーザーの主体性を促すような文言や、
Webサービスと同じ色を採用しており、一貫性がある。
何より一貫性があります。達人たちは紹介文や提案など必要ないのです。「Get」「Discover」「Access」など、CTAがそれを反映しています。
そしてもちろん、メールは最初からこのようなトーンで書かれています。「MasterClassを探検しよう」。一流から学びたい、そんな真剣なプロフェッショナルのためのプラットフォームであることが伺えます。色はWebサイトで使用している色を反映しています。見ただけで本質が理解できないものは良くありません。
「Starbucks」は、世界的に有名なコーヒー企業です。このリリースメールでは、iOS対応のStarbucksアプリのアップデートを発表しています。
■Starbucksアプリのローンチメール
新機能に関するスクリーンショットとそれを補足するための文章を追記している。
透明性のあるヘッダーとCTAの他に、アプリの新機能を紹介し、顧客に利用してもらえるよう促しています。 アプリのスクリーンショットにより新機能の見た目が魅力的かつ分かりやすく伝わります。スクリーンショットに文章を追加することで、アップデートされたアプリを利用するメリットを補足しています。
「Skillpages」は、MasterClassと同じく、プラットフォームとしてスタートしました。世界中のスキルを持ったプロフェッショナルを探すことに特化しており、160カ国以上を対象としています。
■Skillpagesアプリのお知らせメール
デザインが良く、画像や文言も分かりやすく簡潔であり、
CTAの文言が単刀直入で、アプリの本質を表している。
厳密になることなく、要点をストレートに伝えています。メールデザインも心地良く、画像はアプリの意図を的確に反映しています。
CTAは実用的であり、アプリの本質を反映しています。「移動中に自分のスキルが採用される」というフレーズは、多忙なプロフェッショナルがアプリをダウンロードすべき理由を表しています。
件名は「新しいアプリをチェックして、あなたのスキルを見つけてもらいましょう」というものでした。単刀直入です。登録者は多忙なプロフェッショナルであるため、理由と方法を前もって知らせる必要があります。この件名はまさに的を得ています。明示的な表現をさけているため、メールを開封し確認する必要があるのです。
「Asana」は、チームがより協調的に、より効率的に作業できるよう支援するタスク管理ソフトウェアです。
■Asanaの機能ティザーメール
サービス利用者に対して新機能のメールを送信することで、ユーザー間の注目度を高めている。
このメールは、今後追加される新機能についてAsanaの契約者や顧客全員に知らせるために送られました。文言は非常に興味をそそると同時に、ある種の期待を抱かせるものになっています。 リリースメールではありませんが、Asanaはユーザーにビジュアルを用いて新機能についてのヒントを与えています。
このメールには、新機能のリリースに関連するCTAが表示されていません。しかし、ユーザーがアプリの使い方のヒントを得ることができるブログを参照しています。
紹介するまでもないでしょう。「Nike」はあらゆる意味で常にトレンドセッターであり、それ自体がひとつのケーススタディになり得るほどです。Nikeは、新しいアプリを発表する際、シンプルで美しく、ブランドのコアバリューと見事に一致したメールを送りました。
■Nikeアプリのローンチメール
言葉遊びを利用したCTA。文言もシンプルで無駄がない。
まずCTAから。「Tap into Nike.」素晴らしい言葉遊びですね。ケンブリッジ英英辞典によると、「Tap into something」は「良い結果をもたらすものを使いこなすこと」とあります。
そこでNikeは、このフレーズと、アプリを利用するためにはタップしてダウンロードする必要がある、というのにかけてみたのです。さらに一歩踏み込んで、「Just do it!」という有名なフレーズをあとからつけることもできたでしょう。ここからNikeのアプリに対する自信を感じることができます。 件名は「The Nike App: Direct Access to Our Best.」です。アプリの価値に焦点を当てる素晴らしい件名ですね。このアプリによって、ユーザーは最高のコンテンツと機能に直接アクセスできるようになります。
プロダクトのリリースメールは、単に素晴らしいデザインやCTAを考えるだけではありません。他にも様々なことを計画しなければならないのです。そのため、気の小さい人には向かないでしょう。
しかし、アプリのプロモーションにおいては強力な方法です。時間をかけてアプリリリースに関連するメールを計画的に作成しましょう。パーソナライズすることや、人々を惹きつけるようなメールにすることも忘れずに。
最後になりますが、常にA/Bテストを実施しましょう。オーディエンスをより深く理解し、その後のお知らせメールをより良いものにすることができます。
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