この連載は buznigaに掲載された" 50 User Engagement Strategies For Planning Memorable Mobile Experiences"を4つのパートにわけて紹介するものです。Part3 では20から35の戦略を紹介します。
Part1はこちら。Part2はこちら。
22.過去の経験の要因を踏まえる
過去の経験の要因というのは人が見た物をどのように形として捉えるかを示したプレグナンツの法則の一つです。経験の要因は、人が未知のものを見たときには過去に繰り返して見てきたものに当てはめて考えるということを示します。
すでに広く利用されていているものを1から作って全てのデザインをオリジナルのものにする必要はありません。そんなことは試す必要すらないのです。慣れ親しまれてきたフレームワークやアイコンを使うことで、ユーザーはボタンなどが何をするのかを感覚的に知ることができます。
以下の3つの「カートに入れる」ボタンのうち、eコマースアプリで一番コンバージョン率が高いのはどれだと思いますか?
正解は真ん中の「Add To Cart(カートに入れる)」です。オンラインショッピングサービスのパイオニアの一つであるAmazonが、ユーザーを「Add To Cart」という文言に対して良い反応を示すように効果的に「すり込んだ」のです。
23.データを分析する
アプリのユーザーに関するデータを集めるためにCrashlyticsやLocalyticsといった分析ツールを利用して、その先のUXに関する意思決定を推し進めましょう。
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24.定期的にアップデートをする
あなたがWebサイトでおこなっているように、アプリもパフォーマンスの水準を高く保ち、バグを減らし、新しいコンテンツとアップデートを既存ユーザーに提供するために定期的にアップデートしなければいけません。
25.AIを導入する
アプリにAIを導入することで、全ユーザーに向けたインターフェースでありながらUXをユーザーに固有なものにして、最適化することができます。AIを利用してユーザー行動やユーザーの好みの商品を予測して、戦略的におすすめを表示することができます。
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25.仮想現実(AR)を導入する
ARはその語感ほど未来的なものではありません。小売、健康産業、または不動産業などは顧客に視覚的な体験をしてもらうためにすでに簡単なARを利用しています。特にデバイスについているカメラ機能を利用するアプリにとって、ARはアプリをより価値のあるものにする強力な手段の一つです。
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26.位置情報を利用する
ユーザーは実店舗でのサービスとアプリでのサービスがシームレスに融合していることを期待しています。対象にしたいユーザーの位置情報を利用し、最適なタイミングで通知を送りましょう。
27.バイラルループを生み出す
私達は誰しもアプリを「大流行」させたいと思っています。しかし、流行するかはアプリにどんな機能が備わっているかではなくて、そのアプリにどのようなデザインの規範が浸透しているかによるのです。バイラルループを生み出す手順は以下の通りです。
- あなたが利用するメディアは何かを見極める
- バイラルに至るまでのファネルの各ステップを設計する
- ユーザーが「ハマるポイント」を見極める
- 新しくバイラルループに加わる人をどこからそのループに入れるか決定する
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28.機能を減らす
ほとんどの人はユーザーが15から25のアクションをできるようなアプリを作ろうとします。ユーザーが実行できるアクションを減らすことでUIがなめらかになるだけではなく、ユーザーがアプリを利用するなかで感じるいらいらを減らすこともできるのです。
29.全てをタスクにする
アプリにある全ての機能や文言は以下の鉄則に従ってデザインしましょう。
- ユーザーのタスクをどうやって達成するかを示す機能や文言
または、
「便利な」だけの情報を表示して時間を無駄にする余裕はないのです。グラフィックはユーザーのタスクを達成する役には立たちません!
30.パンくずリストを使う
決済や登録のプロセスを少しでも面倒に感じさせなくするためにパンくずリストを使いましょう。パンくずリストはユーザーが一連のプロセスの中でどこに位置しているのか、そしてそのプロセスを完了するまでに何ステップあるのかを示すことでユーザーが離脱するリスクを抑えることができるデザインのテクニックです。
31.機能を8:2に分けて考える
「80%のユーザーはアプリの機能のうち20%だけを利用する」まずアプリの機能のうち重要な20%は何なのかを見つけましょう。そして、次に(前の行程より難しいですが)、その20%の機能をできるだけ利用しやすくシームレスなものにしましょう。「設定」の中にあまり重要ではない機能を入れてしまうのもいいかもしれません。
32.画面数を減らす
ユーザーフローに含まれるどんな画面もユーザーが離脱する画面になりうるのです。ユーザーが表示している画面から遷移するためにタップさせる代わりにスライダーを使うというのがUXでの現在のトレンドになっています。これによりタスクを達成するために関連する項目を行ったり来たりすることができるのです。Uberが4つの車の種類の中から選ばせるのに、どのようにスライダーを利用しているのか見てみましょう。
33.すぐに必要にならない情報の入力は促さない
Eメールアドレス、DOB、クレジットカードの情報などの個人情報の入力はユーザーがアプリのことを信用してからにしましょう。どのタイミングでこれらの個人情報を尋ねるのがいいのかA/Bテストを行いましょう。ユーザーが何かしらのアクションを終えた直後かもしれませんし、2回目か3回目にアプリを起動した時かもしれません。
34.最適なプラットフォームを選ぶ
データの入力を必要とするアプリケーションにとってはモバイルのプラットフォームが最適ですが、統御システムが複雑なものはWebアプリケーションまたはデスクトップでアクセス出来るダッシュボードが向いています。
35.ユーザーのアクションに対してポジティブな反応を返す
ユーザーのリテンション率はアプリビジネスにおける重大な問題です。リテンション率を高めるのに最も効果的な方法のひとつは全てのユーザーがアプリを使い終わった時に満足するようにすることです。
アプリ全体を通して、ユーザーのアクションに対してポジティブな反応を返すようにアプリのUIをデザインしましょう。例えば、アニメーション、「完了」の文言、またはチェック欄などがそれに該当します。
この記事は、 buzinga上の記事 " 50 User Engagement Strategies For Planning Memorable Mobile Experiences"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on buzingain English under the permission from the author.