アプリの新規ユーザー数。すべてのアプリデベロッパーがその増大を望んでいます。アプリはユーザーに利用されてはじめて価値を持ち、収益を生み出すものだからです。一方、アプリサービスの流行の変化は非常に早く、一世を風靡したアプリが1年後には名前を聞かなくなるなんてこともしばしば。
そこでReproでは、「アプリのインストール行動についての実態調査」と題した調査を実施。アプリのインストールに関するユーザーの行動とその実態を明らかにしました。本記事では、特に「アプリストア内での検索」について興味深いデータを紹介します。
半数以上は3カ月に一度はアプリをインストールしている
「アプリのインストール行動についての実態調査」では、それぞれのユーザーがどの程度の頻度で新しいアプリをインストールしているのかを尋ねています。アプリがインストールされる機会がどれくらいあるのか、どのくらいのスピードでスマートフォン内のアプリに新陳代謝が起きているのかを明らかにするのが目的です。
■アプリをインストールする頻度
出典:「アプリのインストール行動についての実態調査」Repro株式会社
「不定期(必要になったとき)」という回答が多くなるのは当然のこととして、それ以外で最も多くの回答が集まったのは「1カ月に1回程度」で20.8%でした。さらに、50%以上は「3カ月に1回」以上の頻度でアプリをインストールしていることがわかっています。
また、このデータを年代別に見るとより深い示唆が得られます。それが下のグラフです。
■【年代別】アプリをインストールする頻度
出典:「アプリのインストール行動についての実態調査」Repro株式会社
グラフを見ると一目瞭然で、年齢が若くなるほどアプリをインストールする頻度が多くなっていくのです。デジタルネイティブ、スマホネイティブ世代のアプリへの感度の高さがうかがえる結果となっています。必要に応じてアプリをインストールするのではなく、面白そうなもの、流行っているものがあればとりあえずインストールしてみるという行動を取っているのかもしれません。
一方で50代以上のユーザーは、51%が「不定期(必要になったとき)」と答えています。アプリを常に生活と共にあるものとしてではなく、必要に応じて活用するツールと捉えていることがわかります。
インストールはアプリストア内でのアプリ名指名検索が大半
それでは、世の中の人々はアプリをどのようにインストールしているのでしょう。「アプリをインストールしようとしたときの行動として最も多いと思うもの」を回答してもらいました。結果が下のグラフです。
■アプリインストール時に最も多く取る行動
出典:「アプリのインストール行動についての実態調査」Repro株式会社
圧倒的に多かったのが「アプリストアでアプリ名を検索する」で60.4%。ほとんどの人がアプリストアにアクセスした時点でインストールするアプリを決めているということでしょう。続いたのは「アプリストアで関連キーワードを検索する」でしたが、15.9%でアプリ名指名検索の4分の1程度にすぎません。どれだけアプリ名の指名検索が起点になるインストールが多いのかがわかります。
なお、Web検索やQRコードからのインストールが最も多いと答えた人は、それぞれ12.7%、10.1%となっています。
指名検索後、他のアプリに浮気することは珍しくない
「アプリのインストール行動についての実態調査」では、指名検索後の行動についてさらに深掘りした設問を設けています。それは「アプリストアの検索結果からインストール予定だったアプリをインストールせずに、同じカテゴリの別のアプリをインストールしたことはありますか?」というもの。
例えば、「『LINEマンガ』をインストールしようと検索したが、『LINEマンガ』はインストールせずに、アプリストアの検索結果から『めちゃコミ』をインストールした」というようなケースです。結果は下のグラフのようになりました。
■指名検索後に当初の予定とは別のアプリをインストールした経験
出典:「アプリのインストール行動についての実態調査」Repro株式会社
「はい」と回答した人は実に46%にも上りました。「このアプリをインストールしよう」と決めていたにもかかわらず、指名検索後に別のアプリを選択するケースは少なくないのです。Apple Search Adsのようなアプリ内検索結果に対する広告出稿において、他社アプリ名をキーワードとして設定するのがセオリーになっています。この結果はその有効性を裏付けていると捉えることもできます。
では、ユーザーはどのような理由で、当初インストール予定だったアプリではなく、別のアプリをインストールすることになるのでしょうか。その理由も尋ねています。
■指名検索後に当初の予定とは別のアプリをインストールした理由
※複数回答可。割合は474名に対する各選択肢の回答比率。
出典:「アプリのインストール行動についての実態調査」Repro株式会社
それぞれ、50%、49.2%と他の回答に比べて明らかに多くの票が集まったのが「機能・サービス内容をより魅力的に感じたから」「評価が良かった/ダウンロード数が多かったから」というものでした。機能・サービスの詳細はアプリ詳細ページにアクセスしなければ確認できませんし、評価やダウンロード数もアプリ詳細ページでチェックする場合が多いはずです。
つまり、「インストールしたいアプリが決まっている」「そのために指名検索をした」あとにも、ユーザーは詳しい比較検討を行っているわけです。逆にいえば、詳しい比較検討をした結果として「インストールしたいアプリが決まっている」状況になったわけではないということ。
- 「テレビで紹介してたこのアプリをインストールしてみよう」
- 「あれ?検索したら似たようなアプリがたくさん出てきた」
- 「こっちのアプリのほうがいいみたい!こっちにしよう!」
というようなシーンが思い浮かびます。
アプリならではのユーザー行動・インサイトかもしれません。
最終判断の場となるアプリ詳細ページの改善は必須
今回の調査では、アプリストア外での認知やユーザーの意思決定が、アプリストア内でひっくり返る可能性が多分にあることが浮き彫りになりました。そして、意思決定を覆す起点となるのがアプリ詳細ページです。
Reproでは、定期的にアプリ集客に関する相談会を開催しているほか、ASO(アプリストア最適化)対策支援のソリューションも提供しています。アプリ詳細ページの最適化に改善の余地が残されているお客様が多いのが現状です。多くのアプリが伸びしろを十分に残しているにも関わらず、適切な施策を実施しきれていないのです。
アプリ詳細ページはアプリをインストールする際、ユーザーが必ずタッチするポイントです。自社のアプリの魅力をしっかりと伝えきれているかを確認してみてください。
■調査概要
- 調査名:アプリのインストール行動についての実態調査
- 調査期間:2024年1月26日~1月28日
- 調査方法:インターネットアンケート調査
- 調査対象:iPhoneを日常的に利用している方
- 有効回答者数:1,030名