2021.02.27
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最後にアプリにお金を払ったのはいつだったか覚えていますか?なぜこんなことを尋ねているかというと、アプリを事前に試してもいないのに0.99ドル払うことは当たり前のことだと皆が思っているからです。
あなたが最後にアプリにお金を払った時を思い出そうと苦戦していたとしても、それはあなただけではありません。ダウンロードにお金がかかるアプリはもはや時代遅れです。ユーザーはアプリを実際に使う前にお金を払いたくはありませんし、アプリ内のユーザー体験を損なうようなマネタイズの手法をとても嫌います。
ユーザーを満足させるのはどんどん難しくなってきています。しかし幸いなことに、”ありきたりの課金モデル”(後ほど解説します)以外にも収入源を作る課金モデルはたくさんあり、アプリ開発者はそれらの中から選ぶことができるのです。
この記事では、マネタイズに成功しているアプリが採用しているポピュラーな課金モデルを5つ紹介し、それぞれの課金モデルのメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。そのあとに、皆さんが「自分のアプリに最も適した課金モデルは5つのうちどれか?」を選ぶ際のヒントになる質問を6つします。
要約:無料ですが、使える機能が限られており、有料機能を使いたいのであれば課金する必要があります。フリーミアムモデルはメディア、ユーティリティ、ソーシャルなど様々なタイプのアプリで簡単に取り入れることができるので、課金モデルとしてどんどん人気が出てきています。有料で使える機能のトライラルを設けることは、無料ユーザーに有料機能を試してもらいアップグレードさせたいと思わせるのに非常に有効な方法です。
要約:無料ではコンテンツに制限があり、アプリを便利に使いたいのであれば課金する必要があります。この課金モデルでは、ユーザーは限定コンテンツにアクセスするために週次/月次/年次で一定の金額を払う必要があり、それが収益源となるのです。通常は、定期購入で支払う金額は都度購入で払う金額より安く設定します。ユーザーに長期間支払ってもらうインセンティブとするためです。
この課金モデルでは、新規ユーザーにアプリの価値を伝えるために最初は無料か割引のトライアル期間を設けるのが必須と言えます。
要約:スポンサーシップとは、ユーザーに限定コンテンツや割引を提供したいブランドのためにアプリ内に広告スペースを設ける課金モデルです。スポンサーシップは紹介している課金モデルの中でも新しく、実現が難しいマネタイズ手法です。しかしもっとも効果的なマネタイズ手法でもあります。
つまり、アプリ事業者はスポンサーからお金をもらうことができ、スポンサーは自社商品の新規顧客を獲得でき、アプリユーザーは関心のあるブランドの商品の割引などを受け取ることができます。
要約:ユーザーがアプリ内の商品を購入するかどうか選ぶことができる課金モデルです。アプリ内課金というと、アイテムに課金するゲームアプリか実際の商品を購入するECアプリを想起すると思います。しかしあなたのアプリが上記2つのジャンルではないからといって、この課金モデルを早々に諦めてしまってはいけません。どんなアプリにも追加機能、ツール、魅力的な特徴、深いコンテンツなどがあるはずです。アイデアが浮かびませんか?アプリのどの部分に課金するチャンスがあるかを考えるには、アプリのレビュー、ユーザーからのフィードバック、分析ツールなどを見るのがいいでしょう。
実例として、Snapchatは消えてしまったスナップをもう一度再生したいユーザーが一定数いること気づき、彼らに0.99ドル課金するというアイデアを得ました。
同様に、Tinderも「間違えて左(=興味なし)にスワイプしてしまった相手をもう一度見たい」という要望があることに気づき、0.99ドルでスワイプをやり直すことができる機能が有効かどうかテストしています。
要約:無料ですがアプリ内に広告があります。
広告を入れる前に
大規模な顧客基盤を構築し顧客データを集めることによって、あなたのアプリを使っているユーザーにアピールしたい広告主を募ることができます。
例:Growth Hack: How Pinterest Soared To A $3.8B Valuation Without Making A Cent
有料広告は1ユーザーあたりの利益率の高さよりもユーザー規模の大きさが重要です。
Monetize Prosによると、ほとんどのアプリ事業者は掲載している広告の1,000インプレッションあたり1.5ドルしか稼げていません。つまり、大規模な顧客基盤を持ち、よく使われるアプリにもっとも適しているのがこの課金モデルです。もしあなたのアプリがニッチで何千万人ものユーザーを獲得できない場合、ユーザー1人当たりの売上が高い別の課金モデルを選んだほうが無難でしょう。
例:How To NOT Annoy Users With Mobile App Advertising
アプリストアのほとんどのアプリが紹介した5つの課金モデルのどれかを採用していますが、実は課金する方法は他にいくつもありますし、アプリのエンゲージメントを高めて収益を得る方法に制限はありません。
例を挙げると、言語学習アプリのDuolingoはアプリのユーザーに翻訳の一部をクラウドソーシングし、それらをCNNやBuzzfeedといった多種の言語でサイトを持つ会社に売ることで収益を得ています。
不思議だと思いませんか?Tinderも数年前、カミソリブランドのGilletteにユーザーデータを売って収益を得ました。
Gilletteは、ヒゲを剃っている男性のほうが剃っていない男性よりも「右にスワイプされる ((Tinderでlikeされること))」ことを証明しました。App Flood社が公開しているiOS、Androidの40の課金モデルもチェックしてみてください。
あなたのアプリのキモとなる機能は他のビジネス、産業、他のアプリにとっても役に立つものでしょうか?その機能を自社のビジネスに組み込めば、より一層の効率化や顧客満足を達成できそうでしょうか?
もしできるのであれば、アプリを「ホワイトラベリング」 ((ホワイトラベリング…ある会社が製造している製品や技術を他の会社が自社名義で売ることができるようにすること。))しソースコードを売りましょう。この方法で、他のアプリ事業者もあなたのアプリの機能を購入し自社サービスで利用できます。
あなたのアプリの機能とユーザーに一番フィットする課金モデルを見つけるために、以下の6つの質問を問いかけてみてください。
1. ユーザーの最終的なゴールは何でしょうか?
それぞれの課金モデルはゴール達成にどんなインパクトを与えるでしょうか?
2.あなたのアプリが属しているジャンルは何でしょうか?
それぞれの課金モデルを採用した場合、ユーザー体験はどう損なわれるでしょうか?
3.あなたのアプリでユーザー体験が悪い/良い瞬間はありますか?
分析ツールを使うことで、ユーザーがアプリを利用している中で課金を促すのに最適な瞬間、ユーザーの不満を和らげる瞬間、あるいはユーザーの興味をうまく利用できる瞬間が見つかるかもしれません。
有料版へのアップグレードやアプリ内課金を促すタイミングはいつかを突き止めるためにユーザーの離脱ポイントを観測しましょう。離脱の原因が有料版アップグレードを促すコンテンツそのものによるものだと判明してしまう場合もあるかもしれません。例:6 Reasons Why Customers Are Leaving Your App
4.どんなタイプの広告がユーザーにとって役に立つものでしょうか?
守りに入った戦略の考察から頭を切り替えましょう。ユーザーがあまり気づかない形でこっそりと課金モデルを始めることはできないでしょうか。マネタイズについてこれまでと全く違う角度からアプローチし、ユーザーのニーズ、ゴール、願望について考えてみましょう。どうやったら課金モデルはユーザーに付加価値を与えることができるでしょうか。あなたのユーザーを楽しませ、ユーザーの目標達成を早めたり効率化の手助けをするのはどんな種類の広告、追加機能、スポンサーでしょうか。
5.競合はどんな課金モデルを取り入れていますか?
競合を分析し、彼らのマネタイズ手法でうまくいっている点や改善が必要な点を洗い出しましょう。
6.活用できる潜在パートナーはいませんか?
あなたのアプリのユーザー(データ)と親和性の高いブランドやアプリはありませんか?
自分のアプリに複数の課金モデルを取り入れることが可能そうであれば、黄金を作ってみてはどうでしょう。
上記で紹介したすべてのマネタイズ手法はそれぞれ独立しているわけではなく、組み合わせ可能です。今やアプリにとって、ユーザーに提供するコンテンツに合わせた課金モデルを取り入れるのは一般的になってきています。
例えばSnapchatはディスカバリー機能においてはスポンサーシップを、スナップの特殊フィルターやスナップのリプレイにはアプリ内課金を採用しています。結局のところ、あなたのアプリにとってベストな課金モデルはあなたのアプリジャンル、主要機能、そしてユーザー行動に適したものなのです。ベストな課金モデルを突き止め、稼げるアプリにしましょう!もし他に複数のマネタイズ手法を採用しているアプリを知っていたら教えてください!
この記事は、オーストラリアのbuzinga社のブログ”How To Choose The Right App Monetisation Model: 6 Key Questions”を、同サイトの了解を得て日本語に翻訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on buzinga in English under the permission from buzinga.
アプリの課金モデルを検討する際には、プラットフォーマーに支払う手数料について理解しておきましょう。
iOSアプリにおいては、現状、App Store経由でのアプリ内課金では通常、Appleに30%の手数料を支払う必要があります。アプリを制作したコストに加え、手数料を加味した価格でユーザーに提供しても、「全然ダウンロードされず、収益化されない」という事態になる可能性もあるかもしれません。
ただ、この手数料については、今後削減できる可能性があります。2021年8月にAppleが「外部決済手段への誘導の容認」を発表したことで、VODや電子書籍を代表とする「リーダーアプリ」はアプリ内で外部決済への誘導が可能になります(2022年初頭予定)。この外部決済を利用することにより、手数料を大きく削減できる可能性があるのです。
追記にあたって取材をしたSBペイメントサービス株式会社は、
・App Storeよりも決済手数料が安い。カード決済なら3%前後で導入可能
・PayPayなどの人気のある決済手段もまとめて導入可能
・国際的セキュリティ規格に準拠。App Storeと変わらず安心して決済可能
といったサービスを提供しており、手数料を抑えながら、様々な決済手段を安心して導入することが可能です。
アプリ外課金を検討する場合は、自前で開発するよりも決済代行会社への相談を検討してみても良いでしょう。
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