2021.02.17

どれが正解?アプリの課金モデルの選び方

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最後にアプリにお金を払ったのはいつだったか覚えていますか?なぜこんなことを尋ねているかというと、アプリを事前に試してもいないのに0.99ドル払うことは当たり前のことだと皆が思っているからです。

あなたが最後にアプリにお金を払った時を思い出そうと苦戦していたとしても、それはあなただけではありません。ダウンロードにお金がかかるアプリはもはや時代遅れです。ユーザーはアプリを実際に使う前にお金を払いたくはありませんし、アプリ内のユーザー体験を損なうようなマネタイズの手法をとても嫌います。

ユーザーを満足させるのはどんどん難しくなってきています。しかし幸いなことに、”ありきたりの課金モデル”(後ほど解説します)以外にも収入源を作る課金モデルはたくさんあり、アプリ開発者はそれらの中から選ぶことができるのです。

この記事では、マネタイズに成功しているアプリが採用しているポピュラーな課金モデルを5つ紹介し、それぞれの課金モデルのメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。そのあとに、皆さんが「自分のアプリに最も適した課金モデルは5つのうちどれか?」を選ぶ際のヒントになる質問を6つします。

1.フリーミアムモデル -LinkedIn, Spotify, Evernote

要約:無料ですが、使える機能が限られており、有料機能を使いたいのであれば課金する必要があります。フリーミアムモデルはメディア、ユーティリティ、ソーシャルなど様々なタイプのアプリで簡単に取り入れることができるので、課金モデルとしてどんどん人気が出てきています。有料で使える機能のトライラルを設けることは、無料ユーザーに有料機能を試してもらいアップグレードさせたいと思わせるのに非常に有効な方法です。

メリット

  • 有料版を購入前に試したユーザーは、試していないユーザーよりもアプリを長く使ってくれる可能性が高いです。あなたのアプリなしでは生活できないと思った時に、彼らは最終的に有料版にアップグレードしてくれるでしょう。
  • 顧客ライフサイクル ((顧客ライフサイクル… 顧客が「新たな選択肢の発見」から「必要性の確認」「製品の購入」「製品の利用」「同じ製品を使っている顧客との関わり合い」へと進むなかで育まれる、顧客とブランドとの関係))の適切なタイミングがくれば、アップセルする可能性のある大規模なユーザー基盤を構築することができます。

デメリット

  • 無料版で使える機能がほとんどないアプリであれば、ユーザーは離れてしまうでしょう。
  • 無料版で使える機能が豊富なアプリであれば、誰も有料版にアップグレードしないでしょう。

 

2.定期購入モデル -Whatsapp, Apple Music, Netflix

whatsapp

要約:無料ではコンテンツに制限があり、アプリを便利に使いたいのであれば課金する必要があります。この課金モデルでは、ユーザーは限定コンテンツにアクセスするために週次/月次/年次で一定の金額を払う必要があり、それが収益源となるのです。通常は、定期購入で支払う金額は都度購入で払う金額より安く設定します。ユーザーに長期間支払ってもらうインセンティブとするためです。

メリット

  • 安定した収益をもたらします。
  • ユーザーを留めておくために新鮮で質の高い情報を継続的に届ける必要があります。
  • アプリの熱心なユーザーができます。

デメリット

  • サービス提供系のアプリ以外に適用するのが難しい課金モデルです。
  • 無料でどれくらいのコンテンツを提供し、どのタイミングで課金するべきかの境界線を決めるのが難しい場合があります。
  • 定期購入はキャンセルが難しいというユーザー心理があるので、初回体験でユーザーにアプリの価値を伝える必要があります。

この課金モデルでは、新規ユーザーにアプリの価値を伝えるために最初は無料か割引のトライアル期間を設けるのが必須と言えます。

3.スポンサーシップ – Runkeeper, Menulog, Pinterest

要約:スポンサーシップとは、ユーザーに限定コンテンツや割引を提供したいブランドのためにアプリ内に広告スペースを設ける課金モデルです。スポンサーシップは紹介している課金モデルの中でも新しく、実現が難しいマネタイズ手法です。しかしもっとも効果的なマネタイズ手法でもあります。

メリット

  • 究極のWin-Win-Winのシナリオを描くことができます。

つまり、アプリ事業者はスポンサーからお金をもらうことができ、スポンサーは自社商品の新規顧客を獲得でき、アプリユーザーは関心のあるブランドの商品の割引などを受け取ることができます。

  • ユーザー体験をほとんど損ないません。
  • どんなアプリにも適用可能な課金モデルです。

デメリット

  • 比較的新しい課金モデルなので、他の課金モデルと比べて十分に検証されていません。
  • アプリがブランディングできており、なおかつスポンサーに「私たちのアプリを使っているユーザーは御社のビジネスに有益ですよ」と説得できるユーザーデータを持っていなければいけません。

4.アプリ内課金 – Candy Crush, Tinder, Snapchat

要約:ユーザーがアプリ内の商品を購入するかどうか選ぶことができる課金モデルです。アプリ内課金というと、アイテムに課金するゲームアプリか実際の商品を購入するECアプリを想起すると思います。しかしあなたのアプリが上記2つのジャンルではないからといって、この課金モデルを早々に諦めてしまってはいけません。どんなアプリにも追加機能、ツール、魅力的な特徴、深いコンテンツなどがあるはずです。アイデアが浮かびませんか?アプリのどの部分に課金するチャンスがあるかを考えるには、アプリのレビュー、ユーザーからのフィードバック分析ツールなどを見るのがいいでしょう。

実例として、snapchatは消えてしまったスナップをもう一度再生したいユーザーが一定数いること気づき、彼らに0.99ドル課金するというアイデアを得ました。

同様に、Tinderも「間違えて左(=興味なし)にスワイプしてしまった相手をもう一度見たい」という要望があることに気づき、0.99ドルでスワイプをやり直すことができる機能が有効かどうかテストしています。

メリット

  • 課金モデルを導入するリスクを最小限に抑えることができます。
  • ゲームやECといったジャンルのアプリと相性がいい課金モデルです。
  • アプリ内でしか使わない商品の購入はユーザーのエンゲージメントを高め、滞在時間を伸ばします。

デメリット

  • アプリ内課金で得た収益の30%はアプリストアに取られてしまいます。
  • 「アプリ内課金あり」と書かれているアプリは、そう書かれていないアプリよりもダウンロードされにくい傾向にあります。

5.アプリ内広告 – Facebook, Google, Youtube

要約:無料ですがアプリ内に広告があります。

メリット

  • あなたのアプリが画期的なものであればうまくいく課金モデルです。

広告を入れる前に

大規模な顧客基盤を構築し顧客データを集めることによって、あなたのアプリを使っているユーザーにアピールしたい広告主を募ることができます。

例:Growth Hack: How Pinterest Soared To A $3.8B Valuation Without Making A Cent

  • 広告が最小限かつ特定のターゲットに向けたものあればとても効果的な課金モデルです。

デメリット

  • ユーザー1人あたりの収益がかなり少ないです。

有料広告は1ユーザーあたりの利益率の高さよりもユーザー規模の大きさが重要です。

Monetize Prosによると、ほとんどのアプリ事業者は掲載している広告の1,000インプレッションあたり1.5ドルしか稼げていません。つまり、大規模な顧客基盤を持ち、よく使われるアプリにもっとも適しているのがこの課金モデルです。もしあなたのアプリがニッチで何千万人ものユーザーを獲得できない場合、ユーザー1人当たりの売上が高い別の課金モデルを選んだほうが無難でしょう。

  • 広告が鬱陶しく、ユーザー体験を損なっていると評価されてしまいます。

例:How To NOT Annoy Users With Mobile App Advertising

  • ユーザーの利便性向上を目的としたユーティリティアプリなど、アプリの種類によっては広告の表示が不自然に感じられてしまいます。

課金モデルからの脱却

duolingo

アプリストアのほとんどのアプリが紹介した5つの課金モデルのどれかを採用していますが、実は課金する方法は他にいくつもありますし、アプリのエンゲージメントを高めて収益を得る方法に制限はありません。

例を挙げると、言語学習アプリのDuolingoはアプリのユーザーに翻訳の一部をクラウドソーシングし、それらをCNNやBuzzfeedといった多種の言語でサイトを持つ会社に売ることで収益を得ています。

不思議だと思いませんか?Tinderも数年前、カミソリブランドのGilletteにユーザーデータを売って収益を得ました。

Gilletteは、ヒゲを剃っている男性のほうが剃っていない男性よりも「右にスワイプされる ((Tinderでlikeされること))」ことを証明しました。App Flood社が公開しているiOS、Androidの40の課金モデルもチェックしてみてください。

ホワイトラベリングする

あなたのアプリのキモとなる機能は他のビジネス、産業、他のアプリにとっても役に立つものでしょうか?その機能を自社のビジネスに組み込めば、より一層の効率化や顧客満足を達成できそうでしょうか?

もしできるのであれば、アプリを「ホワイトラベリング」 ((ホワイトラベリング…ある会社が製造している製品や技術を他の会社が自社名義で売ることができるようにすること。))しソースコードを売りましょう。この方法で、他のアプリ事業者もあなたのアプリの機能を購入し自社サービスで利用できます。

どの課金モデルがふさわしいか考えるための6つの質問

monetize

あなたのアプリの機能とユーザーに一番フィットする課金モデルを見つけるために、以下の6つの質問を問いかけてみてください。

1. ユーザーの最終的なゴールは何でしょうか?

それぞれの課金モデルはゴール達成にどんなインパクトを与えるでしょうか?

  1. あなたのアプリが属しているジャンルは何でしょうか? 

それぞれの課金モデルを採用した場合、ユーザー体験はどう損なわれるでしょうか?

  1. あなたのアプリでユーザー体験が悪い/良い瞬間はありますか?

分析ツールを使うことで、ユーザーがアプリを利用している中で課金を促すのに最適な瞬間、ユーザーの不満を和らげる瞬間、あるいはユーザーの興味をうまく利用できる瞬間が見つかるかもしれません。

有料版へのアップグレードやアプリ内課金を促すタイミングはいつかを突き止めるためにユーザーの離脱ポイントを観測しましょう。離脱の原因が有料版アップグレードを促すコンテンツそのものによるものだと判明してしまう場合もあるかもしれません。例:6 Reasons Why Customers Are Leaving Your App

  1. どんなタイプの広告がユーザーにとって役に立つものでしょうか?

守りに入った戦略の考察から頭を切り替えましょう。ユーザーがあまり気づかない形でこっそりと課金モデルを始めることはできないでしょうか。マネタイズについてこれまでと全く違う角度からアプローチし、ユーザーのニーズ、ゴール、願望について考えてみましょう。どうやったら課金モデルはユーザーに付加価値を与えることができるでしょうか。あなたのユーザーを楽しませ、ユーザーの目標達成を早めたり効率化の手助けをするのはどんな種類の広告、追加機能、スポンサーでしょうか。

  1. 競合はどんな課金モデルを取り入れていますか?

競合を分析し、彼らのマネタイズ手法でうまくいっている点や改善が必要な点を洗い出しましょう。

  1. 活用できる潜在パートナーはいませんか?

あなたのアプリのユーザー(データ)と親和性の高いブランドやアプリはありませんか?

複数の課金モデルを組み合わせるヒント

自分のアプリに複数の課金モデルを取り入れることが可能そうであれば、黄金を作ってみてはどうでしょう。

上記で紹介したすべてのマネタイズ手法はそれぞれ独立しているわけではなく、組み合わせ可能です。今やアプリにとって、ユーザーに提供するコンテンツに合わせた課金モデルを取り入れるのは一般的になってきています。

例えばSnapchatはディスカバリー機能においてはスポンサーシップを、スナップの特殊フィルターやスナップのリプレイにはアプリ内課金を採用しています。結局のところ、あなたのアプリにとってベストな課金モデルはあなたのアプリジャンル、主要機能、そしてユーザー行動に適したものなのです。ベストな課金モデルを突き止め、稼げるアプリにしましょう!もし他に複数のマネタイズ手法を採用しているアプリを知っていたら教えてください!

この記事は、オーストラリアのbuzinga社のブログ”How To Choose The Right App Monetisation Model: 6 Key Questions”を、同サイトの了解を得て日本語に翻訳し掲載するものです。 Repro published the Japanese translation of this original article on buzinga in English under the permission from buzinga.

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