ECサイトの運用者にとって、ユーザーの行動やニーズを深く理解することはサービス改善やマーケティング戦略を考えるうえで重要なことです。本記事では、1,030名を対象に行った「ECサイトについての利用実態調査 2024」の結果を基に、ユーザーがどのように商品を購入し、ECサイトにどのような機能や価値を期待しているのかを解説します。
※本記事の内容は、Repro株式会社が作成した「ECサイトについての利用実態調査 2024」の内容を抜粋したものです。すべての調査結果を確認したい人は下記のリンクからダウンロードしてください。
ユーザーが購買時に重視するのは「価格」と「送料・配送オプション」
次のグラフは、ECサイトで商品を購入する際に、「価格」「レビュー・評価」「キャンペーン・セール情報」「送料・配送オプション」「ECサイトのデザイン・レイアウト」「ECサイトの使いやすさ」のそれぞれの要素を、ユーザーがどの程度重要視しているかがわかるものです。
「重要視する(「大きく重要視する」「重要視する」「やや重要視する」の合算)」という回答の割合は「価格」で98.1%と最も多く、「送料・配送オプション」「レビュー・評価」「キャンペーン・セール情報」「ECサイトの使いやすさ」でも8割以上という結果でした。一方で、「ECサイトのデザイン・レイアウト」は「重視しない(「ほとんど重要視しない」「まったく重要視しない」)」が約半数を占めています。
■ECサイトで商品を購入する際に重視すること
※出典:「ECサイトについての利用実態調査 2024」Repro株式会社
8割以上は「同じ商品をほかのサイトで比較する」と回答
商品を購入する際に同じ商品をほかのサイトで比較するかという質問には、84.8%が「はい」と回答しました。多くのユーザーが複数のサイトで商品を比較し、購入先を慎重に選んでいることがわかります。この結果は、数あるECサイトの中でユーザーに選ばれるためには、競合サイトとの差別化がいかに重要であるかを示しています。
■商品を購入する際、同じ商品を他サイトで比較するか
※出典:「ECサイトについての利用実態調査 2024」Repro株式会社
ECサイトを利用する決め手となるのは「商品ラインナップ」「価格」「送料」の3点
最も利用しているECサイトについて、そのECサイトを使う理由を複数回答で質問したところ、「商品ラインナップ」「価格が安い」「送料無料」がTOP3を占めました。これらの条件を満たすことで、多くのユーザーがリピートして利用する可能性を高められるといえます。
■最も利用頻度の高いECサイトを利用する理由(複数回答)
※出典:「ECサイトについての利用実態調査 2024」Repro株式会社
また、最も利用しているECサイトは「Amazon」や「楽天市場」などの総合ショッピングサイトかを尋ねると、88.6%が「はい」と回答しました。商品が豊富で充実した機能・利便性を備えた総合ショッピングサイトは多くのユーザーにとって信頼される選択肢となっていることがわかります。
■最も利用するECサイトは総合ショッピングサイトか
※出典:「ECサイトについての利用実態調査 2024」Repro株式会社
ECサイトに求める機能は「リアルタイムでわかる在庫状況」と「返品交換プロセスの簡便さ」
ECサイトで便利だと感じた、またはあると嬉しいと感じる機能について尋ねると次のような結果が得られました。「とても便利/嬉しいと感じる」「やや便利/嬉しいと感じる」割合を合わせると、最も多かったのは「リアルタイム在庫状況(60%)」でした。次いで「返品・交換プロセスの簡便さ(56.6%)」「セールのプッシュ通知(44.9%)」が続いています。
ユーザーがECサイトで商品を購入する際に重視することとして、価格や送料、配送オプションに加えて、「サイトの使いやすさ」が挙げられています。「リアルタイム在庫機能」や「簡便な返品交換プロセス」「セールのプッシュ通知」はユーザーの「使いやすさ」への期待に応えるものであり、ECサイトの競争力を高める重要なポイントといえるでしょう。
■ECサービスで便利だと感じた・あると嬉しいと感じる機能
※出典:「ECサイトについての利用実態調査 2024」Repro株式会社
ECサイトを継続して利用してもらうためには
今回の調査で、ユーザーがECサイトに求める要素として「価格」や「送料」といった基本的な条件のほかに、「リアルタイム在庫機能」や「簡便な返品交換プロセス」「セールやキャンペーンなどのプッシュ通知」などの、ECサイトの利便性を向上させる機能が求められていることが明らかになりました。
例えば、「リアルタイム在庫機能」は、購入タイミングを逃したくないユーザーにとって重要な機能であり、「返品交換プロセスの簡便さ」は、購入後のトラブルを避けたいユーザーに安心感を提供します。また、「セールなどのプッシュ通知」は、ユーザーの購買意欲を引き出す効果が期待できます。
こうした結果を踏まえ、ユーザーのニーズを的確に理解し、それに応じたサイト設計や機能改善を進めることが、ECサイトへの信頼感や満足感を高め、継続的な利用に繋がるカギとなるでしょう。
■調査概要
- 調査名:ECサイトについての利用実態調査
- 調査期間:2024年1月26日~1月28日
- 調査方法:インターネットアンケート調査
- 調査対象:ECサイトを利用したことがある方
- 回答者数: 回答総数:1,030名(男性=526名/女性=504名)