2025年5月23日から5月29日(日本時間)までに起きた、アプリマーケティングに関する世界のニュースをピックアップして紹介します。11日後に迫ったWWDC25の発表内容について事前情報が漏れ始めたほか、Nianticゲーム事業の買収完了、RevenueCatの資金調達といったビジネスニュースも飛び交いました。急成長を遂げた韓国ECアプリの戦略やユニークなマッチングアプリのローンチについてもお伝えします。
※本記事での日時の記載は、特別な記載がない限りすべて現地時間です。
WWDC25の事前情報&予測が進む
2025年5月27日に「Bloomberg」が、WWDC25でAppleが新しいゲーム特化アプリを発表する予定であると報じました。App Store以外から入手したタイトルもプレイできるようです。さらに同日には、「Digital Trends」がAppleがゲーム開発スタジオであるRAC7を買収したと報道。Appleのゲーム事業への注目度が急速に高まっています。
加えて5月28日にはBloombergが、iOSの名称刷新について言及。従来のバージョン方式ではなく、西暦方式に変更されるといいます。つまり、次期iOSの名称は「iOS 19」ではなく「iOS 26」となるということです。なお、名称刷新は関係者情報であり公式発表ではありません。macOS、watchOSを含めたOSのリニューアルとあわせてWWDC25で正式に発表される見込みです。
※画像引用:WWDC25
CJ ONSTYLEがコンテンツパワーでアプリ滞在時間を前年比110%増
2025年5月29日、韓国のCJグループが「CJ ONSTYLE」の急成長について発表しました。アプリ滞在時間は前年同期比で110%増加。実に2倍以上の伸びです。有名人の名前を関したライブコマース・ショート動画を経由したCVRは前年同期比で164%も増加しています。また、25~34歳のアプリユーザー数も前年同期比で約1.5倍に達しました。
この成功の背景にあるのは映像コンテンツの力。有名人の名前を関したライブコマース・ショート動画はファンダムを基盤とした「発見型のコマース」を具現化する存在となっています。なおCJ ONSTYLEは、2024年4月にアプリのホーム画面が動画中心に全面リニューアルされ、「動画ショッピングプラットフォーム」へと変貌しています。大躍進はここから始まりました。
※画像引用:커머스 판 바꾼 콘텐츠의 힘” CJ온스타일, 모바일 앱 체류 시간 110% ‘껑충
「5つの単語」だけのマッチングアプリLoveJackが登場
2025年5月29日、「TechCrunch」が「5つの単語」だけを駆使してマッチングをする新感覚のマッチングアプリ「LoveJack」の登場を報じました。ユーザーはプロフィールの代わりに、毎日更新できる5つの単語を登録。その5単語からイメージを膨らませてマッチング相手を選び、選ばれる仕組みです。6月に正式公開予定となっています。
マッチングアプリ市場での競争は熾烈を極めています。5単語というユニークな制約がどのようなニーズを掘り出すのか注目してみてもいいでしょう。「BeReal.」のように不自由さがグロースの原動力になる例もあるのです。
Spotifyがポッドキャスト専用の新機能を発表
2025年5月28日、「Spotify」がポッドキャスト向けの新機能を多数公開。ポッドキャスト検索へのアクセスが楽になったほか、フォロー中のフィードのみを表示するスペースが用意され、お気に入りのポッドキャストを簡単に見つけられるようになりました。
さらに数週間後には「In this episode」と呼ばれる機能をリリース予定。ユーザーは、ポッドキャスト内で言及された他のコンテンツ(他のポッドキャストや楽曲、オーディオブック、プレイリストなど)にワンタップでアクセスできるようになります。直近、Spotifyのポッドキャスト重視の姿勢が明確化しています。日本国内でもポッドキャスト人気が加速するかもしれません。
■再設計されたSpotifyのポッドキャストUI
※画像引用:All the Ways It’s Even Easier To Discover Your Next Favorite Podcast on Spotify
RevenueCatがシリーズCで5,000万ドル調達
2025年5月22日、コンシューマーアプリ収益化プラットフォームのRevenueCatがシリーズCで5,000万ドルの資金調達を実施したことを発表しました。この調達は「RevenueCat Part 2」と呼ばれる、「サブスクリプション、アプリ内課金を管理するためのシンプルなAPI」から、RevenueCatをより高度なものへと移行させるプロセスの一環として行われたものです。
「脱Apple税」というパラダイムシフト、AI活用によるアプリリースの増加など、サブスクリプション、アプリ内課金はビジネスチャンスが大量に存在する領域。今回調達された資金は、これらに対応するプロダクト開発、新サービスのローンチ等に投資されると見られています。
※画像引用:RevenueCat Part 2
ScopelyがNianticのゲーム事業を35億ドルで買収完了
2025年5月29日、ScopelyがNianticのゲーム事業の買収完了を発表しました。この買収により、「Pokemon GO」「Pikmin Bloom」「モンスターハンターNow」、さらにはコミュニティ構築支援の「Campfire」「Wayfarer」がScopelyのポートフォリオに加わることになります。