EUでもAppleガイドライン更新・中国618商戦の詳細レポート- 今週の海外アプリニュース（2025/06/27号）

2025年6月27日最新の海外アプリマーケティングニュース。今週は、EUでAppleのアプリ外課金規制が緩和されたり、iOS 26の開発者β2が公開されたりと、欧米ではApple関連のトピックが話題になりました。一方、アジアでは中国 618商戦のインサイトレポートが公開。ECアプリの次のトレンドを示唆するものとして世界中のアプリ事業者から注目されています。
※本記事での日時の記載は、特別な断りがない限りすべて現地時間です。

App Storeガイドラインが改定 EUでもアプリ外課金誘導が解禁、手数料も改定 - Apple

2025年6月26日、AppleがEU内におけるApp Storeの利用規約を大きく変更しました。DMA（デジタル市場法）に基づいた、EUの規制当局からの是正命令に対応するための措置です。6月26日を過ぎると多額の罰金が科せられる恐れがありました。

規約変更の大きなポイントはふたつ。ひとつはアプリ外課金についてです。デベロッパーは、App Store外の決済手段に誘導するためのリンクをより自由に設置できるようになりました。もう一点は手数料体系です。従来の「 Core Technology Fee（CTF）」という仕組みは廃止される方針になっており、「初期獲得手数料」とアプリによって異なる「ストアサービス手数料」「コアテクノロジーコミッション（CTC）」で構成される、より多層的な手数料構造になります。

5月1日にはアメリカでも同様の文脈でガイドライン改定が行われました。そして日本でも、12月18日施行の「スマホ新法（スマホソフトウェア競争促進法）」によって、アプリ外課金誘導や手数料等の規定に見直しが入る見込みです。“脱アップル税”の流れは急速に進展しています。

【写真】AppleとEUのイメージ ※画像クレジット：gguy - stock.adobe.com

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Liquid GlassへのクレームはiOS 26 開発者β2で一部解消 - Apple

WWDC25での発表で大きな話題となったiOS 26の新UI「Liquid Glass」。見た目の美しさとは裏腹に、海外メディアでは各種利用シーンでの視認性の悪さが取り沙汰されていました。特に批判的な声が大きかったのがコントロールセンターとプッシュ通知の視認性です。

2025年6月23日公開のiOS 26 開発者β2では、この問題が改善に向かっています。特にコントロールセンターの視認性は、背景のぼかし強度を強めることでかなり向上しました。ただし、プッシュ通知については課題が残る状況。背景画像の明度が高い場合、相変わらず文字の可読性は低いままです。今後、調整が繰り返されると考えられるので、プッシュ通知の活用頻度が高いアプリマーケターは注目しておいたほうがよいでしょう。

■iOS 26 開発者β1とβ2のコントロールセンターの比較
【図】iOS 26 開発者β1とβ2のコントロールセンターの比較画像引用：Apple Hub

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中国 618商戦のトレンドはショート動画・ライブ配信 - QuestMobile

2025年6月25日、QuestMobileが今年の618商戦（中国で毎年6月18日を中心に行われる大規模ECセール）に関する調査レポートを公開しました。今年も非常に多くのユーザーがこのセールを活用しており、各ECアプリの新規ユーザーは急増。618商戦自体がプロモーションに大きく寄与していることがわかっています。

2025年の618商戦におけるマーケティングトレンドは大きく「ショート動画」「ライブ配信」のふたつ。2023年から2024年、「Temu」が世界中を席捲したことからわかるように、中国ECアプリのトレンドは世界中に波及する可能性を秘めています。先んじてトレンドをチェックしておいたほうがよいでしょう。

ショート動画はトラフィック獲得に顕著な貢献を見せました。総合ECプラットフォームはショート動画やSNSでの広告を集客の中心に据えているといいます。さらにドラマコンテンツを積極的に活用して各ブランドの露出を強化していました。

【図】QuestMobile 2025年 618商戦インサイトレポート ※画像引用：QuestMobile 2025年618洞察报告：年轻人、老人关注度增长明显，品牌官方直播崛起，各平台AI深度应用首次模拟考

日本ではまだ大きな勢力とはなっていませんが、ライブコマースの傾向に大きな変化があったのも今年の618商戦の特徴です。ライブ配信の主体がブランド公式にシフトし始めているのです。特に美容・スキンケア領域では、ライブコマース売上の半分はブランド公式のものでした。そのほか、食料品、アパレル領域でも、公式ライブ配信がトラフィック獲得だけでなく、エンゲージメントの向上に大きく寄与したとされています。