アプリ内メッセージでリテンションを向上させる方法

Repro Journal編集部
Repro Journal編集部
2020.12.14
アプリ内メッセージでリテンションを向上させる方法

目次

プッシュ通知が広く知られるようになった中、アプリ内メッセージについて深く理解している人はまだまだ少ないのではないでしょうか?しかし、アプリ内メッセージは、ユーザーがアプリから離脱してしまうかどうかを決定する重要な要素の1つなのです。本記事ではアプリマーケティングにおける、アプリ内メッセージの重要性をご紹介します。

アプリ内メッセージを送信しているアプリはそうでないアプリに比べて、2ヵ月目のリテンションを75%増加させる

Localyticsのデータによると、アプリ内メッセージを活用することで、より強固なエンゲージメントを確立できることがわかっています。アプリ内メッセージを送信しているアプリは、そうでないアプリよりも、3ヵ月平均でリテンション率が40%も増加するのです。また、アプリを使用し始めてから2ヵ月目には、アプリ内メッセージを送っていないアプリよりもリテンション率が約75%高くなることがわかっています。

エンタメ、SNS、写真アプリで最も効果が表れる

アプリ内メッセージの効果が高いジャンルを分析してみてたところ、エンターテインメント、ソーシャルネットワーク、写真といったカテゴリのアプリには特に効果が高く、アプリに3ヵ月以上留まってくれるユーザーが、それぞれ71%、69%、67%増加していることがわかりました。

エンターテインメントアプリではユーザーに最新のコンテンツを次々と届けることが非常に大切です。アプリ内メッセージは最新情報を途切れることなく提供できるのでエンターテインメントアプリでは高い効果を示しています。

ユーザーに最新のコンテンツを次々と提供したいようなアプリでアプリ内メッセージは高い効果を示しているのです。

写真アプリではアプリ内メッセージにどのような効果があったかは明確ではありませんが、ソーシャルネットワークアプリにおいて、アプリ内メッセージそのものがソーシャルエンゲージメントの基盤を成しているためと言えるでしょう。

アプリの価値を披露する

リテンション率を高めるために、オンボーディングを初回起動時にユーザーにアプリの使い方を効率的に学んでもらいましょう。これはアプリへの第一印象を形成するステップです。ユーザーがアプリの機能を知り、アプリのメリットを理解することで、長期的に関心を持ってもらうことが出来るでしょう。また、アプリ内メッセージを、ユーザーのアプリ内での行動に沿って瞬時に届けることで、ユーザーが今必要としているアクションへと誘導することができるのです。

アプリ内メッセージを利用しているアプリと利用していないアプリを比較してみましょう。オンボーディングでアプリ内メッセージを実装したアプリは、初回起動時から数えて1ヵ月目、2ヵ月目、3ヵ月目において、それぞれ49%、88%、32%もリテンションが改善しています。

オンボーディングを全く利用しないアプリでは、1ヶ月にアプリを利用し続けているユーザーは39%、2ヵ月目には26%、3ヵ月目には22%まで落ち込みました。オンボーディングを実装したアプリではユーザーの60%近くがアプリを利用し続け、その後も48%、29%とリテンション率を維持したのです。

アプリ内メッセージでエンゲージメントが高まる理由

アプリ内メッセージにはあるが、プッシュ通知にはない特徴の1つに、カスタマイズが出来るということが挙げられます。アプリ内メッセージは、次の4種類に分類できます:



  1. 画面中央型:余計なものを省いて、ユーザーに情報を伝えることが出来る
  2. 全画面・侵入型:ユーザーの美的感覚に訴えかける
  3. 画面下部のバナー型:さりげないコミュニケーションが可能
  4. 画面上部のバナー型:プッシュ通知のような感覚を与える

どのメッセージも、異なる効果がありますが、エンゲージメント(メッセージの送信から7日以内のユーザーのセッション数)とCV(メッセージを受け取ってから7日以内に、アプリ事業者の求める特定の行動をしたユーザー数)を改善したい場合は、全画面メッセージよりも画面中央のメッセージの方が効果を上げることが出来るでしょう。

全画面型は、画面下部のバナー型と比較すると、平均約3倍ものエンゲージメントを獲得します。また、全画面型は、ブランドイメージを洗練されたデザインで魅力的に写すことで特に効果を発揮するのです。結局のところ、ユーザーがアプリを選ぶ理由は、このような効果に左右されることが多いです。

アプリ内メッセージには、ブランド体験を向上させるものもあれば、ユーザーに価値を与える効果が高いものもあります。CVRのデータにおいては、画面中央型の通知が最も効果的でした。

アプリ事業者は、CVはまとめて考えるのが難しい指標であるという点に注意しましょう。その1つにマーケターがそれぞれに異なった目標を抱いているからという理由が挙げられます。しかし、全体的には、画面中央型のアプリ内メッセージを受け取ったユーザーの7.2%が、要求されたCVイベントを7日以内にこなしてくれました。全画面の通知では、2.9%に留まっています。

コンバージョンはテクニックだが、リテンションはその先にある

アプリ内メッセージを使ってユーザーに情報を届けることで、ユーザーのアプリに対する忠誠心を向上させ、熱心に使ってくれるユーザーを生み出すことができます。しかし、これはあくまでもブランド認知を広げる過程の1つに過ぎず、高いリテンション率の維持を達成した先に初めてモバイルマーケティングの最終目標があるということを忘れてはいけません。

調査方法

今回の記事では、メッセージ機能を内蔵したiOS、Androidアプリを参照しています。エンゲージメントを、「アプリ内メッセージを受信してから7日以内にユーザーが達成したセッションの数」と定義しました。また、CVRを「メッセージの受信から7日以内に要求したイベントを実行に移したユーザーの数」と定義しています。2018年2月1日から、2018年5月31日にかけて行われた調査を参考にしています。

この記事は、Localytics社のブログ"In App Messaging the Mobile Marketers Secret Weapon"を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載するものです。Repro published the Japanese translation of this original article on Localytics in English under the permission from the author.

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