2020.02.14
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F2転換率は、収益を左右するリピート購入の状況を把握するための重要な指標です。この記事に辿り着いた方の中には、F2転換率について詳しく知りたいという方や、F2転換率が伸び悩んで困っているという方もいらっしゃるかと思います。
今回はF2転換率の算出方法から重視すべき理由、F2転換率を下げてしまう要因、F2転換率を高めるポイントについて解説します。
F2転換率とは、新規顧客のうちどのくらいの割合が2回目の購入をしたかを示す指標です。リピートにつなげるために行っている施策の効果や、商品やサービスへの満足度を測ることができます。
F2転換率のFとはFrequencyの略で頻度を意味し、2は購入回数を示しています。同様に、3回目の購入に転換した場合はF3、4回目の購入に転換した場合はF4と表現します。
ここではF2転換率の算出方法とともに、F2転換に関係するコストの計算方法を紹介します。F2転換率は下記の式で求めることができます。
F2転換率(%)= 2回目の購入をした顧客数 ÷ 新規顧客数 × 100
F2転換率に関係するコストは以下のようなものが挙げられます。
CPOとはCost Per Orderの略で、受注や成約1件あたりにかかった広告費を指し、以下の式で求められます。
CPO = 広告費用 ÷ 注文数
F2転換CPOは、F2転換1件あたりにかかった広告費のことを指し、以下の式で求められます。
F2転換CPO = CPO ÷ F2転換率
ここで、初期のF2転換CPOと、CPOが下がった時のF2転換CPO、さらにF2転換率が上がったときのF2転換CPOの比較をしてみましょう。
F2転換CPO = 20,000 ÷ 20% = 100,000
F2転換CPO = 16,000 ÷ 20% = 80,000
F2転換CPO = 20,000 ÷ 25% = 80,000
CPOを下げた場合、F2転換率を上げた場合ともにF2転換CPOの値は下がります。しかし、CPOを下げるには受注数を増やしてCV率を改善することなどが必要ですが、この改善は容易ではないため、F2転換CPOを下げるにはF2転換率の向上を狙った方が効果的なのです。
マーケティングの法則に1:5の法則というものがあります。新規の顧客を獲得するコストは、既存の顧客を維持するコストの5倍かかるという法則です。新規顧客は獲得コストが高く利益率が低くなるため、収益性を高めるためには既存顧客の維持がより重要となります。
また、新規顧客による1回目の購入だけで利用が終わってしまうと、広告費の回収ができません。新規顧客はF1とあらわしますが、F1で終わった顧客を放置すると、後からどんなフォローをしてもF2転換をすることがなくなり、今後購買する確率がほぼ0になります。そのため、1年以内にF2転換をする施策を行う必要があります。
ビジネスは広告費を使用して新規顧客の獲得のみを行うのではなく、顧客をリピーター化し、アップセル・クロスセルなどの施策を用いて売上向上につなげるのがセオリーです。顧客がF2転換するということは、F3、F4へとつながる可能性を高めることにもなるため、最初にF2転換させられるかどうかは今後の売上に大きく影響します。
さらに、F2転換した顧客は手元に顧客情報があるため、顧客の嗜好などのデータがわかるようになり、適切なアプローチができるようになります。そのため、既存顧客への適切なタイミングやチャネルでのアプローチによって、広告費の削減につなげられるメリットがあります。
加えて、2020年現在、新型コロナウイルスの感染拡大により、コロナショックと呼ばれる長期的不況に見舞われています。これは、ECサイトなどのオンラインマーケティングも例外ではありません。こうした拡大傾向にある長期的不況下においては、新規顧客コスト(CPA)はさらに膨れ上がります。しかし、不況下においてリピート率を高めるマーケティングは、コスト削減と収益を両立できる点で効果的です。
このように、F2転換率を高めることで商品・サービスの利用継続率の向上につながり、既存顧客の利益が安定的にもたらされれば、新規顧客獲得にコストを大きく割く必要がなくなります。
品質が悪く、魅力が薄い商品は売れ続けることがないのは明らかです。誇大広告を行っている商品も、広告の内容と実際の商品の品質に大きな差があるので、継続的に売れることはないでしょう。
また、初回購入後のフォローがない場合もF2転換率を下げる要因です。顧客は、商品を初めて購入する際、「コストに見合うだろうか」「企業のサポートはしっかりしているだろうか」といった不安を持っています。そのため、商品そのものがもたらす効果だけでなく、アフターサービスやフォローも含めた顧客体験が悪いものであれば2回目の購入には至りません。F2転換率を上げるには購入後のフォローメールを送付したり、電話で使用感を聞いたり、ダイレクトメールを送ったりする施策を打ち出す必要があります。
さらに、初回購入時の商品にセールやキャンペーンのチラシが目立つように入っている場合も、F2転換率を下げる可能性があります。信頼関係を築く前にしつこい販促を行うと、顧客は継続して購買する気にはなりません。したがって、F1の時点では販促よりも会社や商品についての情報を伝えることに注力しましょう。
その他にも、食品や日用品などで安全性を損なうような事態や、急激に価格を引き上げる施策は顧客離脱の原因となり、F2転換率を下げてしまう要因になります。
ここではF2転換率を高めるために重要なポイントの中から、3つご説明します。
リピート性の高い商品を多く取り扱うとF2転換率を高めることができます。リピート性の高い商品の特徴としては、
などが挙げられます。
また、商品に付加価値をつけることもF2転換率向上につながります。ポイント制の導入や次回購入時に使用できるクーポンの同封、送料無料などは多くの顧客を惹きつけます。
しかし、多くの特典をつけることは企業にとって大きな負荷となりますので、特にF2転換率の悪い商品にのみ多くの特典をつける、割引率を高くするなどの工夫をすることで、負担を抑えつつ効率的に収益を上げることができます。
顧客満足度とは、顧客の商材に対する満足度を数値であらわしたものです。顧客満足度が高くなるほど顧客が商材に対して抱くイメージが良くなり、売り上げ、訪問数、F2転換率、リピート率の向上に結びつきやすくなります。
顧客の商材に対する期待値は、商材の基本的価値をあらわす「機能的価値」と従業員などの人間が提供する「感情的価値」で構成されます。例えば、何気なく宿泊を決めたホテルの接客が期待以上であった場合は、サービスの感情的価値が期待値を上回ったということになります。
ここでさらに詳しく、顧客満足度を向上することによるメリットと向上させるための手法を紹介します。
顧客満足度の向上によるメリットはおもに3つあります。
ひとつ目は顧客の増加です。顧客満足度の向上により既存顧客のリピーター化が進み、安定的に顧客を増やすことができます。さらに、顧客満足度が一定以上向上すると、顧客の企業に対する愛着度も向上します。これにより、愛着度が高まった既存顧客が商品・サービスの伝道師として新規顧客を呼び込んでくれるのです。結果として、新規顧客、既存顧客の両者が増え、売上アップが期待できます。
ふたつ目はイメージの向上と潜在顧客の増加です。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った2018年度のアンケート調査によると、消費者が商品・サービスの購入時に重視する情報源の上位3つは、テレビ、口コミサイト、そしてSNSの投稿や写真という結果でした。多くの消費者が商材の購入時に、消費者発信の情報である口コミサイトやSNSの意見を参考にしていることがわかります。
そして、顧客満足度が高い顧客は口コミサイトやSNSに商材の紹介をする可能性が高い傾向があります。そのため、投稿が多くのユーザーの目に留まることによって潜在顧客が増え、自社のイメージ向上につながります。
3つ目は既存顧客のLTV向上です。LTVとは、顧客が生涯を通じて企業に与える利益のことです。LTVは顧客満足度が向上し、F2転換率やリピート率、1回当たりの購入金額が高まることで向上します。顧客満足度が高まるほどLTVが増え、企業の売上アップにつながるとされています。
顧客満足度を向上させるための手法は4段階あります。
ひとつ目は顧客満足度を調査し、現状把握に努めることです。そして、顧客が自社商品・サービスに対してどこに満足し、不満を持っているかを把握します。
ふたつ目は顧客満足度の調査分析です。改善点を見つけ出したら、顧客の不満を解消するための改善施策を立てましょう。改善のための仮説を立て、顧客と企業の考えの相違点を見極めることが重要です。
3つ目は顧客満足度調査を何度も行うことです。1回の改善施策だけでは、施策の正当性の検証は難しいでしょう。改善を正しく行うためには調査、分析、施策、改善のPDCAをスピーディーに行うことが重要です。
4つ目は顧客体験の向上です。顧客と自社の接点を増やして顧客体験の質を向上させることが大切です。メールやSNSなどで適切なタイミングで顧客とコミュニケーションを取り、顧客に信頼や親しみを感じてもらうように努めましょう。特にメールなどの1対1のコミュニケーションチャネルにおいては、顧客の購入履歴などをもとにアプローチの内容をカスタマイズし、顧客に合わせた情報提供を行うことが重要です。
特にECサイトの場合、サイト上での体験をより良いものにすることは、F2転換率を高めるためにも重要です。
F2転換を狙う場合、顧客はすでに一度サイトを使って購入に至っているということになります。もし初回購入の際にサイトの使い勝手が悪かったという印象を与えてしまっていた場合、サイトの利用を躊躇ってしまいF2転換につながりにくくなってしまいます。反対に、わかりやすく使いやすいサイトだったという印象を残すことができれば、リピートに前向きになってもらえる可能性が高まります。
以下はあくまでも一例ですが、こういった顧客に与える体験の良し悪しに関わる要素について、自社のサイトに問題がないか改めて確認してみましょう。
この記事ではF2転換率の説明と重視すべき理由、F2転換率を下げてしまう要因と向上させるポイントについて解説してきました。F2転換率は顧客維持を行い、リピート率を上げるための重要な指標です。F2転換率をアップし、売上向上につなげましょう。
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